言っておくが趣旨からは外れてるんだからなお前たちは。怖すぎるから。

 

真っ黒な手

数年前、私がおそらく小学生の頃です。

当時、私たち家族は全員和室で寝ていました。押し入れの方に足を向けて、母、弟、私、父の順で寝ていたある日、深夜に私は目が覚めると、押し入れから真っ黒な手が伸びて父の足を掴んでいるのを見ました。

恐ろしくて目を瞑り眠れないまま父に抱きついて朝を迎えました。

朝ごはんの時ふと父が「そういえば昨日の夜、誰かお父さんの足掴んだ?」と足を見せてきました。

父の足にはしっかりと手形がついていました。シーンと気まずい空気になり、耐えられなかった私は「私が掴んだ」と嘘をつきました。

両親は「な〜んだ」「なんでそんなことしたの?笑」と言っていました。

本当のことを知っているのは私だけです。もしかしたら私が無意識に掴み、それをなにかのせいだと思い込んだのかもしれません。

ですがあの手形は私よりも大きかった気がします。

今もまだ同じ家に住んでいますが、その部屋では誰も寝ていません。

無地封筒

 怖すぎる。もう嫌。自分が被っちゃうって心理もなんかわかるから嫌。

 

お風呂場

保育園の時、祖母の家で祖母とお風呂に入っていて、脱衣所で体を拭いていた時、お風呂場のドアが引き戸なのですが、誰もいないのに勝手に開いたり閉じたりを繰り返してました。

とてつもなく怖くて未だに覚えています。

むん

 怖すぎる。せめて開くだけか閉まるだけなら何かの間違いで済むけど、開閉すんなよ。パラノーマルアクティビティでも開くか閉まるかだけだぞ。

 

緑のくつ下

小学生のときです。1人で留守番する日に限って緑のくつ下を履いた何かを見ていました。

ドア下の隙間からこちらを向く緑のくつ下が見えていましたが、不思議とそれを怖いと思ったことはありません。

弟の部屋に漫画を借りに行ったとき、この緑のくつ下はタンスを背もたれにして床に座っていたこともあります。

弟の部屋にいる人間=弟だと思っていたので、顔も見ずに「借りてくわ」とだけ言い漫画を拝借して部屋に戻りました。

「なんでアイツ黙ってるし床に座ってるんだよ…」と若干の気味の悪さは感じつつも、漫画に没頭していたところ弟が帰宅しました。

ああ1人で留守番してたんだっけ、と思い出すと同時に「そういえば弟の部屋に居たやつ緑のくつ下履いてたな」と思い出しゾワりました。

「借りてくわ」と言った瞬間、弟だと思っていた何かの顔を見ていたら、そこには何が居たのでしょうか。

兄弟が増殖したので1人きりで留守番をする機会はなくなりましたが、あのときの緑のくつ下は何だったのか今でも気になります。

長女(パイナップル)

 怖すぎる。いや、でも不思議と怖くなかったって言ってるしな。大丈夫なやつなのかな。靴下を履くってかなり理性的な行動だしな。

 

シンク

普段、怪奇現象や霊的存在を一切信じていない私が、唯一冷や汗をかいた案件です。

3年前、当時お付き合いしていた方を自宅へ呼ぶ機会があり、一日かけて部屋の掃除をしていた日がありました。

前述の通り、我が家の水場はやたらと難が多く、シンクもまたそのうちのひとつで、「よく詰まる」ことに悩まされていました。

元から自堕落な性格なので、洗い物をする度に詰まる排水溝のゴミを取り除くのが面倒で、かなりの頻度でパイプユニッシュして、一旦流れる状態にしていたのですが、この大掃除の日は何をどうやっても水が溜まり続けていたので、ゴム手袋をつけて排水溝に手を突っ込んでゴミを取り出したんです。

それで出て来たのが、めちゃくちゃ長い髪の毛の塊。

手を突っ込んだ段階で、指が何かに絡まった感触があり、こんな繊維質なもの食ったか…?と不思議に感じながら、力を入れるも、なかなか抜けない。そこで力いっぱい引き揚げた結果、髪の毛の塊が取れました。

ありがちな話だと思われるかもしれませんが、これ、食べ物を扱う場所で起きた話なんですよ。風呂場とか洗面台とかならまだしも、シンク。

私はベリーショートだし、そもそもシンクで洗髪したことなんか一度もないので、さすがに気味が悪くなって、不動産屋に勤める知人に「マンションにおいて、自室の排水溝によその部屋の排水管が繋がる可能性」について聞いたところ、「上の階から下の階へ流れ込むことは稀にある」とのことでしたが、奇しくも私が住んでいるのは『最上階』です。

とりあえず、洗い物も面倒だし、また髪の毛が出てきたら気持ち悪いので、今はシンクごとガムテームを貼って使えないようにしています。

アッパー如来

 怖すぎる。「仄暗い水の底から」を連想しない方が無理だ。一旦流れるようにした後でこれだから、前の住人って説明もできないしな。

 

肉塊

中学生の時、リビングでめちゃくちゃでかい人の形をした肉塊のようなものが突っ立っているのを見た。

肩が天井につくほどの大きさで、腕を軽く曲げ上にあげた赤ちゃんのようなポーズをしていた。

すぐに消えたが怖すぎて罵声を浴びせた記憶がある。

無記名

 怖すぎる。怖すぎるものに咄嗟に罵声を浴びせちゃうって映画だけの話じゃなかったんだな。

 

おばあちゃん

小さい頃の私は刑事ドラマが好きで、同じく刑事ドラマ好きなおばあちゃんの家に遊びに行ったときはよく一緒にテレビドラマを観ていました。

あるとき両親不在でおばあちゃんと二人きりでドラマを観ていたら、昔の2時間ドラマではベタな「犯人が被害者をナイフで殺害するシーン」が出てきました。

そのときおばあちゃんがおもむろに台所のほうへ歩き出し、 「○○ちゃんもやってみたい?」 と微笑みながら聞いてきました。

おばあちゃんは周りがひやひやするような発言を唐突にすることがたまにあったので、私も妙に冷静に(またいつものおばあちゃんの冗談だ!)と考えながら「怖いからやだー」と返し、その後は何事もなかったようにまた二人でドラマを観始めた記憶があります。

最近になって、このおぼろげな記憶の感じは夢だろうな、と思うようになっていますが、少し前まではリアルな過去の出来事として覚えていたので最早どちらなのかさっぱりわかりません。

おばあちゃんに聞くわけにもいかないので真相は謎です。

サキ

 夢であってくれ。台所に行きながら聞くなよ。「やってみたい」って言ってたらどうなってたんだ。

 

 今度こそ、終わり。