「文字起こし」って、したことありますか?

 

「文字起こし」

録音した音声をテキストに書き起こしたり、要点をまとめたりする作業。

インタビュー記事はもちろん、オモコロの座談会企画等でも避けては通れない、ライターの必須スキル。

 

 

でもねっっ

 

 

僕たちは

文字起こしが

本当に嫌い!!

 

〜この記事に出てくる人〜

 【かまど】オモコロブロス編集長。音楽やラジオを聴きながら作業するのが好きなので、耳が埋まってしまう文字起こし作業がかなり嫌い。

【みくのしん】オモコロ副編集長。Macのミュージックアプリに音声を入れて文字起こしをしている。巻き戻しをする時に間違えてU2を再生してしまい、発狂する 

【ヤスミノ】オモコロ編集部。iPhoneのボイスメモの音源データ拡張子が「m4a」なのが嫌に思っている。

【JUNERAY】この記事を書いているオモコロライター。文字起こしをやりたくなさすぎて、原稿に手をつけるまで平均18時間くらい現実逃避をしている。

 

 

本題(PR)に入る前に、オモコロライターたちの話をちょっと聞いてやってください。

 

 

ライターが思う「文字起こし」作業のダルさ

筆者(JUNERAY)の場合は、どんなに急いでも撮影で1日、文字起こしと写真編集で1日、執筆と仕上で1日半、合計丸3日半かかります

オモコロの文字起こしって個人的にかなり大変なんですけど、編集部の皆さんはどうやって文字起こししてるんですか?

 

僕は移動中とかに録音した音声を何度も聞いて、全体の流れを先に覚えるようにしてるかな。
詳しく文字に起こす前に、覚えた流れを箇条書きで書き出しておくと記事にしやすい感じがするんだよね

そうそう、ほかのwebメディアに載るようなインタビュー記事と違って、オモコロの撮影ってみんな好き放題喋るじゃないですか。
全体の流れを把握しておくだけでもけっこう大変なんですよ

話に脈絡がないし、脱線しまくりますからね。
2時間収録しても1時間半くらいは記事に関係ない話してることある

一回音声編集ソフトに取り込んで、無駄な部分をカットしてみたことがあるんですけど、残ったのまじ「こんなもん」でした

 

イミフすぎない?? もしかして撮影中にあんま雑談しない方がいい?

いや、オモコロ記事自体が雑談のまとめみたいなものだから、要る雑談と本当にしょーもない雑談の境目を見極めることでしか記事が成り立たない

その点、録音を何回か聞いておくと、実際文字起こしするときに「ここからしばらくは本当に無駄な時間だから飛ばしていいな」みたいなことがわかるんだよね

なるほど、録音を何回も聴く方が大変そうな感じもしますが……

 

そもそも「録音した音声を聞く」ってこと自体が無理なんですよね。
原稿中は好きな音楽とかpodcastとか聴いてないと作業できない

わかります、その点写真編集は何百枚あっても片手間にできるからハードルが低い

僕はたまにAI文字起こしツールを使ってテキスト化してるんですけど、皆さんは使ってますか?

 

「AI文字起こし」

人工知能(AI)を使って、音声データをテキストに変換する技術のこと。

一般的に人力で文字起こしをするよりも遥かに時間短縮になるが、サービスによって精度が異なるため、自力で文字起こしをした方がいいと考えるライターもいる。

たま〜に使ってる。
いったんAIにテキスト化してもらうだけで、記事書くのがけっこう楽になるときもあるっちゃあるよね

おれ……AI文字起こしぜんぜん使いこなせなかったんだよなー!

 

前に編集部の人が、よかれと思ってみくのしんにAI文字起こしデータを渡したら「文字になった!!」って余計にパニックになったことあったよな

おれは長い文章になっちゃうと読めないからね。AIに文字起こししてもらうくらいなら自分で書き起こす方がいいよ!!

長文が読めないのに副編集長をしている男

今日はそんなみくのしんに、紹介したいものがあります

おれに??

