こんにちは。鬼谷です。
先日、親族のめでたいイベントがあって会席料理を食べました。
「会席料理って気取ってるだけで実際そんなにうまくないんじゃないの」と疑っていたところがあったのですが、今年一番の食事と言っていいぐらい美味しく、食後は目をトロンとさせながら頬を赤らめ「会席料理さま……♡」となりました。タトゥーを入れる機会があったら右腕に「会席」、左腕に「料理」と彫って、フランキーの星みたいに「会席料理」と見せられるようにしたいです。
しかしこの日、何より衝撃を受けたのは料理ではなく青梅のジュース。
メニューには無かったのですが、女将がぼそっと「そういえば今日から青梅のシロップが出せるわね」とこぼしていたのを聞き漏らさず、水割りで注文してみたらこれが会心のうまさ。さわやかな酸味と、まるで果実をかじっているようなはっきりとした輪郭を持つ香りに心を奪われました。
このうまいジュースをもっと飲みたい、家でも飲みたい、自分でもシロップを作ってみたい……!
私の座右の銘は「もし青梅のシロップを作りたくなったら作ってみる」なので、実際に作ってみることにします。
幸い、私が働く会社の隅には不要になった果実酒用のビンがずっと置かれていました。
とあるイベントで使用されたのち、処分の面倒さから見て見ぬふりをされて数ヶ月。役目が無いなら梅を漬けさせていただきたい!
そもそもこのビンは私が買い出しに行ったもので、無印良品の「取っ手付き 果実酒用ビン(1,990円)」であることは把握済みです。
これで梅シロップを作ります!
【用意するもの】
・ビン……4リットルの密閉容器
・梅……1キロ
・グラニュー糖……1キロ
・リンゴ酢……200ml
(ほか、梅を洗うための道具と消毒用アルコール)【手順】
・梅をよく洗い、アク抜きをし、よく乾かす。
・ビンをよく洗い、消毒して乾かす。
・ビンに梅とグラニュー糖を交互に入れ、リンゴ酢をかけて密閉する。
・毎日ゆらゆらと混ぜて完成を待つ。
先に感想を言うと、準備さえ丁寧にすればあとは待つだけなので、思ったより簡単でした!
梅シロップ作り開始
青梅を1キロ買いました。
1キロという表記はなかったのですが、店員さんに「これの重さを計ってもらえますか?」と渡したら裏で計ってきてくれて「大体1キロですね」とのこと。1キロ単位で漬ける人が多いから、1キロに揃えて売られているのかもしれません。
ちょっといいスーパーで買ったとはいえこれで1280円だったのでびっくりです。今年は不作で高いらしいです。
梅を丁寧に洗います。ひと粒ずつ手のひらで擦るように洗ったりもしました。
なお、私はこの段階ではまだ梅のヘタを取っていなかったのですが、「洗う前にヘタを取る」という工程で紹介されているレシピもあります。(いずれにせよヘタを取るのはマスト)
結局は「汚れを落とす」「水分を残さない」という目標が達成されることが重要だと思うので、各々考えて自信のある工程を選びましょう!
洗ったら水に浸けてアク抜きをします。青梅なので、渋味を残さないための作業です。
このまま1時間ほど待ちます。
待っている間、なんとなくLINEの友達欄を見ていたら、かつて私が7年間ほど好きで告白した人の苗字が変わっていました。
1時間水に浸けた梅がこちら!
