「VR ZONE」に行ったこと
今日、ぼくは、『VR ZONE Project i Can』という、とてもおぼえにくい名前のイベントに行ってきました。
『VR ZONE Project i Can』というのは、ダイバーシティ東京で、4月15日~10月中旬まで期間限定で開催中のイベントブースのことです。期間を限定しないでほしいと思います。
どういう施設かというと、「すごくすごい仮想現実(VR)をお金とひきかえに体験できる場所」です(※体験は13歳以上から)。
お金はちょっとなくなったけど、VRがとてもすごかったので、ぼくは「すごかったからよかったなあ」と思いました。
どういうものがあるのか
VR ZONEには、ぜんぶで6つの体験コーナーがあります。
・スキーのゲーム (スキーロデオ)
・自動車をうんてんするゲーム (リアルドライブ)
・巨大ロボットでたたかうゲーム (アーガイルシフト)
・病院をたんけんするゲーム(脱出病棟Ω)
・高いところを歩くゲーム(高所恐怖SHOW)
・電車をうんてんするゲーム (トレインマイスター)
どれもそれぞれ有料で、80分の制限時間のうちですきなゲームをえらんで遊ぶしくみになっています。所要じかんは10分くらいです。
後半の30分くらいになると、人気のあるゲームの受付は終了してしまうことがあるので、すきなやつには早くならんだほうがいいと思いました。完全よやく制なので、一度入っちゃえばそんなに並ばなくてもだいじょうぶです。
スキーのゲーム (スキーロデオ)
これは、雪山をすべりおりるスキーを体験できるゲームです。
VRゲームでは、まず視界をふさぐVRゴーグルをかけます。そのあと、ヘッドホンをそうちゃくされます。けっこう頭が重くなるうえに、視覚と聴覚がほとんどシャットアウトされるので不安になります。このゲームではさらに、スキー板っぽい形の足場に足を乗せて、ストックっぽい棒を握らされます。左右に体重をかけると、リアルにスキーをしているみたいな感覚で操作できるのです。これでほとんど五感を他人にあずけわたしたことになるので、人間の尊厳に危機がおとずれます。
ぼくはふと気づくと、雪山にいました。心なしか寒くかんじました。あとはすべりおりるだけ。
……だけど、正直にいって、めちゃくちゃむずかしかったです。文字どおり山あり谷ありのコースを超スピードですべらされるし、操作感が現実のスキーそっくりなので「そういえば、中学生のときのスキー合宿でもぜんぜんうまくすべれなくて、最終日までなだらかな初心者コースを20往復していたなあ」という、忘れてもいい思い出がよみがえりました。「リアルな映像だな~」とか「飛び出して見えるな~」とか思うよゆうはありませんでした。それくらいのめりこんでしまったということでもあります。
けっきょく、滑り切れずに岩にぶつかりまくって時間切れになってしまいましたが、ゲームとしての完成度は屈指でした。「VRゴーグルがちょっと重い」という違和感も、スキーという設定が解消してくれています。現実で息を吐くとゲーム内では白い息になったりして、芸がこまかいです。
ぼくに同行していた人は、ゲーム内のナビゲーション指示を会場のおねえさんの声だと勘違いして「はい!」と元気に返事していたらしく、「VRは人間の尊厳をこれからもどんどん削っていくんだろうな」と思いました。
自動車をうんてんするゲーム (リアルドライブ)
やりませんでした。なぜなら、このゲームだけゴーグルをかぶるVRじゃなくて、視界を覆うくらい大きくて丸みのあるモニターを前してやるやつだったからです。
ゲームとしてはおもしろそうだったのですが、バイキングにおけるカレーライスみたいに、「おいしいのはわかってるけど今は”その時”じゃない」という雰囲気があり、人が少なかったのがちょっと気の毒でした。
巨大ロボットでたたかうゲーム(アーガイルシフト)
「すごさ」でいえば、これが一番だったかもしれません。
どういうゲームかというと、かっこいい巨大ロボットに乗って空をとびながら敵を撃ちまくるゲームです。横にはナビゲーターの女の子がいてアドバイスしてくれます。男子の欲望が超ストレートにはんえいされていて、VR作ってるのって男ばっかなんだろうなと思いました。
このゲームでは、ゲーム中の挙動に合わせて座席がゆれます。これが想像をはるかにこえる臨場感をもたらしてくれました。さいしょ、プレイヤーがロボットに乗り込むところから始まるのですが、クレーンみたいなやつでコックピットを「ウィーン、ガコォォーン…!」と接続する、あのロボットアニメの「大トロ」の部分をリアルに感じられて、ゾクゾクしました。空をとびながら戦っていたら、モニター上に仲間たちからの通信がピコンと表示されたりするのも「わかってるなぁ」と思いました。