 

次世代イヤホン
「Zenchord 1」

 

……これ? ふつうのオープンイヤー型のイヤホンに見えるけど

イヤホンと文字起こしに一体なんの関係が?

 

このイヤホンとNottaのアプリを連携すると、イヤホンのボタンワンタッチAI文字起こししてくれて、さらに翻訳や要点整理までやってくれるらしいです

これが〜〜〜!?

AI音声認識ツールのNottaとZenchordの共同開発で、オンラインの会議だけでなく電話やweb会議にも対応するためにイヤホンの形をしているみたい

 

このイヤホンつけてるだけで文字起こしや要点整理が完了するならすごいですけど……イヤホンをつけたまま撮影してたら目立つのでは?

そういう時のために、イヤホンをケースにしまったままでも録音を開始できるようになってるんだって

普通のボイレコとしても使えるわけですね
※事前にNottaアプリのダウンロードが必要です

 

音声収録をするボイレコをZenchord 1に変えるだけで、撮影終了と同時に文字起こしまで完了するとしたら……ライターにとってこんなにありがたいことないよな

それはそうですけど……文字起こしの精度にもよりませんか?
AIで文字起こしすると、めちゃくちゃな言葉に誤認されてて使えないこともあるし

結局自分で文字起こしした方がわかりやすいでしょ。AIにはまだ文脈とか読めないんだから

そう言うと思った。今日はみくのしんに、このイヤホン「Zenchord 1」と勝負してもらいたいんだけど……

勝負!? おれが!? イヤホンと!?

みくのしんなら絶対に「AIに頼むより、自分でやった方がわかりやすい」って言うと思って

まんまとそれ通りのこと言っちゃったな。まあ、普段そうやって記事書いてるしね

だから今回は、Zenchord 1とみくのしんそれぞれに僕たちの会話を書き起こしてもらって、どちらがわかりやすく話をまとめられてるかを比べてみたいと思います

いいけど、もしおれが話をまとめる天才だった場合PRにならなくない??

その場合でも正直に記事にしましょう。嘘をついても仕方がないからね

 

そんなわけで……

AI音声認識技術搭載次世代イヤホン VS みくのしん

 

負けないぞ!!

 

キッ

 

 

次世代イヤホンとオモコロ副編集長、話のまとめが上手いのはどっちだ!?

 

実はヤスミノとJUNERAYには、今日の撮影で自分の好きな何かについてちょっとだけプレゼンする準備をしてきてもらうよう伝えてました

なんか今日のかまどやけに楽しそうだなと思ってたら、そういうことかい

プレゼン中はZenchord 1で録音してるから、みくのしんには3人の会話を聞きながら、いつもやってるように会話を文字に起こしていってほしい

リアルタイムで一字一句起こすのは流石に無理よ!?

もちろん、会話単位の文字起こしをさせたらみくのしんが発狂しちゃうから、今回は文字起こしの精度じゃなく「プレゼンの内容をどのくらい的確に書き出せているか」を比較するよ

Notta(Zenchord 1に連携した音声認識ツール)AIを使った会話の要約ができるそうですからね、みくのしんさんの書き起こしと比べてどちらが分かりやすいか比べてみましょう

プレゼンの内容を板書していけばいいんでしょ? そんなの普通にできると思うけどなあ……

 

「話の要点を書き出すくらいは普段の文字起こしでもやってるし、プレゼンの板書なんて楽勝」と豪語するみくのしん。
JUNERAY→ヤスミノ→かまどの順に、自分が好きなものについて数分間のプレゼンをします。

(全員プレゼンする内容についてのプロというわけではないので、プレゼン内容に間違いがあったらごめんのやつです! 気楽に聞いてください)

 

好きなものミニプレゼン:JUNERAY

Zenchord 1:録音スタート みくのしん:板書スタート

まずは私からですね。私はカメラとレンズを集めるのが好きなので、今日はデジタルカメラについて話したいと思います

 

オモコロライターって、編集部含めほとんどの人がAUTOモードで撮影してると思うんですよ。そこで今回は、カメラの基本的な設定について解説しますね

それは本当に知りたかった

編集部に置いてあるカメラ、いいやつらしいんだけど誰もAUTO以外の使い方を知らない

 

カメラの話ね!! いいなー俺もそれずっと知りたかった!!

