こんにちは、ライターのギャラクシーです。

誰にだって他人におすすめしたいマンガのひとつやふたつはあると思うんですが、本日は僕のおすすめマンガを一冊ご紹介させてください。

 

今まで何度もこのマンガを他人におすすめしてきたんですが、一度も「あぁ、アレね」と言われたことがなく、そのたびに僕は「あの素晴らしいマンガをもっと世に広めなければ!」と使命感に燃えてきたのです。

 

それがこちらのマンガ!

 

 

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青林堂/谷弘兒『薔薇と拳銃』

 

1993年に発行された、谷弘兒(たに・ひろじ)先生の名作『薔薇と拳銃』です。「ガロ」などを出版していた青林堂から出ている本ですね。表紙はケンカに負けた息子が描いたみたいな感じですが、中身がすごいんです。

 

簡単にあらすじを紹介しましょう!

 

 

「薔薇と拳銃」その絶望的すぎるあらすじ

 

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左が“娘”、右が主人公の陰溝蠅兒

 

主人公は横浜・無国籍横丁で探偵をやっている青年、陰溝蠅兒(かげみぞ・ようじ)。彼がひょんなことから助けた“娘”(名前なし)は、追手の正体や、今までの境遇について、驚くべき証言をするのだった。

 

 

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謎の女マダム・キルケ

 

この日本のどこか、蟷螂閣という邪淫の城がある……。謎の女マダム・キルケが支配するその宮殿は、惨たらしく人体改造された生きた淫具たちで溢れ、毎夜 残虐な宴が行われていた。

 

 

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“娘”もまた蟷螂閣に囚われ、人体改造を施されたのだという。

 ※ちなみに、“娘”が改造された箇所は

 ・額に第三の目を埋め込まれた
 ・女性器と肛門を「特別製」にされた
 性器と肛門がどういう状態なのか描写されていませんが、“娘”によると「吐気がするほどみだらな、グロテスクな形」。

 

彼女は幻覚剤によって薬漬けにされ、朝も昼もわからない無限の地獄と、絶望的な快楽の中で生かされ続けてきたのだ。

 

 

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なんとか逃げ出してきたという彼女を、蠅兒は部屋に匿うことにした。なぜなら彼もまた幼い頃から、この呪われた世界に深い違和感を感じており、彼女と自身とを重ねてしまったからだ。

 

彼女にとっては初めての安息の夜。しかしそこにも、恐るべきマダムキルケの魔手が伸び……。

 

 

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キルケの居城・蟷螂閣に乗り込んだ蠅兒。そこはまさしく邪淫の極北。爛れた変態性欲と、グロテスクに人体改造された奴隷たちの呪いが混ざりあった、地獄のスープが広がっていた。

 

果たして悪と淫欲の権化、マダム・キルケを倒すことはできるのか……!?
呪われたこの世界と、腐った人間たちの中で、“娘”の第三の瞳が映した……ただひとつの真実とは?
主人公・蠅兒は、愛銃ルガーを握りしめ、キルケを追う!

 

 

エロでグロでバイオレンス、なのにどこかポップ

 

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できるだけネタバレしないようにあらすじを書きましたが、いかがだったでしょうか。

 

僕がこのマンガを好きな理由のひとつ、それはエロでグロでバイオレンスなのに、絵柄もストーリーもどこかポップなところ。ほんと、なんて楽しそうにマンガを描く人でしょう! こういうマンガにありがちな「わし、尖ったことやってますやろ?」という嫌味がまったくありません。

 

 

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ニヤニヤしながらこういった不必要に細かい設定を考えている作者が目に浮かぶ

 

そしてもうひとつ、ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ストーリーが良い……最高に良いんです! ラストの静かな悲しさを以って、あの毒々しいカオスを、一気に美しい物語へと収束させた手腕はまさに天才的。

絶対に絶対に絶対に損はしない名作だと言い切れるので、ぜひ書店にてお求めください!

 

……と、言いたいところなんですが、

 

『薔薇と拳銃』は現在、絶版となっております。

 

今回の記事を書くにあたり、画像の使用許可を頂くついでに、青林工藝舎さんに「復刻の予定はありますか?」と聞いてみたところ、「残念ながらありません」とのことでした。

なんでええぇぇぇ〜〜! 復刻しちくりーーー!!! こんな素晴らしいマンガは絶対後世に残すべきーーー!!

 

 

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行かないで~!キルケ様ぁぁ~~!

 

というわけでみなさん、青林工藝舎から出ている谷先生の単行本『怪傑蜃氣樓』(これもおもしろい)を、今すぐ一人10冊買いましょう! そして谷弘兒(たに・ひろじ)先生の名前を広めていけば、いつか『薔薇と拳銃』も復刻される……かも??

 

 

おわり