
毒状態で失礼します。ライターの寺悠迅と申します。
僕はちょっとやそっとの状態異常ではやめられない程度にゲームが好きですが、皆さんはいかがお過ごしですか。ご壮健であらせられますでしょうか。

ところで、マリオシリーズには『ジュゲム』というキャラクターがいるのをご存知でしょうか。
雲に乗り、遥か上空からトゲトゲの武器を投げ落とす殺意高めなヤツですが、マリオカートシリーズ等では大会運営ポジションに収まっているなどフレンドリーな一面もあります。

彼の名はジュゲム、投げるはパイポ。
然り。教養溢るる読者の皆様におかれましては、即座に落語の『寿限無』から名づけられているとお気づきのことと存じます。

※語句・表記には複数のパターンがあります
落語『寿限無』~あらすじ~
「赤ちゃんに縁起の良い名前をつけよう!」
てなワケで! お寺の和尚さんからいくつか候補を貰ったものの、決めきれないから思い切って全部盛りにしたら……長~い名前になっちゃった!
では、寿限無を由来としているマリオキャラクターは他にどんなヤツがいるのでしょうか?


寿限無由来のヤツこれだけ!?
あんなに長~い寿限無から、たった6体だけ!?

そんでもって、2012年のNewスーパーマリオブラザーズU以来、一つも寿限無由来のキャラクターが増えていません。
亜種はたびたび登場するものの、フィッシングジュゲムやカミナリジュゲム、クモリジュゲムだのキングジュゲムなどと命名されており、カイジャリやスイギョといったキャラクターは一向に登場せず……

初出:スーパーマリオワールド(1990,SFC)
ずっと思ってるけど、どうしてお前は『スプーク』なんだよ。命が擦り切れたあとなんだから『スリキレ』とかじゃダメだったのかよ。
マリオ生誕以来、半世紀近く経ってこの状況ということは、あと半世紀を要しても寿限無ネーミングをコンプリートすることは無いのでしょう。
口惜しいねえ。おれだってスーパースターの後ろ姿を追ってきたという点ではジュゲムブラザーズ※1みたいなもんだぜ。
それが寿限無コンプを見ることなく、カロン※2に誘われるまま冥府の川を渡るハメになっちまうなんてさ。
※1…スーパーマリオ64でマリオの活躍を撮っていたジュゲム。
※2…ギリシア神話に登場する冥界の川の渡し守。マリオシリーズのヤツではない。
今からでも本名を寿限無(以下省略)に改名して長生きを試みるのも一つの手ですが、役所の手続きがあまりにも面倒。
現実的な解決策としては――

――これだな。

ただし、これから登場するであろうキャラクターを予想してしまうと、ポケモンの嘘リークみたいでよろしくないかもしれません……ので!

聞く人が聞けばすぐにウソとわかる『ニセの歴史をあったかのように語る形式』で行こうと思います。がんばります!
偽史って「がんばります!」ってスタンスでやっていいの?

マルチバースで言うこっちの世界の話です。マリオギャラクシーを経ているならそういう銀河もあるかもしれない。飛び出してゆけ宇宙の彼方。
ロードちゅう…

「パイポ」「シューリンガン」「グーリンダイ」のTips
ロードちゅう…
ゴコウ

嘘初出:スーパーマリオワールド
好戦的なジュゲム族。パイポ投げだけでなく、自ら急降下して体当たりまでしてくるぞ。
よくある色違いの強化敵です。金斗雲カラーになってるあたり、ゴコウだけどゴクウ(孫悟空)に引っ張られてる気もする。
頭上にパイポを構えたまま急降下してくるので、踏みつけようとしたら返り討ちに遭います。
普段はジャンプも届かないくらいの高さにいて、時たま地上へ急降下するという挙動は、マリオ3やUSAの太陽を思い浮かべてください。イヤさが伝わると思います。
スリキレ

嘘初出:New スーパーマリオブラザーズ U
ジュゲム族のエリート。まるでスナイパーのようにマリオめがけて直線的にパイポを投げ飛ばす! 2匹セットでやってくることも。
ハンマーブロスやファイアブロスのようなヘルメットを装備しています。メガネも強化ゴーグルだ。戦士の証。
かな~りイヤな強敵です。どれくらいイヤかというと水辺のハンマーブロスくらい。ゴコウの動きにプラスして、プレイヤーの動きを予測してパイポをぶん投げる「偏差撃ち」までしてくる。
マリオギャラクシーに出演時は追尾性能のある青コウラを投げてきて、マリカーシリーズからのまさかの逆輸入に界隈がざわつきました。
カイジャリ

