カイツブリという鳥がいる。

会社の研修であるホテルに泊まったとき、ホテルの目の前の湖にカイツブリがいたんです。

私はあんまり見たことがなかったので「おー カイツブリだ」なんて思ってたんですけど、なんか、そのカイツブリが湖面でえらくじっとして動かないんですね。なにしてんのかな~と思ってずっと見てたらわかったんですが、そのカイツブリ、卵を温めていたんですよ。

 

 


たまごみっつ!

これにけっこうビックリしました。

以前私はオモコロ特集の企画で2年ぐらい野鳥を追いかけていたこともあってわかるんですが、鳥が人間から見える位置に巣を作ることってあんまりないんですよ。ふつうはもっとちゃんと隠れなきゃいけない。でもこのカイツブリの巣、まるみえ! ワオ!  かなりまるみえだなあ。この日はめずらしいものが見れてうれしかったのを覚えています。

 

そしてそのまま研修は終わって隣県の自宅に帰ったその夜。

どうしても、どうにもこのカイツブリのことが気になる。無事に雛が生まれてくるところを見たい。そう思った。

そう思ったので、その湖に通うことにしました。

毎日。

往復約100キロ。

高速に乗って。

4時半に起きて。

 

 

6月17日(水)

おはようございます。

卵の数はあまりわからないけど、たぶん3個から変化なさそう。新しく産んだり、不幸により減ったりもしていない、ように見える。よく見えないのでわかりません。

インターネットでカイツブリの習性を調べたら「カイツブリは抱卵していないときは水草を卵にかぶせて隠す習性があるゾ!」と書いてあった。本当にその通りに卵を隠していたのでうれしかったです。

 

カイツブリの卵はだいたい20日ぐらいで孵化するらしい。この卵を産んだのがいつなのかわからないが、最長で20日通う必要がある。20日て。無理かも。通えないかも。はやく孵ってくれ。あした孵ってくれ。いや、俺はいつでもいい。俺は通える。ただどうか。どうか、無事に、孵ってください。

無事に生まれないケースとしては、カラスに襲われることや、台風など強風・強雨によって卵が巣から落ちてしまうことが挙げられる。

どうか無事に生まれてほしいと願う。

 

6月18日(木)

カイツブリのつがい。

カイツブリのオスとメスはそっくりで見分けがつかない。きょうもふたり同じ顔で泳いでは、せっせと水草を集めて巣をつくっている。

 

湖を歩いていると、カルガモの親子がいた。

かわいすぎる。

しゃれにならん。

カモの親子ってほんとうにいるんだ。いままでニュースの映像でしか見たことがなかったが、実際に自分の目で見るとあまりにもかわいい。人生で目に入れたすべてのなかでもっともかわいいかもしれない。いくら言葉を弄してもあなたには伝わりきらないだろうが、胸がつぶれるほどかわいい。

 

初夏、あたらしい命が生まれる季節。

カイツブリの子も、きっとこれほどかわいいのだろう。私はきみに会いたい。

 

6月19日(金)

この日はお母さん(お父さんかもしれない)がしっかり卵を守っていたので個数などは確認できず。

 

この湖には漁師がいる。

なにがとれるんだろうな。

 

バン

朱の差し色があざやか。

 

ケツがぷりぷりしていてかわいい。

 

ハクセキレイの幼鳥。色がまだ淡いです。

6月はいろんな鳥の幼鳥がいますね。

 

6月20日(土)

え!?

 

なんか巣がフワフワになってない!?

 


きのう

きのうはもっとボロ屋でしたよ!?

 

フワフワだあ!

