午前2時、緑青色に鈍く光った廊下が広がっていた。
明日の手術のシミュレーションをしていた私はそろそろ帰ろうと帰り支度を始めていた。すると突然、奥の廊下でスラムダンクの君が好きだと叫びたいが流れ始めた。ここは診療病棟ではない。患者さんは居ないがそれにしても病院に似つかわしくない大音量が廊下中に響いた。

 

「やってるかしら?」

 

鬼滅の刃の胡蝶しのぶの恰好をした人間が姿を現した。三田佳子だった。
私は「やっていない。」「どこから入ってきたか。」「三田佳子さんですか?」「好きな曲はなんですか?」というのを矢継ぎ早に返した。三田佳子は「やってもらうわ。」「三田佳子です。」「波と垂直に、ホコリと平行に、DISH//の北村匠海くんと対角になるように歩いたらここに着いていました。」「特に好きな曲というものは無い。強いて言えば中島みゆきが朗読するクロノトリガーの攻略本です。」と全て丁寧に返してくれた。

 

私「一体なんの用ですか?」
そう私が言った瞬間腕を私のノドを壁に押し当てどんどんと腕で首をバウンドさせながら「良いからワタヒ(ハルヒの言い方)を手術すればいいんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!」と侵入者を追い払う時のドーベルマンのように叫んできた。わたしの全身は革製品のようにキュッと縮こまってしまった。「私が風専用のヤリマンだってウワサしてんのアンタと一茂でしょ!!!!!!!!!!!!!!!!バカ息子どもが!!!!!!!!!!!あれ書かせたの江角じゃなくてワタシよバカね!!!!!!!!!!!バカ!!!!!!!!!!!」と叫びながら私の首をバウンドさせてきた。わたしは恐怖でとっくに消費期限が切れた食べ物みたいに体から水分が抜けてしまった。私は震えながらどこか悪いんですか?と聞くと三田佳子はA4くらいのパネルを私に見せてきた。パネルには真っ黒焦げの広い部屋のようなものが映っていて三田は「ここプレバト。さっきまで収録してて魔術ていうのはだいたい5・7・5で出来ててそれすっっかり忘れてて俳句提出しちゃって、その時点ではまだ大丈夫だったんだけど夏木先生が直したものがちょうど『壊破(爆破の上)』の魔法の詠唱になっててこうなった。これ、はまちゃん。」と言ってテディベアみたいに地べたに座ってる黒こげの塊を指さした。「これで私が魔導士だという事がわかってもらったようね」と勝手な事を言って「だから」と続き「頭にこれと同じ数と同じ場所に穴を空けてね。」と魔人ブウの写真を見せてきた。

 

三田佳子「来週地球に隕石が降ってくるのね。私の今の魔術力ではこの規模隕石は破壊出来ない。右に宇多田ヒカル、左に片手が剣になってる影山ヒロノブちゃんが並んでチカラのボルテージを上げてもとてもね。唯一はワタヒの魔力を天井突破で上げる事。それがこれ。頭に六芒星の穴を空ける。正確には『離述六樹星』といって少し場所が違うんだけど知らない人に伝える時それがぴったり魔人ブウなの。だからやれよテメェバカ息子のカタワレがよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!カタワレ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

私はアメリカの医学部を出て日本にやってきた。こんな窮地が日本で起こるとは思わなかった。なんとか逃れる手を考えていると三田佳子は手術用のモニターに自分のスマホを繋げた。ベッドで寝てる私の妻と娘が映った。

 

