サバってうますぎる!!!!
ライターの神田(こうだ)です。サバっておいしすぎませんか?
煮ても焼いてもおいしいサバですが、私が特に好きなのはサバ寿司です。
頭の中にサバ寿司を思い浮かべてみてください。
長方形で縞模様でひんやり冷たいサバ寿司、酢と青魚特有のしんとした香り、脂の乗ったサバの旨さとごはんの甘さが口内で炸裂して頬の内側がきゅ〜っと痛くなるあの感じ。
私はおいしいサバ寿司が食べたいと常日頃思っているのですが、そんなとき、青森県八戸(はちのへ)にめちゃくちゃおいしいサバ寿司を出すビジネスホテルがあるとの情報を耳にしました。
https://hachinohe-torasaba.com
それがここ「八戸ニューシティホテル」。なんでも、”虎鯖”という特別なブランドのサバがあるそう。
正直八戸のことをよく知らないし、青森県にあまりサバの印象がなかったのでかなり意外です。東北に行くのも初めて。
いてもたってもいられないので夜行バスに乗って八戸に向かいました。
私が筆者です。チェックインまで時間があったのでバスを降りたあと八戸の海を見に行き、笑っています。
八戸ニューシティホテルに到着。いわゆる地方のビジネスホテルという佇まいです。
東京から本八戸駅まではバスで約12時間ですが、本八戸駅からホテルまではバスで20分ほどで到着します。ちなみに似た駅名に八戸駅と本八戸駅があるのですが、八戸駅と間違えるとけっこう遠くなるし電車の本数も少ないので気をつけたほうがいいです。
今回は、夕朝2食付きの虎鯖三昧コースの宿泊プランにしました。
泊まった部屋は和室。冷蔵庫にポットにテレビと、必要なものがすべて手の届くところにありとてもありがたいです。今回は泊まりませんでしたが洋室もありました。価格も食事付きで6500円弱とリーズナブル(2022年7月時点)。
私は広い部屋に泊まると、同じお金を払っているのにも関わらず使ってないスペースがあることにソワソワし無駄に動き回って体力を消費するのでこじんまりした部屋のほうが落ち着きます。
部屋にある小さい鏡や厚手ガラスの灰皿、蓄光時計、コーヒー牛乳色の電話機が旅情を掻き立てます。昔慣れ親しんだように懐かしいけど、けして家にはないもの、旅先のアンティークです。
廊下には家庭用の4段冷蔵庫がどどんと置かれ、氷を自由に取り出すことができます。電子レンジもある。旅先のスーパーで買ったおそうざいを温めて食べるの好きなんですよね。
大浴場(と言っても3人入れるくらい)もあるし、洗濯機も乾燥機もあるし、近くにはコンビニもスーパーもあって1人で泊まるには非の打ち所のないホテルでした。
サバづくしでこんなことあっていいのか夕食を堪能
夕食会場は7階のレストラン。部屋のある2階からエレベーターで昇ります。
なんかエレベーターで上に行くのがいいですよね。だいたい夕食や朝食って部屋から下に降りて食べに行くから、昇ると迎えに行くような気持ちになる。
さあ! サバ三昧するぞ〜〜〜〜
いっぱいきたーーーーーーっ!
虎鯖棒寿司にサバの味噌煮、〆サバにあとなんか見たことないやつがあります。これ全部食べていいとは。サバ好きには本当にたまりませんね。もうビールを飲んでしまいました。
私は好きなものは後にとっておくタイプなので、左端の見たことないフライみたいなやつから先に食べます。
イカゲソフライ……? フライドポテト……?
どれでもなくて、これは「せんべいの耳のバター炒め」。八戸地方名産の南部せんべいを作るときに焼き型からはみ出したものを”耳”と呼び、おやつに食べたりするそう。
南部せんべいを見るのも初めてなのに先に耳のほうを食べてしまいましたが、これがくにくにもちもち食感で滅法うまい。噛むとバターがじゅわっと染み出してめちゃくちゃビールに合う!! 八戸にこんないいものが隠れていたとは……。
これはせんべい汁。先に耳を食べましたがこっちが本丸です。一般的に八戸のせんべい汁は鶏出汁が多いそうですが、ここはサバのつみれの出汁と醤油で味付けしているのだとか。
つゆがおいしいのはもちろんですが、煮込まれたせんべいがぷるぷるで、舌と上顎を滑る食感がおもしろい。せんべいを汁に入れるとおいしいんだな〜。
こんなにツヤツヤできれいなサバ寿司を食べていいのか?
虎鯖棒寿司は写真でもわかるくらい身がしっとりして輝いていてさあ、皮の群青色と銀色のコントラストが本当に美しくてこんなことがあるんですねという気持ちです。
うますぎる!!!!!
こんなにうまいことがあっていいのか? サバの脂の乗りがすごく、口内で脂が溶けてとろとろになってサバの旨みがどわーーっとやってきます。
サバ単体だけじゃなくてその下の酢飯がまた良くて、ともすれば濃すぎる脂を酢飯が受け止めて「サバ寿司!」という料理として結実させるというか、コンビネーションなんですよね。サバと酢飯の。これすごすぎる。
サバの身はもっちりで、噛むと歯に沈み込んでぶりんっと弾力を返してきます。サバ寿司って身が乾いててキシキシするものもあるんですがこれはもう完全にしっとり。
あとサバの香りも良くて、いわゆる光り物臭が苦手な人でもほどよく楽しめる具合。あの臭いは鮮度によるものなので、いかに新鮮でみずみずしいのかがわかります。
これを食べに八戸に来て本当によかった……。
サバ寿司を食べた後に〆サバを食べるとやはり当然うまく、あたかもサバの並外れたポテンシャルの答え合わせをしているようでした。
脂がすごくて醤油も弾いてました。わさびを付けて食べるとさっぱりしてうまい!
