こんにちは、ペンギンです。

 

 

あ~

 

 

 

 

 

 

もっと言葉で遊びたいなあ。

 

 

僕はルールを作ったり見つけたりする遊びがとても好きなのですが、言葉はルールの極致と言っても良い世界です。

文字、発音、文法、単語、構造。どれをとっても、ルールしかありません。ルールに次ぐルール。ルールのルール。

そこにルールがあれば、いくらでも遊べます。

 

 

ぬまづ」は「うあう」なので、五十音表の母音の並び方でいうと、2つ上に上がって2つ下に下がります。Λ(ラムダ)」型の単語と考えられますね。

じゃあ例えば「√(ルート)」型の単語は何があるでしょうか?「えうおああ」だから「目黒川」とかですかね?

 

 

でも、これって「既にあるルール」という巨大な制約の中に閉じ込められながら遊んでるだけなんです。

五十音表は、「あ」が一番上で、「いうえ」と続いて、「お」が一番下、という、誰かから与えられた条件に囲われた庭の中での遊び。

 

もうそろそろ、この庭から外へ出てみたい。

もっと、自分のルール・自分の感覚で言葉をもてあそびたい。

 

 

そして、見つけました。

今よりもっと言葉をもてあそぶ方法。

それは、

 

 

モールス信号です。

使う文字はトン(・)ツー(-)のたった2種類のみ。この組み合わせだけで、あらゆる文字を表すことができます。

※因みに言葉の定義としてはどうやら、無線通信とかで使う電気信号の場合は「モールス信号」、今回のように文字に起こす場合は「モールス符号」という使い分けがあるようなのですが、面倒くさいので以降「モールス信号」で統一します。

 

幸いなことに僕は、モールス信号のルールをほとんど全く知りません。

「モールス信号(・-)」を使って自分の感覚で勝手に暗号を作れば、今よりもっと言葉をもてあそぶことができるのでは?

 

 

ということで今回は、僕が考えたオリジナルのモールス信号を作って遊んでみたいと思います。

オリジナルなので、何の意味もありません。誰とも通信できません。

ただただ、僕が遊ぶためだけに生み出される文字体系です。

 

遊び方

①自分の感覚/ルールで暗号表を作る

まず、ひらがなをモールス信号に変換する暗号表を作ります。

例えば「“あ”“・・・-・”っぽいなあ~」とか「“い”“-・-”だよね!」のように、本来の正しい暗号表はフル無視で、感覚で作っていきます。

自分の感覚で文字を作れるの、楽しい~!!

 

今回は、最大5回のトン(・)ツー(-)の組み合わせを使って、全部で62種類の文字を作ります。

(聞き流してもらって良いですが、計算式としては一応、”・”か”-”のどちらかを選ぶ操作を最大5回まで繰り返した合計なので、22×22×2×22×2×2×22×2×2×2×2248163262、のはずです)

 

五十音(とかを抜いて全46個)を作ってもまだ余りがあるので、小文字10個(ゃゅょっぁぃぅぇぉゎ)、句読点2個(、。)、伸ばし棒(ー)、濁点(゛)、半濁点(゜)、ハテナマーク(?)を入れて、ぴったり62種類にします。

 

②誰かに適当に文章を書いてもらう

次に、誰でも良いので協力者を捕まえて、何でも良いので適当に文章を書いてもらいます。

これが、暗号の元になる文章となります。

もちろん、この時点で僕は文章の内容を知りません。

 

③文章を自動で暗号化する

次に協力者自ら、書いた文章を全自動ロボット的なものに入力してもらいます。

ロボットは、僕の暗号表と照らし合わせることで、文章を自動で暗号にしてくれる優れものです。

こういうロボを開発すれば、僕は元の文章を知ることなく、暗号だけを読むことができます。

 

④1ヶ月くらい寝かせて暗号を一旦忘れる

ここが大事な工程です。一旦、暗号を忘れます。

なぜかというと、暗号作りたてホヤホヤのタイミングで解読しようとすると、「“あ”“・・・-・”だったはず」とか「“い”は確か“-・-”にしたと思う」というように、記憶で勝負してしまうからです。

僕がやりたい遊びは記憶力ゲームではないので、自分から短期記憶がはがれ落ちるのを待つ必要があります。

もし1ヶ月経ってもくっきり覚えているようであれば、期間を延ばして忘れるまで待ちます。

 

⑤暗号化された文章を受け取る

1ヶ月経ったら、ロボットが僕に例の暗号化された文章を渡してくれます。

 

⑥暗号化された文章を自分の感覚/ルールで解く

ここが今回の遊びのメインです。

暗号化された文章を、記憶ではなくもう一度自分の感覚/ルールにしたがって復号します。

こうすることで、「時間が経過しても自分の感覚/ルールは不変なのか?」を検証することができますし、答えが自分の中にしかないのに読めない・解けないというもどかしさも味わえそう。

書いているだけでワクワクしてきました。果たして、解読することはできるのか!?