見た目では違いがわかりませんが、きっとアクが水に溶け出ているのでしょう。
最後に梅をよく乾燥させます。水分が残っているとカビの原因になるので、かなり念を入れて拭きました。
このとき、ヘタも取ります。
竹串でグリっとやったらポロっと取れました。穴の奥もキッチンペーパー越しに優しくゴシゴシしてきれいにします。
すべて拭いてヘタをとったのち、風通しのいい場所で念押しの乾燥。
とにかく水が敵なのです。
ちなみに、テーブルの奥にたびたび映り込んでいる丸い汚れのようなものは、何年か前に買ったパンに貼られていた「SEIKINがおすすめ」「人気動画クリエイター はじめしゃちょーが紹介しました」のシールです。
パンを買うことがあまりないので貴重だなと思って貼りました。当時はここに右手を置くような配置でテーブルを使っていたため摩擦が多く、また頻繁にお茶をこぼしていたためシミが残ってしまいました。
私のスマホにはYouTubeのアプリが入っておらず二人の動画もあまり見たことはないのですが、このシールの影響で「パンと言えばSEIKINとはじめしゃちょー」という印象があります。
梅を乾燥させている間にビンの準備をしましょう。
すでに一度洗剤を使ってよく洗っているのですが、梅を漬けている途中でカビが生えたりしないよう本気で清潔にします!
細かい部品はすべて外して煮沸。
数分煮たのち、ある程度冷めたらキッチンペーパーでよく拭きます。
ビンはアルコールで消毒。
大きい鍋があればこちらも煮沸したほうが望ましいのですが、温度差による割れなどに注意してください。
「絶対に菌を逃さない!」という意志を持ってまんべんなく拭き、アルコールが飛ぶように少し置いて乾かします。
もっと贅沢に完璧にいくならアルコールを噴霧するのではなく液体のまま瓶に入れ、全体にいきわたるようシャバシャバ振ってから残ったアルコールをあけ、揮発するまで待つのも良いらしいです。私には、それはできなかった!(手持ちのアルコールが足りず)
これで準備は完了! あとは梅と砂糖を入れていく作業です!
今回使うのはグラニュー糖。梅と同じ1キロ分です。
梅酒や梅シロップでは氷砂糖を使うイメージが強いかもしれませんが、上白糖やグラニュー糖でも問題ないようです。
あえてグラニュー糖を選んだ理由としては、細かい粒で隙間を埋めることにより梅が空気に触れて腐敗するのを防止しつつ、より早く梅の水分を出すことが期待できそうだからです。本当にそんな都合よくできるのでしょうか?
いよいよ梅を入れます。
そしてこれは意外なポイントですが、どんなに慎重に入れようとしても必ずビンの口に腕が触れてしまうので、事前に手を洗う際はヒジあたりまで石鹸で洗ったほうがいいです!
「言われなくても洗うよ」というあなた! 賢い! 内申点が高そうですね。
梅を1段分入れたらグラニュー糖を入れます。
梅の個数を事前に数えておくと何段で入れ終わるかイメージしやすいでしょう。割り算の出番です。
これを交互にやっていきます。
すべての梅とグラニュー糖を入れました。
もう引き返せない感じがだんだん怖く、一方で興奮の材料にもなります。
さあ、これで密封?
ノンノンノン!!!
リンゴ酢を入れるっつーの!
酸の防腐効果によって梅の発酵を抑えられるっつーの!
味への影響はわからないけどそもそも梅が酸味あるものだから馴染むだろうし、何よりも発酵しちゃって台無しになることが一番怖いっつ―の!
200mlをちょぼぼぼぼ……
これでいよいよ密封!
次に開けるのは砂糖がすべて溶けきって完成したときです!
これは密封してから数十分後の様子。砂糖と酢が混ざって早速水っぽくなってきましたね。
さらに5時間経過した様子。梅が思いっきり茶色に変わってきてビビります。本当に問題ないんですよね?
2日目。液体部分が増え、梅の実もテラテラと輝いています。順調に梅から水分が染み出し、砂糖が溶けているようですね。
砂糖液に浸かっていない梅が空気に触れ続けないよう、ビンを揺らして全体を優しく混ぜます。
3日目。ついにシロップの中で梅が浮きました。ここまでが想像以上に早かった。
梅の表面にはシワが寄り始めています。
4日目。毎日見ていると変化が分かりにくいのですが、着実に砂糖が減っています。
5日目。砂糖、溶けてきてる、確実に……。
6日目。変化の分かりづらさが不安を誘います。
7日目。溶けているんです。
8日目。なんか急に溶けた!?
