こんにちは! オモコロブロス編集部です。

皆さん、漫画はお好きですか?

何か漫画を読みたいなと思って作品を探すとき、「気軽に読みきれる漫画がいい!」という気持ちがあったりしますよね。

そこで今回は「5巻以内で完結するおすすめ漫画作品」をオモコロのライター・漫画家がご紹介します!

コンパクトなボリュームで手に取りやすく、かつ面白い作品ばかりなのでぜひご覧ください!

 

カスミ伝(唐沢なをき)

カスミ伝(全) (ビームコミックス)

「漫画」そのものをどこまで壊せるか、どこまで遊んで大丈夫なのか、という(キャリア的に)危険な実験を我々一般読者の代わりに身を削って実践してくれています。ありがとうございます。そしてキャラがかわいい。

壊れていて尖っているのですが、でも整ってもいるので読みやすく楽しいです。そしてキャラがかわいい。

(紹介:どろり

 

ムーたち(榎本俊二)

ムーたち(1) (モーニングコミックス)

前作のエログロ盛り沢山のギャグが詰まっていた「えの素」から一転、内面の認知を掘り返してくるような観念的な内容で、当時はまずそのギャップに驚かされました。

基本的には小学生のムー夫を中心にした家族の物語であり、小学生視点のちょっとした疑問や悩みを解決するべく、もう一人の主役である父親の稔(みのる)との哲学的かつシュールな問答で話が進むんですね。これがめちゃくちゃ面白い。

「毒持ちのフグを食べるためにどれだけの人が犠牲になったんだろう」という人生で一度は考えたことがある問いに対しての榎本先生の画力を存分に発揮した説得力しかない回答は絶対読んでほしい。

この漫画を語る時に外せないのが物語後半に出てくる「セカンド自分」という概念。思考している自分を観測している自分を指す言葉として登場するんですが、話が進むと「サード自分」「フォース自分」と上位の概念が登場。バトル漫画のインフレみたいになっていきます。なんと修行回もある。哲学的思考をバトル漫画にしてるのはこの作品くらいでしょう。

余談ですがこの漫画、父親の描写も面白くて、とにかく顔のパーツが大体揃ってればOKと言わんばかりにかなり形状を曖昧に描かれることが多くて、自分の作品でよくやる、後ろを向いた時に顔がはみ出す表現はこの漫画がきっかけだったりします。

1話完結の物語で読みやすくて、日常に新たな視点を強制的に植え付けられます。オススメです。

(紹介:ニャロメロン

 

ヒミズ(古谷実)

ヒミズ(1) (ヤングマガジンコミックス)

誰よりも「普通」であることを望んでいた男子中学生・住田が、いつの間にか「普通じゃない」方へとどんどん突っ走っていく漫画です。

作者の古谷実さんは、『行け!稲中卓球部』に代表されるようにギャグ漫画で有名な人で、『ヒミズ』も最初の数話は、物悲しい男子中学生の日常をテンポ良く描いています。しかしそれもつかの間。「あること」を引き起こしてしまった住田くんは、そこから憑りつかれたかのように引き返せない方へと突き進んでいきます。別に次から次へと新しい何かを犯しているわけではなく、最初の出来事が呪いのようにずっと彼を縛り続けます。

この漫画の個人的に好きなポイントは、そんな住田くんに「生存フラグ」があらゆる角度からすさまじい量で押し寄せてくるところです。住田くんを「普通」に戻そうとする救いの手が、何度も何度も差し伸べられる。気の置けないふざけた友人たち、なぜか自分を好いてくれる同級生の女の子、ゆるいバイト先、人の良いおまわりさん、ぶっきらぼうなヤクザ。いつ、どのタイミングからでも、人生はやり直せるんだ、というメッセージを漫画総出で訴えかけてくる。それなのに住田くんは、なぜ、どうやって、生存フラグをことごとく躱してしまうのか。まるで漫画と住田くんによる追いかけっこのようで、不思議なギャグ味すら感じます。