板書の人うるさいですよ

ほとんどのデジタルカメラの撮影モードって、AUTOの他に「A」「S」「M」「P」あたりが選べるようになってるんです。それぞれがどういう意味かを順を追って解説しますね。

 

多くのデジタルカメラにおいて、撮影モード切り替えダイヤルにはAUTOの他に「A」「S」「M」「P」の表記がある

AUTO以外の文字、存在には気づいてたけど恐ろしいからなるべく見ないようにしてた

まずカメラの設定を考えるにあたって、知っておいていただきたい条件が3つあります。それが「絞り」「シャッタースピード」そして「ISO感度」です

どれも小耳に挟んだことはあるけど意味は知らないな

カメラのレンズを人間の目に例えて説明しますね。
まずレンズの大きさは「目の大きさ」と考えます。小さい目と大きい目だったら、大きい方がより多くの光を捉えられますよね?

ああそっか、世界の方の光の強さは変わらないから、どのくらい光を集められる目であるかが重要なんだね

 

目が大きい方が そりゃいい 明るさもい。

レンズの口径以外の条件が同じであれば、口径が大きい方がより多くの光を集められる=明るいレンズ、といえます
その延長で、レンズにおける「絞り」「どのくらい瞳孔が開いているか」を意味しています

はいはい、もうすでにわかってきた気がする

 

瞳孔の開き具合を示す数値は「F値」で表記するんですけど、F値が小さければ小さいほど、瞳孔が開いている状態です

これがね〜〜、直感と真逆なんですよ。小さいほど閉じてるのかと思っちゃう

わかる! 自分で勉強しようとしたときはここでつまずいた

目を開いてぼんやり景色を見ると、焦点が合っているところははっきり見えるけれど、周囲はぼやけますよね

 

逆に、目を細めて見ると全体がはっきり見えるようになるけど、光が入る隙間が狭くなっているから視界は暗くなるはずです

視力検査で目を細めちゃうときの感じだね

カメラレンズでも同じことが起こります。
瞳孔にあたる部分(絞り)を開くと周囲はぼんやり写って閉じると全体がはっきりするけれど、代わりに暗く写ってしまうんですよ

 

 

 ぼんやりヤスミノとくっきりヤスミノ(焦点は手前の箱に合わせています)

なるほど!! めっちゃ分かりやすい!!

…………

虫とかお花とかの写真で背景がすごいボケてるのは、レンズの瞳孔が開いてる(=F値が小さい)ってことで合ってますか?

そういうことです!
A(絞り優先)モードはざっくり言うと「瞳孔を開かせて、背景をボカすかどうかを撮影者自身が決めるモード」ということです

なるほどね〜、そういう意味だったんだ

 

話についていけなくなってきたので
話者を威嚇している↑

シャッタースピードは「逆まばたき」です。目を閉じているのが通常だとして、写真を撮る瞬間どれくらい長く目を開けているか、時間の長さを調整します

これは感覚的にわかりやすい

暗いところだったら長い時間目を開けていた方が光を多く集められますよね。
逆に、飛んでいる鳥や走る車を撮るときは、ほんの短い間だけ目を開けるとブレさせずに瞬間を切り取れるわけです

 

つまりシャッタースピードが速いと瞬間を切り取れるけど、入ってくる光は少ないから暗くなる。逆にシャッタースピードが遅いと明るくなるけど、動いている被写体はブレるわけです。
シャッタースピードを撮影者が決められるモードがS(シャッタースピード優先モード)です

オモコロの記事で躍動感を出すためにわざとブレた写真を撮ることがあるけど、あれはシャッタースピードを調整すればよかったんだね!

