温泉旅行は楽しい
こんにちは、ライターのマキヤです。
温泉旅行は楽しい。そう思えたのはいつからだっただろう。
思えば小学校の修学旅行だってそれなりに楽しんでいた気がするが、それは温泉を目的としていない。消灯時間が過ぎた後のトランプとかを目的としていた気がする。
そんなこと忘れて社会人になって2年目になって、仕事とか人間関係にストレスを感じやすくなっていた時に友人たちと温泉旅行をしてみたらとても楽しかった。
駅弁を選んで新幹線に乗り込み数時間、空気も澄んでいるように感じ、景色も美しい。よくわかんない寺とかを見ながら一応写真を撮って、これが名物?ホントに?と疑いながら変などんぶりを食べた。「寒いなー」なんて言い合いながら旅館に辿り着いてようやく浸かった温泉は、疲れとかストレスとか、そういうのが全部溶けていくようで、「あ”ー」って声を出してしばらく温まっていた。
東京にいた時は「時が経つの早いな」なんて思っていたのに、旅館ではゆっくりと時間が流れているようだった。
そんなゆっくりとした時間の中、軽くお酒を酌み交わしながらお喋りするのも良い。普段しない話だって出来るかもしれない。
でもそういうのもいいけど、「楽しみたい」って気持ちの方が大きくて、消灯後の楽しかったトランプを思い出してしまいそうなら、最高にオススメしたいのがボードゲームである。
今やTVでも話題で、数えきれないほどの種類が出ているボードゲーム。子供ももちろん楽しめるのだが、トランプよりも頭を使うものが多く、実はけっこう大人向けなのだ。コミュニケーションツールとしても優秀で、合コンなどにも使われるらしい。
ボードゲームを持っていけば、ただでさえ楽しい温泉旅行を、さらに楽しくすることが出来る。
「色々あるけど、どれ持ってけばいいの?」
「ボードゲームってあのデカい箱持ってくの?重くない?デカくない?」
「楽しいやつを教えてよ」
そんな疑問にお答えすべく、僕たちは温泉旅行に合うボードゲームを見つけるため、温泉旅館で何個も何個もボードゲームをしてみた。
その結果、温泉旅行に向いているボードゲームと、明らかに向いてないボードゲームがわかった。
まずは比較的『温泉旅行に向いてる』ボードゲームから紹介しよう。
この記事は「第10回温泉大賞」提供でお送りしています。
もう温泉旅行にでかけたくなってしまったなら、温泉番付で気になる温泉をチェックしてみては?
温泉旅行に向いてるゲーム
・ナンジャモンジャ
キャラクターに名前をつけてあげるゲーム。
(ルールはザックリとだけ説明するので、気になったら調べてみてね!)
ルール
1 カードを順番に1枚めくる。
2 知らないキャラクターを引いたら名前をつけてあげる。自由に。「横領くん」とかでもいい。
3 知ってるキャラクターを引いたら名前を呼んであげる。一番早く名前を呼んだ人がそのカードを貰える。
4 たくさんカードを集めた人の勝ち
これだけだ。キャラクターカードは何十種と入っているので、キャラが増えてくると名前が思い出せずとても混乱する。
「とりあえずやってみましょう、えい」
「なんだこれ? ええと、じゃあ”足拭きマットくん”で」
「見た目に合ってて覚えやすいね」
「じゃあ次は僕ですね」
「では……”手拭きマットちゃん”で」
「なんでそういうことするんですか」
「もうわからなくなってきた」
「手拭きマットって何? マットにする必要ある?」
「あれ、コイツなんだっけ!」
「えーと……」
「”ビッジャラデーヴァ”!」
「誰も覚えてない」
「名付け親だから」
最後に獲得カード枚数を比べて決着。
ナンジャモンジャ
遊びやすさ ★★★★★
すぐ理解できるルール
持ち運びしやすさ ★★★★★
写真のは大きい箱なのですが、トランプくらいのサイズで売ってます。中身だけ小袋に入れて持ってきても◎
温泉旅行に適しているか ★★★☆☆
手軽に盛り上がるが、大声を出しがちなので隣の部屋が気になるかも……
そしてお酒が入ってると誰も何もわからなくなる。