陰鬱なのに笑える。笑えるのにしんどい。心の持って行き方に悩んだまま、いつの間にか完結している漫画です。

(紹介:ペンギン

 

ゲレクシス(古谷実)

ゲレクシス(1) (イブニングコミックス)

僕がおすすめしたいのは、古谷実先生の『ゲレクシス』です。

古谷実先生の漫画は、稲中卓球部からすごく好きで、ずっと作品を追っています。自分は、おじさんなので…どうしても「若い頃に読んだ作品が一番好き」ということが起こりがちですが…古谷実先生の作品に関しては不思議とそれがないんです。すごい!

新しい作品が出るたびに「今の古谷実作品が一番好きかもしれない」と思わせてくれる。そんな漫画家さんの現状の最新刊が『ゲレクシス』です。

物語の主人公は、バウムクーヘン屋で働く40歳のおじさんです。このおじさんが突然、人間ではない奇妙な姿になってしまいます。二頭身くらいの、なんだかキャラクター然としたマスコットのような生き物です。

かわいいと言い切っていいのかも微妙だし、気持ち悪いと言えば気持ち悪い。でも愛嬌がないわけでもない。妙なキャラクターの姿をした40歳のおじさんが、そのまま古谷実作品特有のリズムで微妙にズレた哲学命題を立ち上げたり、スカしたり、考えたり、しゃべったり、悩んだりしている。

作品としては、これ以上ないほどヘンテコで理不尽で最高な作品なのですが、これをいわば『アフターちいかわ』であるこの時代に読むと、ものすごく趣があります。『ちいかわ』をはじめ、今のキャラクター文脈『人間の生々しさを一度、キャラクターの身体に入れてしまう。』というムーブメントを通過した目で『ゲレクシス』を読み直すと、「ああ、古谷実先生はこの感覚を2010年代の時点ですでに掴んでいたんだな」と思います。

「寂しい」「怖い」「モテたい」「どうやって生きればいいんだろう」みたいな、かなり生々しい感情が、不思議とちょっと違う角度から見えてくる感覚。

かわいい生き物が労働したり、絶望したり、理不尽な世界で生きたりする。外見はキャラクターなのに、その中に入っているものや、それを取り巻く世界は、ものすごく人間臭い。

キャラクターを通すことでむしろ人間の孤独が生々しく見えてくるという手法が急激に加速している昨今、孤独な40歳男性が二頭身の異形になるのも、今読むと妙にWEB漫画的で現在に接続して見えるのがめちゃくちゃ面白いです。

かわいいのか気持ち悪いのかわからない。笑っていいのか怖がればいいのかわからない。でも、ものすごく人間についての話をしている。そこが完全に古谷実作品になっている。

時代の空気を捉えながら、それをちゃんと『古谷実』という作家の体を通して出力すると、こうなる。もしもキャッチーなおすすめの一文を書くとすれば、

”もしも古谷実が『ちいかわ』を描いたらこうなる“

です。

今の時代だからこそ、その面白さがもう一段見える作品なんじゃないかと思います。しかも全2巻です。『5巻以内で読める漫画』という今回の企画には、これ以上ないくらいおすすめです!!!

(紹介:カメントツ

 

ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々(増田こうすけ)

ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

『ギャグマンガ日和』でお馴染み、増田こうすけ先生によるユル~いギリシャ神話ギャグマンガ。

ギャグマンガ日和では聖徳太子にジャージを着せ、松尾芭蕉をうだつの上がらないオッサンにするなど、歴史上の偉人に愛すべきダメ人間像を付与している増田こうすけ先生ですが、ギリシャ神話劇場においてもそのセンスは健在です。

アキレス腱だけが異常に弱い不死身のアキレウスに、むっつりスケベの愛の神エロス。あっと驚く迷宮を作ってほしい怪物ミノタウロスと、落ち着いた居住空間を提供したい名工ダイダロスなどなど。個人的なお気に入りは、無限の拡大解釈で絶対に判定勝ちを譲らない軍神アレスです。

