こんにちは。フェチフェス広報のみみずくです!
2017年1月29日に開催された「フェチフェス09」の模様を、「ちょっと変わったフェチ」「新しいフェチ」という視点でレポートします。
第1回に引き続き第2回では、フェチな感性を「美」へと昇華したアート作品を紹介します。
フェチアートの現場を歩く
フェチフェスは、全国各地からアーティストさんたちが集い、フェティッシュなアート作品を展示即売するイベントです。
会場には、イラストや写真、雑貨、立体作品などがズラッと並んでいました。
GENk(ゲンキ)さんの画集『BLOODBLISTER』@SWEETRUBBERBERRY
包帯女子や首輪女子をモチーフにした写真集@C-ROCK WORK
ホラーなマスク作品の数々@Afys deadly mask
プレゼントにもぴったりな可愛らしい緊縛ストラップ@KITANYA DESIGN FACTORY
いかにもフェチフェスっぽい作品も多数見られました。
手前の「松茸師匠」や2段目の「乳神様」に目を奪われます。@SUNGUTS FACTORY
「松茸師匠」はアレを連想させますが、実は、古典作品に登場する由緒ある妖怪なんですね。決して「アレ」の擬人化ではありません!!
そんな松茸師匠の隣には……
「アレっぽい」アミグルミ@ドル・ロッフォのカイキアミグルミ
「アレっぽい…」と書かれたアミグルミがありました。黒と白、ピンクがあります。しかも白いのは電動です!!
で、「アレ」ってここまで来てボカします…?
特殊似顔絵を描いてもらおう!
こちらは奇想漫画家・駕籠真太郎先生の特殊似顔絵ブースです。
何を隠そう、僕は駕籠真太郎先生の大ファン。高校時代、尊敬する先輩が部室に『輝け!大東亜共栄圏』を持ちこみ、それを僕が読んだのが全ての始まりで、「エログロ×う●こ」で第二次世界大戦をパロディー化するという特異な世界観に僕は引き込まれました。
そんな駕籠先生と大人になってから再会し、似顔絵を描いてもらえるなんて……。しかも、単なる似顔絵ではなく「特殊似顔絵」です。
特殊似顔絵では、似顔絵にさまざまな加工を施してもらえます。概ね血まみれになります。
というわけで、さっそく特殊似顔絵を描いてもらいました。
僕の顔を描いてくださる駕籠真太郎先生
僕の顔が赤く染まっていく……
所要時間約15分! 僕は、駕籠先生にお会いするたびに特殊似顔絵をお願いしていて、これが7枚目です。駕籠先生の特殊似顔絵はバリエーション豊富なので、毎回違うパターンで顔面をぶっ壊してもらえます。最高!
駕籠先生、ありがとうございます!!
ロープアートが女性の美しさを引き出す
フェチフェスで人気のジャンルといえば「緊縛」。
麻縄を使った古典的な緊縛から、色とりどりの縄を使ったポップな緊縛まで、さまざまな緊縛と出会えます。
そうした緊縛の中でもひときわ目立っていたのが「アメージング企画」。カラフルなロープで縛られた2人の美女がお出迎え!!
アメージング企画は、ライト&ロープアーティスト、写真家のダイさんが代表を務めるアート集団です。
2017年1月には企画展「ロープアートの世界」を開催し、ネオンロープ(ブラックライトで発光するロープ)を使用して女性の美しさを表現する「ロープアート」作品が話題となりました。
The world of Rope Art 2017 from Photographer Dai on Vimeo.
フェチフェス09では、写真集の販売の他、緊縛体験を行った「アメージング企画」。代表のダイさんにお話をうかがいました。

蛍光色の縄を使ったロープアートに興味を持たれたきっかけを教えてください。

私はもともとボディペイントをやっていました。蛍光塗料で女性の体に絵を描いて、ブラックライトで光らせる、という作品です。活動を続けていく中で、6年前くらいにHajime Kinokoさんのサイバーロープと出会いました。このとき、インスピレーションを受けたんですよ。

ボディペイントは、ステンシルや3本のエアブラシを使って、1つの作品が完成するまでに4時間かかります。そうした苦労の割には、インパクトが小さいんですよね。

4時間…! かなり長いですね…!

