グラフで見る一期ちびまる子ちゃん
2ヶ月程かかりようやく観終わった。1話に2個お話が放送される事が多かった為、全部で180個のお話があり見応えがあった。(「まる子 百恵ちゃんのコンサートに行く」は取り扱いが無かった為未視聴)
一期への理解を深めるべく色々なデータを取ったので紹介したい。まずは前回に引き続きオチについて調べたのでとほほの割合に注目して見て欲しい。
小麦の輸入量!?!?
さすが初期と言うべきか、かなりストイックにとほほとしている。二期に比べてとほほ率は更に高くなっており、国内消費される小麦の輸入の割合とほぼ同じになっていた。
また、具体的に「とほほ」とはどのような状態なのかも記録してみた。
日常における全ての厄災大集合
物騒な単語の羅列に、とても「とほほ…」では済まされない事のような気がしてくる。とほほisワンダフルワード。中でも苦痛系とほほは字面の怖さで目を引くが、これは主に体に痛みを伴う場合が多い。食べすぎてお腹を壊したり、耳をほじり過ぎた際に発動した。
では、そのとほほとした人は誰なのだろう。
まる子だった…
これに関しては一期ちびまる子ちゃんの登場キャラクターの少なさも相まった結果のように思う。永沢・藤木等の情けないキャラクターも育ちきっていないし、話自体もエッセイ味が強くまる子という存在がとても大きかった。
それでは、そんなまる子をとほほとさせたのは誰なのだろうか?こちらも調べてみた。
まる子だった…
まる子はとにかく自分自身の怠け心や愚かさによって苦しんでいるのだ。そして、数少ない自分以外の人がオチとなる回では腕をふるって他人をとほほとさせている。なんて困った女児なんだろう…。
さて、これまでオチについて話をしてきたが、話の本筋はどうなのだろうか。
実は感動回の2大巨頭の1つ「おかあさんの日」はとほほ系オチに分類される。どんなに感動する話でも最後はとほほと笑いにする部分にさくら先生の面白さに対するこだわりを感じる。
話の本筋の種類を調査した結果を見てみよう。
とほほ・おバカが主軸とした話が意外と少なく、ノスタルジーを感じさせる話が多い。
先程お話した情緒的なシーンもそうなのだが、私がノスタルジーを感じた1番の要因はあるあるの多さだった。
特に「プールびらき」というお話はプールの王道のあるあるから、細かいあるあるが21個発表されていた。1年で連載を終わらせる気なのかと思うほど出し惜しまない強気な姿勢。このあるあるに視聴者は子供時代の記憶が刺激され、強い共感とノスタルジーが生まれるのだ。
感動したお話ランキング
お待ちかね、感動回のランキング発表!!なのだが、何を基準に作成したかというと私の目から出た涙の量(粒)である。感動に順位をつける事自体が野暮なのだがご容赦いただければと思う。
ちなみに、二期の代表的な感動回はこんな感じだ。
ちびまる子ちゃんは動物が絡むと感動するか酷(むご)い事になるということだけでも覚えていただければと思う。
それでは行ってみよう!(山田邦子)
【3位】おかあさんの日
この記事の序盤でも少し触れたが感動回最多放送を誇る超有名回であり、2019年・2020年は2年連続で母の日に放送されている。
お母さんという存在の特別さを改めて考えさせられるし、大人になった今観たら架空の娘を持った気持ちになってしまった。
お母さんを喜ばせようと、いつになく健気なまる子が可愛いしいじらい。ストーリーの1つ1つが積み重なってからのラスト、お母さんがまる子の事を思うシーンでは「まる子ぉおおおお」と激しく泣いてしまった。(私が)
普段の憎らしいまる子と叱りつけるお母さんがギャップになっているので余計にジーンと来るが、もはや呪いとも感じるオチが衝撃的で「ただでは終わらせない」という意気込みを感じた。ある意味二重で感動させたれた作品だ。
【2位】まる子 ノラ犬に追いかけられる
一期ちびまる子ちゃんをまる子目線で見たときに一番鼻に付く存在がお姉ちゃん。普段は決して仲良しとは言えないクールなお姉ちゃんと生意気なまる子が追い詰められた際に発揮する絆に涙腺が破壊された。
全体的にホラー作品に近い雰囲気があり、学区内に現れたノラ犬がゾンビの如く危険な恐怖の対象として植え付けられるため、まる子が学校でノラ犬に追いかけられるシーンは視聴者も絶望的な恐怖感に襲われる。