古今東西、ギリシャ神話を題材orモチーフにした創作は数あれど、ここまでいい意味でしょうもない世界観のものはお目にかかれない筈。

基本的に一話完結ながら随所に繋がりがあるので、全巻読破する頃には不思議と叙事詩を読み終えたような充足感があります。

ちなみに最高神ゼウスについては、格が違うからか後ろ姿でしか登場しません。エロ本を立ち読みしてました。あとバイキングでポテトばっかり食べてたらしい。

(紹介:寺悠迅

 

チャゲチャ(澤井啓夫)

チャゲチャ (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

おもしろいです。

澤井啓夫先生といえば代表作の『ボボボーボ・ボーボボ』がいまだ根強い人気をもっていますが、『チャゲチャ』ではその世界観を一新したうえでそれまでに形成された澤井先生のギャグ手法を初速から楽しむことができます。

またこの作品以降、一旦作風が日常ギャグに変わるのでバトルギャグというボーボボの残り香を味わえる意味でも価値のある作品です。

早期に終了したのは残念ですが、長期連載している世界を想像するとそれはそれで恐ろしい、そんな作品です。

いま改めて読んで、世間にもう一度評価してほしいです。

(紹介:ありふれた平凡なドラマティック

 

WaqWaq(藤崎竜)

WaqWaq―ワークワーク― 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

友だちがフジリュー先生の絵が大好きって聞いて、その人が連載するからと言って買い始めた漫画です。なんだか終わってみたらもっと読みたかったなと思う作品です!

イラストが繊細なのに、ストーリーはかなり王道で読みやすくて、変身! バトル! 戦った相手の能力を使える! 技増えていく! みたいな、なんかロックマンをやってる時のようなワクワク感があって大好きです。

そして確かに絵がめちゃくちゃカッコイイ!!!今でも新しいと思う、未来感あふれるデザインがすっげー興奮します!パソコンのキーボードで打つのも楽しいよね。「waqwaq」。くるくるしてて。

(紹介:みくのしん

 

キッドアイラック(長田悠幸)

キッド アイ ラック! 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

人に笑われることが大嫌いな不良が、自分のせいで精神的苦痛を負って心を閉ざしてしまった幼馴染の女の子のために、その子が好きな大喜利の大会に出てTV画面越しに笑わせることを決意する。しかし不良なので大喜利のスキルは一切ない…と困っていたところに、同じクラスの地味女子が実は大喜利強者のハガキ職人であったことを知り、弟子入りをする…という青春と恋を大喜利で混ぜ合わせた熱血大喜利まんが。これは…泣ける!

幼馴染のために初めてのことに挑戦しゼロから少しずつ成長していく不良のひたむきな姿勢と、立ちはだかるお笑い研究部のライバルとサポートしてくれるハガキ職人といった魅力的なサブキャラたち、そして大喜利を非常に高度な知的ゲームとして描く対決の構図がどこにもないオリジナリティがあって良いです。劇中の大喜利回答はすべて大喜利が趣味な作者さんが自ら考えていて、しっかり面白いのも特徴。最終巻は熱さが極まりすぎて、感動の涙がホロリ…です。3巻でキレイに完結するのもオススメしやすい!!!

(紹介:まきのゆうき

 

大東京ビンボー生活マニュアル(前川つかさ)

大東京ビンボー生活マニュアル(1) (モーニングコミックス)

昭和後期から平成初期のフリーターの暮らしを描いたマンガです。安アパートに暮らす主人公がバイト先の人や他の住人と交流しつつのんべんだらりと日々を過ごしていきます。話は1話完結。オールナイト劇場で寝たり喫茶店で10時間粘ったり、当時のヒマの潰し方が描かれているのも面白い。主人公は陰険でも卑屈でもなくカラッとしていて、「この生活を脱しなきゃ」という焦りや憂いがないのも良いところです。ただ、勝手に人の物を借りたり善意に甘えたりするところに厚かましさを感じちゃうのは時代かも。夜中の学校プールに忍び込むシーンってこの作品が初出だったりする?(教えて!)

