ラスボス候補生6人目

「じゃあこの子はどうですか? 結局一番シンプルに考えてこれがベストだと思うんですよ」

 

「確かにラストバトルには一番ふさわしいかもな!」

 

「これなら相手の命を絶つ必要もないし、後味が悪くなりようがないですしね!」

 

「どうですか? 会長」

 

「う〜ん…主人公のライバルねぇ…」

 

 

 

「これラスボスというよりエピローグのおまけバトルじゃない?」

 

「あ〜…」

 

「何にしろイベント戦の色合いが強い気がするな。ダイジェストで済ませてもいいくらいだ」

 

「でも、物語を通して主人公と一緒に成長するわけですし、それを経てのバトルは燃えませんか?」

 

「それは分かるけど、物語に常駐してたライバルがそのままラスボスになったら、世界観が手狭すぎるだろ。せめてグリーンさんみたいに印象的な名言があればいいんだが」

 

「それを言われると…」

 

「では…」

 

 

 

 

ラスボス候補生7人目

「ライバルがダメなら彼はどうでしょう? これなら敵対する理由がもっとわかりやすいですよ」

 

「闇落ちは手っ取り早くラスボスになれるからな」

 

「物語の展開としてもひねりがきいてていいですよね!」

 

「どうですか? 会長」

 

「う〜ん…闇落ちした主人公の友達ねぇ…」

 

 

 

「ボスではあるけどラスボスではないな」

 

「いやいや! 主人公にとって最大の敵じゃないですか!」

 

「そもそも主人公に劣等感持ってたやつに勝ったところで、『そりゃそうだろ』ってなんない?」

 

「そんなことはないです」

 

「黒幕とか悲劇の引き金なら分かるけどラスボスとしては小物だな。せめてポーキーさんみたいな物悲しさがあればいいんだが」

 

「それを言われると…」

 

「では…」

 

 

 

 

ラスボス候補生8人目

「この子なら文句ないでしょう! まさにラスボスのルックスですよ!」

 

「幼少期に出くわしたら、大人になっても忘れられないラスボスになるな」

 

「明らかに人間の域を越えてますしね」

 

「どうですか? 会長」

 

「う〜ん…脳みそねぇ…」

 

 

 

「グロい」

 

「だからこそラスボスに向いてるんじゃないですか」

 

「これどうやって戦うの? 抜き身の脳みそをボコボコにぶん殴るわけ? 血とか出るよ?」

 

「それは脳じゃなくても出ます」

 

「シューティングとかじゃないと、主人公もまともに攻撃する気になれんだろ。グロいし」

 

「インパクトは抜群だと思いますけど」

 

「初対面がピークじゃない? 見た目が派手なだけで、バトル自体は特に盛り上がらん気がする。マモーさんみたいな壮絶な最後を遂げるならまだいいんだが」

 

「それを言われると…」

 

「では…」

 

 

 

 

ラスボス候補生9人目

「この子ならいけるでしょう! ラスボスとしての説得力は申し分ないはずです!」

 

「マジでえげつない攻撃してきそうだもんな」

 

「これならラスボスとしてのスケール感も段違いですし、主人公も戦い甲斐がありますからね!」

 

「どうですか? 会長」

 

「う〜ん…負のエネルギーが集まって生まれたバケモンねぇ…」

 

 

 

「戦う理由がいまいち見えん」

 

「こんなやつ出てきたら戦うでしょ」

 

「自然発生したバケモンと主人公が戦わなきゃならん理屈付け次第じゃない? その辺りのディテールが疎かだと気乗りせんな」

 

「『やべえバケモンを正義が討つ』だけじゃダメなんですか?」

 

「いまどきこんなラスボスも珍しくないしなぁ。白面の者とのバトルを越える名シーンが作れるんならコイツでもいいけど」

 

「そんなん絶対無理じゃん」

 

「では…」

 

 

 

 

ラスボス候補生10人目

「この子は大丈夫なはず! どう考えてもラスボスです!」

 

「これ以上の存在がいないもんな」

 

「世界の運命を背負う感も出ますし、もうケチはつけさせませんよ!」

 

 

「どうですか? 会長」

 

「う〜ん…神ねぇ…」

 

 

 

「説教うざそう」

 

「もはやただのわがままじゃん」

 

「こいつ絶対人類の振る舞いについて説教かましてくるだろ。どうせボコるのに、それが鬱陶しいよな」

 

「それに対して主人公が啖呵切るシーン好きなんだけどな」

 

「あと、こういうやつって終盤にいきなり登場するから『お前誰なん?』ってならない? 女禍さんみたいに序盤からバッチリ伏線張っといてくれるならいいんだが」

 

「それを言われると…」

 

「では…」

 

 

 

 

おわりに

「どうするんですか! あれだけラスボス候補がいて全員不採用なんて!」

 

「しょうがないだろう。残念ながら今年のラスボス内定者はゼロだ」

 

「まともに選考する気がないんじゃないですか?」

 

「子供みたいな揚げ足取りで不採用不採用って…」

 

「そもそもこんな履歴書1枚と十数分の面接でラスボスの資質なんて分からんって」

 

「就活制度を丸まんま否定すんな」

 

「さあ、選考は以上だ! 不採用のやつらにはお祈りメールを出しておけ!」

 

「本当に全員不採用なんですか? いくらなんでもかわいそうですよ」

 

「別にお祈りされたからって死にゃあせんだろ。ギーグさんじゃあるまいし」

 

「はあ…」

 

 

 

 

「あれ…?」

 

「1枚履歴書が残っているようですが…」

 

「なんだ、欠席者がいたのか? 時間も守れん奴にラスボスは務まらん。不採用だ」

 

「でも…会長、これ…」

 

 

 

「…」

 

 

 

「この子は…」

 

 

 

「採用だな」

 

「あ〜、これは採用ですね」

 

 

「ですよね」

 

「これをやられたら文句のつけようがないだろ」

 

「ラスボスとしては完璧な履歴書だ」

 

「では…」

 

 

 

 

 

 

ラスボス候補生11人目

 

 

 

 

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