思い出してくれ、キミが女性の胸を眺めるより
夜空の星を眺めるほうが好きだった もう少し小さかった頃のことだ。
キミは考えたはずだ。
この広大な夜空に、星はいくつあるのだろう。
そしてそのどれかには、私達のような者が住んでいるのではないか、と。
そうおっぱい星人だ。
おっぱい星人といっても、テレビや雑誌が広めた陳腐な意味の女性の胸が好きな地球人男性のことじゃない。
おっぱい星に住む知的生命体のことだ。
今夜は探してみないか?この広い夜空におっぱい星を。
おっぱい星とは
おっぱい星人の故郷、おっぱい星は決して夢物語ではない。
なぜなら我々は理論立てて思索をする科学の信徒だからだ。
その辺は、地球製のニワカおっぱい星人とは違うのだ。
さあ、おっぱい星の定義をしよう。
おっぱい星の条件は2つだ。
・おっぱい星人の故郷である。
・高い山がある
これが最低条件だ。
おっぱい星人の故郷なのはいいだろう。
なぜ、高い山かというのはCGをみてもらうのがはやいだろう。
な?
宇宙から見てこんな感じになるから。
おっぱい星の地学
前述の定義のとおり、おっぱい星には高い山がある。
この高い山をニプル山と呼ぶことにしよう。
宇宙からみて、ニプルとわかるほどの山がどれほど高い山なのか考えてみることにしよう。地球で一番高い山エベレストほどだろうか?
写真はNASA提供の月面からみた地球だ。
どうだろうか。エベレストが見えるだろうか?
見えない。
世界一高い山のエベレストだって、宇宙からみて飛び出して見えない。ニプル山があるならエベレストよりずっと高そうだ。実は、ニプル山の高さは計算でわかる。先に計算結果を示そう。
ニプル山の高さは226800m。
これはエベレストの27倍だ。かなり高い。
計算や理論に興味がある人はTIPSを読んで欲しい。
TIPS:ニプル山の高さの求め方
前提:
おっぱい星の半径とニプル山の標高を、半球とみなした女性のバストの半径とちくびの高さの比率に等しいとみなす。
(おっぱいの見た目のまま惑星サイズまでおっぱいを大きくすると考えれば良い)計算:
Fカップのアンダーとトップの差は22.5cm。これがバストの半径。ちくびの高さを0.8cmとする。0.0356 ≒ 0.8(cm)/22.5(cm)
おっぱい星の半径を地球の半径6371000mと同じとすると
226800m ≒ 0.0356 * 6371000m
重力がニプルをたれさせる
ニプル山の高さはわかったが大きな問題がある。
重力均衡状態という理論だ。
惑星の重力は、高い山や建築物をを押しつぶす。そのため、ある高さを超えたものは存在できない。それが重力均衡状態だ。
その高さの限界が地球サイズの惑星では10000m前後と言われている。(エベレストが8848m)22680mのニプル山は、地球と同じ強さの重力なら潰れてしまう。これは困った。
TIPS:もっと重力の弱い星を想定したら?
もちろん、もっと重力の弱い星ならもっと高い山もできる。
たとえば火星だ。火星の重力は地球の40%と弱く、実際、火星にはエベレストの2倍の標高21000mのオリンポス山が存在する。
しかし、ニプル山は、このオリンポス山のさらに10倍高い。火星重力・オリンポス山標高と地球重力・エベレスト標高をざっくり近似計算しても22680mのニプル山が存在可能なおっぱい星の重力は、地球の6%以下となる。これは生命(=おっぱい星人)誕生には大気が保持できない弱すぎる重力だ。ゆえにこの説は却下した。
火星のオリンポス山。茶色い。
おっぱい星は2つあったッ!
重力によりニプル山の標高が保てない問題を解決したい。
そこで新説を提示する。それは、
おっぱい星は2つあるだ。
2惑星が引力圏内にあるとき向き合っている方向では、
お互いの引力が引力で弱められる。
これをおっぱい星で考えると、2つのおっぱい星が向かい合っているとき、その向かい合う面にニプル山があれば、重力均衡状態の限界より高い山になれる。
便宜上、1つ目の星を単におっぱい星、2つ目の星をバスト星と呼ぼう。
黄色いやじるしがおっぱい星重力、オレンジのやじるしがバスト星の重力である。バスト星の引力を差し引いた分だけがニプル山にかかる重力と考えればいい。
そして、おっぱい星が2つあることは心情的には超アリである。アリだろうが!
TIPS:おっぱい星とバスト星の関係
2つの惑星はかなり近い位置にあり、その距離は一定である必要がある。そうでなければニプル星が崩れてしまうだろう。
そのような条件を満たすのが、二重惑星である。
二重惑星とは、重心を共有して公転している同程度の大きさの惑星のペアである。理論上はありうるのだが、観測事例はない。
おっぱい星はどこだ
おっぱい星の存在可能性はしめした。さあ、おっぱい星を探すことにしよう。
候補となる星はそれこそ星の数ほどあるので、おとめ座の方角に限定して探してみた。おとめ座の方角を選んだのは「おっぱい→おとめ」というただのロマンなので、みなさんは夜空のあちこちをベタベタ眺めまわして欲しい。
「PSR B1257+12」。通称 Lich。
おとめ座の方角、地球から980光年、パルサー星である。
このパルサーを主星として3つの惑星、Draugr、Poltergeist、Phobetorまでが発見されている。CGはNASA提供のLich星系の想像図だ(パルサーのLichと3つの惑星が描かれている)
私が、おっぱい星に推すのは、まだ発見されていないLich星系の4番目の惑星である。
実は、4番目の惑星の発見報告は1996年と2002年にあるが、どちらも間違いとして撤回されている。私は3度めの正直を信じて4番めの惑星を探したい。そしてそれがおっぱい星であればと願う。
おっぱい星文明史
おっぱい星人とニプル山の歴史に触れて締めくくろう。
・われわれはどこからきたのか?
・死ぬとどこへいくのか?
・いのちとはなんだ?
知識を獲得した彼らも我々と同じように考えた。そして考え始めたとき歴史がはじまった。地球では、哲学や科学より先に、神話が人間の好奇心の疑問に答えた。おっぱい星も同じだった。はじめにあったのは神話である。
神話は、自然の観察から生まれるものだ。そして、初期おっぱい文明がもっとも観察した自然はニプル山だ。移住生活をしていた彼らは、どこからでもニプル山は見えたはずだからだ。
やがて、ニプル山は、天と地を結ぶシンボル、世界の中心、四方位の交わる聖地と考えられるようになった。地球の山岳信仰のような形態になった。
Photo by Woudloper – Prayerflags(2007) / Adapted.
おっぱい星人を魅了し続けた疑問は、
ニプル山の上にはなにがあるのか?
だった。神話や宗教ではこれを天国と答えた。一方、科学は答えを保留した。それは発展の原動力となった。登頂の歴史は科学の歴史であったといっていい。そしてついに登頂に成功する。山頂の様子についてはニプル山初登頂者ピーチ・J・トリンプが山頂で残した言葉を引用しよう。
真紅のニプルの花びらが低重力に舞っている。青く乾いた空には大きなバスト星。天国のように美しい。だがここは防寒具と酸素ボンベなしでは10分と生きてはいられない標高22680mの荒ぶる天国でもある
ピーチ・J・トリンプ「WILD HEAVEN」より抜粋
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