ただ、「ミサイルよけて!」とかそういう指示を急に出されると「やってやるぜ!」より先に「えっ、なになに!? どういうこと!?」という感情が先にたつので、やっぱりシンジくんのあのウジウジした反応はしごくまっとうだし、葛城ミサトはひどいやつなんだなと、あらためて思いました。
あ、あと大事なことですが、ナビゲーターの女の子はとても露出がおおいので、目のやり場にこまります。しかも「やりましたね!」とかいってむぼうびに顔をグッと近づけて覗き込んできたりします。ぼくは思わず「うわっ」となって顔をそむけて窓の外を見てしまいました。映像と分かっていても、他人が目の前にいると視線をそらして防御してしまう、ということがわかりました。
病院をたんけんするゲーム(脱出病棟Ω)
やりませんでした。心臓マヒで死にたくないからです。
ほかのお客さんが「ミーーーーー!!!!」と絶叫していたのが印象的でした。ふつう生きてて「ミーーーーー!!!!」って絶叫することありますか? たんにオーバーリアクションな人なのかと思ったら、次のお客さんは「マ゛ッッッ!!!?」とさけんでいたので、たぶんゲームのほうがおかしいんです。
二人一組でやるらしいので、ともだちと遊ぶといいと思います。
高いところを歩くゲーム(高所恐怖SHOW)
こわかった。
木の板の先にいるネコをつかまえてくるゲームです。
ゴーグルとヘッドホンをつけて、両手両足にセンサーを取り付けた重装備で挑戦します。
これは本当に、心の底からおそろしかったです。
じっさいはただ床の上に細長い板が置いてあって、「これから捨てるタオル」みたいなもの(ネコ)が配置されてるだけなんですけど、VR映像では、地上200メートルのビル上に木の板があって、その先にネコがいるように見えます。それだけでも怖いのに、扇風機で横から風がおくられてきます。さらに、板はところどころ「ガタッ」と軋むようになっています。
①遥か下に豆粒サイズの車が走っているのが見える
→脳「死ぬで」
→理性「いや、映像だから」
②ビル風が肌をなでるのを感じる
→脳「死ぬで」
→理性「いや、扇風機だから…」
③足を踏み出した瞬間、板が「ガタッ」と傾く
→脳「死ぬで」
→理性「死ぬわこれ」
→脳「だから死ぬで言うたやないか」
→理性「うん、死ぬねこれ」
このトリプルコンボが脳の感覚を完全にジャックします。足がすくみ、終わったあともしばらく震えていました。それでも、ぼくは他のお客さんに比べるとよゆうだったらしいです。人によっては腰が抜けて動けなくなる人もいるそうです。終わったあと、係のお姉さんに「ずいぶん周囲をキョロキョロ見てましたね」と指摘されました。料金のもとをとろうと思っていろいろ眺めまくっていたのがバレてはずかしかったです。
高所恐怖SHOWは「VR ZONE」でいちばん人気だったので、体験したい人は入ってすぐにならんだほうがいいと思います。
電車をうんてんするゲーム
やりませんでした。行きで埼京線の電車に乗ったので「もういいか」と思っていたからです。
感想
ぼくは今回、「スキーのゲーム」「ロボットでたたかうゲーム」「高いところを歩くゲーム」の3つをやりました。
どれも、いままでにまったく経験したことのないようなものでした。正確には、ここにあるのは「ゲーム」ではなくて、「VRアクティビティ(体験)」だそうです。そのいみは、やってからわかりました。「ゲーム」として見ると、たぶんゲームセンターのゲームのほうがよくできているし、おもしろいです。でも、「体験」として見ると、こんなに新しいものはほかのどこにもないと思います。
今思い出してもふしぎな感じがします。なんというか、本当にスキーをやって、ロボットに乗って、高所を歩いた記憶がのこっているのです。ふつうのゲームなら「ゲームをした記憶」がのこります。VRゲームの場合は、それが「ゲーム」だということをすっ飛ばして、事実として記憶に残ってしまう、そんなすごさがあります。VRに言及している人がしつこく言いまくっている「没入感」とは、こういう感覚のことかなあ、と思います。
そういえば、まったく酔いませんでした。個人差はあると思いますが、ぼくは映像の内容に夢中になって「酔う酔わない」まで意識がいきませんでした。また、メガネは着用したままでも問題ありませんでした。でもたぶん、アラレちゃんみたいなメガネだと無理です。
「VR ZONE」はダイバーシティ東京で10月中旬まで開催しています。完全ネットよやく制のうえ、すぐに1ヶ月先まで枠がうまってしまうので、なるべく早めにネットよやくするといいと思います。13歳以上でVRに興味がある人は、ぜひ体験してみてください。ぼくは、また行きたいなと思っています。
おわり
https://www.youtube.com/watch?v=9jx2YWzxvbs
ゴーグルの下につけるアイマスク。ゲームによっては汗びっしょりになるので必須です。