1.おっ、サイゼリヤだ。サイゼリヤがあるじゃん。

2.サイゼリヤがあるなら、入らなければならないな。

 

3.飲食店に入ると店員さんに「何名様ですか?」と聞かれるけど、指で人数を示すのがなんとなく恥ずかしくて毎回口頭で伝えてしまう。そういえば昔から写真に写る時ピースをするのも嫌だったし、ハンドサイン全般が恥ずかしいのかもしれない。

4.でもじゃんけんは別に恥ずかしくないな。じゃんけんなら、おれ、チョキも全然出す。

5.それはそうとサイゼリヤの店内って他のファミレスとはどこか異なる雰囲気があるんだよな。そして、それは好ましい。

6.全くの赤の他人とは言えない人が常に1人はいる感じがするというか、同級生のお母さんがパートで働いてるみたいな、ささやかな親密さがサイゼリヤには漂っている。それは幻想なのだろうけど、サイゼリヤで完全に孤独になることはできないと思いますね。

7.たまたま居合わせたお客さんとも、仲良くなれるとまでは言わないまでも、会話の糸口をつかむことくらいはできそう。実際にできるかどうかは重要ではなく、できそうと思えることに救いがあるではないか。

8.世の中には、本当に話にならない人もいますから。

 

9.今回の席はここか。1人ならこういう席が一番心地良いよ。

10.1人なのに4人掛けの広い席とかに通されると、店が混んできたら早く出ていかなくちゃいけないようでそわそわしてしまう。そうでなくとも、スペースを持て余している感じがして落ち着かない。ファミレスの席ですらこんなことを思うくらいだから、僕は一生広い家には住めないだろうな。

11.↑そんな悲しいこと言うなよ。ていうか今日び自虐なんてするもんじゃないぞ、みっともない。

12.↑別に自虐じゃないですけど? 元から広い家に住みたいなんて思ってないですし。みんなが当然広い家に住みたがっているという思い込みを押し付けないでください。

 

13.ここのサイゼリヤはモバイルオーダーか。テーブルのQRコードを読み込んで、人数を入力してっと……

 

14.「1名様でご利用ですね?」って言われちゃった! 「ですね?」って聞かれるとちょっとドキッとするんだよな。本屋でバイトしてた時、先輩に「FAXの使い方はわかるよね?」って言われてわからないのに「はい」って答えちゃったことを思い出す。

15.いや、これ文句とかじゃないですよ! 僕みたいなナーバスガガンボくんの相手をするほどみんな暇じゃないってちゃんとわかってますし! 大丈夫大丈夫、僕は全然元気です! この前Switch2も買えたし!

16.モバイルオーダーとかタッチパネルオーダーの店もここ数年でぐっと増えたよな。もしかして今のチェーン店ってだいたいそう?

17.今思うと注文用紙に番号を書いてオーダーするシステムはかなりクールだったな。今も番号制ではあるけど、4桁の英数字を紙に書いて提出すれば料理が出てくるのは行為に対する結果が釣り合ってない感じで面白かった。

18.この前行った別のサイゼリヤもモバイルオーダーだったし、今はそっちが主流になりつつあるのかな。だとしたら、以前の番号をせっかく覚えた店員さんたちの頑張りはどうなってしまうのだろう。

19.AA01は辛味チキン、PA05はカルボナーラといった奇妙な変換の法則が彼らの記憶には残り続けるのだろうか。そしてそれが完全に廃止された後でも、彼らはサイゼリヤのメニューを見るたびに4桁の英数字を思い出すことになるのだろうか。その時には誰にもそれが通じないことを悲しいと思ったりするのだろうか。

20.まあ、そんなの僕が考えることじゃないか!

 

21.何頼もうかな〜! 今日は昼から小松菜の煮浸ししか食べてなくてお腹ペコペコだからたくさん注文しちゃおう!

 

22.やっぱりサイゼに来たらミラノ風ドリアだよね! でもいつも頼んでるから、たまには別のドリアにしてみようかな!?

 

23.今日みたいな寒い日はたまねぎのズッパみたいなスープ系もいきたい! こんな冬の日にさ、望めば300円であったかいスープが飲めてさ、どうして世界や人生に絶望できる!?

 

24.そういや最近辛味チキンって全然頼んでないかも! 最後に食べたのってもしかして高校生の時とか!? てことは、もう10年近くも辛味チキンを食べてないってこと!? ギネス世界記録に申請しようかな!?