サバの味噌煮はほろほろになるまで煮込まれていてもう照り照りです。サバの臭みを消すために玉ねぎでじっくり煮込むそう。
噛めば噛むほど味がして、味噌とカラメルのようなコクがありすごい。これでごはんをもりもり食べたい。ビールにはすこぶる合いました。
これはウニ豆腐。卵豆腐の淡い風味にウニがびしっと決まって急に輪郭のある味わいになる。奥ゆかしい。
今回はビールだったけどきっと日本酒にも合うのだろうな。
そして最後にとっておいたサバ寿司の一切れを惜しむように食べました。こんなにおいしいサバ寿司があるとは。新鮮で光輝いていて、冷たくて甘くて口から鼻にふっと抜けるサバの香り。
昭和の俳人・細見綾子の俳句に「そら豆はまことに青き味したり」という句がありますが、サバのおいしさも”まことに青き味”だと思いました。
サバのフルコースを食べ終えた後にはシメの八戸ラーメンが! ちぢれ麺が醤油スープにからんでうまい!
八戸のご当地ラーメンで、普通は煮干しで出汁をとるそうですが、こちらはスープにもサバを使用していて最後までサバづくし。ボリュームたっぷりでお腹いっぱいになりました。
それにしても八戸ニューシティのサバ寿司はなんでこんなにおいしいんだろう……?
なんでこんなにおいしいか聞いた
おいしすぎたので、八戸ニューシティホテル常務取締役兼、板長の谷口圭介さんにお話を伺いました。
なんで八戸はサバがこんなにおいしいんですか?
その秘密は八戸の海にあります。サバは海水温が18度以下になると脂肪分が高くなると言われています。サバの旬は10月頃から冬にかけてですが、八戸前沖では例年9月になると海水温が急激に下がって、サバの脂の乗り切った最高の状態で水揚げされるんです。脂の乗りは日本一と呼ばれています。お店ではその時期に水揚げされたサバを冷凍し、いつでも最高の状態のサバを届けられるようにしています。
そうなんですね。恥ずかしながらここに来るまで八戸がサバの名産地ということを知りませんでした。
八戸のサバは本当においしいんですが知名度が低いんです。県外の人はもちろんですが、地元の人にもまだまだ伝わっていないんじゃないかなと思います。だからサバといえば八戸、と思ってもらえるよう、自社で取り扱うサバを、背の模様が虎柄に見えることから「虎鯖」と名付け商標登録しました。今後もブランドとして発信していければなと。八戸のサバの魅力を伝えるためにブログも15年間毎日更新してますし、催事の出店で全国を飛び回っています。
名物の虎鯖棒寿司のおいしさの秘訣はなんでしょう?
化学調味料不使用でシンプルに酢と塩で〆て熟成させることでサバのおいしさを最大限に引き出しているからです。そのほうが雑味もなく、口に入れた瞬間ぶわっとサバの旨みを堪能できます。サバ寿司のサバは本当に脂が乗ったものだけを使用し、ごはんもサバの脂に負けないよう甘みのバランスがいいものを選んで使っているんです。
今後考えていることがあれば教えてください。
今はサバ寿司以外の商品として、「サバアヒージョ」の商品開発をしています。サバの捨てられる内臓脂肪からオイルを抽出し、青森産のニンニクと青唐辛子を使って仕込んだ地場産品です。ただ、まだサバの臭みが強く、まだまだ試行錯誤しなきゃなので商品化はだいぶ先になると思います。
今後も県外の人に八戸のサバの魅力を知ってもらえるよう、ブログや催事で情報発信していくつもりです。ぜひ一度当店のサバ寿司を食べてもらえたらうれしいです。
ありがとう八戸
八戸ニューシティホテルの虎鯖棒寿司は、間違いなく今まで食べたなかで1番おいしいサバ寿司でした。写真を見返すとよだれが出てくる……。
なんとこの虎鯖棒寿司は通販でも購入可能! いい時代になりましたね!
https://hachinohe-torasaba.com/torasabagaiku/
また、全国各地の百貨店に催事出店もしているので、八戸を訪れずとも虎鯖棒寿司を購入することができます。おいしいものは東京に集まってくるのか〜。近くに来るのを待ちわびています。
スケジュールは八戸ニューシティホテルのWebサイトを要チェック!
※PRとかじゃなくおいしいから勝手に宣伝してるだけです
サバ寿司本当においしかったな〜。こんなにおいしさを思い出すことなかなかない。サバ寿司は通販で買えますが、実際に現地を訪れることで八戸のこともよく知ることができました。待つより迎えに行ったほうがいい。
今度は旬の時期に行ってサバを食べまくりたい! サバ好きの方はぜひ一度八戸ニューシティホテルさんの虎鯖棒寿司を食べてみてください。
以上、神田がお送りしました。