バカ……
もう知らない!
野田:自信がないと、他人の気持ちには気付けない。
相手の気持ちが分からないから、距離を詰める、一方的に話す、自分がコントロールしようとする。
自信がないからこそ、自信があるかのように振る舞ってしまう。
悪気は全くないんだけどな。
アイツのそういう不器用なところも、好きなんだろう?
なら、追いかけな。
今、あの尻を逃しちまったら、自分から逃げることになるぞ。
ハアハア……
ハアハア……
ハアハア……
待ってろよ、尻。
いや、オレのお尻ちゃん。
ハアハア……
ハアハア……
どうか逃げないでくれ。
大切なお前の気持ちだけは、逃しちゃいけないんだから。
ごめんね。勘違いしてた。
気持ちに気付けてなかったのは、お尻の方だったんだね。
「君とのこれから」について、お話したいことがあるんだけど……。
えっとね、そのね。
ごめん、遠回りな話になっちゃうけど、聞いてほしい。
シンデレラってさ、どうして「末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」で終わると思う? あまりにもノーテンキじゃない?
お尻はね、こう考えてる。
生きていたら、悲しいことやツラいことは必ず起こる。いつだって起こりうる。絶対になくなることはない。
きっと人生は老い、病気、理不尽な仕打ち……いろんな苦しみの繰り返し。
でもね。愛だって同じだと思う。
お出掛けしたり、お話したり、ただ一緒にいるだけだったり……そういう嬉しいことも何年だってグルグルと四季のように巡り続けることができるんだよ。
だけど、そのためにはステキなパートナーを作る必要があって。王族やお金持ちじゃなくてもいいんだけど、一生連れ添える人を見つけるのはとても難しいことで。
「出会い」っていうのは、ちょっとしたキセキみたいな出来事なんだよ。それが叶うだけでも、その人生は十分「めでたしめでたし」なんじゃないかな。
もちろん、嫌なことはなくならないし、一言にまとめちゃうのは、シンプル過ぎる気もするけど……。
言葉はどうしたって人生よりも短くて、人生について語り尽くすことはできないわけで。
……ごめん、ヘンな話しちゃったね。
だから、その。
君とのこれから、なんだけどね。
なんて言えばいいのかな。
「めでたしめでたし」にしちゃおっか!
ちゅっ♡
ちょっぴり不器用だけど一途なオレの尻からは逃げられない
〜出演〜
野田せいぞ
オレの尻
〜執筆〜
オレの尻
〜構成〜
オレの尻

〜最後まで読んだヤツ〜


おまえら


(TRUE END)