やり方がわからなくてフォトショのブラー機能で無理やりブレさせたりしてましたね

 

「スピードが遅いと……なんて!!??」

最後に「ISO感度」。これはどのくらい光に敏感な網膜か、という考え方をしてください

ISOをイソって呼ぶのちょっと気持ち悪いですよね

アイエスオーって呼んでる人もいますよ

 

TVでよく出てくる暗視カメラの映像って、暗いところが明るく見えるけど画質はガビガビじゃないですか。
あんな感じで、ISO感度を上げると明るく写るようにはなりますが、どんどん余計なノイズが乗ってきます

単純に感度がよければいいって話じゃないんだ

ただ最近のデジタルカメラはISO感度を高くしても気になるほどのノイズは生まれないので、オモコロで使う写真(幅650pix)程度であればISOはカメラ任せの設定でいいと思います

 

つまりA(カメラによってはAv)は瞳孔の開き具合を決めてボケの量をコントロールするモードSは目が開いている(=光が入る)時間の長さを決めるモードMはその両方を自分で決めるモードです。
Pはメーカーによりますけど、ホワイトバランスとかのカスタムができるAUTOみたいな感じで、照明が変な色のスタジオとかで役に立ちます

 

みくのしんの板書「使いわけろ!」

私のプレゼンは以上です! これからの撮影の参考になりますように!

Zenchord 1:録音ストップ みくのしん:板書ストップ

 


うわーーー!!!!!! やっと終わった!!!!!

せっかくプレゼンしてくれたんだから「やっと終わった」とか言うんじゃないよ

普通にタメになる内容でしたね

 

途中ちょっとヤバかったけど、JUNERAYさんの解説が分かりやすかったから書き出しはけっこうできたかも! どう!?

 

一見グチャグチャではあるけど、ポイントは抑えられている気がしなくもない……?

自分用のメモとしての書き出しだったらこんなもんかも……?

 

「図を多用する」というAIにはできない板書でなんとか話に追いついたみくのしん。
Nottaの文字起こしは後ほど!

 

好きなものミニプレゼン:ヤスミノ

僕はハリウッドの歴史について話したいと思います

歴史の話!? まずおれが理解できないって!!

ヤスミノってそんなハリウッド好きだっけ?

ハリウッドそのものがというより、文化の歴史を調べるのが好きなんですよね。
ハリウッド全体だとちょっと範囲が広すぎるので、具体的には70年代までのハリウッドについて時系列で話します

 

Zenchord 1:録音スタート みくのしん:板書スタート

〜ヤスミノのプレゼンとみくのしんの様子を交互にご覧ください〜

実は1970年代頃に、一度ハリウッドは斜陽産業になってるんですよ。今はもちろんめちゃくちゃ人気がありますが、一度「死にかけ」になった歴史があるんです

 

具体的に言うと、1969年から72年くらいの間に、ハリウッド全体で500億円くらい損失を生んでるんです。その理由の一つが、「ヘイズコード」と呼ばれる自主規制のルールの制定です

 

(ヘイ)がきびしくなった

ヘイズコードは最初は映倫のような自主規制だったんですけど、暴力的な内容や非道徳的な内容などを上映できないルールとして発展してしまって。
ヘイズコードを無視した映画を作ること自体は禁止されてないけれど、映画連盟に参加している映画館では上映できないということになりました。当時はほとんどの映画館がこの連盟に参加していたので、実質的に上映できなくなってしまうんです

 

このヘイズコードによって、「家族って大事だよね」みたいな道徳的な結末……いわゆる「ハリウッドエンディング」が主流になっていったんです。規制があると、どうしても幅広い作品を作れなくなってしまうんですよね

 

1940年代にはもう一つハリウッドに大きな打撃を与えた出来事があって、それが「パラマウント訴訟」です。それまではスタジオシステムといって、映画会社がスタジオを持ち、そこで映画を作り、自社が所有する映画館で上映するという一貫した体制がありました。
このおかげで安定して様々な映画を作ることができたのですが、この体制が独占禁止法違反とされてしまったんです

 

こいつ話長くないか?????