私「どういう事だ!?貴様妻と娘に手を出したらただじゃ」
そこまで言うと三田佳子は銃を取り出し私のつま先を容赦なく撃ちみぞおちを思い切り殴り首に腕をおしつけどんどんとバウンドさせながら「だったらなんだってんだよあアアあ!?????????????????ドカベンでも勝手に描いて復活させるか!????????????おめーーーにドカベンが描けんのかよカスレ声のヤ―マダ―みたいな面して大黒摩季にそそのかされて這い出ただけのミミズがよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????????????」
私はドラマのおかしな事を言われてる時の織田裕二みたいな表情を自然としてしまっていた。‘‘客観的‘‘、その言葉だけがわたしを狂わせないでいれた。三田が「おい、迫(はく、迫力みたいな意味)見せな」と言うとモニターの映像が反転して寄り目でアイ―ンの時の顔が通常のETが映った。「私がガッツリ小室哲哉だとしたら、こいつはトッテモaikoみたいな存在。」と三田は言う。モニターの寄り目でアイ―ンのETは一言も喋らなかった。こいつが家族の近くに居る。私は従うしかないと悟り「わかりました。手術します。」というとなぜか「恥術(ちじゅつ)?」と記憶が飛んだように聞き返され「よろしくね。」と言って手術台に座った。私が「しかし手術というものは一人では出来ません。」と言うと三田が「平気よ。麻酔、バイタルキープはこちらのオート魔術でやるわ。助手が欲しいっていうのなら用意するわ。」と言って指を鳴らすと横にさっきのモニターの寄り目アイ―ンのET(以下YA:ET)が現れた。後頭部にグッドデザイン賞のマークが印字されていた。

 

三田「2014年に受賞したの。さっきのとは別のよ。さあ始めて」

 

私は彼女のコメカミにパッチを複数装着した。パッチから線がモニターへ伸びていて三田佳子が記憶や考えている映像が映し出される。今は電流爆破デスマッチのリングの中央でひとつ屋根の下のノベライズ本を読んでいる大仁田厚が映っている。「2024年よ?(笑)」と話しかけている手元に編み物をしている三田の手がチラついていたので、そういう事があったのかもしれない。大仁田は「んー」とうわの空で返事して熟読していた。これでおかしな映像になったりして脳に損傷が出ていないかを見る。手術は座った状態のまま三田の頭を特殊な器具で固定し行う事にした。三田は手術台に姿勢よく座り頭を特殊な器具で固定されたまま真っすぐ前を見据えていた。私はまず一つ目、後頭部右側下の穴を空ける事にした。穴を開けるためのドリルを頭に当てる。映像が夜の雨の中どこかのホテルの30階くらいの部屋のベランダの外によじ出て手すりに掴まりこちらを見下ろしている全身ローションまみれの全裸の三田に変わった。「これは?」と聞くと三田は「世界の減塩はわたしのおかげで成り立っている。これはその証。」と言った。私は黙っていると映像ではホテルの下からドローンが競歩くらいのスピードで上がっていってベランダの三田とすれ違う瞬間、機体のハジッコが三田の乳首を擦って上空に上がっていき「大運動感ッ!!」と叫んでビルをガタンガタンと滑り落ちる三田が映った。

 

私「・・・これは普通なら中断するレベルだが、貴様ならある程度会話が出来ているなら手術は止めないがそれでいいか?」
すると三田は頭の器具を破壊し首に腕を押し当てバウンドさせながら「いいからやれよバカ野郎がよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!校舎が仰向けに倒れてる美大でも卒業してアルビノの生き物に本来の色を絵の具で塗る活動でもやってろよバカ息子がよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と叫ばれた。私は震えを抑えながら新品の固定器具を箱から取り出し三田に装着して二つ目の穴後頭部左側下の穴にかかった。三田の周りに赤い炎が灯った。

