さて、ここまでが物語前半。いわゆるAパートです。

まずいですね。流石はウン十年、幼児の心を捉えて放さないおばけコンテンツ。視聴者を退屈させまいと全部のシーンが魅力的。濃い~~の。

ここまでもかなりダイジェストでお送りしたものの、この調子で行くとファスト映画的なやつになってしまいます。なのでここからはもぐりんのドリルに重点を置きつつ、さらにダイジェストでお送りしましょう。

 

ファイヤーストーンのエネルギーを得たもぐりんは七面六臂の大活躍!!

ドリルからビーム!

たった一撃でアンパン・しょくぱん・カレーパン・メロンパンをまとめて気絶させる威力だ!

 

アンパンマン号のノーズパンチを跳ね返す!

ドリル対ロケットパンチだ! 昔のロボットアニメならそのままサブタイトルに出来る対戦カードだぞ!

(※ノーズパンチ……アンパンマン号の鼻をマジックハンド機構で飛ばすパンチ。アンパンチと同等の威力が出せるらしい)

 

機体側部をクラッシュ!

そのあり余るパワーで圧倒し続け、アンパンマン号を川へドボン! 滝から崖下へと真っ逆さまだ!

 

アンパンマン号のかまど&薪、水没!

ここで説明しよう! アンパンマン号の動力源は『かまどの火』である! もちろんアンパンマンの新しい顔を焼くためにも使われている!

かまどの使用不可、即ち、行動不能&顔焼き不能という大ピンチなのである!

 

そんでもってファイヤーモグリン、暴走!

何故かというと、アンパンマン号を撃破する大金星を挙げたばいきんまんが、計器の上で小躍りしてうっかりファイヤーストーン供給スイッチを踏み抜いたから。エネルギー過多で操縦不能に陥ってしまったんですね。

ファイヤーモグリンは全身を黄金色に輝かせ、地底国の市街でのたうち回るように大暴れしてしまいます。う~ん、地底国の住人には悪いけど……暴走もこの手のヤツの華だね!

 

というか、図鑑に載ってるの暴走状態のやつだったんですね。

 

一方、ようやく気絶から意識を取り戻したパンマン’s&パンナの4人組。市街で暴走するファイヤーモグリンを止めようとするものの、あのドリルビームを警戒。そこで地底国の住人に協力を仰ぎ、ある作戦を決行します。

地底国の住人「ええっ!? 落とし穴を!?」

幼少期の僕  「ええっ!? 落とし穴を!?」

このシーン、幼少期の記憶が鮮明に蘇りました。当時もこんなツッコミを入れてたはず。だってよぉ……落とし穴ってアンタ……

目論見通り、ファイヤーモグリンを落とし穴にはめてなんとか暴走を止めたけどよぉ……

だよね~! ドリルだもんね~!!!

おまけに落下の衝撃でファイヤーストーンの供給が正常に戻り、今度はばいきんまんの操縦による反撃が始まってしまいました。

 

もぐりんの主要武器がドリルなので、とにかくドリルアップのシーンがなんと多いことか! 人を魅了するに足りうる大活躍っぷり。

これだけインパクトが強いとお子様は恐怖心を抱いてもおかしくなさそうですが、何が分水嶺になっているんでしょうね。

 

それにしても、ビームは放つわドリルは止められないわ、ファイヤーモグリンは強い! 絶対に強い! アンパン・しょくぱん・カレーパンとメロンパンナちゃんが束になっても全く敵わない!

もう、どうするんですか? 詰みじゃないですか?

 

 

ポッ、ポー……

 

ポッポー? 汽笛?

 

まさかお忘れではありますまい。

 

この作品のサブタイトルを。

 

挿入歌:すすめ!アンパンマン号

 

ポッポ~~~~!

 

挿入歌の勇ましいイントロと共に、崖を垂直に駆け上り、戦線に復帰を遂げたアンパンマン号。

ばいきんまんという偉大な発明好きに隠れがちですが、ジャムおじさんもアンパンマン号を作ったスーパーメカニック。なんとか応急処置でアンパンマン号を復旧させていたのです。

 

しかし、賢明な視聴者の皆様は覚えておいででしょう。薪が水没していたはずだと。かまどが直せても燃料がなくては走れないはずだと……

ジャムおじさん「バタコ! ファイヤーストーンは?」

バタコ「大丈夫! かまどはエネルギーでいっぱいよ!」

 

劇場でアンパンマン号歌わせてくれ!!!

幼少期の僕が喜ぶはずだよ。だって今の僕が見てもウオオーッ! ってなるもん。

 

つまり、僕が記憶していたこのシーンは


(挿入歌『すすめ!アンパンマン号』)

同格のパワーを得たマシン同士のぶつかり合い

だったワケですね。

このシーンを一時停止して模写してるとき、幼き日の自分も同じことをやってたんだなあと思うとなんか目に熱いものがこみ上げてきたんですが、泣いてなんかいねえやい。てやんでい、ドリルの潤滑油が目に入っただけでい。

 

もう、わかりました。ドリルだけじゃありません。人智を超えたエネルギー、暴走するマシン、窮地から復活するマシン、パワー勝負、抜群のタイミングで流れるカッコイイ挿入歌。

僕の熱き血潮はここで目覚め、今も穿ち進むチカラとなっているのです。

 

大団円! さらばドリルよ、また会う日まで

物語は、あのぶつかり合いから更に一波乱あるのですが――

――紹介は以上とさせていただきます。ちょっと良すぎてキリがないから。記事を書きながら、何度「誰か心のドリルを止めてくれ!」と思ったことか。

 

一つだけ申し上げておくと、この後なんやかんやあって、メロンパンナちゃんが「誰か助けてーっ!」と叫びます。じゃあロールパンナちゃんが助けに来るパターンだな! と思いますよね。僕もそう思いました。

でも彼女は来ません。なぜならこの時期(277話時点)は、ロールパンナちゃんがTV未登場だから。準レギュラーキャラが加入する前って、その古さに肌が粟立ちますね。

 

さてもさても、いかがでしたか? 皆さんの心のドリル、回りましたか? たまには自分の過去を掘り返してみて、ドリルの魅力を再発見してみてはいかがでしょう。

「アンパンマンの魅力しかわからなかった」も最高の褒め言葉なのでヨシとします。

 

それでは今度は「あなたのビームはどこから?」でお会いしましょう。ばいばいきん。