 

25.「野菜ときのこのピザ」「半熟卵のミラノ風ドリア」「ほうれん草のソテー」「セットドリンクバー」を注文しました。

 

26.ドリンクバーって注文してもそんなに使わないけど、ないとファミレスを十分に楽しめてない気がしていつも付けてしまう。ジュースを飲むためというより、ファミレスの全エリアを解放するためのDLCとして注文してるかも。

27.注文したからにはもちろん利用しますけどね。ドリンクバーを使う時、ちょっとでも健康のことを考えて1杯目は野菜ジュースを取るようにしてるけど、多分マジで意味ないだろうな。

28.サイゼリヤのドリンクバーって、普通のぶどうソーダと白ぶどうソーダの2種類あるのがいいんだよな。ファンタグレープじゃないのも何気にポイント高い。ドリンクバーのファンタってちょっと炭酸が弱い気がしませんか?

29.あと前から思ってたんだけど、ファミレスとか漫画喫茶のドリンクバーで家から持ってきたコップを使ったらやっぱりダメなのかな。普段使ってるコップで何杯でもジュースが飲めたらよりお得感が増すと思うんだけど。

 

30.あーサイゼリヤ。サイゼリヤって好きだけど微妙に身近ではないんだよな。近所にもあるっちゃあるけど歩いて何十分かかかるし。

31.でも今住んでいる家から徒歩5分くらいの場所に昔はサイゼリヤがあったらしい(引っ越してきた時にはもうなくなっていた)。これは悔しい! 今の町も普通に好きだけど、かつてサイゼリヤがあり、今はもうないと思うと魅力が20%くらい低減して思えてしまう。

32.こんなことなら近所のGoogleストリートビューを遡って見たりしなければよかった。私の母も「知らぬが仏」を座右の銘にしていたが、確かにこのことわざは本当だと年々思わされる。

33.だが、もちろん全てを知る必要はないとはいえ、それは都合の悪いことから目を逸らし続ける卑怯さとも紙一重なのではないか。でも心が強い者しか公正ではあり得ないとしたら、弱い人たちはどうやって生きていけばいいの……?

34.いや、サイゼリヤでこんなことを考えるのはやめておこう……

35.ともかく、あまり身近ではなかったからか、サイゼリヤに行った際の記憶は他のファミレスと比べてもやたら鮮明に残っている気がする。

36.例えば、高校1年生の3月に学校をさぼってサイゼリヤで『暗殺教室』のキャラブックを読んだこととか。

37.いや、あれはバーミヤンだったっけ……?

38.あそこはサイゼリヤとバーミヤンが隣接してたから記憶がごっちゃになるんだよな。でも高校生が学校をさぼって行くのは多分サイゼリヤだと思うけど。

39.僕が高校1年生の3月に学校をさぼって暗殺教室のキャラブックを読んだのは、サイゼリヤです!

40.そう、サイゼリヤではいろんな本を読んだものだ。いろんな店舗で、いろんな本を読んだ。

41.高円寺のサイゼリヤでは『最強伝説黒沢』を、阿佐ヶ谷のサイゼリヤでは『FKB怪幽録 奇々耳草紙』を、昭島のサイゼリヤでは『聖なる怠け者の冒険』を、所沢のサイゼリヤでは『恋文の技術』を、神保町のサイゼリヤでは『Helvetica Standard』を、西小山のサイゼリヤでは『姫様“拷問”の時間です』を、練馬高野台のサイゼリヤでは『サラダウィザード』を読んだ。覚えてないだけで他の店舗で他の本を読んだこともあるかもしれない。

42.もちろん本を読まないこともある。石神井公園のサイゼリヤや立川のサイゼリヤや中野のサイゼリヤや鴻巣のサイゼリヤや中目黒のサイゼリヤでは何も読まなかった。私は読書家ではないのだ。

 

43.今日は『くまのむちゃうま日記』を読みます。

44.ナガノ先生は『ちいかわ』はもちろん、個人のXに投稿してる漫画も面白いですよね。

45.え!? おれ今、「ナガノ先生は『ちいかわ』はもちろん、個人のXに投稿してる漫画も面白いですよね。」って言った!?

