こんにちは。映画好きです。
夏といえばやっぱりホラー映画…。ですが「オススメホラー映画ランキング2024年決定版!」とか言いつつ「1位:リング!」「2位:呪怨!」とか今更言われてもしらけ〜になりがち。ということで、誰でも知ってるやつはいったんおいといて、映画レビューサイト「filmarks」でもレビュー数が3〜4桁だけどきっと面白いホラー映画を5つご紹介させていただきます。
※いち個人の観測範囲でのオススメです。「あれがない、やり直し」って言われるのめっちゃ嫌いなんでやめてくださいね…。
■ノセボ(2022 / アメリカ)
【あらすじ】
クリスティーンは順風満帆イケイケファッションデザイナーなのだが、とある電話を受けた刹那、ノミまみれのきたねー野犬の幻影を見る。月日は流れたがその日から記憶障害や震え、さまざまな体調不良に悩まされていた。その後、雇った記憶の無いフィリピン人ダイアナが家政婦としてやってくる。彼女は民間療法でクリスティーンの不調を取り除き信頼を得るが、それは凄惨な地獄の始まりだった…な話filmarksのレビュー数:約1,900
無限に続く住宅街から出られなくなるというシュール過ぎるホラー「ビバリウム」の監督&脚本の二人による新作。これは個人的に怖いし不気味だし、ぶちかまされたな〜という鑑賞後感がありました。
「ビバリウム」で展開された極限的な不条理さはかなり抑えつつ、パズルのピースを欠けまくらせた状態で不穏な空気で展開していく不安定さのバランスが素晴らしく、ラスト20分で一気に全てのピースをかき集めて埋めていく怒涛の伏線回収劇はかなり気持ち良かったです。この監督特有のビジュアル的なきしょさに加えて、フィリピンの民間療法やシャーマニズム的な正体不明の不気味さも合わさって終始釘付けになってしまいました。
主演のエヴァ・グリーンさんも元来の顔面の美しさがどんどん病んで崩壊していくかわいそさも必見。ただ一貫してひたすら気が落ち込む嫌な展開がずっと巻き起こるので暑苦しい夏の夜にピッタリかもしれません。
レーダーチャートはこちら。見たら分かる、この意味が。
■ハウス・オブ・ブラッド(2006 / ドイツ)
【あらすじ】
とある山道。囚人を移送する車両が対向車と衝突し横転。囚人たちはこの流れで刑務官を惨殺し、さらに対向車に乗っていた医者を拉致して北に逃亡する。重傷の囚人の一人を治療するため、偶然発見した山小屋に立ち寄ったのだが、そこで囚人と医者は思いもよらぬ悪夢を見ることに…。さらにその医者は、日本のお笑いのセオリーである「天丼」を信じられない形で体験することとなる…な話filmarksのレビュー数:約150
ドイツのスプラッターの巨匠としてその名が轟いているオラフ・イッテンバッハ監督のスプラッターホラー。グロ描写もかなり気合が入ってて人体の色んな場所がぐちゃぐちゃになるんですが、そこの魅力はありつつも個人的には「構成」が変すぎて見たことない面白さに満ち溢れててとても新鮮でした。
これは実際に知ってから見た方が絶対に楽しめるので書きますが、今作は「前半と後半で全く同じ展開が2回行われる」のが最大のトロの部分。「どういうこと?」と思うかもしれないんですが、こう説明するしかないんです。本当に前半でやったことを後半にもう一回やる。つまり、お笑いで言うところの「天丼」。展開が全く同じでもグロ描写が違うので、同じシチュエーションでバリエーションを効かせた人体破壊が楽しめるという、画期的かつ革命的かつ制作コストまで削減できるという奇抜なアイデア!さらに2回目はもはやギャグとして頭を切り替えて見れる上にそういった要素も増やしてて(狙ってるのかは不明)、もはや笑えてくるのもすごいです。これを見た時、イッテンバッハ監督が「完全なる巨匠かつ奇才」であることが頭ではなく心で理解できるはずです。
そんなセオリーをぶち壊した革命的な逸品、ぜひ見てもらいたいものです。DVDをレンタルするという方法しか見る術がありませんが…。あと、ジャケットの有刺鉄線が首に巻かれた人は1秒たりとも出てきません。
レーダーチャートはこちら。一箇所が飛び出ていればそれが個性になる!
