プレゼン開始

1つ目

 

1つ目はヤスミノさんの「チェーン店にばかり入店してしまう」です。

 

 

面談の内容をおさらいすると、こんな感じでしたね。

あれって面談だったの?

気付かない間に面談されていたとは。

「恐怖」とか「激しい嫌悪感」って大袈裟に書いてません? まぁ、たしかにカウンターで食べるのはかなり嫌だな。

では、なぜヤスミノさんが「嫌だ」と感じたのか? 原因を分析するために、ロジックツリーというフレームワークを活用します。

ロジックツリー……?

 

Aさんのワンポイントアドバイス

ロジックツリーは物事を深く掘り下げていき、根本の原因を探るのに有用なフレームワークです。ロジカルシンキングの基本にもなる、非常にメジャーな手法です!

 

ロジックツリーで原因を掘り下げていく

なんかそれっぽいぞ!

掘り下げていくと「ルールを破ると、常連にバカにされるのでは?」「店員と話すのに気を使っているのでは?」のような仮説が出てきますね。

あ〜〜! たしかに「店員に嫌な顔されたらどうしよう」とかも思っちゃうな。自己防衛のために自分でヘラヘラしちゃうこともあって、それも嫌だ。嫌さがどんどん具体化されていく……。

なるほど、こういう風に原因を掘っていくんだ。そして最後は右にある「根本の原因」にぶち当たる、と。

そして、そのデカい根本の原因は何か? を考えるのに、今度は氷山モデルを活用します。

氷山モデル!?

 

Aさんのワンポイントアドバイス

氷山(アイスバーグ)モデルは、物事の全容を捉えるのに効果的なフレームワークです。海面から出ている氷山は、全体のほんの一部ですよね。このモデルでは氷山になぞらえて、目に見える「できごと」から、その奥にあるパターンや構造、そして一番底にあるメンタルモデルを引き出します。

 

「個人店で居心地が悪かった」「キャバクラで嫌な思いをした」という「できごと」から、氷山モデルを用いて原因を掘り下げました。その結果、一番底にある原因は……

 

 

ヤスミノさんの人見知りです。

僕、人見知りだったの?

自覚あったでしょ。結局、メンタルから変わる必要があるってことですね。

ちなみに、これを解決するのは今回の4つの中で最難関らしいです。

えっ、これが!?

 

Aさんのワンポイントアドバイス

メンタルという「自分の内面」を変える必要があるので、解決が非常に難しいです。強いて言えば、チェーン店の中でもグイグイ来るというか、バラつきがあるというか……。そういう不確実性の高いお店で、少しずつ経験を積むしかなさそうです。

 

つまりヤスミノは、一生チェーン店に行くしかないと……。

そうですね、基本的には解決不能と言えます。

1発目からそんなことある? けど「無理だ」っていう理由は分かりました。諦めてファミレスに通い続けます。

 

2つ目

 

これはAさん曰く、「一番戦略的に解決が可能」とのことです。

うおっ! やった!

 

 

Aさんのワンポイントアドバイス

今回、変えられるパラメータは3つしかありません。「原宿さんが変わる」「奥様に変わってもらう」そして「電気自体を変える」です。それぞれでROI(投資に対してどれぐらい利益があるか)を算出し、最も高いものが一番効果的であると言えます。

 

ROI……良いぞ、なんか賢い感じがする。

 

 

まず「原宿さんが変わる」「奥様に変わってもらう」パターンが、こちらです。「原宿さんが変わる」のも先程のヤスミノさんと同様、ご自身の考え方を変える必要があるのでなかなか厳しいです。

自分の内面は、基本的には解決不能か……。

じゃあ「奥様に変わってもらう」方はというと、こっちの方がキツいです。他人のマインドを変えないといけないので。労力が大きいですし、なんなら逆に奥様に怒られるリスクもあります。

たしかに、自分より他人を変える方が大変そう。

 

 

今回で一番ROIが高いのは「電気自体を変える」ことです。人感センサーはコストもたかが知れてますし、簡単に目的を達成できます。あとは少し非現実的ですが、奥様が来たらアラームを鳴らす仕組みを作るのも考えられますね。

なるほど、装置自体を変えてしまえば原因自体がなくなるし、電気代の節約にもなると……

……すみません、ちょっと思ったんですけど。

 

 

これ、資料はめっちゃ凝ってますけど「まぁそうだな」ってことしか書いてなくないですか?

……いや、書いて初めて分かることもありますから! 人感センサーなんて、考えもしなかったでしょう!?!?

もしかして、問題解決って「やっぱそうですよねえ」ってことをやるしかないんじゃないですか?

細かい揚げ足取りは気にせず、次行きましょう! これからこれから!

 

3つ目

 

次はヤスミノさんの「歯医者へ通院したくない」ですね。

うん、これは今も本当に悩んでるんですよ。

まだ歯医者行ってないの?