46.そんなのって、普通の意見すぎる……

47.自分がこんなに普通のことを言うようになるとはね。いや、感動してるんですよ。自分もちゃんと成長して、世界になじめるようになったんだなって。

48.昔は人と違うことを誇りのように感じていたが、今考えるとそれは「人と違う」というより「人ができることができない」だけだったのだと思わされる。

49.「誰でもできること」が僕にだけはできなかった。だから今こうして、誰でも言うような普通のことを言えるのが嬉しいのかもしれない。

 

50.急に全部の料理が来た!! 急に全部の料理が来た!! 急に全部の料理が来た!!

 

51.まずは前菜としてほうれん草のソテーからいただきましょう。うまそー!

 

52.うめー! サイゼリヤのほうれん草のソテーってなんでこんなにおいしいんだろう? ほうれん草は自分でもよく買うけど、家で調理したってこうはならないよ。

53.いや、常夜鍋があるか! 常夜鍋って知ってますか? ほうれん草と豚肉と豆腐の鍋。あれはうまいよな〜! そういうえばこの冬はまだ常夜鍋やってないし、今度やろう!

 

54.お次は「野菜ときのこのピザ」。これは初めて頼むメニューですね。果たして吉と出るか凶と出るか、鬼が出るか蛇が出るか……

 

55.むむ! たった今、凶が退けられ鬼と蛇が退治されたことを確認いたしました! ジューシーなきのこと、爽やかでスパイシーな野菜ソースが名コンビすぎる! ネットラジオとかやってみたら?

 

56.途中で共用コーナーにあるホットソースをかけてみたところこれまたナイス。このコーナー、「そこまで手が回らない」と思って今まで避けてたけど良いですね。

57.にしてもこのピザうまいな。特に野菜ソースの味がかなりクセになる。なんか子供の頃に食べた気がするっていうか、でも懐かしい味というわけでもなくて、本能的なメランコリーを刺激されるっていうか、6月の雨に濡れるアジサイっていうか……

58.ダメだ、僕にはこの味を言葉で言い表すことができない。こんなことなら大学行っとけばよかった……

59.そういえば20歳の頃、久しぶりに会った中学の友達に「俺がちゃんと受験勉強してたらMARCHには受かってた」って言ったら「お前を受け入れてくれる人はこの世に1人もいない」って言われたな。

 

60.続いては「半熟卵のミラノ風ドリア」いっちゃいましょう! こんなのはもうおいしいことはわかりきってますけどね。おいしいのがわかってて心が躍るのかって話であるからして……

 

61.、うまーーーい!! 、う、う、うまーーーい!!

62.いやはや、心が躍りすぎて裏拍のうまいが出てしまいました。奮発して半熟卵つきにして大正解!

63.ファストフード店のチーズバーガーとかも「スライスチーズ1枚でこんなに値段上がるの!?」って思っちゃうけど、その1枚があるかないかで全然違うんだよな。結局、高いものが順当に良いってことなんですかね。

64.あーーーーーーーー、だからみんな頑張って良い学校に入って良い会社に入ってお金をたくさん稼ごうとしてたわけか。なるほど、そういうメカニズムだったのね。なるほどなるほど。了解でーす……

65.今からできることは多くないかもしれないけれど、目の前の仕事に日々真摯に取り組み、スキルを磨きつつ周囲との信頼を築いて、将来的に少しでも収入アップにつながるよう頑張ろう!

 

66.最近、自分は何の食べ物が好きとかいうより、いろんなものを少しずつ食べるのが好きだと気付いたね。というか、たくさんの味を同時に感じたいだけかもしれない。メントスを食べながらカップ麺の残り汁を飲んだりしてるし。

67.なんにせよ、安価でいろんな料理を食べられるサイゼリヤは最高ですね。

68.サイゼリヤといえば、中学生の時職場体験でサイゼリヤに行ったこともあったな。

69.サイゼリヤ班は私を入れて3人だった。班分けは先生が決めたのだが、自分以外の2人が学年でも一軍級のいけてるやつらでなんだか誇らしい気持ちになったことを覚えている。私自身は全くいけてなかったのだが。

70.その翌年、私たちは3人とも同じクラスになった。運動会の打ち上げでそのサイゼリヤに行くことになり、場所がわかるのは私たちだけだったので、3人でクラスメイトを先導しつつ自転車で店まで向かった。その時の優越感といったら! あれは今までの人生でも最高の瞬間だったかもしれない。

71.もっとも、それ以上2人と仲良くなることはなかった。最初のうちこそ多少は交流もあったが、時間が経つうちに自然と疎遠になっていった。やはり彼らと私では住む世界が違ったのだろう。私はつかの間、彼らの世界に足を踏み入れて夢を見させてもらっただけなのだ。

