どうもリックェです。

 

世界が終わるタイプの小説が好きです。

ざっくり「終末系」ってやつですね。

みなさんはお好きでしょうか?

 

 

今日は”ちゃんと終わる”終末系おすすめ小説3選をおとどけします。

 

前置き

ちゃんと終わると前置きしたのは、

ちゃんと終わらないタイプが多いからです。

 

 

終末の流れって以下の通りで、

 

カタストロフィーで人口が減る

 ↓

文明が弱まる

 ↓
かわりに自然や暴力が強くなる

 

 

そういう時代って冒険や騒乱を描きやすいわけです。

 

そうすると、ちょっと趣旨が変わってきて、人類滅亡自体にテーマの主軸をおかない作品もでてきます。なんなら人類の生活が安定しはじめ、「原始生活、コミュニティ同士の衝突」「ワクワクサバイバル」、「発見探検!旧世界の遺物」みたなことも終末系の名のもとにやっちゃう。(グラフの点線部分です)

 

 

そういう脂っこい作品もきらいじゃないんですが、やや物悲しい「終わりが確定した世界」をさっぱり塩だけで描く3作品をチョイスしました。

 

 

終末のフール

 

終末のフール (集英社文庫)

 

小惑星衝突による地球滅亡が決定して後3年となった世界で、登場人物は日本のいなかの団地の住人達。それぞれの話がやんわりつながったショートストーリー集です。

滅亡の発表があったのは5年前というのがミソで、自暴自棄の犯罪や自殺は小康状態になっています。余分な脂はすっきり落ちているってわけ。

 

 

 

ところで、スーパーの陳列が滞り、公園の落ち葉が掃除されない描写があるんですが、これって社会を回すことから人々がフェードアウトしていってる様子なんですよね。

 

 

登場人物たちは、どちらかといえばフェードアウトせずに踏ん張っている。これが、寂しい世界では相対的にポジティブに見えるんですが、うまいなあって、なにか、優しい気持ちになります。

 

 

 

渚にて

 

渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)

 

1957年に書かれた、終末ものの大先輩です。

北半球で核戦争が起き、放射性物質が徐々に南下し、滅亡は避けられない。

 

北半球はもう全滅していて、オーストラリアで残りの数ヶ月を待ちます。

前半、どこか遠いところの出来事・他人事感があるのですが、やはり終末の影がちらついています。そして後半の展開は早いです。

 

人々の最後の決断とあっけなさで、感情を揺さぶられます。

自分はどういう行動をとるだろうか考えながらつい読んでしまいます。

 

 

 

 

終わりの街の終わり

 

終わりの街の終わり

 

これちょっと異色なんですけど、おもしろいので。

 

たとえ、人は死んでも、誰かの心の中に生きている。

思い出してくれる人がいなくなったとき、真に消えてしまう。

 

よく聞く表現ですよね。
この作品では、それを主軸に置いたルールがあります。

 

 

「人は死ぬと死後の世界『終わりの街』に到着し、生者に記憶されている間は死者は『終わりの街』の住人でいられる。」

 

 

その街には死者が集まっていて、生前のように生活を続けています。

*ボンバーマンで言うところの「ミソボン」です。ミソボンわからない人に例えるとミソボンは「終わりの街」です

 

 

あるときを境に、終わりの街には加速度的に新住民が到達するようになり、それと同時に何十倍の住民が消えていくようになりました。

 

 

致死率100%のパンデミックが世界を襲ったのです。

 

 

なるほど、と!!

この設定だけでもう面白そうじゃないですか?

 

ちなみに、登場人物は、パンデミックから逃れた南極調査隊員数人と、彼らが記憶している家族や友人。つまり「街の住人」で死者の側から語られる話もあります。そして、もちろんそれだけじゃなくて、静かにちゃんと終わりますよ!

 

 

 

 

以上、3作品、静かにちゃんと終わる!終末系小説3選でした。

ちゃんと終わらない終末系小説3選もそのうちやるかも。