宇宙
壮大だ。広くて暗くて、怖い。自分は宇宙のことは何も分からない。アニメに出てくる天文部から得られる知識しか持ち合わせていない。そして正直に言うと宇宙自体には興味がまったくない。自分とは遠すぎる存在だと思っているから。
ただ「宇宙食」というものだけには興味がある。宇宙という過酷な環境で長期保存や軽量を重視しなければいけない上で、栄養や味、食感を求めた人類の英知。技術の結晶だ。
「宇宙食」で出てきたフリー素材。そういうことではない
かなり昔、子供の頃に宇宙食の「バニラアイス」を食べた記憶がある。バニラアイスといえば冷たく甘くて、時間が経てば溶けてしまうが、それをフリーズドライにすることで持ち運びが出来て、宇宙でもバニラアイスを味わえるという食品。
まだ幼い自分がフリーズドライという概念を持ち合わせていない頃の話であり、アイスを溶けずに持ち運べるという技術だけに心が惹かれていたが、まっさらなアイスクリームを期待していた為にそんなに感動しなかった記憶がある。
今はフリーズドライやインスタント食品の技術を知っているので改めて宇宙食と向き合い、味を確かめてみよう。技術と味のせめぎ合いの果てを感じたい。
その辺のスーパーやコンビニなどに置いている筈もないので専門店に向かいます。今回は東京浜松町にある「宇宙の店」で商品を見繕いましょう。オンラインショップもあるのですが、実店舗に行ってみるぞ!
来ました。オフィスビルの1フロアに販売店があり、フロアで急に“店”が展開されているので面白い。
凄い。どこを見ても宇宙グッズであり、とてもオフィスビル内とは思えないくらい夢がそこら中に広がっている。宇宙服をこんなに近くで見る機会もなかなかない。
お目当ての「宇宙食」のコーナーにも種類が沢山あって、どれも気になるものばかり。上段にはスイーツ系のものが幅広く揃えてあり、下段には「宇宙日本食」なるジャンルのものがありました。
「名古屋コーチン味噌煮」や、この棚で最高値である3,240円の「北海道産牛とミニトマトのハンバーグ」も気になります。3,000円超えとは恐れ入った。サイゼリヤのハンバーグが8個食べれる。
今回は予算オーバーの為、見送りすることに。僕の年収が8倍になったら食べに来るからね……
缶に入った宇宙のパンに、宇宙ちりめん山椒……。ちりめん山椒!?
予想してなかったメニューに心が踊ります。他にもカレーやサバ缶、おもちなんかもありました。
というわけで気になったものをいくつか購入しました!
・スペースうなぎ ¥2,000
・宇宙白飯 ¥518
・宇宙ちりめん山椒(アルミ袋) ¥540
・スペースブレット 宇宙のパン ミルク味 ¥691
・スペースアイスクリーム バニラアイス ¥648
・スペースフード エビグラタン ¥648
宇宙日本食というジャンルの「うなぎ」や「ちりめん山椒」をメインとして購入し、おぼろげながらも食べた記憶のある「バニラアイス」も買ってみました。食べるぞ!!!
今回訪れた店は「宇宙の店」の名に劣らず、食品以外にも宇宙関連のグッズが沢山あったので、覗いてみるだけでも楽しいと思います!
「宇宙の店」
〒105-5105
東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル南館 5階
【営業】月~金 9:30~18:00(土曜 10:30~)
【定休】日祝・年末年始
※祝日が土曜日の場合は営業
宇宙の店 HP
エビグラタン/バニラアイス
まずはフリーズドライ食品の枠として「エビグラタン」、そして「バニラアイス」を開けてみましょう。パッケージが壮大で気持ち良いね。
スペースフード エビグラタン
少し割れてしまってますがこんな感じの小さめのグラタンが2個入り。チーズやエビ、ホワイトソースにパセリとエビグラタンを構成する要素が確認できます。
こんにちは。めいと と申します
匂いはキツくないけど、しっかりグラタンの香りがしますね。気になる味の方は…
エビグラタンじゃん
いやそうですよね。そう書いてるし。知ってて食べたんですけど、あまりにもエビグラタンとしての瞬発力が凄かったので…
ホワイトソースとエビの味がちゃんとする。
サックリした口当たりなのに味がかなり濃くて、知らずに目を瞑って食べてもエビグラタンだと感じると思います。エビやマカロニがポリポリとした食感で、おつまみ感があって良い。
ただ味が忠実すぎる故に、グラタンの温かさを脳が無意識に求めてしまうので、満足感で言うと少し寂しいですね。
サイズや日持ちの観点だとお弁当には丁度良いかなと思いましたが見た目が冷食っぽすぎるので、そのまま食べている所を何も知らない人から見られると変に思われる可能性がある。注意しましょう。
続いてバニラアイス。こちらも少し割れてしまってますが、割れた見た目の方がなんとなくアイスっぽく感じる。ファミリアの表面ってこんな感じじゃなかったっけ。
ラムネのような質感で、バニラの良い香りもしますね。食べてみると…
甘うまい!