∞怪談
配られた6枚の手札に書いてある言葉を即興の怪談に組み込んで語るという、旅館にぴったりなゲーム。創作力が試される。一番良い怪談を話せた人の勝ち。
「それでは私から……」
「”毎年お盆が近くなると、あの日の出来事を思い出すんです”」
「お、怪談っぽい」
「毎年お盆は海の近くに住んでいる親戚の家に集まるのですが、その日私はたまたま、1人で海の方に行ったんです」
「……それでそれで?」
「そこで私は”巨大な火の玉”を見たのですが、それが”一瞬、目を離した隙にパッと消えてしまった”んです。そして……」
「……(ゴクリ)」
「そしてその後”相撲”を見まして…」
「??」
このゲームはカードの引き次第でとても難しくなる。
「僕に任せてください」
「”先日、仕事の打ち合わせ中に同僚から妙な相談を持ちかけられたんですよ”」
「妙な相談?」
「”ずぶ濡れの女が恨めしそうに”……」
「こわい」
「”『この先一体どうなってしまうのだろう……』”と言って、”心霊写真”を”1枚…2枚…”と数えながら僕に見せてきて」
「心霊写真そういう風に見せる?」
「ずぶ濡れの女が同僚なんですか?」
「その写真全てに、”地蔵”が写ってたんですよ」
「なんなんですか?」
「悪いことしてないのに地蔵写ってる」
∞怪談
遊びやすさ ★★★☆☆
ルールは若干わかりづらい部分もある
持ち運びしやすさ ★★★★☆
小さめの箱
温泉旅行に適しているか ★★★★★
旅館、という雰囲気に合っている。キレイめなホテルとかだったら★を3つ減らしてください。
ブラックストーリーズ
いわゆる「ウミガメのスープ」みたいなゲームといえば分かる人も多いかもしれない。
そのまま聞いただけでは「なぜ?」となる問題を出題者が読み上げ、回答者たちはYes/Noで答えられる質問を繰り返して真実に辿り着くゲーム。
「Question, 帰宅した女は大喜びした。だが床に大量のおがくずが捨ててあることに気付いた途端、ショックで倒れて死んでしまった。なぜ?」
「誰かが部屋に侵入したんですか?」
「はい」
「その侵入者に殺意がありましたか?」
「いいえ」
「え~?」
「そもそもショック死ってなに? ある?」
「家具が切られておかくずが……?」
「だとしたら一回喜んでるのはなんでなんだ」
「わかーんなーい」
「難しいとだれてきちゃうね」
「ヒントは、女の子の特徴です」
「あ、ワキガ?」
「なぜ。いいえ」
「向上心が低い?」
「どうして。いいえ」
「背が低い?」
「はい」
「お?」
「……! 大きかった家具が、切られて自分に合うサイズになっていた……? そのおがくず……?」
「一瞬、自分の背が伸びたと勘違いして喜んだ……?」
「でも床のおがくずに気付いて、ショック死……!」
「……正解です!!!」
正解するととても嬉しい。
「全然答えに納得がいかない」
「ショック死ってする?」
これは50枚の問題カードが入っているのだが、問題のレベルにかなり差がある。
難しいやつは難しいというか、納得がいかない。
ブラックストーリーズ
遊びやすさ ★★★★☆
わかりやすいけど、納得が
持ち運びしやすさ ★★★★☆
小さめで薄い箱
温泉旅行に適しているか ★★★★☆
静かに楽しめるけど、難しすぎるとだれてしまうかも
知ったか映画研究家スペシャル
サイコロの出目で決まったタイトルの映画をみんなで知ったかぶるゲーム。
一番いい感じで知ったかぶれた人の勝ち。
「では振りますよ」
「丘ラーメン」
「いやあ、名作でしたね」
「3時間半ありましたけど、あっという間でしたね」
「沼うどんとの戦いが熱かったね」
「崖そばも強かったですね」
「最後のどんでん返しで店ラーメンに負けてしまうなんて」
「相手の意見を否定してはいけない」というルールがあるので、”無い”映画についてみんなで感想を言い合うのは純粋に楽しい。
ずっと笑いながら話し、最後に「いい映画だったね」と言って終わるので雰囲気も◎!
