この記事は、出版祝いにフルーツタルトを作るだけの記事です。

 

 

この度、僕らの本が発売されます!!

よろしくお願いします!!

 

本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む ごんぎつね・変な絵・鼻・葉桜と魔笛

『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』オモコロ出版

大人になるまで本を読んだことがなかったみくのしんが、かまどと共に様々なジャンルの読書に挑戦するオモコロの人気企画の書籍化第3弾

今回は、国語教材としても広く親しまれている新美南吉『ごんぎつね』をはじめ、雨穴『変な絵(第2章)』、芥川龍之介『鼻』、太宰治『葉桜と魔笛』の読書の様子を収録しています。

さらに特別編として、『変な絵』の著者である雨穴とかまど・みくのしんによる対談も収録!

オモコロの出版レーベル「オモコロ出版」の記念すべき第1弾として発売されます!! 雨穴にも出てもらってるしめっちゃ豪華!!! 

それで、今日はなぜキッチンスタジオに?

今回はおれたちの本の出版をお祝いしようと思って。いつもこういうのやってきたでしょ

たしかに、オモコロが書籍化すると、俺たちがお祝いメシを振る舞うのが恒例になってるけど……

 

いざ自分たちの番になると、誰も祝ってくれないのかよ

優しさってそういうものだから

まぁ、いつも俺たちが勝手にやってることだしね。こっちから「祝ってよ〜」とも言いにくいか

今日は、自分たちが自分たちにお祝いを作るということで! 何も気にせず好きなものを作って食べましょう!

 


ピース!!!!!!!(^o^)v

 

 

カスタードクリームの「喜び」と「悲しみ」

用意したのは桃とキウイ、パイン、ブルーベリー、ぶどうなど(余ったらみくのしんが持って帰ります)

今回は、かまどの好物「フルーツタルト」を作ります

俺の好物でいいの? せっかくの出版祝いなんだから、みくのしんの好きなものでいいのに

だって、俺は読書しただけだもん。それを本の形に書き上げたかまどのほうを労ったほうがいいでしょ

でも、フルーツタルトって難しいんじゃない? 「タルト」部分なんて、どうやって作るのかも分からない

 

そこは大丈夫! 既製品のタルト生地を買ってあるから

へ〜。そんなのあるんだ

ここにカスタードクリームを入れて好きなフルーツを盛り付けるだけ! カンタンでしょ!

カスタードクリームは? それも買ってあるの?

 

いや! クリームは昨日、家で作ってきた! そこはこだわりたかったからね

手作りのカスタードクリームか! 手間暇かけてるね

はじめて作ったんだけど、けっこう上手くいったと思うよ。ただ……

ただ?

 

そのせいで「喜び」と「悲しみ」が生まれてます

いま、冷蔵庫にその「喜び」と「悲しみ」を保冷してあるんですが……かまどはどっちから見たいですか?

アメリカンジョークみたいなことすんなよ。そりゃ、せっかくなら「喜び」から見たいけども

 

じゃあ、これがカスタードクリームの「喜び」なんだけど……

 

めっちゃ上手くできてんじゃん。なんのレシピを見て作ったの?

レシピは調べ始めると意味分かんなくなるから、全部、メカ(※)に聞いた

(※)みくのしんはChatGPTなどAI全般をメカと呼んでいる。AIには心がないから。

初めてでコレなら大成功でしょ

まぁね。これがカスタードクリームの「喜び」の部分です

 

で、こっちが「悲しみ」なんだけど

……?

 

なにこれ? どこから摘出してきたの?

臓器じゃねえよ

 


ブーバとキキ?

カスタードクリームって卵黄しか使わないから、卵白が大量に余るんだよね。捨てるのももったいないから、余った卵白だけで卵焼きを作ったんです

なんて悲しい食べ物を生み出してんだ

まぁまぁ! 後でタルトといっしょに食べようや!

一生懸命本を書いたのに、白身だけの卵焼きを食わされるとはね

 

タルトの土台にクリームを詰めちゃおう

さっそくタルト生地にカスタードクリームを詰めていきましょう! せっかくだし、かまどにやってもらおうかな。

いいの? 遠慮なく使っちゃうけど

もちろん! 全部使っちゃって! 余らせてもしょうがないから!

 

美味しくできたし、味にも自信が……

……?

 

……。

……。

 

 

 

食べる?

