秋、モミジやイチョウなどの木々が色づいてくる季節だ。
そう、イチョウだよ。座れ。雑学の時間だ。今回はイチョウの話だ。何がイチョウだ。なんであんなウンコの臭いがする実を撒き散らす木を有り難がってるんだ。銀杏が落ちる季節にイチョウ並木を歩いてみろ、ウンコの臭いしかしねえ。見た目が綺麗なのは100歩譲って良いとしてもウンコの臭いがする実を撒き散らすんだぞ。
進化の途中で「そうだ、ウンコの臭いがする実を撒き散らすようにしましょう」ってなる? どういう生存戦略なの? 仮に進化論が間違っていて、全ては神の創造物だとしても「いっちょウンコの臭いがする実を撒き散らす木を創造するか~!」ってなる神ヤバいだろうが。
だからイチョウについて調べてみた。するとイチョウ、めちゃめちゃ面白い。
まずイチョウ科の植物はイチョウ以外全部絶滅していてイチョウしか残ってない。エロ漫画雑誌が絶滅しまくって快楽天しか生き残ってないと置き換えたら異常さがわかってもらえると思う。
ではなぜイチョウ科は絶滅しまくったのか。そしてイチョウだけ今も生き残っているのか。
イチョウの木は多くの種子植物と同じように、普通に種子で増える。動物が実を食って、どっかで種を排泄して、そこで育つというやり方だ。イチョウの実といえばお馴染みウンコ臭い銀杏の実。この銀杏、ウンコ臭い上に生で食うと毒がある。こんな物を食う動物はほとんどいない。だって、ウンコ臭いし毒があるから。
いや、昔はあれを食う動物がいた。
イチョウ科の植物がブイブイ言わせていたのはジュラ紀。恐竜の時代だ。イチョウと恐竜はだいたい同期だ。恐竜はモリモリあのウンコ臭い上に毒がある実を食えていたのだろう。そして知っての通り恐竜はもういない。種子を運ぶ生き物がいなくなったもんだからイチョウ科の植物もグングン減っていった。そして氷河期にはほとんど絶滅した。
そして最後に残されたイチョウ科のイチョウ。なんとか氷河期を乗り越えて中国の一部でひっそりギリッギリ生き残り続けるもやっぱり絶滅しかけていた。
そこへ現れた人類、昔の中国人が「この木、良いじゃん(昔の中国語)」などと言って増やしまくった結果、あっちこっち伝来して現代まで生き残ることができているそうだ。
つまりあのウンコの臭いがする実を撒き散らすふざけた木が今も生き残っているのは我々人類のせいだ。おのれ人類。ウンコの臭いがするんだぞ、それでも良いのか人類。
最後にこいつの英名の話をしよう。イチョウの英名はMaidenhair Treeという。
直訳で乙女の毛の木だ。
乙女の毛だ。
葉の形が女性の陰毛っぽいからついた英名だという。
皆さんもこの秋、イチョウの葉を見ながら女性の陰毛に思いを馳せて欲しい。