全5巻完結なのでスルスル読めます。マンガ的に大きなイベントはとくに起こりません。『大東京ビンボー生活マニュアル』とあるけど、ビンボー生活指南っぽいのは最初の1巻くらい。牛丼を2度楽しむ食べ方やあんぱんの焼き方のシーンは何度かネットで話題になっています。それ以外は日々の暮らし。ライフスタイルです。私が好きなのは4巻、実家から届いた渋柿を吊るして干し柿にするシーン。渋みが抜けるのを心待ちにしながら柿をモミモミするところ、良い生活だな〜と思います。

ボイスコミックにもなっています。主人公がゲスとか言われててかわいそう。

(紹介:神田

 

大阪ハムレット(森下裕美)

大阪ハムレット : 1 (アクションコミックス)

「少年アシベ」でお馴染みの、森下裕美さんによる人情オムニバスです。

シンプルでほのぼのした絵柄から、最初はギャグ漫画かと思うのですが、読み進めるといじめ・暴力・差別・犯罪など、登場人物が抱える問題がどれも複雑で重く、自然と眉間に皺が寄ります。「こんなんどうしようもないって最悪ッ😭」と「人間、意外と捨てたもんやないかもなぁ〜😭」を繰り返していると、いつの間にか読み終わっている名作です。

実在する関西の土地がたくさん登場するので、関西在住の私にとってはそこも楽しい。あと、登場する子どもがみんな口が達者で可愛い。

必ず一度は悲しい気持ちになると思うので、元気な時に読んでみてください。

(紹介:八羽

 

神々の山嶺(夢枕獏・谷口ジロー)

神々の山嶺 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

人間というのは果たしてこれだけのことができるのか、という常軌を逸した行いを、作中における登攀(とうはん)の様子と、谷口ジロー氏の精密かつ大胆な筆致両方から感じることができます。

読み終わった後、私にとっての”登攀”はなんだろう。私にも人生に同じくらいの時間があり、果たしてどれくらいのことができるんだろうと思わずにはいられません。大名作です。

(紹介:けん

 

七夕の国(岩明均)

七夕の国(1) (ビッグコミックス)

ひとことで表すなら異能力×因習村です。

けれど舞台となる「丸神の里」は最初から所在が明かされている。丸川村にある、現代の地方自治体のなんてことない集落。

主人公の南丸くんも特にハプニングで迷い込んだりせず、ただ少しだけ丸神の里に縁があるとわかって、イイ奴だから首を突っ込んで行く。帰ろうと思えばいつでも帰れる。

その「行ける」「帰れる」が大事だなと思わされるのですが…!

一応トラブルに対して話し合いで解決しようとしたり、人間が人間らしくふるまいます。きちんとしている。でもやる人はやります。そこは寄生獣と変わりません。

読み終わった感想はちっちゃいため息でした。ちっちゃいため息を出したい方は、ぜひ。

(紹介:dollly

 

月曜日の友達(阿部共実)

月曜日の友達(1) (ビッグコミックス)

全2巻。中学に入って大人びていく周囲との差に焦る子供っぽい水谷茜と、わけわからないことを言ってクラスから浮いている月野透。二人がふとしたことから月曜の夜に中学校で「超能力の研究」という名目で毎週出会ううちに…という一見ラブストーリーにしか見えない話。

でも全然ラブストーリーではなく、むしろこの漫画には大人になってしまった我々がとうの昔に忘れ去った、中学生の時にしか感じられない漠然とした不安感が詰め込まれています。「周りから浮いてないかな」「あの人に嫌われたかも」「なんで自分はこんなに空っぽなんだろう」っていう生々しくもどかしい、あの感情の数々。