「もう1回やろう」
「がりがりむすび」
「まさか、ガリガリくんにあんな過去があったなんてね」
「え、ええ、ガリガリくんの結び(むすび)の話でしたね」
「ちはやふるの映画みたいだったね」
「そ、そうですね、色んなフレーバーがああして生まれたんですね」
最初に発言した人に皆が全力で乗っかるので、最初がとても重要となる。
「ドキドキしたシーン」など、手助けするようなカードもある。
「スラム街からあのテーマソングが誕生するとこで感動しちゃった」
「ガリ子ちゃんとのラブシーンも良かったですね」
「記者会見であの女優が脱ぐって言ってたけどガリ子ちゃん役だったんだね」
最終的にみんなから沢山「いいね👍」を集めた人が勝者となる。
知ったか映画研究家
遊びやすさ ★★★★☆
わかりやすいが、ヘルプカードのタイミングなどが若干わかりにくい
持ち運びしやすさ ★★★★☆
小さめの薄い箱
温泉旅行に適しているか ★★★★★
楽しく、和やかな空気になる。
ひらがなポーカー
50音が書かれたカードを5枚使い、いい感じの単語を作った人が勝ち。
ポーカーのように手札を交換し、いい感じの単語を目指していく。
「あ、チェンジなしでいけそう」
「えー! これ何回変えていいの?」
「もうできたー!」
「じゃあ加藤さんからお願いします!」
「関西の友人が、アイドルグループの名前を思い出そうとして、『あれなんやったっけな、アイドルの、なんとか46、ええと、あ、そや!』って言って」
「『けゃき(欅)やー』って」
「よくそれでGOサインだしたな」
最終的に一番良かった人を指さして、最多得票で勝者となります。
ひらがなポーカー
遊びやすさ ★★★★★
とてもシンプル。
持ち運びしやすさ ★★★★★
トランプと同じ。
温泉旅行に適しているか ★★★★☆
奇跡的な単語が生まれると大いに盛り上がります。
次からは、向いてないやつを紹介します。
温泉旅行に向いてないボードゲーム
おばけキャッチ
カードをめくり、それに対応するオブジェクトを先に取るというゲーム。
5色5種のオブジェクトがある。
この場合、カードに緑のビンがあるので取る。
対応するものが無い場合、色も形も存在しないものを取る。
この場合、カードに青色も本もないので、青い本を取る。
反射神経が試されるゲームなので、かなり集中力を使う。百人一首みたい。
高速で取り合うため、吹き飛ばされたオブジェクトを失くしそうになった。
コマの多いゲームは無くした時のダメージが大きいので、旅先に持っていくのに向かない気がする。
おばけキャッチ
遊びやすさ ★★★★★
すぐ理解できる。
持ち運びしやすさ ★★★☆☆
サイズは小さいが、箱が分厚い。
温泉旅行に適しているか ★★★☆☆
盛り上がるけど、コマを無くしそう。
アイスクール
「持ってきたよ~~~」
「でかい」
「でっけ」
「それ家から持ってきたんですか?」
「まずフィールドを組み立てるよ~~~」
「もっとデカくなった」
「コマが多くて細かい……」
「旅先の宿でやる遊びじゃなくないですか?」
「これどうやって遊ぶんですか?」
「おはじきみたいにペンギン型のコマを指で弾いて、飛ばしたりしながら鬼ごっこするゲームだよ」
「またコマ失くしそう」
カーブとかもかけれるので、上手く弾けるとだいぶ嬉しい
アイスクール
遊びやすさ ★★★★☆
細かなルールがあるけど基本はシンプル
持ち運びしやすさ ★☆☆☆☆
でっかい
温泉旅行に適しているか ★★★☆☆
面白いけどでかいしコマ失くしそう
コンプレックス人狼
4人のうち1人が、みんなの陰口を言うゲーム。
役職カードは2種類、人狼と人間だけ。
あとはコンプレックスカードという、普通に言われたら嫌なカードが沢山ある。
「これ自分に当てはまるな……」ってやつを1枚伏せ、目を閉じる。
人狼はそれらを回収に、「こいつはこれかな?」ってところに置くというゲーム。
目を開くと悪口が置かれているという斬新な光景。
「誰これ置いたの? 顔がデカいって」
「心が弱いって思われてたんですか?」
「雑、雑かあ……」
「合ってるなあ」
「ならいいじゃないですか」
そんな感じで議論し、誰が人狼だったかを一斉に指差す。
最多得票者だけが役職を公開するので、人狼だった場合
「コイツが俺にこれ置いたのか……」という空気になる。普通に盛り上がる場合もある。
コンプレックス人狼
遊びやすさ ★★★☆☆
最初は進め方が若干難しいかも!