1960年代になると、アメリカ全体でカウンターカルチャー運動が起こったり、ベトナム戦争が勃発したりして政府に対する不信感が高まってきます。
ヒッピーなどの若者文化も盛んになってきたけど、ハリウッド映画はこうした時代の流れに乗れなかったんです。ヘイズコードがあるし、政治的な内容も避けなければならないし、商業的に売れるものを作らなければならないという制約があったからです。ハリウッドは体制側の立場だったので、時代に取り残されてしまったんですね

 

ぎっっ  ン””

また60年代は、莫大な予算をかけた豪華絢爛な映画が作られていた時期でもあります。例えば1963年の「クレオパトラ」は日本円で330億円くらい予算がかかったんですけど、20世紀フォックスはその半分ぐらいしか回収できなかったと言われています
つまり映像は超豪華だけど、それだけの作品が多かった

 

ぃぃぃぃぃやああああ゜゜
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一方フランスでは、ゴダールやトリュフォーなどの監督たちが中心となって「ヌーベルバーグ」という新しい映画のムーブメントが起こっていました。このフランス映画がアメリカに輸入されると、「フランス映画は面白い、ハリウッドにはない新しい監督の映画だ」と絶賛されたんですね

そりゃ若者はフランス映画ばっか観るようになるよね、話が面白いんだから

 

どーする、ハリウッド

ハア……ハア……

70年代になるとついに、「アメリカンニューシネマ」と呼ばれる新しい映画の潮流が生まれました。アメリカンニューシネマの特徴は「アンチハリウッドエンディング」で、若者がやけっぱちになって最後に死ぬような、道徳感もなんも関係ない終わり方をすることです。有名なタイトルに『俺たちに明日はない』とかがあるんですけど、観たことありますか?

ありますけど、なんかずっと暗くて最後に惨死する、よくわからん映画だなと思いました

それまでのハリウッド映画は教科書的な内容がほとんどだったので、当時としては衝撃的だったんだと思います。『俺たちに明日はない』はボニーとクライドという強盗カップルの逃亡劇なんですけど、最後のシーンでちょっと笑っちゃうくらい銃弾を浴びて死ぬっていう結末で

ハリウッド的なハッピーエンディングとちょうど対局のことをしたんだね

文脈を知ってたらあのラストシーンもっと面白かったのかな〜、「そんな撃たなくてもよくない?」と思って笑っちゃった

…………

 

1970年代になってようやくヘイズコードが廃止されて、新しい才能のある人たちがたくさん入ってきたことでまた新しい映画の潮流が生まれるんですけど……長くなっちゃうので今日はいったんここまでで終わりたいと思います

 

Zenchord 1:録音ストップ みくのしん:板書ストップ

 


すごい!! 想像以上に面白い歴史の話だった!

この話だけで映画1本作れそう。もうすでにあるのかな?

死んじゃうって。

みくのしんさんも、予想よりちゃんとついて来てたじゃないですか

人ごとだと思ってペラペラ喋りやがって!! めっちゃ汗かいたわ!!!!

 

最後の板書なんてちいせえ「よかったね」で終わってる

これでもかなり頑張った方だって

 

内容自体はちゃんと時系列順にまとめられてるし、字がバカ汚ねえことを除けばけっこういい板書なんじゃないですか?

 

苦手な歴史の話にもなんとか追いついたみくのしん。Nottaの要約に勝てるのか……!?

 

 

好きなものミニプレゼン:かまど

僕は好きな落語の演目、『寿限無』について解説したいと思います

かまどさん落語好きですもんね

メチャ面白そう!! 聞きたい!

ジュゲムのことはよく知らないけど、落語だから要は物語でしょ!? 機械の話とか歴史の話とかより絶対板書しやすい! いける!!