バニラの甘さがジュワッと溶けていく!こりゃ良いね。近いもので言うとミルクケーキみたいな風味で、上品な甘さを感じます。冷たくないけど、舌の上で溶けていく感じは確かにアイスっぽい。
意外と厚みがある
柔らかい落雁のようなサクッとした食感で、アイスというよりは素朴な和菓子みたいだ。渋いお茶と食べたいかも。
昔食べたのもこれだった気がする。子どもの舌にこの味は確かにウケないよなぁと思いました。大人しくスーパーカップを買い与えた方がいい。
パン
宇宙でも焼きたてのおいしさが食べられるらしい。素敵なことだ。ミルク味とチョコレート味がありましたがミルク味を購入。
プルタブが付いており、手軽に開けれるので手にとって5秒でパンが食べれます。缶を開けてみると…
ミチミチ…
パンだ!!!
包まれてたフィルムを剥がしたら、外の薄皮も一緒に剥がれちゃった。それでも立派なパン。普通に縦長の柱みたいなパンがそびえ立つだけでもテンション上がるな。
果たして缶詰のパンは美味しいのか…?
ふんわりでしっとり!何もつけなくてもミルク風味の優しい甘さで美味しい。普通に売ってるパンと比べても遜色ないぞ!
製造日から1年も期限が持つので、家に一本置いておけばいつでもパンが食べられる。
こんなの立派なランチだよ。こう並べるとなんか人工的すぎるけど、パンの色味がディストピア感を払拭してくれている。調理の必要がなく、簡単に食べられて美味しいのは素敵なことだ!
うなぎ/白飯/ちりめん山椒
続いて今回買ったもので一番気になっていた「宇宙日本食」シリーズの「スペースうなぎ」を食べます。せっかくなので「宇宙白飯」も使ってうな丼を作りましょう。これも宇宙で食べれるなんて…
「スペースうなぎ」は宇宙飛行士の古川聡さんが実際に宇宙で食べている動画もあります。宇宙空間で浮遊するうなぎの蒲焼、かなり面白い。
うなぎはボイルでも常温でも食べれるし、白飯は水でもお湯でも作れるらしい。楽だね。せっかくなら美味しく食べたいのでうなぎはボイルして、お湯で白飯を作ります。
白飯はスプーンも入ってるので水さえあればその場で食べれちゃう。防災グッズとしても満点だ。
うなぎはレトルトパウチに入っています
うな丼の調理風景とは思えない。白飯なんてお湯を入れて待つだけで本当に出来るのかな……
出来た
白米だ!
ぎ…技術〜!どういう原理なんだろう。インスタント食品の技術を知っているとか冒頭で言っておきながら、何も分からない。
炊きたての感触がしっかりあってカレーメシとかの米とはまた違う。少し塊の部分なんかはありつつも、米がちゃんと全体的にパラパラで美味しい。個人的にはパックの米よりも美味しく感じます。
そして温まったうなぎも乗せると…
立派なうな丼が出来ちゃった
美しい。一人暮らしを始めてから、家で食べたご飯で一番豪華だ。ありがとうオモコロブロス。ありがとうスペースうなぎ。
美味すぎ
ちゃんとうなぎだ!少しあっさりしながらもうなぎの脂をしっかりと感じる、文句なしの蒲焼です。これはホカホカに温めた方が確実に美味しい。身もホロホロに崩れて、心がホクホクです。
爆裂にうな丼に合いそうなので「宇宙ちりめん山椒」も開けてみました。
パリパリで固まってて面白い。宇宙の船内で飛び散らないようにってことなのかな。
少し砕いて、うな丼に合わせてやる!
完成した
ピリッとした山椒の風味と小魚の旨味が効いてて、うなぎに合いすぎる!今、宇宙食はここまで来ていたか……
もちろん白飯とちりめん山椒だけでもバツグンに美味しいです!少し硬めの食感が個人的にはめちゃくちゃ好み。
まとめ
フライパンで焼き目を付けても美味しいそう
最近の宇宙食は凄いことになっていました。普通に持ち運びとか日持ちとかの観点から防災用に購入しても良いかもしれないですね!防災用の食品は普通にあるけど、それはそれとして!宇宙って書いてあったら格好良いから、選択肢の一つとして、是非。
一般販売されていないメニューで実用されているものも沢山あるらしいので、今後にも期待!!!