円環の蛇 ヤムナト( Yamnaht )
語るのはゲーとエー
ダァシエリエス
ゲーは歌う、ヤムナトは円環なす蛇。東の都の日が暮れしとき、里を見つけるだろう。
エーはうそぶく、池のフクロウが道を示すが白き眼には映らない。
ゲーは言う、新しき宿で体を休め歩き出せ、ビターバレーでは恵みと寿ぎを比べるなどにべもなし。
エーは問う、その黒き眼にはなにが映るのか。
ゲーは答える、大いなる先、高き環る門の道が開けるだろう。
語るのはゲーとエー
語るのはゲーとエー
ダァシエリエス
ダァシエリエス
-ゲーとエーの歌 高き環る門の道 –
( Song of Ge And Ee, Way to the gate for return to high )
自らの尾を飲み込む円形の蛇の意匠は洋の東西を問わず存在する。これは始まりと終わりの消失、転生、完結などを意味する。
ヤムナト(Yamnaht)は高位の神であり、神殿を訪れる信者は日に1万とも2万とも言われる。
残る謎「高き環る門の道」は未解明だ。一説によると、この名は広く公に募って決めたそうだ。
謝辞
本著の執筆にあたり、考古学史上貴重な『ロセンズ・ストーン』の精緻な資料を快く提供いただいたジュール・ルワール博物館に感謝の意を表します。
※正式名称:ジュール・ルワール・フィグス・ニ・フォン国立民俗学博物館( Musée national d’ethnologie Joule Ruar Figus Ni Fong )
訳者あとがき
クク・テトゥ(またはコク・テトゥ)の真名は書くことはおろか、口に出すことも畏れられたと言われる。
かわりに”聖二文字”である『JR』と記すことで、その存在を書き留めた。
JRの発音は失われており、ジュール・ルワールと呼ぶのも、音素を補足しての近代の、それも本邦独自の習わしである
本書では原文表現を尊重し、JRやジュール・ルワールではなく「クク・テトゥ」とした。
付録
研究者用資料(クリックで拡大版を表示)
『ロセンズ・ストーン』ジュール・ルワール・フィグス・ニ・フォン国立民俗学博物館
献辞
JR東日本路線ネットワーク
https://www.jreast.co.jp/map/pdf/map_tokyo.pdf
名著『想像神話・ティカ・テトゥ(Tihuka-Textu)』へ捧ぐ
〈了〉