 

Zenchord 1:録音スタート みくのしん:板書スタート

『寿限無』のストーリーは有名だから知ってる人も多いと思うんだけど、一般的には「子どもにものすごく長い名前をつけちゃった」っていう、ナンセンスな話として知られてると思うんですけど……

「寿限無寿限無〜」って覚えるの流行りますよね、小学生くらいのときに

でも『寿限無』の本質はナンセンスさじゃなくて、主人公の親心にあるって僕は思うんですよ。
初めての子供を授かった親が、子供の幸せを願って縁起の良い名前をたくさんつけようとする物語。なのでナンセンスというより、すごく普遍的なテーマが軸になっている噺なんですよね

 

「親の優しさ」……と

ちょっと詳しく解説すると、主人公が「産まれた子どもに長生きしてほしいんだけど、どんな名前をつけたらいい?」と和尚に尋ね続けた結果、教えてもらった縁起のいい言葉をぜんぶ採用して
寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助 っていう長い名前になっちゃうという噺なんだけど、ちゃんとそれぞれの言葉にも由来があって……

 

!!???

みくのしんさんの後ろでルールが壊れた音がしたな

如実に振り落として来てるなあ

 

まず「寿限無」は「寿命が限り無い」って書くから長命で縁起がいい言葉なんです。
「五劫の擦り切れ」の五劫っていうのは、時間の単位ね。三千年に一度、天界から天女が舞い降りてきて羽衣で岩山を撫でるんだけど、それが途方もない回数繰り返されていつか岩山が削れてなくなるまでの時間を「劫」と呼ぶらしくて

「億劫(おっくう)」の「劫」と同じだったんだ

そうそう、それが5回繰り返されるくらい長生きしますように、というので「五劫の擦り切れ」

 

(すりきれ)、と

「海砂利水魚」海の砂利や水中の魚のように取り尽せないほど数限りないという縁起のいい意味で、「水行末雲来末風来末」水や雲、風の行く末には果てがない、ってこと。
「食う寝る処に住む処」はそのまま、衣食住に困らないようにっていう親の願いだね

長生きのワードがインフレしすぎて他の話を始めちゃってるじゃん

 

あれ、おれ今どこまで書いた??

「やぶらこうじのぶらこうじ」植物のことで、冬になっても緑が映えたままの生命力のある木だから、長生きを思わせて縁起がいい。「パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナー」はまずパイポ王国っていうのがあって、シューリンガンっていう王様と、グーリンダイっていうお妃様がいて、その間に産まれたポンポコピーとポンポコナーが長生きしたっていう伝説からきてるらしいね

 

一旦マックとか食わせてくれ

なんか急にふざけてませんか? ポンポコピーとか言って

落語ってたまにそういうところがあって、カタカナのワードをナンセンスなワードとして使ったりするんだよ。当時の人たちにとってはカタカナ自体が目新しくて面白かったのかもね

今で言うパワーワードみたいなことかな

それで名前の最後だけど、「長久命」は書いて字の通り長く久しい命長く助ける「長助」。これでおしまい

 

『寿限無』のすごいところはお客さんの笑わせ方がすごく現代的で、僕は『寿限無』がスベってる音源を聴いたことがない
他の演目……例えば『時そば』なんかはスベるときは大スベりするんだけどね

他の演目とどう違うんですか?

『寿限無』にはツッコミ役がいないんだよ。
この話って、寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助が成長して、子どもになったときの話をそのまんま演じるんだけど……

 

まず友達の子どもが泣きながら駆け込んできて、「おばちゃんとこの寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助ちゃんに頭をぶたれたんだよ!」って言うわけ

 

もうおれに書かせる気ないだろコイツ

そしたらお母さんは「なんだって、うちの寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助が頭をぶったって?」

 

。。。。

「ちょっとあんた、寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助が金ちゃんの頭にコブこさえたってよ」

 

いったん終わるまで休憩するか……。

「するってえとなにかい、うちの寿限無 寿限無 五劫のすり切れ 海砂利水魚の 水行末雲来末風来末 食う寝るところに住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポパイポパイポのおい休憩してんじゃねーぞ!!!

 

できるわけねえだろ!!!! 
いま文字起こしAIが反乱を起こしたら真っ先に死ぬのはかまどだからな!!!!!!

