あのポッポが閉店ラッシュ!?

 

 

ポッポは、セブン&アイ・フードシステムズがイトーヨーカ堂などに併設するフードコート内や食料品売り場脇に出店している、ファーストフード店。

ポッポ (飲食店) – Wikipedia

 

皆さんポッポはご存知だろうか?イトーヨーカ堂内にある、なんてことのないファーストフード店である。ファーストフード店と言ってもあるのはたこ焼き、今川焼き、ポテト、ラーメン、アイスでなんというかファーストフードと言うよりも小さいサービスエリアと言った方が雰囲気は近い。

 

ただそんなポッポに思い入れがある、俺はこれで育ったのだ。

 

小学校位まで母親と自転車を飛ばしてよく近所のイトーヨーカ堂に買い物に行っていた。もちろん俺はガキなので偽マウンテンバイクに乗っていた。

 

母親が買い物の間、俺は100円だけ貰いゲームコーナーで暇つぶしをする。メダルゲームは1回10円なのだが、メダル1枚でも遊ぶことが可能で、100円でメダル11枚に両替が出来る。日本の子供のほとんどはここで為替を覚えるのではないだろうか?100円でメダル11枚は買えるけど、メダル11枚は買えない。

KONAMIのしゅりけんボーイや、坊主が和尚様の読経中にお供え物のお団子を盗むつるりん君などが大好きだった。あとはペンギンが釣り芋掘りをするヤツ、原始人がヤリを投げるヤツとかもやってたな。

 

メダルを使い切った頃に母親もちょうど買い物を終えていて俺に声をかける。そのまま地下の食品コーナーに行き、件のポッポで色々食べるのが定番コース。

 

そのポッポがどんどん閉店している。俺はあの思い出の味に再会したい。

 

 

 

 

 

▲今回訪れたのは小岩店

 

訪れたのは2/28。小岩店のポッポはこの日が閉店の日であった。

 

ポッポはたこ焼きを焼くのが実際に見えるオープンキッチンの様なシステム。ポッポの凄い所は自動たこ焼き器を導入していたところだ。たこ焼き器自体が震え、自動的にたこ焼きを回転させながら焼けるシステム。土日の夕方になると注文が多く入るので、大量のたこ焼きがブルブルと回っているのを見るのが楽しかった。

 

▲今回焼いてるシーンは見れなかった

 

 

 

注文してしばらくテーブルで待つ。

 

テーブルに座って当時を思い出していた。テーブルからよく見ていた看板がある。

 

「ソフトクリームを落とした場合、新しいものに替えさせて頂きます」

 

ポッポの天井にはそう書かれた看板が吊るされていた。子供ながら『悪用するズルい人が現れるからこんなこと書かなくていいのに!』と、思ったのを覚えている。俺は当時からずる賢い考えを持っていたのだな。

 

 

▲たこ焼き ¥399

 

たこ焼きが来た。そうそうこの柄のお皿!関西人にはたこ焼き文化があるらしいが俺にもある、それがポッポだ。東京人の俺が最初に知ったたこ焼きチェーン店は銀だこよりもポッポなのだ。

 

ポッポのたこ焼きにはもう一つ特徴がある。爪楊枝でなく竹串の様なもので食べるのだ。しかもその竹串は必ず二本提供される。何故一本じゃないのだろうか?箸として使用するには細すぎる。謎である。もちろん今回も二本ついていた。

 

ポッポの竹串は先端が丸になっていたのを強く覚えている。一番最初に知ったユーザーホスピタリティはこれだったな。

 

▲この店舗のはフツーの竹串だった

 

 

 

頂きます!

 

 

 

 

 

変わっていない、これこれ!

 

 

ポッポのたこ焼きはかつお節が大量に載っていた。たこ焼きを食べ終わった後、お皿に残ったかつお節を竹串でつまみ、ソースを絡ませベチョベチョにして食べるかつお節の美味さよ。

 

 

そのポッポは途中から新メニューを導入した。ポテトである。当時はどん兵衛くらいのサイズのカップ容器(模様はピンクと青で遊園地のような柄だった)に山盛りに入って150円だった!

 

▲容器はボートのようなお皿に変わっていた ¥153

 

当時はこれの倍くらいが縦に容器に入っていた気がする。時代を感じる。毎回揚げたてだったな。

 

 

 

 

▲醤油らーめん ¥460

 

ラーメンは特別な時にしか食べられなかった記憶がある。おやつというよりこれは食事だからだ。しかし、俺ももう大人。今日はあの頃の思い出を全部食べに来た。

 

 

 

▲当時憧れた全部食い

 

 

 

 

 

 

懐かしい味がする。これがいいのだ。今日は俺はこれを食べに来た。久しぶりだね、ポッポ。

 

 

 

 

帰り際に、ふと「イトーヨーカ堂にあった子供文化はもう楽しめないんだなー」と切なくなってしまった。当時はスーパーの屋上には必ずゲームコーナーがあった気がする。調べたところもうほとんどがなくなっているようだ。ドラゴンボールのTV電話のゲーム(100円いれると最後にカードが貰える)も、ポップコーンマシンも、志村けんのルーレットも、一定時間水が放水できる大掛かりなゲームも、トランポリンももうないのか。

 

 

▲2005年、イトーヨーカ堂はセブン&アイ・ホールディングスの傘下になった

 

イトーヨーカ堂の出口近くの階段を見た。あと2フロアほど昇ったら「ゲームコーナー」の看板とボロいテント、わたあめの機械が置いてある様な気がした。

 

偽マウンテンバイクではなく総武線で帰った。