こんにちは、ペンギンです。

 

皆さんの中学生時代、通学路にミニストップはありましたか?

 

 

僕はありました。

 

ミニストップの思い出

常に腹ペコ中学生だった僕にとって、学校帰りに通りかかるミニストップは、甘美な罠でした。

今は選択肢が豊富なのでそうでもないかもしれませんが、

・気軽に立ち寄れて
・中学生の財布事情でもそれなりに食べ物が買えて
・その場で堪能できる(イートインできる)

これらを満たすお店って、そんなになかった気がします。

 

 

しかもメニューも、ちょっと変わった切り方が逆に食欲をそそるフライドポテトとか、チキンなのかコロッケなのかよくわからない一口サイズの揚げ物とか、ケミカルな色のジュースの上にソフトクリームが載ってるやつとか、とにかく他のコンビニではあまり見ないワクワクするようなお菓子メシがズラっと並んでいる。

レジ裏にドーンと大きく商品の写真が飾られていて、より一層ワクワクが刺激される。

 

コンビニではなくマクドナルドに近いが、マクドナルドよりも気軽に入店できるのがすごい。

中学生でも一応、ジャンクフードを食べることへの罪悪感はあります。

マクドナルドに入るとその時点でジャンクフードを食べる罪が確定しますが、ミニストップはあくまでコンビニなので、入店しただけでは確定しない。ジャンプを買うだけだから。シャー芯を買うだけだから。レジの前に立って注文するギリギリまで、自分を騙せる。

つまり自分を騙して罪悪感を打ち消しながら、いきなり食欲を満たせるというサプライズ要素があるから、もっともっとワクワクするんです。

 

 

ああ、ミニストップで買い食いしたい。

 

しかし、僕は学校帰りにミニストップへ立ち寄れたことがありません。

 

 

僕がミニストップに寄りたいということは、同年代のみんなもミニストップに寄りたいということです。

お店の前を通ると、同じ中学校の、互いに顔見知りだから無視はしづらい(何なら小学校の時は一緒にキックベースして遊んでた)、かといって挨拶したところで何か話すことがある訳でもない距離感の男子2-3名が、紙パックにストローを刺したリプトン・ミルクティーを片手に談笑しています。

この関所を乗り越えないと、ミニストップに入ることができません。

 

さらに目を凝らして店内をさらい、イートインスペースに同年代がいることを確認します。もっと距離感のある女子2名が、紙パックにストローを刺したリプトン・ミルクティーを片手に談笑しています。

 

こんな状況下で、1人で店内に入って、レジに直行して、「すみませんジャイアントフライドポテトと焼肉ライスバーガーをください」とか言って、女子2名の脇にドカッと座ってホクホク顔でバーガーにかぶりつけるだろうか?

 

僕は、できませんでした。

思春期の苦悩は食欲に勝る。

 

 

ああ、ミニストップで買い食いしたかった。

 

「休日に行けば良いじゃん」

その通りですが、休日は選択肢が無限なんです。ラーメン屋さんに行っても良いし、家の食品棚を漁っても良い。選択肢がたくさんある状況で、ミニストップにわざわざ行こうとはなかなかならない。

そもそも学校帰りという「ペコペコではないんだけどまだ夕飯まで時間あるなあ」という絶妙なお腹の空き具合だからこそ、あのメニュー群は魅力的に映るんです。

学校帰り×ミニストップというのは、タイミング・お腹の空き具合・ジャンキーなメニューという要素が惑星直列級に合致しているからこそ光り輝いているのではないでしょうか。

 

ミニストップに行く

ということで僕は、ミニストップ体験に後悔を抱えたまま大人になってしまいました。

 

しかし、今ならどうでしょう?

大人になるということは、良くも悪くも人の目を気にしすぎなくなるということ。

 

今なら、店の前で学生が談笑していても、イートインでギャルが談笑していても、僕は純粋な食欲のみに忠実でいられるはずです。

 

ということで、やってきましたミニストップ。

 

自転車をだいぶ漕いだので汗だくです。

当初の予定ではフライドポテトのつもりでしたが、ハロハロに作戦変更。

しかしいざ店内に入ると急に不安になります。

「いきなり男1人で来て、ハロハロを注文して大丈夫だろうか?」

大丈夫に決まっている自問自答。

結局まっすぐレジには進めず、店内をぐるっと一周してポテチや普通のアイスにも興味を示していることを何者かにアピール。

 

一周を終え、やっぱハロハロにするか~みたいな顔をしながらレジ前に。

「すみません、ハロハロのパッ、パ、パチパチさわやかソーダください

おどるポンポコリンみたいになりながら無事注文完了。

 

「イートインでお願いします」

「すみません、いまイートインスペース使えないんです」

傍目でイートインスペースを見遣ると、スポーツ新聞棚でスペースが塞がれている。時代は流れる。

こちらもまた予定変更で、一言伝えて店の外で食べることに。

 

美味しい。

 

何もかも便利になってしまった昨今であっても、コンビニに入ってソフトクリームを食べられるという体験にはまだ頭が慣れてないので、新鮮に美味しい。

真ん中の方に入ってるぶよぶよのゼリーみたいなのと、パチパチキャンディみたいに弾けるソーダを、スプーンで一緒にすくって食べる。コンビニの片隅にたたずむ男の口の中で、パチパチとポップな音が鳴っている。誰に聞こえるはずもないのにギリ恥ずかしい。少しだけ中学生の自分を思い出す。当時の僕なら、口の中がパチパチ鳴るのもしんどかっただろう。今だからこそ、ギリ恥ずかしいくらいで済んでいる。成長を感じる。

 

これこれ。このケミカルな色のソーダが良いんだよな。食欲と逆の色彩なのに、だからこそ食欲が湧く。ポテトの形状といい、食欲は逆張りでこそ刺激されるものなのかもしれない。

 

 

イートインできなかったことだけが悔やまれるので、もう一軒行ってみましょう。

ミニストップのはしご。

 

まったくテンションの上がらない空の下で、ふたたび自転車を漕ぎ出だす。

 

もっとミニストップに行く

2軒目のミニストップに到着。

もう、黄色と青のパターンを見るだけで食欲が湧くようになってきた。

 

今度は、あたたかくてしょっぱいものが食べたいですね。

2軒目になると慣れたもので、ノーモーションでレジに直行できました。

「すみません、Xフライドポテトください」

ちょっと変わった切り方が「X形」であることを初めて知る。

 

「あとホットドッグもお願いします」

 

2軒はしごしたことによって、売り出し中のホットドッグの広告目撃量が許容値を超えていたようで、衝動的に注文してしまいました。

 

そこでまたチラッと、奥まった場所にあるイートインコーナーを見遣ると、幼稚園児くらいの姉妹を連れたファミリーが仲良くハロハロを頬張っている様子が見えました。

こんな状況下でファミリーの脇にドカッと座ってホクホク顔でホットドッグにかぶりつけるだろうか?

 

 

 

 

家で食べましょう。

 

 

 

 

 

美味しかった。

 

ポテトがなかなかしょっぱくて、個人的には満足度大です。

なかなか予定通りにはいかないものですが、良い日でした。

 

お!??

 

 

 

この瞬間が一番幸せ。