駄馬広告社物語 『カップヌードゥル』 (弁当丸)
銀座の片隅に存在する広告代理店「駄馬広告社」。
わりかし暇な面々に久しぶりの競合コンペが舞い込んだ。
【登場人物一覧】
新入社員 湯鳥くん
ほくろ花火
焼きふぐり
女狐先輩
ギロッポンCD
*CD・・・クリエーティブ・ディレクター。まとめ役。
わが社に久しぶりに競合コンペの誘いが来た。
商品は何ですか?
知らないものは無いであろう『カップヌードゥル』だ。

『カップヌードゥル』
お湯をそそいで三分で出来るインスタント麺。
老若男女に大人気。
【競合内容】
これまでに無いビジュアル案とキャッチコピーを提案。
優秀な案をだした広告社に一年間の広告を任せます。

競合他社を呪いころしましょうか・・・
今回の競合は湯鳥も入ってみろ。いい勉強になるぞ。
はい!ありがとうございます!がんばります!
では、来週みんなで案を持ち寄りましょう。
がんばるぞー!!
【打ち合わせ当日】
どうだ。みんな、良い案でたか?
(・・・ドキドキ)
ほな僕から。えげつない案でっせ~。



(そ、そういう見方もあるのか)
じゃあ次は小生の愚案をば。

『血抜き召しませ。』です。僕にはみえるんです、血。
いいね。誰とも共有できない感覚を押し付けてきている。グッド!
(え、今度は共有できないことを褒めるの?)
やれやれ。私の案で貴方達をそそり立たせてあげるわ。

いい!文化を創るというスケールの大きさが最高だ。パーぺきだ。
*パーぺき・・・パーフェクト+完璧
(文化を創るというのは格好いいけど・・・)
では、僕も出そう。
湯鳥。ギロッポンCDの話をよぅくきけよ。
はい!(楽しみだな)


7日間、ラーメン謎かけをしてもらい、それをwebで中継する統合的キャンペーンだ。
謎かけが上手かったら水を与えて、7日目の最後にカップヌードゥルを食べさせれば
最高の笑顔になることだろうし、その時の顔をグラフィックにしたいのだよ。
す・・・すごいでホンマ。かないませんわ・・・。
土牢に閉じ込めて中継しましょう。
(好きなのに、そんな酷い目に・・・)
あら、湯鳥くんは発表したっけ?
ビクッ!ま、まだです。では発表させて頂きます。

『目を離せないから。ワールドカップヌードゥル』です。
今ちょうどワールドカップの時期ですし(*そういうことにしといて下さい)、
料理を作るのも面倒くさかったり、
仲間と集まって観戦する機会も多いはずなので、その時に買ってもらえたら、と。
パッケージも本当に、こうなったら良いなと思いました。
うん。まあまあ良いけど、凡庸だし、僕サッカー好きじゃないの。
ちょっと姑息かもね。
こびてんじゃないよ、若いのに。
そ、そうですか・・・
気を落とすなや。若い時はそんなもんやで。歴史上でも・・・ハッ!
どうしたの?
神が舞い降りたんや!みてや!

オマージュでっせ!『秀吉切られるカップヌードゥル』!
切られた血がロゴになっているのが、革新的だ!いいぞいいぞ!
ぬうう!小生も閃きました!ギャーつながりで・・・

血・・・ギャー・・・これだ!後は僕に任せてくれ!
俺一人で行こう。
ギロッポンさんがこうなったら、もう止まらんで~。
ブレインストーミングの嵐や!
ニヤリ。勝ちましたね。
(さっぱり展開が分からない・・・)
【プレゼン当日】

カップ&ヌードゥル社



マンネリ化した消費者へショックを!がコンセプトです。
一連のビジュアルを提案させていただきます。
一つ目の地蔵は、呪われた村への入り口を示します。

これはまじない。しめ縄に近い効果を持ちます。

村ではサイレンがなると、扉をピッタリと閉めて
その上にカップヌードゥルの蓋を貼らないとなりません。
村の大長老の家にはご本尊が祭られており、
これの封を切ったものには災いがふりそそぐとして・・・
わかりました。どうもありがとうございます。
【その日の夜】
ど、どうでしたか?
クライアントの絶句っぷり。間違いなく飲み込んだね。いける。
これは大手柄ですな、ギロッさん。昇進ですよ。
がはははは
【後日】
結果が来ました!



(弁当丸)