僕の名前は、マッハ・キショ松。群馬県出身の24歳。
ともだちが まったくいません。
中高生の頃からインターネットばかりやってました。18歳くらいのときに「このままBOOK OFFとパソコンの往復ばかりしていたら一生、友達も彼女もできない」ということに気付いて、大学デビューしようと思ったんですけど、ついニコ動のゲーム実況にハマっちまってさ。ほとんど学校に行きませんでした。
今はWebライターをやってます。仕事のために一日何時間もパソコンに向かって、仕事が終わった後は繁華街に飲みに行く……相手がいないので、インターネットで暇つぶし。毎日そんな感じ。要するに、まったく友達ができないまま、大人になっちゃったんですよ。
今後の人生もずっとぼっちかもしれない、と思うと不安で仕方ありません。が、こんな状況を打開する一発逆転・友達できまくりモテまくりドリームを叶える方法を思いつきました。
クラブDJになればいいんです。
DJになれば音楽をかけるだけで、みんなの注目を浴びれるじゃないですか。そうすれば友達がわんさかできるはず。しかも、機材をいじってるだけでムチャクチャかっこいいから、モテまくること間違いありません!
そして売れっ子DJになれば金も儲かります。海外には億単位で稼ぐDJが何人もいるんですよ! 友達ができて、モテまくって、金まで手に入る!!
まさに、いいこと尽くめのDJドリーム!
【参考記事】
・億万長者が何人も。。海外DJの年収が異次元すぎる – NAVER まとめ
・DJ長者番付2013が発表!1位は46億円で29歳のカルヴィン・ハリス! – ABC振興会★洋楽ミュージック課
母ちゃん、オレ、やっとやりたいことが見つかったよ!
尾崎豊くらいしか聞かねえけど、DJになって友達を100人単位で作っちゃうんだ!
うっふふー! 2トントラック何台分くらい作れるかなあ~♪
素人だけど、クラブでDJをやってみた。
クラブDJになるには、まずはイベントスペースを確保しなくてはなりません。……でも、どうすればいいんだろう?
【参考記事】
・ DJイベントができる都内のスペース – NAVER まとめ
・ DJブース1時間なんと1,000円から!平日でも格安ブースレンタルできる都内のDJバーまとめ。 | 592
Google先生に聞いてみたところ、都内にはDJイベントができる場所はけっこうあるらしい。イベントが無いときは、練習する人などのためにブースを開放しているところもあり、1時間1~2000円くらいでレンタルできます。DJって、意外とチャレンジしやすいんですね。
でも、今回の目標は人気者になって友達を作りまくること! チマチマ練習なんてやっていられません!
色々検索した結果、今回は渋谷にある「東京354クラブ」さんで、火曜日20~23時まで、3時間やらせてもらうことにしました! 曜日や時間帯によってプランが分かれていて、月~木曜日の15~23時なら2万円でホールのレンタルができるそう。結構お手軽な値段で貸し切りできちゃうものなんですね。 クラブイベントって正直もっと莫大なお金がかかるのかと思ってました…。
人をたくさん呼べれば入場料やドリンク代などでお金がもらえるし、これなら当然、黒字になる可能性だってある! DJになってできた友達から、金取りまくって大儲けしたるでえええ!!!
……って、DJ経験者ならスムーズに話が進むんでしょうが、僕は、DJの「でぃ」の字も知らないド素人。ここからどうしたらいいのかさっぱり分かりません。
とりあえずパーマでも当てようかと思っていたんですが、ありがたいことにDJイベントに詳しい人から話を聞くことができました。その名も、DJ急行さんです!
■DJ急行 プロフィール
新宿歌舞伎町にあるライブハウス「新宿ロフトプラスワン」で、司会者としてネットカルチャーやサブカルチャーのイベントを数多く主催。また「秋葉原MOGRA」では「秋葉原三丁目」などのクラブイベントも主催するオーガナイザー。髪が結構長い。
「はじめまして。DJ急行です。」
「どうも、はじめまして。DJキショ松です!」
「え?」
「え?」
「いや、その名前はありえないでしょ。ちゃんとDJらしくてかっこいい名前つけなくちゃ、お客さん来てくれないよ。そんなんじゃイベントの告知もできない!」
「こ、告知って自分でやらなきゃいけないんですか!?」
「当たり前でしょ!! 箱(イベントスペース)借りただけで人が来るわけないでしょ! お客さんを呼ぶ能力も、DJには必要だよ。
とりあえず、興味を持ってもらえるようなDJとしての名前・プロフィールは必須。それから、フライヤーを配ったり、SNSとかWebサイトでイベントの宣伝しなくちゃ!」
イベントの告知をする!!
なるほど……ただ音楽をかけてれば、人気者のDJになれるってワケじゃないのか!!
まずは、ちゃんとしたDJになるためにもプロフィールを作らなくてはいけません。DJ急行さんに、様々なジャンルのDJのプロフィールをツイートするbotを教えてもらいました。
幼少より慣れ親しんだJAZZ、SOUL、LATINのルーツサウンドを HOUSE MUSIC としてダンサブルにプレイへと昇華。 キャリアに裏付けされたDJスキル、そこから生まれる絶妙ミックス、狂いなく刻まれるリズムはフロアを熱狂の渦から極上の高揚感へと導くこと必至!
— DJのプロフィールbot (@djprofbot) 2015, 3月 15
フロアの空気によって時にメロディックに、時にグルーヴィーに展開される唯一無比のDJスタイルは最新にして独創的。既存のエレクトロニックミュージックとは一線を画す彼女の空間を拡大し続けている。
— DJのプロフィールbot (@djprofbot) 2015, 3月 14
「ダンサブル」「グルーヴィー」など聞きなれない言葉がわんさか入ってて、素人目にも、なんかDJっぽいぞ……! でも、よっぽどDJ界隈に詳しくなくちゃ、こんなの自力で思いつくワケがねえ!