72.あの2人は今どうしているのだろう。1人は野球をやっていて、噂では甲子園に出場したと聞いた。本当ならすごいことだ。野球をやって甲子園に出場するのが一番すごいんだから。

73.一体、記事を何本書けば甲子園に出たのと同じことになるのだろう。

74.いや、そんな風に考えるのはよそう。彼らには及ばないとしても私だって頑張ってるじゃないか。ちゃんと自分で稼いだお金で、こうしてサイゼリヤに来られてるんだから。

75.そう、君は十分よくやってるよ。君が引け目を感じることは何もない。君はいい子、君は頑張り屋、君は世界一の王子様……

 

76.ごちそうさまでした! お腹いっぱい大満足!

77.店内も混んでないし、もう少しゆっくりさせてもらうか。ドリンクバーでコーヒーでも取ってこようっと。

 

78.コーヒーって水やお茶よりは「飲み甲斐」があるからよく飲むけど、味の違いとかは全然わからないんだよな。正直、わかるようになりたいとすら思ってないかも。

79.多分「コーヒーを飲んでいるという状態」が好きなだけなんだと思う。コーヒーを嗜むのってかっこいいし、せっかく味覚が成長してコーヒーを飲めるようになったんだから飲まないと損という気持ちもある。

80.昔はコーヒーを好んで飲むようになるとは思わなかったな。でも小学生の頃からコーヒーを飲んでいた友達もいた。そして私はそいつに、両手両足を縄跳びで縛られて校庭の端から端までジャンプで移動させられた。

81.客観的に見れば立派ないじめかもしれないけど、当時はいじめられてるとは思わなかったし今もそうは思わない。なんか、そいつはそういうことをするやつだったってだけで。子供って時に残酷ですからね。自分だって今ならありえないようなこともいろいろしてたと思う。

82.こうしてファミレスで何もせずにぼんやりしてる時間って豊かだなー。周囲の席の会話を聞くともなく聞いちゃったりしてさ。

83.斜め後ろの席には老夫婦が座っていて、妻のほうが夫に「だからトイレは店の中じゃなくて外だって。何回言わせるの」と怒っている。夫の声は聞こえてこない。

 

84.確かにこのサイゼリヤのトイレは店外にあるらしい。まさしく妻が正しかったわけで、夫が返す言葉もないのも納得だ。しかし、この年になって一緒にサイゼリヤに来るとは仲の良い夫婦ではないか。まあ夫婦かどうかもわからないが。

85.通路を挟んで私の真横の席に目を向けると、若い男がスマホを見ながら割り箸でチョリソーを食べていた。妙にそそられる光景である。今度真似してみよう。

86.今からチョリソーはさすがに重いけど、ちょっとお腹に空きスペースが生まれてきたからデザートを注文するか。

 

87.実は入店時から、この期間限定の「いちごのメリンガータ」が気になってたんですよね。ノーマルのメリンガータも知らないんだけど、自分いっちゃっていいすか!?

 

88.おっ、早速やって来ましたよ! ハテサテ、一体全体どんな代物なのか……

 

89.はにほ!? てっきりアイスだとばかり思っていたのだが、微妙に食感が違うよ!? 一体このオブジェクツは何なのですか!? わからないけど、わからないけど、わからないけど、うまいっ!!!

90.改めてメニューの説明を読むと「甘く香ばしいメレンゲに、クリームを重ねました」とのこと。僕がアイスだと思っていたのはクリームの層だったようです。

91.でもアイスも「アイスクリーム」って言うよね!? 何がどう違うわけ!? まずい、このままでは知の迷宮に足を踏み入れてしまう! 暗愚の徒たる私はすぐさま疑問を放棄して、目の前の甘味に刹那的な快楽を見出すことにのみ集中させていただきます!

 

92.はーおいしかった。さすがにもうお腹パンパン。これにてサイゼリヤ劇場、終幕でございます。

 

93.こんなにたくさん食べて会計は1500円。これってすごいことですよ。サイゼリヤはこの物価高の時代に残された数少ないブラーですね。

94.って、それを言うならオアシスだろ!!

95.あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

96.ごちそうさまでした! やっぱりサイゼリヤって最高ですね。また行こう!

97. ……え?

98.何!? 今これ何の時間!?

99.は?

100.夢?