メルハバー(こんにちは)
凸ノです。
今回は遠くトルコはイスタンブールから特集をお届けします。
まきのさんもインドで特集やってたし
私めもトルコで何かしら出来ないかしらと、イスタンブールに到着してから思いついたわけです。
ここは一つ、ネットやガイドブックでは得ることが出来ない生の情報をゲットしてやろうじゃないの!
と息巻いてみたものの、拙い言葉でかき集めた情報といえば
■ トルコにもゲイはいる。
■ トルコには悪口のバリエーションがたくさんあり、男達はものすごい悪口上手。
■ 海外からわざわざトルコ人ゲイをナンパしに来るゲイ外国人がいる。
■ 車も電車も殺る気マンマンの速度で突っ込んでくる。はねられたら負け。
■ トルコのゲイの見た目は基本的にガチガチに男性的。
という何か妙に偏った情報ばかり。
ダメだこりゃ……
こうなったらもうムヒヒなお店に突撃するしか無いのか?
でもそういう芸風じゃないし……領空侵犯だし……(別の人の芸風に手を出すことを領空侵犯と言います)
と意気消沈でガイドブックを眺めていると、どのガイドブックにも同じことが書いてあることに気付きました。
「スリや置き引き、観光客を狙った犯罪に注意」
なるほど。
確かに海外旅行といえばスリ、スリといえば海外旅行というくらい
窃盗事件と海外旅行はセットみたいなとこがありますね。
…………
じゃあ逆にスリにあっちゃうのはどうだろう?
その時の場所、シチュエーションを記録すれば、どの様な行為がスリに狙われるのかが浮き彫りになるのではあるまいか!
ガイドブックだけでは分からない、本当のところが見えるのではあるまいか!
これや!!
~ルール説明~
●ごく少額のお金を用意します。(今回は日本円で250円くらい)
●それをズボンのお尻ポケットの方に無造作に入れます。
●完全に油断して観光します。
●観光地ごとにチェックしてどこで現れるのかをリサーチ。手口もわかればモアベター。
さあスリ共、どっからでもかかって来い!!
STAGE1 グランバザール 危険度☆☆
海外からの買い物客でごったがえす、巨大な迷路のようなバザール。
奴らにとって観光客は格好のカモ。ガイドブックにも「スリに注意」と書かれている。
なかなかの人出。
日本人一人もいねえ……
これは期待できる!
正直欲しいものが全然無かったので買い物はしませんでしたが、尻をふりふり
油断丸出しで1時間ほどウロウロしました。
これスられたんじゃない?早速スられちゃったんじゃない?
全然無事。
まあそうですよね。
そんないきなりね。ないですよね。
西成区じゃあるまいし。
STAGE2 エジプシャンバザール 危険度☆☆
グランバザールよりはかなり規模が小さいものの、こちらは地元の人達も利用しているらしく人出は多い。食材とか石鹸とか売ってます。
グランバザールより人出多い。
これじゃあポケットから小銭抜かれても、むしろお尻そのものを触られても分からないかも知れない……
アタイ、ドキドキしてきたよ。
余裕で無事。
まあまあ。
そんなね、調査開始から2時間半くらいでいきなり現れないよね。そりゃそうよ。
ヨハネスブルグじゃあるまいし。
じゃあそろそろガイドブックでもかなり要注意扱いされているあそこ行っちゃおうかな。
STAGE3 トラム(路面電車) 危険度☆☆☆☆
坂道の多いイスタンブールではものっそい珍重されている路面電車。
ピーク時の満員っぷりは、思わず「え?これって京王井の頭線?」と錯覚するレベル。
乗客がギュウギュウのすし詰め状態になることから、スリが最も出没すると言われている激アツポイントです。
奴ら既にこっちをロック・オンしてやがる……
獲物を狙うハゲタカの様な目をした男達に見つめられつつ乗車。
尻が冷えるぜ……
車内は噂通りの人口密度。さながら密航船の様な状態で、撮影は不可能でした。
もう誰のどの部分が自分に当たっているのかも分からない状態。
これはいよいよかも知れません……
はい無事。
あれ?
もしかして安全なの?
誤解だったの?
これじゃ男子高生だった僕まで痴漢にあったJR鶴橋駅の方が危ないじゃん。
先ほどのハンター達はただ単に「いきなりカメラを向けられてビックリした」人達でした。
すみませんでした。
なんだー、イスタンブール良いところじゃないですか。
ご飯も結構美味しいし。
街中に人懐っこい猫がいて、猫好きには天国だし。
犬もたくさんいるし。
街も女性も綺麗だし。
もう普通に観光しようと思います。
特集はね、トルコとか全然関係ないのが良いですね。
誤解してました。
イスタンブール良いとこです。
「あ……」
「カバン開いてる……てか、財布無いわ……」
盗られたて
出た。
なんと僕では無く同行していた知人がヤラれました。(ノンフィクションです)
場所は次に訪れた
STAGE4 ブルーモスク 危険度☆
危険度☆のはずのブルーモスク周辺でまさかのビンゴ。
えーーーーーーー!!
何これ!!!
うわーーーーーそれは無いわーーーーー!!!!
ちなみに僕の小銭はオール無事でした。
こっち持ってけドロボー!
● スリが狙うのは基本的に財布。尻ポケットに財布を入れておけば遭遇率グンとUP。
● 二人組、三人組のケースも多く、一人目がぶつかったりして気を引く、二人目がカバンのファスナーを開ける、三人目が財布を抜き取る。
● 内ポケットが比較的安全。
● 上を見上げるため、下方への注意が疎かになる場所は要注意。
だ、そうです。
三人組で一仕事ってカマイタチか。
あと、正直侮ってました。
あいつらプロ。その場で気付くのは不可能です。
神の不在証明(パーフェクトプラン)を使われたとしか思えない手際でした。
「余計な物は持ち歩かない」は鉄則のようです。
なんということでしょう。
被害金額は少なかったものの、肝心の僕じゃなくて無関係の人間がスられるとは……
あまりにテレビ的な展開に、普段は年老いたアフリカ象のごとく温厚な私も怒りを禁じ得ません。
「どうしましょうか……犯人を探しだして爪を全部剥ぎますか?それとも豚の餌にしますか?」
「怖いよ。とりあえず旅行保険入ってるし。でも盗難届出すのにも現地の警察で数時間取られるから、被害金額との相談かな……滞在時間限られてるし」
「対処を考えましょう。とりあえずそこの店で座りますか。
あ。なんかパイプが置いてますね」
「置いてるね」
「とりあえず吸いましょうか。ね!とりあえず吸って!吸って落ち着きましょう!」
ススゥーーーーーーーーーーーーッ
ボハァァ………
「凸ノくん?」
そうかぁ……
そういうことやったんかあ……
なるほどなあ……
「いや、全然そういうことじゃないと思うよ」
せやけどやっぱりスリはあかん……あかんで……
「凸ノくん?」
「おーい」
「ダメだこいつ」
結論・スリ、ダメ。ゼッタイ。
注・水タバコ(パイプ)には幻覚もしくは覚醒作用はありません。
注・イスタンブールには廃墟に住んでいるストリートチルドレンはいません。
(凸ノ)