嘘初出:スーパーマリオワールド
スイギョ(後述)が落とすトゲ付きボール。水中で爆発してトゲを撒き散らす。
パイポ、シューリンガンに続く投擲物シリーズ。初期設定(アルファ版ROM)では爆発じゃなくてトゲプクが生まれる卵のようなものだったとかなんとか。

初出のスーパーマリオワールドでは何発もトゲが飛び散ると処理落ちが激しくなる。ブルに並ぶCPU泣かせのキャラクター。
スイギョ

嘘初出:スーパーマリオワールド
水辺に現れるジュゲム族。雨を降らせてマリオを水に落とそうとする。投げるカイジャリ(前述)は水中で爆発する。
メガネの代わりに水中ゴーグルを装着しているのがチャームポイント。
大ジャンプのつもりが雨に流され水へドボン、そこへフグマンネンが……という凶悪コンボの苦い思い出はプレイヤーの脳みそに焼き付いているはず。
余談ですが、当時の4コママンガアンソロジーでシャワーの代わりにされるってネタをやたら見ました。子ども心に「被りすぎだろ」と思った記憶。
スイギョウマツ

嘘初出:マリオストーリー
忍法を使うスイギョ。一人称はひらがなで「せっしゃ」。語尾に「ゴザル」をつけて喋る。何やら『ひでんのしょ』とやらを探しているらしい。
スイギョウマツだよ
あれって チョンマゲかな?
オイラ ちょっとだけ あこがれちゃうな
さいだいHPは『20』で
こうげき力は『3』 ぼうぎょ力は『0』だ
すいとんのじゅつを つかって
トゲトゲの カイジャリを ぶつけてくるんだ
クリオくんは「ものしり」で助かるなあ。
スーパーマリオワールドで登場したスイギョから派生したネームドキャラクターです。「ノコブロスのとりで」で初登場して交戦することになります。
当時のゲーム画面(ブラウン管)では潰れて見えなかったけど、甲羅、唐草模様だったんスね。
ノコブロスとスイギョウマツはもともとは一つのキャラクターだった。だが、4人組で忍者の亀はあまりにもミュータント・ニンジャ・タートルズ過ぎるので、別個のキャラクターとして作り直された。
……という裏話を語ってるショート動画をよく見かけますが……「モルフォンとバタフリーのグラフィックが実は逆」を大真面目に語るくらい正気の沙汰ではないので、お友達に伝えるのはやめましょう。
ウンライマツ

嘘初出:マリオストーリー
雷雲に乗って再登場。「シノビたるもの負けてはならない」という里の教えを守るため、自分はスイギョウマツなどという軟弱者ではないと言い張っている。
ウンライマツだよ
どうみても スイギョウマツだけど・・・
ほんにんが そういってるから そっとしておこうか
さいだいHPは『40』で
こうげき力は『4』 ぼうぎょ力は『0』だ
カミナリを チャージ しているときは
ちょくせつ こうげきしちゃダメだよ
こっちが ダメージをうけちゃうんだ
名前を変えて再戦を挑んでくるや~つです。
マリオストーリーには同じく再戦系のコワッパがいましたが、向こうが己を誇示して復讐してくるのに対し、こっちは別人のフリをしてくるのが対比になっている……気がする。
フウライマツ

嘘初出:マリオストーリー
積乱雲に乗って再々登場。洪水を起こし、雷を落とし、暴風を巻き起こすことができるようになった。もはや『ひでんのしょ』も必要ないらしい。
フウライマツだよ
まっくろで 大きな 雲がおそろしいね
さいだいHPは『60』で
こうげき力は『5』 ぼうぎょ力は『0』だ
カミナリこうげきは とっても ダメージが 大きくてキケンだ
風おこしこうげきも ちょくげきすると
ムリヤリ なかまチェンジ させられちゃうよ!
まさに あらし みたいな つよさだけど・・・
がんばって つよくなったのは 雲のほう だよね?
ほんにんが つよくなったって いえるのかな?
画面からはみださんばかりのサイズに、攻撃が多彩だわ痛いわで強烈な印象が残ってます。
あと戦闘BGMがめっっっちゃイイんスよ。あのくぐもった太鼓の音は決して音質が悪かったとかじゃなく、遠雷を表現していた。おれにはわかる。不死身のドガボン戦共々はやくNintendo Musicで聴けるようにならんかな。
人は皆、人生のどこかで『九字(リンピントウシャカイジンレツザイゼン)』に触れるはずですが、僕はこいつのセリフが初めてだった気がします。

寺悠迅
私野台詞
JUNERAY
めいと
まきのゆうき
藤原 仁