そこで、DJプロフィールによく使われる単語をまとめたツイートも紹介してもらいました。
【DJプロフ用1】 オーディエンスを魅了、ジャンルの壁を超えた、唯一無二、フロアをロック、ネクストレベル、クロスオーバー、概念、自由、多種多様、重要人物、表現方法、フィールド、活躍が期待、高い評価、大きな支持、個性が溢れる、記憶に新しい、目が離せない、枠にとらわれない (続く)
— 香咲@リトルノア813287 (@ytkkzk) 2014, 3月 26
【DJプロフ用2】 おもちゃ箱をひっくり返したような、界気鋭の、と共演、~才から~し始めて、目に留まり、と親交が深い、確かな、多彩、音楽性、発揮、スキル、虜、現場感覚、裏打ち、した経歴、挑戦、スタンス、を武器に、融合、躍動、解き放つ、目線、象徴、存在、颯爽、大胆、域には留まらない
— 香咲@リトルノア813287 (@ytkkzk) 2014, 3月 26
ここに入っているような単語を盛りまくったプロフィールを作ればいいんですネ! これなら僕でも作れそう! 早速アイコン含めてツイッターのプロフィールを変更してみました。
いかがですか? かなりDJっぽいですよね! ウソを書けばもっとカッコよくなったと思うんですけど、プロフィールなので事実だけを書きました。やっぱ「カッコいいDJ」と「カッコつけてるだけのDJ」って、違いますもんね!
あ、DJ名は「僕の愛を、みんなに受け取ってほしい」という気持ちを込めて、「DJ KISS YOU松」に決めました。
よろぴきゅーん(・ω<)ノ☆
ここまでくれば、あとは写真などの素材を用意してフライヤーを作れば告知できます。今回は、知り合いのデザイナーの方に作ってもらいました。
ド素人だった僕も、すっかり様になってきましたネ! いかにもDJって感じです! むしろここまでやってDJじゃなかったら一体なんだって言うんですか!! 不審者ですよ!!
ちなみに「DOOR \1000/1D」とは、クラブ用語で「1000円で入場できて1ドリンクついてくるよ~」という意味らしいです。DはドリンクのDなんですね。
フライヤーができたら、次は配るのみ! 中目黒のオシャレな喫茶店に、フライヤーを置かせてもらえるかお願いしに行ってきました。
いや、受け取ってもらえそうだったんですけど、どうやら「とりあえずフライヤーをもらっておいて、担当者が後で置くかどうか判断する」というルールになっていたようです。飛び込みで手渡しても、必ずしも置いてもらえるわけじゃないのか……。自由に置いていいもんだと思ってましたが……。
どこに行ってもそんな感じなんでしょうか? 知り合いの喫茶店経営者に聞いてみました。
いわく「フライヤーはある程度の期間、店の中に置くわけだから、ある意味インテリアのようなもの。
手渡されたフライヤーを店に置くのにお金はかからないし、告知したい側からすれば置いてほしいという気持ちは分かる。だけど、お店側の気持ちを考えてみてほしい。
日々、お金や時間をかけて設備や小物を買い集めて、毎日掃除してお店の雰囲気を演出しているのだ。だから『今度イベントやるんです』って突然来た人に言われても、気に入らなければフライヤーを置かないのが普通ではないだろうか。
DJ KISS YOU松だっけ? ウチなら速攻で断るわ」
ちっくしょおおおおお!! せっかくフライヤー作ったけど、使えねえのかよ!!
フライヤーが頼めないなら、Web上で告知するしかありません。とりあえず、僕のTwitterアカウントに投稿だッ!!
キショ松改めDJ KISS YOU松のイベント日が決まったYO!溢れる音楽の世界に飛び込みにカモ~ん!カモカモん! KISYO NIGHT 3/17 20~23時 東京354クラブ (http://t.co/5Ytj6xKSjz ) pic.twitter.com/ZYwOrAniT0
— DJ KISS YOU松 (@apemankasakasas) 2015, 3月 10
このツイートのあと、フォロワーが30人ほど減りました。なんで?
あと、開催者自身で申請できる「iFLYER.tv」というイベント情報サイトもありました。ありがたい……!!
今回は使いませんでしたが、eチケットの発行などもできるようです。いつの間にか便利な世の中になってたんですねえ。
↑こうやって登録してみると、何だか本当にアーティストっぽい。だんだん自分が最初からDJだったんじゃないかという気がしてきました。
告知もできたし、あとはDJイベントの日が来るのを待つばかり……。ポーツマス条約の内容に反対する民衆が集い、負傷者数500人、検挙者2000人以上にものぼったという、日比谷焼打事件くらいの人数が、僕のイベントに集まってくれるといいなあ……!
どんな曲かけようかなあ……。
ヤバいッ! かける音楽が何も決まってないッッ!!
「急行さぁ~~ん! クラブイベントって、どんな曲をかければいいんですかッッ!?」
「なんなんだよ、そんなに急いで!
基本的にはお客さんが喜ぶものだけど、とりあえず自分の好きなものでいいんじゃないかなあ。」
「え! 好きなものでいいんですか!!」
「まあ、DJが楽しめないと、結局お客さんも楽しくないからね。
最近は、アニソンとか初音ミクあたりも若者にウケるよ。姿見の鏡がある控室を用意できれば、コスプイヤーも呼べるかもしれない。それだけでも、お客さんプラス10人くらいは来るんじゃないかなあ。」
「なるほど! 参考になりました! 好きなものでいいんですね!!」
―――そして迎えたイベント当日……