一方、縛りの方は、比較的短時間にできて、ショーの要素もあり、しかもインパクトも大きいんです。ロープアートに必要な材料やノウハウ、ブラックライトはもともと持っていました。だから、入っていきやすかったというのもあります。

初めの頃は「蛍光アート」という形でやってきましたが、今回は「ロープアート」に特化した形でやっています。

そもそもどうして「蛍光」に入っていったのでしょうか?蛍光に対するこだわりやフェチなどがあったのでしょうか?

仕事で扱ったことのあるレーザー蛍光顕微鏡がきっかけです。これを使用すれば、たとえば、細胞に刺激を与えて蛍光発光させられます。そうすると、細胞の多能性を示す現象を可視化できるんですね。この面白い蛍光発光現象を何かに応用できないかと考え、蛍光のボディペイントを始めました。

ダイさんの創作のコンセプトを教えてください。

私はもともと写真出身なので、ポートレートをたくさん撮影してきました。これは、女性をさらに美しくする撮影するフォトマジックです。

一方、ロープアートは、女性を美しく飾り付け、美しいシルエットに矯正するロープマジックです。フォトマジックとロープマジックのコラボを通して、縛られた女性を美しくオブジェクト化して、シュールな世界を実現します。作品の主体は女性なんですよ。

ダイさんは、ご自身でモデルさんを縛られるんですか?

全部私がやっています。何でもできるので…。

緊縛師のお仕事もされているんですか?

これからですね。ロープアーティストとして仕事は何回かしていますけど。

ダイさんは、SM的な緊縛ではなく、あくまでもアートとして縛りを行っていくつもりですか?

SM的な緊縛も行います。ですが、緊縛といっても差別化しなければ多くの人たちに見てもらえないので、ロープアートを中心に今後も活動していきます。私はロープの色を10色くらい使っています。色数を増やすことでオリジナリティを出しているんですよ。

さらに、縛ったモデルさんの体には、ワンポイントでボディペイントが入っています。こういうところにもこだわっています。
右の太もも部分に、ワンポイントでボディペイントが入っています

今年のゴールデンウィーク(4月28日から5月8日)に、中野のGallery2549(西武新宿線新井薬師前駅徒歩5分)で「アメージング企画展 ロープアート2 イリュミネーション&イリュージョン」を開催するそうですね。

ロープアートの蛍光発光は写真では表現しきれません。そのため、企画展では、モデルさんを呼んで、ライブでロープアートを実演します。Gallery2549さんにはプロジェクター環境が整っています。プロジェクターマッピングの美しい環境下で、最高のロープアートをお見せします。

毎回とても好評なので、今回も毎日2回のライブパフォーマンスを予定しています。前回の企画展「ロープアートの世界」を超えるアメージングな世界を味合えると思います。皆さん、ぜひご来廊ください。
今年の秋には、女の子が空を飛ぶ「吊り」をライブで実現したい…とのこと!
企画展やライブパフォーマンスの情報は「Amazing HP」で発信しているようです。気になった方はぜひ!
「くびれ巨尻」への愛を語る
フェチフェス09では、ステージパフォーマンスとして「くびれ巨尻コンテスト」が開催されました。
審査員長は、日本美術家連盟会員の油彩画家・三嶋哲也さん。
油彩画家の三嶋哲也さん
厳選された7名のモデルさんが参戦したコンテストは大盛況! 熱気あふれる会場の様子をレポートします!!
……と言いたいところですが、モデルさんたちへの配慮から、コンテストのメディア取材はNGでした。美しき「くびれ巨尻」の魅力を紹介できないのが残念…。
というわけで、レポートの代わりに、三嶋哲也さんへのインタビューをお届けします。
三嶋さんは、三越や高島屋、西武などで個展を開催するほどの実力派です。一方で、「三嶋さんはとってもイケメンなんですよね。でも、お話をうかがうと『あっ、フェチだ!』って分かるくらい、お尻へのこだわりが強いんですよ」(フェチフェススタッフ談)と評価されるほどのお尻フェチでもあります。そんな三嶋さんに、「くびれ巨尻」への愛を語ってもらいましょう。
巨峰 SM(撮影=三嶋哲也)。三嶋さんが描く静物画からは、質感や香りが伝わってきます。
After the dance 80変(撮影=三嶋哲也)。三嶋さんは、女性の美を徹底的に追求して表現しています。

まずは、今回の「くびれ巨尻コンテスト」についてコメントをお願いします。

コンテストへの応募者が多かったので、出場者を選ぶ作業がとても大変でした。その分、出場していただいたモデルさんは全員、その時点で優勝といってもいいくらいレベルが高かったですね。誰が優勝するのか全く想像できない状況でした。

今回、照明でモデルさんのシルエットを映し出すなど、演出がこんなに凝るとは思っていませんでした。「照明の色をできればナチュラルな方がいい」などと私も多少口は出しました。ですが、こんなに演出が素晴らしかったのは、スタッフさんがいろいろがんばってくださったからです。

「くびれ巨尻コンテスト」を開催したことが今後の創作にどうつながっていくと思いますか?