この状態の食べ物を人に振る舞っちゃダメだろ

いやでも。かまども味見したいかな〜と思って

スプーン使わせてよ。俺は人なんだから

 

あ、結構ねっちりしてるね。粘度が高くて、これは満足感が高そうだ

タルト生地に流し込むからね。型崩れしないように、けっこう固めに作ってます

めっちゃ甘い匂いもしてるし。これは美味そうだぞ

うんうん

 

はいはいはい

 

ちょっと取りすぎなので戻しましょうか

好きに味見すらさせてもらえないのかよ

こんなことしたら、俺も食べたくなるだろ。それが始まったら、完食まではあっという間だぞ

それはお互いが自制すればどうにかなるだろ

 


みくのしんが認めた一口分を試食

どうどう? 

 

美味ッ!! クリームというより、もはやプリンみたい!!!!

それは褒め言葉なのか?

午前中に売り切れるタイプのプリンの味だ。これがタルトに敷き詰められるの嬉しいな

嬉しいんならいいけども。じゃあ、これでタルト生地をたっぷり埋め尽くしましょう!

 

おぉ〜! いい感じだね。やっぱかまどってこういう細かい作業向いてるよな〜

向いてるのかな? 自分のペースでチマチマ作業するのが好きではあるけど

俺たちの本を書くときもめっちゃ細かい作業してなかった? ただ、文字を書くだけじゃないというか

まぁ、あれはね。細かく調整しないと本にならないから……

 


かまどの下書きデータ

元がオモコロ記事だから、書籍でもどうしても画像を使わないといけない場面があるんだけど……

この本ってそれが特徴的だよね。読書に慣れてない俺からすると、写真が載ってると嬉しいんだよな〜

でも、何も考えずに適当に書いてると、紙に印刷したときにレイアウトが崩れちゃうんです。なので、紙面上でどんな文字組みになるかを先に計算しながら書かなきゃいけなくて

ほかにも、文章がページをまたがないように、とか、「ここまでは1ページに収める」とか、細かい調整をいろいろやってたもんね。大変な作業だ……

 

本番の書籍データ

いや、DTP担当者(※)の方が大変だったと思う。俺のせいで、一文字でもズレると全ページが破綻するような原稿になっちゃってるから

※かまどの文章データをもとに、文章や画像をレイアウトし、印刷用のデータに仕上げる作業を担当する人。

かまどのイメージ通りに文字を配置しなきゃいけないのか。「こんなめんどくさいことさせんな。カス」とか思われてそう

さすがに第3弾だから、はじめからレイアウトがズレないような書き方ができるようになったけどね。それでも、かなりめんどくさいことをお願いしてると思う

 

でも、その人からもお褒めの言葉をいただいたんだよな〜。「本でこんなに遊べるとは思いませんでした!」って言ってもらえて

プロからそんなこと言ってもらえると嬉しいよな〜

リップサービスかもしれないけどね。でも、めっっっっっっっっっっっっっちゃ嬉しかった

 

 

 

……なんか楽しくなってきたな。普段、こんなに時間をかけて料理することないから

そうなの? メシくらいゆっくり作ればいいのに

うちの子のご飯も作ってるから、そうもいかないんだよ。待たせるのも悪いから、いつもタイムアタックみたいなスピードで料理してるし

なるほどね〜。かまどのお子さんって、いくつになるんだっけ?

 

もう3歳かな。最近は一人遊びもできるようになったから、俺も料理に集中させてもらえてるけどね

はぇ〜。ずいぶん大きくなって……

とはいえ、お風呂に歯磨きに、とやることはいっぱいあるから。あんまり悠長に料理もできないんだよな〜

 

 

 

へえ〜。

 

 

フルーツを盛り付けたら完成!

キレイに塗り込んだな〜! こういうところに性格出るよな〜

つい夢中になって、やたら時間かけちゃった。手早く料理するって難しいな

でも、あとは楽勝よ。フルーツ切って乗せてくだけだから

 

オレンジとか敷いちゃうのはどう?

いいね。もう俺たちが食べる分だから、好きに詰めていこう

柑橘系ばかりだと、甘さが足りない気もするね。たっぷりカスタードクリーム塗ったとはいえ、フルーツの甘さもほしいかも

 

じゃあ桃にしようか。まるまる一個買ってきてあるし、くし切りにしてオレンジの間に敷き詰めようぜ

贅沢なフルーツタルトだな〜

 

と、ここでワンポイントアドバイス!!!!!

アドバイス?

桃って、切ったらすぐに変色して見た目が悪くなっちゃうでしょ。フルーツタルトは彩りが命だから、それは避けたいよね?

 


製菓店で購入した「ナパージュ」というゼリー

なので、このゼリーを桃にまとわせることで変色を防ぎます

こんな商品あるんだ。みくのしんもよく知ってるなぁ

お店の人に聞いたんだよ。「フルーツタルトを作りたいのですが」って言ったら、いろいろ教えてくれてさ

 

お店のフルーツタルトって光沢があるけど、あれってこのゼリーを塗ってるからなのか

……。

これって、そのまま塗っていいの? 一回、加熱したりしないの?