フワフワにした甲斐あってこの日も卵の個数は確認できず。でも抱卵はしているので、見えないだけであるんでしょうね。

 

カワウ

この湖にいる鳥、めちゃめちゃ近くで撮れるな。カイツブリもそうだがまったく人にビビらない。このカワウも2メートルぐらいまで寄っても平気だった。カワウはけっこう図太い鳥ではあるものの、ふつうはさすがにここまで寄れない。ランナーや自転車がたくさんいるから慣れちゃったんでしょうね。

 

あら小顔

 

カルガモのファミリー

位置的に、木曜日に見たのと同じファミリーだと思います。つい2日前に見たばかりなんですが、もう子ガモたちは親の後ろを「待って待って」とくっついていくこともなく、親の周りを泳ぎつつも、自分の興味があるほう、自分の行きたいほうへ泳いでいくようでした。もう『自我』が芽生えている。よく見るとからだも0.5まわりぐらい大きくなってるような。「男子三日会わざれば」なんていいますが、動物の成長はものすごく早い。

カイツブリも最初は2、3日に1回見に行けばいいかなんて思っていましたが、やっぱり見逃すと後悔する瞬間があるなとあらためて思いました。毎日通います。

 

6月21日(日)

おはようございます。

 

席を外してもあんまり卵が見えないんだよな。

 

巣のあたりをうろつくカラス。

人にはビビらないカイツブリも、カラスの鳴き声が聞こえると敏感に周囲を確認します。

 

魚の死骸をとりあうカラス。朝はおなかが減ってるのでしょう。

 

おっ

 

おっとっと

 

卵、ありました!

写真中央のマッシュルームみたいなやつがそうです。火曜日以来、5日ぶりの現認です。よかった。しかし火曜日には少なくとも3個ありましたが、この日は2個しか見えず。あるのかないのか。

この卵が見えている状態で5分ぐらい放置していたので、「はやく戻ってきて~」と思いました。

 

もどってきた。ほっ

大事にあたためています。

 

6月22日(月)

マジで会社に遅刻しそうになったので、とりあえずカイツブリの様子だけ一瞬確認して即撤退。

普通の出社時間より3時間ぐらい早く起きてるのに遅刻って何?

 

湖からの帰り、車窓からトビを発見。

 

ハンサムね。

 

6月23日(火)

おっ

 

卵だ!

3つあります! ちゃんと! よかった! うれしい!

3つともを目視できたのは初日以来はじめて。ちょうど先週の火曜日から丸一週間ぶりですね。

そう、きょうで一週間。産卵から20日ぐらいで孵化するそうなので、1個目の卵はもしかしたらそろそろ動きがあるかもしれません。まあ、何日に産んだのかわからないので予測は立たない。

 

きょうもなかよく夫婦でせっせと巣の世話をしていました。

こうみると本当にオスとメスそっくりすぎる。カイツブリは雌雄の外見上の違いはほぼなく、見分けるのは困難。

このあいだ2羽で巣を水草でフサフサにしたと思ったら、もうけっこうシナシナになってますね。巣作りもけっこう根気強くやっていかなくてはならないんだなあ。

 

にょーん

 

6月24日(水)

きょうも無事に卵は3つありました。

 

毎日おなじような写真ですが、おなじ日は一日としてなく、ゆるやかにおだやかに進んでいる。

雛を待つ。

 

帰り道になんらかの巣立ち雛を見つけて、なんの雛だろ? と思って調べたらジョウビタキのようです。フワフワでかわいい。

 

6月25日(木)

完全におなじ写真ですが毎日行っているんです。信じてください。こればかりは、あなたに信じていただくほか、ない。

 

台風が来ている。今日はずっと雨が強い。これからも雨が続く予報だ。

大丈夫だろうか。あまり風や雨が強いと巣から卵が落ちてしまうことがある。本当に心配だ。しかし俺が彼らのためにできることはなにもない。そういうものだ。どうにか乗り越えてほしい。

 

自然は厳しい。

以前よりここで見かけるカルガモの親子だが、6羽いた雛が5羽になっていた。

生まれた雛が生まれた数のまま大人になることはできない。

 

ハシボソガラスがブルーギルを食べていた。

ブルーギルは食べてもいいがカルガモの雛は食べるべきではない、なんてことはない。食べられるものはなんでも食べる。そういうルールでみんなやっている。

 

しかしきょうはカラスを前にしてカイツブリは卵ノーガードだった。

私ももう10日間4時半に起きてここに通ってることだし、さすがにガードしてくれないだろうか、とは思った。私は決してカラスを追い払ったりはしないが、心の中で思うぐらいはいいだろう。

 

 

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