三田「この炎が六つ灯ると私は六芒の魔女となるわ」

映像が真っ白の地面を四つん這いで這いまわる麦わら帽子に田んぼ農家みたいな恰好の三田に切り替わった。私が「これはなんですか?」と聞くと三田はンフフと笑い「ファーストテイクに出るかもしれなかった時のやつね」と言った。どういうことかを聞くと三田に玉置浩二の田園の曲でファーストテイクの依頼が来たと、で出たんだけど当日イントロ中に玉置浩二がスタジオに乗り込んできてギターで三田の足を思い切り振り抜いてきてたまらなく四つん這いになっちゃって、これちょっと今日ファーストテイク無理だなと思って、でもスタッフに申し訳ないなと思ってせめてもの気持ちで上空から見たら機動戦士ガンダムSEEDのキラ・ヤマトに見えるように地べたを四つん這いで這いまわりながら1人で人文字を描いていた所、との事だった。
私「なぜ貴様に田園の依頼が来るんだ?」
すると三田は頭の器具を破壊し首に腕を押し当てバウンドさせながら「いけねえッってのかよアアアアぁああア!???????????????!???????!!??!?!??テめーに迷惑かけたのかアアア‘‘!!!!?!?!?!??!???????????この逃走中が行われた商業施設の逃走中の収録が終わったあと開店準備してるベビー服用品店の店長みたいな面してよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
私は「ふぁい…」という震え声をあげながらまた新品の固定器具を箱から取り出し三田に装着し次の手術三つ目の右中央の穴にとりかかった。固定器具を装着してる時こちらを見ながら「壊してごめんね…」と言った。三田の周りには新しく青い炎が灯っていた。
私は三田に「一つ言わなけれなならない事がある。恐らくここまで無茶な手術、ほぼ後遺症が出る。恐らく次の穴を空ける時このモニターに映った映像が今後後遺症として人生で何万回もフラッシュバックすることになるだろう。それでもいいか?」と問いた。三田は「まあ、仕方ないわね」と言ったのでドリルで穴を開けると映像が切り替わった。さんまのお笑い向上委員会でガヤ芸人との収録が長引いてなかなか呼んでもらえない控室にキャプテンアメリカの恰好をした長渕剛と少年期のスーパーサイヤ人2の悟飯の恰好した秦基博がモニターを笑顔で見ている。どっちもちんこを出していた。「長いね」と長渕が言って、「そうですね、お父さん。」と秦が答えていた。収録の最後に切り替わり秦基博が少し後ろでかめはめ波を撃つジェスチャーをして、長渕が8番出口のパネルを持ちながら「8番出口、現在steam等で好評発売中です!」と言い、陣内が「番宣かい!」とツッコみ、長渕がそれにキレてキャプテンアメリカのシールドをさんま目がけて思い切り投げるとさんまの歯に当たり直で跳ね返って長渕の顔面に当たって宙に浮かびながら倒れた。三田はモニター横芸人の位置でソーメンで出来たカツラを被り銀色の全身タイツを着てそれを見ていた。

 

私「こんな危険な映像がフラッシュバックするなんて私なら想像に絶する。辞めた方が…?」
そう問うと三田は頭の器具を破壊し私の首に腕を押し当てバウンドさせながら「いちいちうるせーんだよテメーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!いちいちいちいち!!!!!!!!!!!!!!」と怒号をあげるも負けじと私も「いやだって!!キャプテンアメリカでちんこ丸出しの長渕剛が向上委員会で8番出口の番宣してるんだぞ!!??」と衝撃をかき分けて叫ぶもアゴを三回殴られて恐怖で黙ってしまった。私はアゴを触らないように押さえ震えながら新品の固定器具がもう近くに無いから裏の倉庫まで取りに行き箱から出して三田に装着して四つ目の穴、左側中央に取り掛かった。三田の周りに緑色の炎が灯った。事件が起きたのは次の瞬間だった。「じゃあ4つ目の左中央真ん中への頭蓋穴開術を始めます。」と言いドリルを頭に着けた瞬間、風船に水をパンパンに入れて凍らせたあと針で風船を突いた時のように三田佳子の皮膚が一気にズル向けになった。人体模型のように筋肉があらわになって全部の皮膚が足の下で折り重なって下ろしたズボンのようになっていた。洋式便器でうんこしてる人みたいになっていた。三田が小さく「えっ」っと呟いた。頭は器具で固定してあるから三田は何が起こってるかわかってない。