注意されるのが嫌すぎて……。

今回は「バッドサイクルとハッピーサイクル」を活用します。

 

Aさんのワンポイントアドバイス

失敗を表すバッドサイクル(悪循環)を断ち切って、成功を表すハッピーサイクル(好循環)を目指そうという考え方です。人間関係や、組織のマネジメント向上にも活用されるフレームワークですね。

 

 

「歯医者に行けないサイクル」と「行くサイクル」をまとめると、こんな感じになりました。

うわ! マジでこの通りだ! どんどん歯が悪くなるから、注意されると思ってどんどん行けなくなってる。もう2〜3本の歯が、終わってる状態まで進行してます。

それを、良い循環にする必要があります。歯を磨く→検診に行く→歯科衛生士さんに「大人でちゃんと検診に来る人って少ないんですよ!」って褒められる→嬉しい→また行きたくなる→ちゃんと手入れする みたいなサイクルですね。

歯医者以外にも、日常でこういうサイクルってあるよね。応用が効きそうだな。

ちなみにヤスミノさんは、どうすればバッドサイクルから抜け出せると思います?

え〜〜? 普通に考えたら、怒られるのを覚悟で行くしかない気がするけど。「何円損してますよ」みたいに、具体的に金額を出して発破をかけるとか?

なるほど……。Aさんとも話した結果ですが、

 

 

1回しっかり怒られるしかないです。

最高の結論だ。怒られよう、一度。

慈悲は無いんかい。

 

Aさんのワンポイントアドバイス

いい大人なので、諦めてちゃんと行きましょう。

 

真面目に言うと、グッドサイクルは一回きりじゃなくて、乗り続ける必要があるんです。なので、付け焼き刃で気持ちを誤魔化してもダメ。ガツンと怒られて反省するのが、一番効率的と思われます。

ぐぬぬ……。

まぁでも、ここまでロジカルに言われると諦めも付くんじゃない?

たしかに、これは納得しちゃいましたね……。今までぼんやり「嫌だな〜」程度に思ってたけど、サイクルの話をされると「たしかに行くべきだ」って気持ちになる。行くか、怒られに……。

 

4つ目

 

最後は原宿さんの「要らない服を買っちゃう」です。

これな〜〜〜〜〜〜

 

 

解決策として、今回は「予兆」を考えてみます。どんな時に、要らない服を買っちゃったことが多いですか?

うーん、手持ち無沙汰な時が多いかなぁ。暇してる時に服屋に入ると、なんとな〜く買っちゃうことが多い気がする。

良いですね! そういう経験をベースにして、「予兆モデル」を作ってみましょう。

予兆モデル?

 

 

Aさんのワンポイントアドバイス

普段は買わなくても、あるシグナルが起こった時に服屋に行くと、要らない服を買ってしまう。一例では「臨時収入が入った」「購買意欲が高まった」などがあり得ますね。その「予兆」を自分で認識して、再発を防止する、という考え方です。

 

はは〜ん。なるほど、この状態になったら服を買いやすい」っていうのを認識するってことか!

その状態になったら「服屋に行かない」「行ってもその場では買わない」のような対策を作っておくと、散財を防ぐことができるかと!

「予防」って考えは面白いですね。なんか、システムのバグを防ぐみたい。他にも色んなことに使えそうだ。

 

 

プレゼン終了

 

 

お疲れさまでした! プレゼンを聞いて、率直にいかがでしたか……?

いやぁ、途中でツッコミは入れましたけど普通に有用だなと思いました。ぶっちゃけ、解決方法自体は妥当な感じがしましたけど、組み立てて出されると「ちゃんとしてる感」が凄いですね。

ロジックがしっかりしてると「やっぱりそうだよな!」と納得できるのが良いね。何もなしに「電気自体を人感センサーにしたらどうすか?」ってただ言われるのとでは、滲(し)み方が違う。

僕も作ってて思ったんですけど「フワッとした感覚を、ロジックで補強する」みたいな側面がありますね。ちゃんと論理に裏付けられてるから大丈夫ですよ、みたいな。

ある意味、カウンセリングに近いかもですね。理屈があるから腑に落ちやすい。歯医者に行くのも「グッドサイクルに乗るため」と言われると、たしかに、って気持ちになる。

俺もROIとか言われちゃうと、もう一発で信用しちゃう。自分でも「ROIがどうこう」みたいに言えたらカッコいいし。なんならそういうワードを言うために、俺も課題をスマートに解決したいって思えたね。

おお! ということは、今回はスマートな解決成功ですね!

 

 

いかがだったでしょうか?

今回はコンサルタントにご協力いただきましたが、フレームワークを使った考え方は、いつからでも始めることが出来ると思います。

僕と同じように相手の悩みを上手く解決できない人は、一度試してみると良いかもしれません!

 

また、余談ですがプレゼンの後日、ヤスミノさんは本当に歯医者に通い始めたらしいです。グッドサイクルに乗り続けて、健康な歯を取り戻してくださいね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。