要するに、寿限無は「異常に名前が長い」というボケではなく、「それが当たり前になっている世界」を描いているってことですね

そうそう。客にツッコミを任せるような尖った笑いの構造に加えて、「親の愛」という時代を問わない普遍性を持っていることが『寿限無』が世代を超えて親しまれている大きな理由だと僕は思います。
みんなも機会があったらプロの噺家さんの寿限無を聴いてみてほしい! 生で聴ける機会は少ないけど、音源とかで残ってるはずなので!

 

Zenchord 1:録音ストップ みくのしん:板書ストップ


 

けっこう丁寧に解説した方だと思うんだけど、どう?

こ〜〜〜〜れはやばかったわ……

 

いっそ、かまどの口を塞ごうかと思った。もうずっと、何言ってんの???

寿限無の名前の由来のあたりは頑張って追いついてきていたように見えましたが……

まず「寿限無」ってどういう意味だっけ?

 

え〜と……

 

「じゅげむ→岩がある げりげり」って書いてます

げりげり????

まさか初手から理解してないとはね

でも「子どものことを想って長い名前をつけちゃう親の愛情の話」っていうのはちゃんとメモしたから!! 大事なのはそっちでしょ!?

正直いまのプレゼンは、みくのしんさんじゃなくてもついて行くの精一杯だと思う。
これ本当にAIが要約できるんですか……?

じゃあZenchord 1を通じてNottaがどんな文字起こしをしてくれてるか見てみようか

 

 

NottaのAIはプレゼンを上手に要約できるのか?

まずはJUNERAYさんのプレゼンを録音したデータをNottaで開いて……と

あれ……?

 

※画像はNotta(ブラウザ版)のキャプチャです

話者を設定してないからか、全員の重なった発言がめちゃくちゃに起こされちゃってませんか?

あらら。座談会の音源をAIに任せるとこういう風になりがちだよな〜

ほら、やっぱりオモコロの撮影を文字起こしするのなんて不可能なんだって!!
AIに頼むより自分で書き起こした方が速いよ!!

いや、まってください。左側の「要約」のところ!

 

AIによるJUNERAYのプレゼンの要約(全文)

この会議では、カメラの基本設定について詳細な説明が行われました。主に絞り、シャッタースピード、ISO感度の3つの重要な設定について議論されました。

最初に、レンズの大きさと明るさの関係について説明があり、レンズが大きいほど光を多く取り入れることができるという基本概念が共有されました。

次に、絞り(F値)について詳しく説明され、F値が小さいほど瞳孔が開いた状態になり、光が多く入るが焦点が合う範囲が狭くなること、逆にF値が大きいほど全体がはっきり見えるが暗くなることが説明されました。人間の目に例えると、目を細めると全体がはっきり見えるが暗くなり、目を大きく開くと明るいが焦点の合う範囲が狭くなるという比喩が使われました。

続いて、シャッタースピードについての説明があり、これはまばたきの速度に例えられました。シャッタースピードが遅いと光をより多く取り込めるため明るい写真が撮れるが、動いているものがブレてしまうこと、逆にシャッタースピードが速いと動きを止めて撮影できるが暗くなることが説明されました。

カメラのモード設定についても議論され、A(絞り優先)モードとS(シャッタースピード優先)モードの違いが説明されました。Aモードは絞りを自分で設定し、カメラが適切なシャッタースピードを自動で決定するモード、Sモードはシャッタースピードを自分で設定し、カメラが適切な絞りを決定するモードであることが共有されました。

最後に、ISO感度についても触れられ、これがセンサーの感度を調整するもので、高いISO感度では暗い場所でも明るく撮影できるがノイズが増えること、低いISO感度ではノイズが少なく鮮明な画像が得られるが暗くなることが説明されました。

参加者たちは、これらの設定を理解することで、状況に応じた適切な撮影方法を選べるようになることの重要性を確認しました。

私が話した内容が詳細に要約されてる!!

すごい、話してた内容そのまんまだ……!!