三田「えっナニ?急に足が厚くなったカンジがする・・・」

私はドキッとした。こんな事になったのがバレたら何をされるのかわかったものじゃない。横を見るとYA:ETが片手で口を押さえながら寄り目アイ―ンを止めて普通に目をギョロつかせていた。小さく「急性皮膚一気剥(ギュピタレーション)ダッ・・・・・ッ!」と震えていた。もちろんそんな医学用語は無い。しかし事が事に三田にバレると厄介である。私は三田に「コイツが口に手を直で当てた。医師として不衛生を見逃すわけにはいかない。手を洗わせてもいいか?」と許可を得てYA:ETと共に一度手術室を出た。手を洗う場所に入った瞬間YA:ETを羽交い絞めにし首にメスを当てながら耳元で「いいか?余計なマネをしてもうどうにもならなくなったらまずイノイチにお前の首をメスで切るからな?わかったら静かにしていろ」と脅すとYA:ETは震えながらコクコク!と頷いた。私とYA:ETは手術室に戻った。当然だが手術台に足に全身の皮が集まっている人体模型のような何も知らない三田がまっすぐ前を見据えて姿勢よく座っていた。瞬きを一回もしていなかった。私は三田に近寄った。こんな症例は初めてだったので探り探りの方法で消毒液を頭からかけながら服を着せるように皮膚を頭まで引っ張ってって脳天でゼラチン釘(術後体に溶ける釘)を打ち止めた。消毒液をかけた時「えっ、ぶぶぶぁ(つめたっと言っているが顔に消毒液がかかって口がおぼれていた)」と呟いてヒヤッっとした。「高濃度美容液のカーテンだ。。」と苦し紛れに言ったら「びばびぶぼぼぼべびぶばばばば(気が利く事も出来るじゃないか)」と言っていて胸をなでおろした。私は手早く4つ目の穴を開けた。モニターにはお好み焼きが映っていた。三田の周りに黄色の炎が灯った。黄色の炎が灯った瞬間三田の眼がシルバーになって髪がほのかに蒼く光り薄く地鳴りもし始め魔力が上がっていることがわたしでも感じ取れた。残りは2つ。私は5つ目、右上部の穴に取り掛かった。モニターには紅白歌合戦で鳳凰を模した大きな羽根を広げてる小林幸子に三田が乗ったBMW(無職転生 ~異世界行ったら本気だす~のペイントがされている)が突っ込むと幸子がゆっくり後ろに倒れ羽根を突き破って腹にナイフが刺さってる福山雅治が現れ桜坂を歌い出す映像が流れた。開口一番が「こないだ初めてジャッキーの映画見ちゃってぇーーーーーーーー~ィッ!」だった。黒の炎が灯る。三田の眼が金色になり髪が赤く光り始めた。声が二重にダブり始め「フハハハハハ!凄い力だ!」と笑っている。私は最後の一つ、左上部の穴にとりかかる。
その時だった。

 

ピ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三田が急に死んだ。心拍数が急に0になり三田を見ると完全に白目だった。YA:ETが「急性皮膚間寂入込症(エクソゼーション)ダッ・・・・ッ!!!!!!!!!急性皮膚間寂入込症(エクソゼーション)は皮膚と身体の間に誰かの寂しさが入り込み急速に体が冷え心臓が止まる現象!!!!!!先生!!!!!!皮膚の中に手を入れて三田様を直接温めてくだサイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と言うので私が「いやそんな症例は聞いたことがない!!貴様なんかの言うことが信用できるか!!!!!!!!!!!!!!」と返すと腹をしこたま殴られ「いいからやれ!!!!!!!!!!!三田様が死んだら妻と娘も道連れだからな!!!!!!!!!!!!!!!」と叫ばれた。私は苦渋に顔を歪ませ「どうなっても知らんぞ…」と言ってYA:ETの言われるがままに三田の背中の皮膚を縦に50センチほど切り、皮膚と身体の間に着ぐるみに入るように手を入れ後ろ抱っこみたいな状態になった。筋繊維の感触がダイレクトに体に伝わる初めての感触の衝撃に私は神に祈るしかなかった。

 