……。

 

んぇ?

 

お前は目を離すと、すぐになんか食ってんな

桃は皮がうめーんだよ。花の香りがしてさ

皮食いながらしゃべんなって

 

美味そうなテカリ方してるな〜! 一気に「商品」って感じになってきた

手作りすると、食べ物が食材から料理に変わる瞬間がわかるから楽しいよね

じゃあ、このテカテカの桃も敷き詰めて……

 

あとは、ぶどうとか置いてみる? 桃は甘いから、次は酸味のあるフルーツが映えると思う

いいね。ぶどうは粒が小さいから、たくさん乗せられそう

 

せっかくだし、2色のぶどうを並べてみようかな

いいじゃんいいじゃん。もう、自分が思う「贅沢」を全部ぶち込んでいこう

 

隙間がもったいないから、キウイをねじ込んでいくか

野菜の詰め放題やってるんじゃないんだから

せっかく手作りしてるんだから、やりたいこと全部やったほうがいいって。かまどもなにかやり残したことはない?

え〜? じゃあ……

 

こう……真ん中に桃の1ピースを乗せて……

おぉ? なんか大胆なことやってんなぁ

 

その桃に、ブルーベリーを乗せて……

 

 

ほら見て! ペーパー・ムーンみたいで可愛くない?

おぉ〜!

こうして立体感が出ると、見た目の満足度もあがるしさ!

うんうん!

 

すっげぇ余計な真似って感じ!

そんな言い方しなくてもいいだろ

でもそれがいいじゃん! 自分たちしか食べないんだから、見た目とかセンスとか気にせずにいこうぜ!

見た目とかセンスを気にしたうえでこれをやったんだけどな

 

じゃあ、全体にゼリーを塗って……これで、冷蔵庫でしばらく寝かしたら完成です

冷やす時間があるのか。腹も減ってるし、もうこのまま食べちゃいたいけどな

そう? 俺はもうだいぶ満腹感あるけど

めちゃくちゃつまみ食いしてたからだろ

 

じゃあ、タルト冷やしてる間に本の話でもする?

そんなついでみたいに

せっかくだから、この記事を読んでる人にも買ってほしいでしょ。今のところ、俺がつまみ食いしてたことしかみんなの記憶に残ってないと思うし

人の記憶に残るようなつまみ食いをするなよ

 

せっかくだから本の話をしよう

今回、みくのしんが読んだのは『ごんぎつね』『変な絵 第2章』『鼻』『葉桜と魔笛』の4作だけど、どれが一番印象に残ってる?

そりゃ、どれも思い出がいっぱいだけど……『葉桜と魔笛』は、よかったな。これって、あまり有名な作品じゃないんでしょ?

多分、知らない人の方が多いと思うよ。国語の授業で扱うことも少ないだろうし

だから、「みんなが読んでない名作を、一足先に読んでる!」って思えて嬉しかったんだよな〜!

 

あと、内容もすごかった。こんなこと言ったらウソだと思われるかもしれないけど、本当に「俺のために書かれた本じゃん!」って思っちゃったし

そう言ってもらえて嬉しいよ。俺も、最近読み返して「これは絶対みくのしんに読んでほしい」と思ってたから

逆に、かまどが書いてて一番大変だった作品はある? 

書いてて大変だった……か……

 

……あとがきかな

なんでだよ。数ページくらいしかないだろ

そうなんだけどね。それでも、1ヶ月くらい書けなくて悩んでたなぁ

本編を書くほうが大変そうなのに。なにが、そんなに難しかったの?

 

この4作品をみくのしんと読んだことで、初めて芽生えた「感覚」があって。個人的に、それが人生の転機にでもなりそうなくらい大きな経験だったから、それをどうしても伝えたかったんだけど

いいなぁ。俺もそういうカッコいいことをあとがきで書けばよかった

ただ、俺のは、文字にすると何万文字にもなりそうな感情だから、あとがきに収めるのが難しくて……。どうにか書けたけど、うまく伝わるかは分かんないな

でも、たしかに、いいあとがきだったと思うよ。みんなも最後まで読んで、かまどのあとがきを見てほしいです

 

p.326-327より

あと、対談のために雨穴の家にも行ったよね! 撮影後に、雨穴が切り株みたいなロールケーキを食べさせてくれて嬉しかったなぁ

ものすごいもてなしだったよな〜。ロールケーキを切り分けるときもデタラメに分厚く切ってくれたからね

そうそう! 「みんなで食べよう!」って言ってるのに、業務用みたいなサイズに切り始めて「どんだけ振る舞いたいんだよ!」と思って笑っちゃったもん

そのくせ、自分の分はカンナで削ったような薄切りにしてたからな

 

あとは……オモコロ出版の第1弾だからプレッシャーもあった気がする。これで「全く売れませんでした」だったら後の人が続かなくなるだろうし

本が売れるって相当難しいことだけどね。でも、これで他のオモコロライターの活躍の場が広がったら嬉しいよな〜!