 

⑦解けて嬉しい!

解けた時の気持ち良さは、さぞ格別でしょう。

1回だけチャレンジして成功/失敗して終わり、ではなく、完全解読できるまで何周もチャレンジします。

 

それでは①から順に準備を進めていきます。

準備は良いからさっさと復号編を読ませてくれ!という方は、こちらからどうぞ。

復号編に飛ぶ

 

暗号作成編

まずエクセルにこんな感じの五十音表を作って、

 

このひらがなはモールス信号に置き換えたらこうだな、と感覚で信号を埋めていきます。

 

今回は「あ」から順番に、ではなく、「感覚の重い順」に埋めます。

誰が何と言おうと絶対にこれはこう!という確信強めの文字から順に埋めるということです。

 

僕が真っ先に埋めたのは

 

「ほ ⇒ -----」です。

なぜかというと、それが自分の中で一番重い感覚だから、としか言いようがないのですが、あえて言語化してみると、ひらがなの中で一番直線ルートが多くて濃度の高い文字に対しては、モールスの中でも一番濃度の高い最上級の組み合わせを充てがいたかったからです。

 

この感覚は自分の中でかなり強くて、1ヶ月どころか1年経っても10年経っても、「ほ ⇒-----」って言うと思います。

「”ぬ”の方が濃くない?」とか「”-・-・-”の方が濃そうじゃない?」など、色んなご意見があるかと存じますが、僕の感覚でいかせていただきます。

 

という流れで強い順に埋めていくと、例えば「ひ⇒・-・」にしたかったのに「へ⇒・-・」で既に使われている!という事態が生じます。

 

同じ組み合わせが被ると暗号として機能しなくなってしまうため、他と重複している組み合わせは自動で赤く表示されるようにしました。

エクセルって便利。
(※やり方:B列全体を選択して、ホーム>条件付き書式>セルの強調表示ルール>重複する値)

 

じゃあ仕方ないので、「へ⇒--・」にするか。

という風に、後半にいくにつれてどうしても妥協ポイントが増えていきます。

そもそもたとえば「し」「つ」なんて同じ形と言っても良いくらいなので、どちらかは絶対妥協するしかないんですよね。

うまく妥協しながら、1つずつ暗号を作っていきます。

 

全ての文字を埋め終えたら、モールス部分を黒塗りして読めないようにします。

これで暗号作成は完了です。

 

元になる文章を書いてもらう編

続いて、協力者を見つけて文章を書いてもらうのですが、

 

協力者に自分で暗号化させるのは、難しすぎます。

僕が作った意味不明な暗号表を片手に、1文字ずつ照合してモールス信号に置き換えて……

面倒くさすぎますし、何より暗号の転記ミスが発生する可能性、非常に高いです。

そのため、先ほど紹介した通り、

 

文章を入力したら全自動で暗号に置き換えてくれるロボットを作りましょう。

 

そのロボットとは、

 

エクセルです。

 

オレンジ色の箱にひらがなを入力すると、

 

下の段に自動で、対応するモールス信号が表示されるようにしました。
(※やり方:A12セルに「=VLOOKUP(A11,’暗号表のタブの名前’!$A:$B,2,FALSE)」を入力)

 

エクセルに文章を入力するだけで勝手に暗号が出来上がるという寸法です。

入力し終わったら、ひらがな部分を黒塗りしてもらって僕に提出すれば、完了。

これくらいの(意味不明だが簡単な)労なら、ご協力いただけるのではないか?

 

ということで、

オモコロ編集部におそるおそる相談してみたところ…

 

 

やったー!!!!

「よくわからないけどなんか考えます」って、なんて力強い言葉だろう。

「自動で僕のモールス信号に変換されるようになってます」とか言ってくる輩の相手をする仕事。

 

ありがたいことに、オモコロ編集部の4人から暗号を受け取ることができました。

 

僕はまだ記憶が新鮮なので暗号を見ていませんが、皆さんには先にお見せしましょう。

(便宜上、文字と文字の間に「/」を入れています)

 

おおっ

 

おおぉぉっ

おおおおっっ!

 

おおお!!!

 

暗号っぽくなったなあ!

 

果たして解読することはできるのか!?

編集部から突如送られてきた謎のメッセージの正体とは!?

1ヶ月後にワープしましょう。