■死霊のはらわたライジング(2023 / アメリカ)
【あらすじ】
ボロアパートに住む、子供3人を育てるシングルマザー・エリーのもとに疎遠だった妹ベスが訪ねてくる。複雑な家庭環境の悩みを話していた時、いきなり地震が発生。そして何故かアパート地下に封印されていた「死者の書」を地割れが起こった影響で長男が見つけた上に、死者を呼び覚ます呪文のレコードもうっかり再生してしまい、悪霊が目覚めて人間に憑依してしまう!そして始まる阿鼻叫喚の地獄絵図!な話filmarksのレビュー数:約4,700
「死霊のはらわた」シリーズの正統続編(単体で楽しめる)で、サム・ライミやブルース・キャンベルも製作陣に入っている気合いを感じられる直球ストレートドチャグソスプラッターホラー。劇中で使われた血糊の量が6500トンとのことで、つまりおもろいということですね。グロいし痛いしきしょいし不気味で、つまり最高!久しぶりにこんなにド派手で分かりやすいホラー見たなというのが正直な感想で、めちゃめちゃ満足度高かったです。
登場人物の背景がほぼ深掘りされることなく、そして脈絡もなく地下にあった死者の書によって何の罪もない人がいきなり悪霊に取り憑かれるのはかなり可哀想ではあるものの、憑依されてからの奇行のウルトラミラクルプレーの数々は実にファンタジックで気持ちよく、次に何を見せてくれるのかという期待感と、その期待を裏切らない美しさすらある完成度でした。過去のシリーズには無いアクセルぶっ放しのクライマックスは必見中の必見…!そして上映時間も潔さが感じられる96分!もうダメなとこ無いですね。
あえて残念なところを挙げるとするなら、配信スルーされたのがもったいないかったな〜ってことぐらい。劇場公開すれば良かったのに!ってぐらいに素晴らしかったです。
レーダーチャートはこちら。グロぶっちぎり
■ヤミー(2019 / ベルギー)
【あらすじ】
巨乳のアリソンは男たちからの好奇の目線に嫌気がさし、おっぱい縮小手術を受けるためにとある美容整形外科の病院を訪れる。頼りない恋人のミカエルの付き添いでいざ手術…としたかったのだが、医者の態度がなんか怪しい。そしてアリソンの手術中にミカエルが院内を彷徨うと地下に拘束されている女ゾンビを発見してしまう!さらにうっかり女ゾンビを解き放ち、瞬く間に院内はゾンビパニックに!な話filmarksのレビュー数:約3,200
世にも珍しいベルギーのブラックユーモアゾンビ映画。そして、ゾンビ映画好きの皆様におかれましてはこれを見ずに夏を終わらせていいのか?と圧倒的にオススメしたい傑作です。ワッフルと小便小僧に続いてベルギーの名物に数えてもいいくらい世界に誇れる完成度!(※個人の感想です)
「病院内でゾンビが溢れる」というワンシチュエーションながら、開始30分にはもう絶体絶命の大ピンチに追い込まれるテンポの良さに、上半身ゾンビが追いかける、脳天かち割る、腸を引き摺り出すなど抜かりなきグロ描写の数々!さらに童顔巨乳のヒロインをはじめ、全ての行動が裏目に出るトンチキ恋人、お忍びで局部肥大手術を受けにきた大御所タレントなど完璧すぎる登場人物に加えて、美しくなりたい・コンプレックスを取り除きたいという欲が渦巻く院内でさらけ出される人間の罪深きエゴ…。それらが全てが合わさることで筆舌に尽くし難いタイトル通りのYUMMYな逸品となっておりました。
とにかくテンポの良さ、終盤まで全くダレない怒涛の展開に伏線回収、あまりにも痛快すぎるクライマックスなど、最後の最後まで楽しめます!オススメです。
レーダーチャート。満足感がすごい
■あのコはだぁれ?(2024 / 日本)
【あらすじ】
夏休み。補習授業の担任を受け持つことになったほのか先生は、そこにいるはずのない女子生徒「さな」がいることに気づく。授業を受けていた生徒たちも歪な空気に包まれた果てに謎の飛び降り事故が発生し、生徒の一人が死んだ。事故を聞いて駆けつけた生徒たちの親に話を聞いてみると、どうやら30年前にも同じような事故が起きたらしい。果たしているはずのない「さな」とは何者なのか…?な話filmarksのレビュー数:約4,200
これは現在も上映中の清水崇監督の最新作。これはめちゃめちゃ怖いです!ジャンプスケア一切無しでここまで怖く出来るの凄すぎ。全編通じて「嫌さ」「歪さ」がめちゃくちゃ最高の濃度で混ざり合い、ジャパニーズホラーの新次元に達してました。いつの間にか幻惑に取り込まれて日常が少しずつ狂っていくホラー演出がもはやアーティスティックですらあって、そこんとこも素晴らしかったな〜。とにかく不気味なシーンが延々続いて心がすり減っていき「早くこのシーン終わってくれ!」という気分にすらさせてくれるすごい完成度です。
キャスト面で言うと、渋谷凪咲さんはバラエティ大喜利タレントの頂点に君臨する人物としてのイメージが強いのでこういったジャンルの映画としてはけっこうマイナスになってるはずなのに、ストーリーのおもろさとホラー演出のやばさでそのハンデを軽く跳ね除けてました。こりゃ良いもん見た。貞子、伽耶子に続き、さなも新たなホラーアイコンになって欲しいですね。
「ミンナノウタ」の続編という立ち位置ですが、これ単体でも楽しめます(というか知らなかった…)
レーダーチャート。精神的恐怖演出がすごいです
さいなら
私からは以上です。他にも面白いホラー映画があったら教えてくださいね!