内容も問題ないです。わりと雑談も交えて喋ってたのにすごくないですか!?

ヤスミノのプレゼンはどう?

 

すごい! 要約だけじゃなく、チャプターとして録音データと時系列が紐付けられてる

おれががんばって矢印引きまくってたのなんだったの!!??

 

こ〜れは……可哀想ですけどAIの圧勝と言わざるを得ないですね

けっこうマジめに悔しい……

しかも見てください

 

落語「寿限無」の面白さについて
ライターのかまどによると、落語「寿限無」の面白さは単なるナンセンスではなく「親心」にあります。長い名前には子供の幸せを願う意味が込められており、「寿限無」は寿命が限りない願い、「水行末」「雲来末」「風来末」は終わりのなさ、「食う寝る所に住む所」は生活基盤、「やぶら小路の藪柑子」は生命力、「パイポ」「シューリンガン」は長寿伝説に由来します。また、ツッコミがなく長い名前を繰り返す構成は、聞き手に自然とツッコませる現代的手法です。かまどはプロの実演を聴くことを勧めています。

AI要約をさらに短文化する機能を使ったら、かまどさんのプレゼンもこんなにコンパクトになりました

じゃあおれでも使えるじゃねーか!!!!!
今まで3時間とかかけて文字起こししてたのいったいなんだったんだ

欲を言うなら話者識別機能がこれからパワーアップしてくれたら嬉しいですね。
まだオモコロライターの雑談にAIが追いつけてない

一字一句違わぬ文字起こしがAIでできるようになったら、オモコロ記事自体に革新が起きると思う

早く私たちの仕事を奪いにきてくれ

 

 

ちなみにブラウザ版のNottaなら、各種テンプレートを使って目的に合った形での出力も可能です。すごいぞ!!
(画像は2025年6月時点のキャプチャです)

 

ホワイトボードにはみくのしんの激戦の跡が

以上、「AI文字起こし VS 手書きの板書」の様子をお届けしました。

みなさんも、「文字起こしが大変」「議事録をとるのダルすぎ」なんてときには、ぜひ使ってみてください。

 

 

撮影から数日後……

Notta株式会社の新製品発表会に、みくのしんが招待されたので行ってきました!

 

こちらはプレゼンの要約でも使用したNotta AI搭載のイヤホン「Zenchord  1(ゼンコードワン)」

 

耳を塞がないオープンイヤー型イヤホンで、片耳約10g・10時間駆動可能! 耳を塞がず日常使用できるデザインなので、電話の通話や対面での人との会話も録ることができます!

 

さらにイヤホンをケースにしまった状態でも録音可能! イヤホンをつけにくい場面でも、ケース本体のボタンを押してそこに置いておくだけで、Nottaアプリ側で会話を録音してくれます。

気になる方はクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」のページをチェックしてみてください!

 

ちなみに製品を買うと、毎月300分まで無償で文字起こしできるNottaの「スタータープラン」がついてくるそうです!

Nottaの有料プラン「プレミアム」の機能も全て使えるので、月5時間までの利用なら製品を買うだけで使いこなせちゃう!

 

そしてこちらが、今回新たに発表されたAIボイスレコーダー「Notta Memo(ノッタ・メモ)」

 

厚さ3.5mm・重さ28gのカードサイズで、高性能MEMSマイク4基+骨伝導マイク1基を搭載! よくわからないけど、なんかすごい!

 

ボタンを押すと録音が開始され、録音した音声はWi-FiやBluetooth経由で端末のNottaアプリに自動アップロードされるそう。もちろんAIイヤホン「Zenchord 1」同様、Nottaアプリで自動文字起こしや要約もしてくれます。

「Notta Memo」の価格は23,500円(税込)で2025年6月15日(日)から販売開始!

 

Notta Memoの製品ページ

 

Nottaの製品、みんなもぜひチェックしてみてね!!

(ちなみにこの記事もNottaを使って文字起こししました!!やったね!!)

 

▶「Zenchord 1」をMakuakeで購入!

▶「Notta Memo」をAmazonで購入!