そう言ったぐらつく心理を主人公のちょっと恥ずかしくかんじそうな詩的なモノローグや、書き忘れたのかと思うほどの大胆なコマ割りで描ききっており、読んでいくうちにこの静かで幻想的な2人の世界が堪らなく愛おしく感じます。ラストも突拍子もない流れなのにとても静かで切なくて、読み終わった後ちょっと呆然としてしまいます。なんだ、なんなんだこの寂しさは…きっと中学生の頃の自分が持っていた何かが今は欠けてしまったからなのか…

数々の著名人も絶賛しており、歌手の「amazarashi」は影響されてMVと共に「月曜日」という曲を作ってたりします。これも世界観そのまんまなのですが、先にこの曲に引っ張られるよりも漫画そのものの良さで打ちひしがれて欲しいので、漫画を読み終わって呆然とする中聞いてさらに呆然とするのがおすすめです!

(紹介:ZAWA

 

みつあみこ(白井もも吉)

みつあみこ (週刊少年マガジンコミックス)

高校で一緒のクラスになった2人の少女の日常を描いた作品。女子高生同士で延々と意味のない緩い会話を繰り広げています。

正直、「キレキレのギャグ」とか「めっちゃ笑えるネタ」が散りばめられているかというとそんなことはなく、ちょうど高校生が昼休みに話していそうな、とりとめのないぐだっとした雰囲気の会話ラリーが味わえます。

この『みつあみこ』は作者の白井もも吉先生が高校生の時に連載していた作品なので、 大人の目線から高校生活を描いた作品とは違い、「高校生特有のぐだっと感」が妙にリアルで、作品全体のなんとも言えないフレッシュ感がすごいです。

また単行本には、「作者が中学生の時に初めて描いた漫画」、「高1のときに描いたデビュー作の読み切り」、 「高2のときに描いた初連載作『みつあみこ』」 が載っており、どんどん漫画がうまくなっていく過程が見られるので、読むたびに「自分も頑張ろう」と勝手に励まされます。

初めて読むなら、ぜひ作者が執筆した順で読んでほしいです。

(紹介:シュゴウ

 

バニラスパイダー(阿部洋一)

バニラスパイダー(1) (週刊少年マガジンコミックス)

別冊少年マガジンの創刊号をなんとなく買ってみた時に出会って、阿部洋一先生にハマるきっかけになった作品です。

あらすじとしては「人喰いエイリアンが人に化けて密かに潜伏している町で、異常に存在感がない男の子がその存在感のなさを活かして他の宇宙人から託された武器(蛇口の付いた棒)でエイリアン狩りをしていく」みたいな話で大変面白いです。本当に、大変良い。大好き。

シリアスなようでいて絶妙にヘンテコな世界観が最高。まず主人公に与えられている武器が「蛇口の付いた棒」なのが最高。鉄パイプだと「武器だな」と思ってしまうところに蛇口がつくことで読者に「武器にしては変だ」と思わせてくる絶妙な匙加減が本当にすごい。

またその棒を刀みたいに使って敵を切って倒すのだけど、この絵がまた「蛇口で敵を切ってるヘンテコさ」と「宇宙人の得体がしれないテクノロジーのうすら不気味さ」の両方流し込んできてこれまた最高。そして武器が蛇口であることが活きるシーンもすごい……。

キャラクターも良い……ストーカー気質の主人公、彼に武器を託すうさん臭い宇宙人、敵の種族だけど友好的でずっと股間を触ってるやつ……。

不気味でシリアスなようなんだけどヘンテコで笑えて、ヒーローの成長物語でもあり……でもやっぱり変で……というのを阿部洋一先生のポップかつジメっとした画風の絵でやるからかなり唯一無二の面白さです。読もう。

(紹介:ナ月

 

 

幻覚ピカソ(古屋兎丸)

幻覚ピカソ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

絵を描くのが大好きな主人公ヒカルが相手の心情風景を描ける能力を手に入れ、精神世界にダイブし様々な人を救済するストーリーです。

難しい題材を見事に描き切ったとんでもない作品でどのページも絵画のような美しさで夢中になり、心を突き動かされる描写とあたたかいキャラクターの優しさに最終回は泣いてしまいます。

