あえて告白すると、俺は尻が好きだ。

 

こんなことを言うと、「いやらしい」とか、「ヘンタイだ」とか、「エロティクスだ」とか、非難する声がすぐさま聞こえてきそうだ。特に女性はエロス発言には敏感だから、それだけで俺を鬼畜扱いするのも中にはいるかもしれない。性欲に淡白な若い世代にはきっと嘲笑われるだろう。それを承知の上であえて言うが、俺は尻が好きだ。

 

バレーボールの試合を観客席で観た。

俺は熱心に試合を観るふりをしていたが、実はその時、尻しか見ていなかった。レシーブとかトスされるボールの行方など一切知ったことではなかった。ただ6つの尻がコートの上を縦や横に移動するのを熱っぽい目で追っていただけだった。8番の尻はいい動きをするなーと感心し、途中出場の17番の尻にエールを送った。11番の尻のサインが欲しいと切に思った。

 

残暑見舞いを兼ね、外国に住む友達に宛て長い手紙を書いた。

元気にしてるか? 寂しくはないか? 夢が実現するといいね、云々。言葉を連ねた。慣れ親しんだ日本を離れ、ひとりで暮らすその友達の、心細さや寂しさをねぎらうかに見せかけた手紙だったが、実際には、海の向こうの国で今もその友達の尻が、昔と変わらぬ形状を留めているかのかどうか、それが知りたかった(尻たかった)だけであった。手紙は、尻に宛て書いた手紙だったのだ。

「常行三昧」とは、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と繰り返し称えながら歩き続け、

心に阿弥陀如来を思い浮かべるという修行である。去年の秋、毛越寺の常行堂でこの修行に取り組んだ時、俺が「南無阿弥陀仏」と口にしながら心に思い描いていたのは、阿弥陀如来の尻だった。

 

幼い頃は、将来は野球選手になって、キャッチャーのポジションにつきたいと思っていた。だがそれは、キャッチャーになれば、バッターの尻が近くで見れるから、というただそれだけの理由によるものだった。

 

これらは、一例に過ぎない。

俺が尻好きであることを示す、尻の山の一角に過ぎない。

それくらい俺は、尻が好きなのだ。

 

ちなみに、尻の次に好きなのは、ジェット機であります。

 

 

(ヤマニシの日記)