「あ!左利きなんですね?」

 

このフレーズを言ったことない人はいないのではないだろうか?言われる立場になって初めて気付くのだけど、この発言『かな〜り難儀』である。

 

僕はおもちゃの企画・制作の仕事をしていたのだが、初対面の人に自身の職業を伝えると70%位の確率で言われる一言があった。

 

「もしかして”オトナの”おもちゃですか?(笑)」

 

同じ様な質問をしたことがある人、そして僕の前職を聞いて「”オトナの”かな?」と思った人。どちらも読者の方にもいると思うのだが、こういった質問に僕らは100万回答えている、そして100万回リアクションをしている。

 

もう飽きているのだ。

 

「家にゴキブリが1匹いたらあと50匹はいる」という謎の説をよく耳にする。それと同じ様に「なんとなく聞いてしまう質問、相手は100万回答えている」という説がもっと広がらないだろうか?

 

あなたにとっての「もしかして”オトナの”おもちゃですか?」も必ずあるハズだ。高校教師なら「女子高生と一緒なんてハーレムじゃん!」だろうし、看護師なら「ナースってエロいの?」だろうし、アパレルなら「あばれる君?」であろう。最後のは俺が必ずアパレル職の人に言って苦虫を噛み潰した顔をされてしまうヤツ。

この様なリアクションをされると「ハイハイ、また君もそのパターンですか!来ましたねッ!ご苦労なこって!!」の気持ちを噛み殺して返事をしなければならない。やる気も7目盛りくらい減っていると思う。

 

この状況を改善するために『職業ごとの聞かれ飽きてる質問リスト』を政府は早急に制作した方が良いと思うのだけど君はどうだ?俺はこれは憂うべき状況だとは思っている。

 

駅員さんを思い浮かべてもらうとこれのストレスが分かると思う。電車で遅延が発生して状況を聞いた際

 

「だーかーらーッ!!ここで降りて◯◯線に乗ってくださいッ!」

 

こんな感じで決して自分のせいではない「だから!」を喰らった事、みんなあるだろうに。でも心に『同じ事を100万回言われるとストレスになる』って知識があると『まずスマホで現状を調べて、分からなかったら聞くか…」みたいな少しの優しさが産まれると思うのだ。

 

聞く前のワンクッション、聞かれ飽きてる質問リストは人を優しくする。早急に制作し全国民にpdfで送ってほしい。よろしくお願い致します。

 

 

ちなみに僕に対して「左利きなんですか?」という質問はどんどん受け付けている。

 

喜んで「いや、ハタチの頃ふかわりょうさんに憧れてね……あの人、左利きじゃん?俺”逆矯正”したんだよね!(俺ユニークな活動してるっしょ?というツラをしながら)」というエピソードトークを喜んで披露させて頂きます。

 

「あ!ご飯の時だけで、字ィ書く時は右なんですけどね!」

 

この時の俺の顔のドヤっぷり。俺は未だに左利きがカッコいいと思っている。難儀ではない。ウェルカムだ。

 

他の「文字そば」を読む