私「その後は!?」」
ドゴオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
その時大地震が起こった。いや、この三田の魔力のせいかもしれない。窓の外を見るとこの建物だけ揺れているように思える。途端ビルに大きなヒビが入り一気に斜めに傾いてしまった。
私「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
三田の皮膚の中で身体を温めている私を乗せたストレッチャーはガラガラと音をたて窓へ走っていった。
バリィン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
窓ガラスが割れてビルの下があらわになった。私は叫びながらまだ残っているガラスの割れ残った部分に足を乗せて踏ん張った。ガラスにピシッとヒビが入るも私と三田が乗ったストレッチャーはなんとか持ちこたえた。ここは131階まである世界最高層の大病院『叡山(エイザン)病院』の、高難度域特殊専用手術室がある117階。眼前にスパイダーマンでしか見たことが無い光景が広がっていた。私が「これどうする!?!?どうするんだ!!!!!!!!!」と叫んでいると柱に捕まって耐えていたYA:ETが「私が変身して飛行機が緊急着陸した時とかで乗客が脱出するときの滑り台になります!!!!!!!!!!!!それをこの窓から地面まで伸ばすので降りて下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ンノァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」と言ってビニールクッション性の丸まった物体になり割れた窓から地面に向かってナナメに伸び始めた。まだ病院は揺れている。

 

YA:ET「早く乗って!!!!!!!!!!!!!!!!!ビルが崩れます!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

私は意を決してガラスから足を離した。滑り台に乗るストレッチャー。117階からの滑り台を姿勢良く座ったまま固定されている心肺停止の三田と三田の皮膚の中に手を入れて温めるという謎の処置をしている私を乗せたストレッチャーは滑った。今はAM5:02、横を見ると遠くの方に朝日が昇っていた。人の皮膚の間に手を入れていようと日の出は綺麗だった。紫とオレンジがかった空に澄み光る太陽が昇っている。途端三田の黒目が戻る。

 

三田「どうやら、急性皮膚間寂入込症(エクソゼーション)を起こしたようね。。。」

 

「やるじゃない。」と三田が微笑んだ。ほんとだったんだと思った。

 

三田「ピッ…今あなたの家族を監視してる者を帰らせたわ。六つ目の穴を開けなさい。そしたらもう帰っていいわよ。」

 

私は滑り台を滑りながら六つ目の穴を開けた。遠くの上の方で倒れながらついてくるモニターに田んぼでカバーが無い状態のタッチ全巻を小脇にかかえて満面の笑みで仁王立してる大仁田厚と「サンドランド観たあとにタッチ買ってまーす。笑」という三田の声が映っていた。
白い炎が灯り、三田の眼が虹色になり赤、青、緑、黄、黒、白全ての光を携えて宙に浮いてビルを立て直した。時間が戻ったように病院が直っていく。
三田が空から落ちてきた。キャッチすると三田がまた白目になっていた。魔術の使い過ぎで急性皮膚間寂入込症(エクソゼーション)を起こしていた。私はまた皮膚の中に手を入れて身体を温めた。高速で滑り台を滑るストレッチャー私達はそのまま地面に激突した。一瞬気を失い目が覚め辺りを見渡すと後ろに三田が気を付けの状態で仰向けに倒れていて脳が全部出ていた。全部地面に飛び出ていた。滑り台はなぜか燃えていた。私は怖くなって逃げ出した。もう役目は果たした。今の私にとって家族の安否がなにより大事だった。後ろを振り返ると脳みそがスライムみたいに跳ねながらこっちに向かって来てて叫びながら走った。家族は無事だった。

 

一週間後、テレビ等で隕石を迎え撃つ三田佳子と大仁田厚が映っていた。2人とも宙を浮いていて大仁田厚が「ダラアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!」と言って隕石にパンチして壊していた。壊したあと目が虹色で六つの炎を携えた三田が「大丈夫?」と言いながらウーピーゴールドバーグが悟空の瞬間移動の時のおでこに二本指を当てるポーズをしてる写真がプリントされてる絆創膏を渡していた。