(紹介:逆襲

 

笑う大天使(川原泉)

笑う大天使 1 (白泉社文庫)

少女漫画の名手、川原泉さんによるSF学園コメディ。主人公は、名門お嬢様学校に通う三人の生徒。浮世離れした校風に馴染めず猫を被って過ごしていた彼女たちが、ひょんなことから超能力(!)を手に入れ、学園に迫る魔の手に立ち向かうというのが大まかな筋書きです。

シニカルな台詞回しと、時折差し込まれるお饅頭のように丸くデフォルメされたキャラクターのおかげで良い意味で緊張感がなく、緊迫した展開もするすると読めます。

本編を読み終える頃には、すっかり主人公たちに愛着が湧いているはず。そうなったら是非、三人それぞれのその後を描いた番外編まで読んでもらいたいです。心にぶっ刺さって抜けなくなること請け合い。個人的には、番外編こそがこの作品の肝だと思っています。

本編・番外編合わせて全2巻の文庫本が現在刊行中ですので、そちらが手に取りやすいかと。

(紹介:夢顎んく

 

水は海に向かって流れる(田島列島)

水は海に向かって流れる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

甘酸っぱいラブコメが読みたいねぇ…と思って辿り着いた作品なんですが、ラブコメというよりは全然ヒューマンドラマ。だ、騙された…と思って読み始めましたが、結果的に1番好きな漫画のひとつになりました。

高校進学を機に叔父が住んでいるシェアハウスに居候することになった主人公と、そこの住人であるOLの榊さんとの、思いもよらぬ因縁を軸にストーリーが進んでいきます。

内容的にはかなりヘビーなところを描いているんですが、それをヘビーに思わせないかろやかな絵柄と、シェアハウス住人たちの小気味いいユーモアのおかげで、スルスル読める。作品全体通しての清涼感は唯一無二。

僕がこの漫画を、というか田島列島さんの作品を好きな1番の理由は、一見シンプルなのに絶妙な言葉遣いのセリフやモノローグです。「そうくるか〜」が定期的に得られるので、読んでて気持ちいい。

本棚にあるとなんか嬉しくなる漫画や本ってあると思うんですが、読めば皆さんにとってもそういう3冊になると思います。

(紹介:尊木

 

夢中さ、きみに。(和山やま)

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

男子高校生たちのコミュニケーションを描く短編集です。作者は『カラオケ行こ!』『女の園の星』などの和山やまさん。

前半4編は男子校が舞台。気ままに行動する2年生の林を中心に学校生活でのあらゆるシーンが描かれる中で、男子が男子の「かわいさ」を感じ取る様子や、そう感じ取ってしまう自分へのイラつきなどの感情がたしかに表現されています。

私も男子校出身で、生徒が女装して競うミスコンの準備をしていた際、化粧をしてずいぶんキュートになった男を見た別の男が「俺、どうすればいいんだろう」と呟いていたのが印象的だったのですが、その彼を見ながら「こいつは今後どうなるんだろう」と思っていた体育館横での情景が、この作品を読むたびに思い出されます。男のかわいさを知ったこいつらは今後、どうなるんだろう。

腹を見せて眠る猫の姿が愛おしく感じるように、男子しかいない気の抜けた空間でこそ露顕する本人の素のかわいさというものがあります。しかしその目撃者となる者はかわいさを受け止める用意をしているわけではないから、不意打ちを食らってしまうことがある。「そんな無防備な、本来隠されるべきかわいさを、俺にぶつけるな」と困る。

そういう無意識のかわいさの炸裂とその波紋を見るのが楽しい作品です。

(紹介:鬼谷

 

気軽に読んでみよう!

以上、オモコロライターがおすすめする「5巻以内で完結する漫画作品」のご紹介でした!

気になる作品がありましたらぜひ手に取ってみてくださいね〜!