惑星探査ゲーム『No man’s sky』のPS4版が本日発売されました。
本作のウリは、他に類を見ないほどに広大な世界。合計で1800京個を超える惑星と、そこに生息する生き物、植物、地形などが全て自動生成されているというのだから驚き。
しかも制作チームはわずか15人という、実質上のインディーズゲームなのでさらに驚きです。
プレイヤーは宇宙パイロットとなり、探索・戦闘・交易などを繰り返して「宇宙の中心」を目指します。
一年以上前からずっと楽しみにしていたゲームです。実は待ちきれなくて北米版をすでに少しプレイしているのですが、日本語版のプレイレポートをお届けします。
ゲームの性質上ネタバレはほぼありませんが「雰バレ(こういう雰囲気のゲームなのね、というのがバレて自分でやったときに新鮮さが失われる現象)」は多分に含まれています。お気をつけください。
宇宙船の修理
ゲームを始めると、目の前に破損した宇宙船が転がっていました。どうやら私はこの惑星に不時着したようです。
惑星の名前は『すやめやがん』…………『すやめやがん』!?
どうせ不時着するならもっとかっこいい名前の惑星に降り立ちたかった……。まあいいか。
すやめやがんの気温はマイナス16度。死ぬほど寒い。
とりあえず歩き回りながら、宇宙船の修理に必要な鉄を採取していきます。
ちなみにこのゲーム、「岩からなんかを削りとってるターン」がプレイ時間の約4割を占めます。
作業ゲーかと訊かれたら全力で頷くしかないので、そういうのが苦手な人には向いていません。
鉱石を採掘していたら、センチネル(宇宙警察ロボみたいなもの)が集まってじっと見つめてきました。
どうやら無断での鉱石採取は違法らしいので「え?なんですか?」と万引き主婦のような態度でやりすごします。
初めての陸上生物を発見。デカいイグアナのような生物で、近づいたら慌てて逃げて行きました。
生物情報をスキャンしてお金をもらうこともできます。
順調に修理用資源を集めていると遠くに何か発見。あれはもしかして……。
金だーー!!!
金は高く売れそうなので採取しまくったら必要な資源が入らないほどにインベントリーがパンパンになってしまいました。
星新一のショートショートに「金が豊富な星で調子に乗って採掘しまくったら重さで船が飛べなくなって帰れなくなった」みたいな話がありましたが、似たようなことをしている。
いつのまにかとっぷりと日が暮れて、空がこの世の終わりみたいになってました。気温はマイナス46度になりました。この星は私を殺す気かよ。
ちょうどよく宇宙船の修理も完了したので、朝になるのを待ってから惑星を飛び立つことに。
ちなみによく見たら自分の宇宙船の名前は「らさまま」でした。
らさまま。
次の惑星へ
ついに宇宙へ飛び立つ「らさまま」
そこそこ苦労したので感動もひとしおです。寒いわ辛気臭いわで正直いい思い出ない惑星だったけど、やっぱり最初の星は印象深い。
ありがとう、す……なんだっけ……「すやめがやん」か。すやめがやんありがとう! 忘れないよ!
ごめん、もう忘れた!
次はもっと覚えやすい名前の星を頼む!
ハイパードライブ航法で向かう新天地の名は「おえつなかどブチェン」でした。ちくしょう。
降り立ってみると外気温がマイナス60度でした。はい無理。
さようなら、おえつなかどブチェン。
さらに次の惑星へ
次に向かう惑星は「ルジャタランテレドス」。今までのに比べるとかっこいいぞ!
ちなみにこの移動は超高速ワープを使っても2分とかかかるのでマンガ読みながらプレイしています。
なんと、海のある惑星のようです。過去2つは不毛の惑星だったので期待が高まります。
なんか珍しい生き物とかいるかもしれない。美輪明宏とか。
美輪明宏はいませんでしたが、緑色のシカみたいなのはいました。かわいい~。
名前はアウバタエ ヒャエヌルトル。名前はかわいくない~。でも見た目はかわいい~。おいで!
……と思っていたらいきなりヒャエヌルトルに全力で体当たりされました。痛い、なんで!?
生物図鑑を見ると「気質:悪名高い」「食事:肉食」と書いてありました。
獰猛な肉食のシカが闊歩する惑星だったのです。ダークサイドに堕ちた奈良。
水中に潜ってみると、ワニとサメの間みたいな魚(性格はおとなしい)がいたり、
絶対に懐いてほしくないタイプの生き物が泳いでいたりしました。
生命になかなかの多様性があります。
水から上がってみると、空中に浮く岩が逆光で輝いていました。美しい光景です。
豊かな水と生態系。美しい景色。3つめにしてかなりいい星を引き当てた気がします。
欠点はちょっと水に浸かるだけで体力がゴリゴリ削れていくほど放射能まみれなことくらいです。
しばらくはここで活動していこうと思います。ルジャ…なんとかで。
まとめ
ふと気付いたら2時間ほど遊んでいました。
プレイして思うのは、楽しいけどかなり人を選ぶゲームだということです。
ゲーム中のほとんどの時間を資源の採掘とワープ移動に費やされます。惑星も、自動生成なので「洞窟の奥に宝箱が!」というワクワクはありません。ただ世界があるだけ。
自動生成の宇宙に単調さを見出した人はすぐに飽きてしまうかもしれません。
でも私はこのゲームが好きです。
それはゲームの出来よりも、どちらかといえば大それたコンセプトへの賛辞を込めた愛情です。
見上げた空に星が浮かび、星の全てに起伏ある大地があり、生命がある。それが単調なパターンだとしても、いま自分がいる場所が果てしない世界のほんの一部でしかないという強い感覚を抱かせてくれます。ただあるだけの世界が、ここまで途方もなく大きいゲームはかつてありませんでした。
また、制作チームはこれから追加アップデートを重ねることを宣言しています。
このゲームがこれからどう変化していくかも含めて、『No man’s sky』はとても興味深いゲームです。