持ち運びしやすさ ★★★★☆
小さい箱
温泉旅行に適しているか ★★☆☆☆
メンバーによっては、普通に空気悪くなることもあります
ドブル(アツアツポテトルール)
カラフルなイラストが描かれたカードを1枚ずつ持ち、人と同じ絵を見つけたら絵の名前を言ってカードを押し付ける。
最後までカードを渡せなかった人が負け。
カードを押し付けるだけだからまあ静かに出来るかなと思ってたんですが、全然そんなことはなくめちゃくちゃうるさくなりました。
こればかりは動画でご確認頂きたい。
ドブル
遊びやすさ ★★★★★
いわゆる絵合わせなのでわかりやすい
持ち運びしやすさ ★★★☆☆
中サイズの缶
温泉旅行に適しているか ★★☆☆☆
盛り上がるけどめっちゃうるさい
狂気山脈
「これも持ってきたよ~~~」
「さっきのよりデカい」
「どうやって持ってきたんですか?」
「いいからやるよ~~~まずフィールドを組み立てて、タイルを配置して、砂時計を置いて……」
「本格的すぎるだろ」
協力しながら山を登っていくというゲーム。
みんなで議論し、協力するので一体感が生まれそうだが……
このゲームは「狂気カード」というカードを引くと、議論中の行動が制限されてしまう。
「ここは静かすぎる」カード
話すときは叫びながらになる。
「じっとしていられない」カード
議論中、テーブルの周囲を回らないといけない。
こんな感じのカードが何十種もあり、更に誰がどんな狂気カードを持っているかは不明なため、信頼してた仲間たちがどんどんおかしなことになっていく。
最後の方はこんな感じになる。
狂気山脈
遊びやすさ ★☆☆☆☆
面白いんだけど何回聞いてもルールはよくわからなかったし未だによくわかってない
持ち運びしやすさ ★☆☆☆☆
でっかい
温泉旅行に適しているか ★☆☆☆☆
・デカい
・うるさい
・コマが多い
・ルールが複雑
・クリアまで1時間くらいかかる
など、旅先に向かない条件を全て揃えたとんでもないゲーム
トランプ
なんだかんだ楽しい
トランプ
遊びやすさ ★★★★★
いろんなゲームで遊べる
持ち運びしやすさ ★★★★★
カード54枚だけ
温泉旅行に適しているか ★★★★★
色んな遊び方があるので飽きない
おわり
トランプの完成度がすごい。
しかしボードゲームならトランプを遊びあきた友達も興味を持ってくれるはずなので、楽しい温泉旅行が更に楽しくなること間違いなし!
紹介したゲームの中に「楽しそう!」ってのがあったら、ぜひ旅行に採用してみてね! 結構安価で買えるのも魅力!
温泉はどこにしようか……
さて、ボードゲーム選びと同じくらい、というかそれより遥かに大切なのは「どこの温泉に行こうか?」という問題だ。
先日、BIGLOBEから「第10回温泉大賞」が発表された。
「温泉大賞」は、ユーザー投票によってランキングされた温泉地番付だ。日本各地の温泉や温泉旅館・ホテルが番付形式で網羅されている。
ボードゲームと同じく、温泉にもいろんなこだわり基準がある。温泉大賞では「コスパ」「泉質」「おもてなし」「料理」「清潔感」といった、こだわりポイントで人気の温泉を探すことだってできるだろう。
これが温泉地&温泉施設番付だ。温泉番付の発表も今年で10年目になる。なぜ相撲に例えてしまったのかはもはや誰も知らない。
これを印刷して友達と見ながら旅行先を相談したらきっと楽しいだろうし、きっと傍目には相撲マニアに見えることだろう。いい温泉に出会いたい人は参考にしてみてほしい。
温泉で癒やされて、ボードゲームで沢山遊んだら、ぐっすり寝よう。
温泉で身体はほぐされ、頭も良い感じに疲れてきっとよく眠れるはず。
温泉旅行とボードゲーム、相性抜群なのでぜひ採用してみてくださいね。
(おわり)