そんな絶望感の中お姉ちゃんが現れるシーンはまる子と同じように感激してしまう。特にお姉ちゃんが周囲の静止を振り切る際の「いや!離して!私の妹なのよ!」というセリフが胸に刺さり、私まで「お”ね”ぇ”ち”ゃ”ぁ”あ”ん”ん”ん”」
とむせび泣いてしまった。
これはまる子が無事助かったシーンなのだが、まる子達と他の児童達の間に相当な距離がある。この距離が事件の怖さとお姉ちゃんの勇気を表していて「お姉ちゃん頑張ったね…」と更に泣けてくるのだ。
もう思い出しただけでも泣いてしまったので豆知識コーナーに移ろうと思う。
このお話ではお姉ちゃんの友人(よし子さん)が先生を呼んで来るシーンがあるのだが、赤いジャージの先生に注目したい。
(左からよし子さん、戸川先生、体育の先生)
実はこの人こそ実在する戸川先生をモデルにした先生だと私は睨んでいる。
というのも、はまじのモデルになった浜崎憲孝さんの本「僕、はまじ」によると実際の戸川先生はとても厳しく怖い先生だったという。
「プールびらき」というお話で、体育教師が水を怖がる生徒を無理矢理プールに投げ込むシーンがある。
実はこのシーン、実話なのだ。
実際に投げ込まれた児童は浜崎さんで、当時担任だった戸川先生は泳げないはまじを何度も水に突き落とし、時には水面に叩きつけるという今の時代では考えられない指導を行っていた。
おまけに、学級対抗リレーの直前にクラスの児童全員にウイスキーを飲ませる等とんでもエピソードの持ち主である事が本には書かれている。
もしちびまる子ちゃんの戸川先生が実在の戸川先生の人格をモデルにしていたら、かなり話が変わっていただろう。
【1位】お父さんとお母さんけんかする
私が今回最も涙したお話が「お父さんとお母さんけんかする」だった。
ノスタルジー・あるある・バカバカしさといったTHEちびまる子ちゃんの要素に家族愛と日常が壊れる恐怖がプラスされ見応え抜群の大傑作となっている。
特に凄いと感じたのはキャラの心情を表す所作が細かく描かれている部分だ。言葉では語られていない部分がキャラの動きに出ている為、視聴者は自然と物語に引き込まれる。
例えば、お母さんが別居にむけて1人で荷造りしてるときは怒り顔なのだが、まる子が現れた瞬間に困り顔に変わる。その一連の描写でヒロシへの怒りと子供に対する罪悪感が完璧にされているのだ。とんでもないリアリティだ!!!
大人目線で見ても子供目線で見ても共感できる部分が多く全員の気持ちが分かるように描かれているので誰目線で見ても泣けてしまう。
他にも語りたい事は山ほどあるが、是非実際にご覧になって欲しいのであまり多くは言わないでおこう。
【天野イチオシ】放課後の学級会
ベスト3の発表は終わったが、涙の量とは関係なく私が特に好きだったのはこのお話。
実はこちら、りぼんオリジナルで掲載していた読み切り漫画「ももこのほのぼの劇場」が原作なので雰囲気がいつもと違う。一期ではほのぼの劇場の作品がちびまる子ちゃん用にリメイクされているものが多く、そして私はほのぼの劇場の大ファンなのだ!!!!!
このお話は大好きだった先生が他の学校へ転任してしまう話なのだが、見ていると学年が変わる直前のフワフワした感覚が思い出されて懐かしさで溺れてしまいそうになる。
大好きな先生と最後に思い出を作りたいという子供たちの純粋な心にもグッとくるし、極めつけははまじの涙である。お調子者の涙ってなんか胸に染みるものがある。
演出も綺麗で、特に冒頭とラストを対比させる演出がグッと来ます。こんなの感動するに決まってる!!
【豆知識のコーナー】
この話で関口達が披露した出し物は1970年代に流行した伊東四朗の「電線音頭」。理由はないが凄く楽しそうなのでこのシーンだけでも観ていただきたい。
まとめ
以上が私が感動したベスト3(とオススメ)なのだが、勝手に感動回ランキングを作ると言ったものの、ガチガチの鉄板回に上位を席巻させてしまうという若干照れ臭い結果となった。しかし、本当に良い作品がきちんと認知されているというのは良い事なのではないか。
以下が今回調査した感動回のランキング表だ。
どれも素晴らしく、心が温まる愛に溢れた作品だった。
実は調査の結果、愛・友情回のリメイク率は38%だったのだが、リメイク率80%の隠れ人気ジャンルがある。それもパニック回だ。理由は簡単で、めちゃくちゃ面白いからである。
こちらも感動回と合わせてオススメしたい。
本題は終了したが、一期を全て視聴した際にアニメちびまる子ちゃんの異質な部分が見えてきたので最後にそちらを紹介したい。