そのためにも、この後も、みんなに手にとってもらうためにいろいろやんなきゃいけないね

書いて終わりじゃないんだ……。本を作るって大変な仕事なんだね

これを世の出版社がみんなやってると思うと、すごいことだ

 

 

フルーツタルトを食べよう!

あらためて! お祝いフルーツタルト、完成です!

もういいの? 数十分しか冷やしてないけど

大丈夫でしょ! それより早く食べたい気持ちのほうが勝ってるから!

つまみ食いで腹いっぱいなんじゃねえのかよ

 

じゃあ、切り分けていくか。せっかくだし、大きめに切って──

 

……あ

 

 

やばいかも

なにが?

ちょ、かまど交代してよ。これ、絶対に切れない

そんなことないだろ。焼いたり、固めたりしてるわけじゃないんだから

 

こんなの簡単に──

 

こりゃダメだ

でしょ? これ、無理でしょ?! カスタードクリームが柔らかすぎるんだよ!

こんなん水風船を切ってるのと変わんねえよ。切った途端に崩壊する気配しかない

やっぱり冷やし足りなかったのか。もっと我慢すればよかった

 

大丈夫……。こういうのは思い切りが大事だから……

頼む……! 成功させてくれ……!

周りのタルトが支えて、しっかり形を保ってくれるはず……

 

おらぁ!!!

……ッ!!!

 

 

 

 

すげぇ! 高いところから床に落としたみたい!

あぁ、もうめちゃくちゃだ

まぁでも! さっきよりも量が増えた気してお得じゃん!

そんな無理筋の慰め方すんなよ

 

でもほら。皿に移すときに形を整えればどうにかなるから

大丈夫? 今、「エンバーミング」って単語が頭をよぎってるけども

ここで見た目を取り繕えば、まだなんとか……

 

 

 

 

すげぇ! 大漁の昆虫採集トラップみたい!!

スイーツに対して使う言葉じゃねえだろ

夜中に仕掛けた罠を翌朝見に来たみたい! 夏休みって感じがしていいじゃん!

 

肝心なのは味ですから。自分たちにおくるお祝いなので、見た目なんかどうでもいいんですよ

まあね! 美味しいものを組み合わせただけだから、まずいわけないもんな!

では……いただきます!

 

かまどが優しいゾウの顔になってる……。これは果たして……

お! 全部のバランスがよくて美味しい! オレンジの酸っぱさと桃の甘さがよく合うわ

よかった〜! 見た目は朽ちた王蟲みたいだったけど、味は大丈夫なんだね

うん。見た目はパフェの土砂崩れって感じだったけど、味は大丈夫です

 

んんっ! うまい! カスタードクリームとタルト生地の相性もいい感じ!

こうなると見た目なんかどうでもいいよな。他人に振る舞うなら、見た目も大事だけど

結局、自分たちが満足できればそれでいいしね。口ン中入れば全部一緒よ

 

今日はいい機会だったな。本を書き上げた後もいろんな仕事が続くから、「やっと終わった!」って感覚もないままだったし

そういうものなんだ。まぁ、自分で「やり切った」と思えるタイミングってなかなかないよな〜

だからこそ、こうしてお祝いしてもらえると、気持ちの区切りがついて、ようやく達成感が追いついてきた気がする。やっぱお祝いって大事なんだな

いいこと言うじゃん。これからも、オモコロにめでたいことがあったら、僕が現れてメシを作りますね

良性の妖怪?

 

 

『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』は9月10日発売!


サタデー・ナイト・フィーバー

ということで!

『本が読めない34歳がはじめてごんぎつねを読む』は9月10日(木)に全国書店で発売されます。お近くの書店で見かけたら、ぜひ手に取ってくださいね。

また、予約はすでに始まっておりますので、「まぁ、そこまで言うなら盛り上げてやるか」という方はぜひご予約ください。何卒(本当に何卒)お願いします。

 


朗読中の様子

初回出荷分には特典として、みくのしんが心を込めて名作文学を読み上げる「忙しくない人のための名作朗読」をお付けする予定です。

数に限りがあり、なくなり次第終了となりますので、確実に手に入れたい方は、お早めにご予約・ご購入ください!

(その他、特典やイベントに関する詳細はこちらのページにまとめています)

 

僕らの本をよろしくお願いします!

ライター:神田

 

 

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