モデルさんを全員描きたいくらいです。今回は「三嶋哲也描きたいで賞」を一人選ばせていただきました。今回の出場者さんが自分の作品になるかもしれません。やはり美しいモデルさんたちを見るのが一番です。生で見ないと、尻意識というか、下半身に対する意識が高まっていきませんからね。

「こんなたくさん見ちゃっていいの?」というくらいたくさんの巨尻を見られて、創作への意欲がさらに増しました。
百合華さんを描いた作品のグッズ@Regenerador

コンテストに「くびれ」という言葉を入れていたくらいですから、くびれに対して拘りがあるということですよね?

以前「むちフェス」というイベントで「桃尻コンテスト」がありました。そのとき審査員を務めさせていただいたのですが、改めてくびれの意味を考えさせられました。

くびれの意味?

巨尻といっても、単独で巨尻は存在しないものです。ヒップが100あってもウエストが90あったら、「それは巨尻ではないだろ?」と思います。つまり、くびれがないと巨尻ではないんですね。

逆に、巨尻のないくびれは、ネタののってない寿司のようなものです。くびれと巨尻の両方があってこそ初めて料理で、すばらしい女体になり得るんです。そういった持論のもと、今回のコンテストでは、「ウエストとヒップの差30センチ以上」という厳しい応募規定を設けさせていただきました。
Mellow line(ENA)40変(撮影=三嶋哲也)
Mellow line(綿菓子)20変(撮影=三嶋哲也)

以前、三嶋さんはセルライトについて熱く話してくださいましたよね。今回は、セルライトは審査基準に入っていたのでしょうか?

お尻や太ももの裏にボコボコっと出てくるのがセルライトですね。今回のコンテストでは、セルライトが目立つモデルさんはいませんでしたが、「エロ」という視点から見ると、セルライトがあった方がエロくなると私は思っています。

むしろあったほうがいいと…!

たとえば、お尻を突き出したり、四つん這いになったりと、女性がエロいポーズをしたときにセルライトが映えます。セルライトのある女性の方が、質感が軟らかいというか、そういった余裕を感じさせてくれます。

たしかに、言われるとそんな気がしますね…。

いわゆる「美尻」だと、エロいポーズを取ったときに、筋肉がパンッパンッと張ってしまいます。そうすると、お尻が固くなってしまいます。

これだと、いっぱいいっぱいな感じといいますか、余裕感に欠けるかな、と自分では思っています。30歳代のお尻の方が美しさとエロさが高次元で両立している気がします。
ERI 0F(撮影=三嶋哲也)

最後に、新年の抱負を教えてください。

私は、人生のかなりの時間を生尻を見ることに費やしてきました。その経験を活かして、潔くくびれとお尻だけを描いた作品を継続したいです。それから、女性の全身をモデルにした大きい絵も久々に描きたいですね。お尻だけの作品とヌードの大作を今年も引き続き描いていくつもりです。
MAHO 0F(撮影=三嶋哲也)
編上げ靴のヌード 25変(撮影=三嶋哲也)
フェチアートから生まれる出会い
フェチフェスで展示されるアート作品はいずれも、アーティストさんのフェチな感性が凝縮された傑作ばかりです。眺めているだけでも楽しいですし、新たなフェチに目覚めるきっかけになるかもしれません。気に入った作品をその場で購入できるのも嬉しいですね。
さらに、フェチフェスでは、アーティストさん本人と交流できます。作品についてアーティストさんに話を聞いてみると、その熱い思いがひしひしと伝わってきますよ。フェチやアートとの出会いだけでなく、人との出会いも楽しめるのがフェチフェスです。
いよいよ次回はフェチフェスレポートの最終回。フェチを扱った映像作品の世界をご紹介します!
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