よ〜く見れば底に少し残ってる程度!こうなれば完成は目前です!
しかし夜なので、一旦寝ます!
そして翌朝。ついに……
完成!!!
木曜日に作り始めて翌週金曜日にできました。梅酒は数ヶ月単位で作りますがシロップなら案外早くできるので、作り始めてから実際に飲めるまでのスパンが短く、飽き性の人にもちょうどいい手間の具合だと思います。
1キロの砂糖が浸透圧で梅の水分を染み出させ、すべて溶けたということになります。
サラサラだったものが跡形もなく液体に……。不思議ですね。
完成したシロップは別の容器に移して冷蔵保存します。
そこで本当に便利なのがセラーメイトのワンプッシュ便利びん!
シリコン製の注ぎ口とプラスチックの蓋で中身を密封できるうえに……
片手で開閉が可能!
コップを持ったまま冷蔵庫から取り出して、注いで、戻すことができるのは地味にめちゃくちゃ快適です。
手作りドレッシングやクラフトコーラを入れるのにも良さそうですね!
ろうとを使い、およそ1.3リットル分の中身を移しました。
梅の実はずっと漬けていると渋みが出たり腐ったりしてしまうので、シロップとは分けて加工します。
梅ジュース(シロップの水割り)を作りました。
私はこの1杯のために頑張ってきたのです。満を持して飲みます。
ゴクゴク……
これは……
なんと……
うま〜い!\(^o^)/
梅の香りが実にグーです! 会席料理の店で飲んだジュースの味にはまだ及びませんが、家でこれが飲めるなら大満足だなと思えるクオリティでした。
一方でリンゴ酢の酸味が想像以上に残った印象もあり、次やるとしたら減らしてみたいなという気持ちもあります。とはいえ酸っぱさは梅とも当然相性いいので、まったく問題なくうまいです。
暑さで疲れた体に染みる!!
こちらは残った梅の実。異国のピクルスみたいですね。
「甘いデザートになってるのかしら」と思いながらかじったらボリボリと固い食感で、そのまま食べるにはちょっと……という感じだったのでジャムに加工して食べます。
水で煮たら柔らかくなり、スプーンで果肉と種を分けられる程度にほぐれました。
種を取り、砂糖を50グラムほど加えながら煮詰めてジャムが完成!
梅自体が甘く漬かっているので砂糖はこの量にしましたが、味見しながら好みで増減させてよいかと思います。
ジャムはヨーグルトに入れてもいいですし……
シロップ・お湯・ゼラチンを混ぜたものと一緒に冷やせば涼しげな見た目のゼリーもできます。
ひんやりさっぱりしていて夏にぴったり!
冬には食えたもんじゃないですよ!(冗談)
作ったジャムは清潔な容器で冷蔵保存しましょう。
私はジップロックに薄く詰めて冷凍することにしました。
ある程度固まってからブロック状に折り目をつけると、小分けして使いやすくなります。
糖度が高いためカチカチにはならず、それゆえいつでも気軽に食べられます!
以上、初めて梅シロップを作ってみた記録でした!
準備さえ丁寧にすればあとは待つだけなので、思ったより簡単でした。
6月頭ごろに作り始めたため青梅を使いましたが、完熟梅であれば7月ごろまで出回るようです。興味がある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか!
ちなみに、
完成した直後、もう一度青梅を買って2周目のシロップを作り始めました。
ていうか完成しちゃいました。
砂糖を三温糖にしたらグラニュー糖より早く溶けたので、急いでいる人にはおすすめです。
今回はリンゴ酢(約100ml)のほか、シナモンスティック(2本)・カルダモン(約15粒)・クローブ(約20粒)を入れてみました。
スパイスが効いたクラフトコーラのような味を期待しているのですが、果たしてどうでしょうか?
炭酸水で割って飲んでみます。ゴクゴク……
これは……
まさかの……
うま〜い!\(^o^)/
完