こんにちは。皆さんは『力水(ちからみず)』をご存知だろうか。

力水とは、キリンビバレッジ株式会社が販売している炭酸飲料水である。力士が土俵に上がる際の清めの水も力水と呼ぶが、今回はそちらではない。

僕は、正直知らなかった。今回の記事のために探し出してきた格好だ。

 

力水は1994年製造開始と歴史があり、そんなにマイナーな商品ではないはずだが、人生は十人十色。僕の人生においては盲点であったと言えるだろう。

今回はそんな力水盲点勢のために、力水についてお教えしようと思います。

力水焦点勢におかれましては、力水を知らない野蛮人を眺める動物園に来たとでも思ってください。

 

 

力水を探す旅


自販機を巡る

時間は前後し、力水の捜索段階。

僕は自販機巡りの旅に出ていた。力水は主に自動販売機で販売されており、それも製造販売元であるKIRINの自販機で多く見られると聞いたからだ。

 

なるほど。僕が力水を知り得なかった理由が一つわかった。僕は、自販機はダイドードリンコをご贔屓にしている。

 


サントリーの自販機


コカ・コーラの自販機


マクドナルドのあたたかみ

……30台くらい自販機を巡り、気が付いたことがある。

ラインナップにHOTが目立つ。『季節が悪い』。そんな予感がしてきた。予報では午後から雪だ。

 

そもそもの話、水(飲料水)という組み合わせがいささかピンとこない。

四大精霊によるパワーアップイベントがあったとして、ウンディーネの加護が『力』などということがあるだろうか? いや、ない。

 

力水』という名称のレベル1感も凄い。これは親しみやすいと言い換えることもできる。

 

僕は『なんとか水』なら『逃げ水』という言葉が好きだ。『逃』と『水』のイメージがマッチしている。ニゲミズ。抜忍となることがあれば名乗りたい。

ニゲミズカゲロウという追手と浅からぬ縁がある。カゲロウは掟に忠実な上忍だが、実はくノ一である。その事を知っているのは里の上層部の一握りと、幼馴染であるニゲミズだけである。

カゲロウはニゲミズの身を捕らえられぬ。ニゲミズは、カゲロウに心を捕らわれたままである。お互い、幻に手を伸ばし続けるのだ。

 


あっ!!!

 

捕らえたぞ、力水を。

 

 

推参、力水

実物、初めて見たかもしれない。

青と黄色でちょうど力水カラーリングのテーブルに来ました。どうですかKIRINさん。映えますよ。

 

よく見たらポッカサッポロとアクエリアス(コカ・コーラ社)のボトルキャップでした。すみませんKIRINさん。

 

「DHA配合ってなんだよ」
「じゃあ力水じゃなくて知水であれよ」

そんな見え見えのツッコミどころに、罠だとわかっていても突っ込まざるを得ない。冬に震えて死を待つくらいなら、飛んで火に入ることも辞さない。夏の虫にはそういう矜持があるのだ。

戯れはこのくらいにして、飲むか。人生初の力水を。

 

 

実飲

ああ~、甘い。微炭酸だ。

まずほんのりと、カルピスやスポーツドリンクのような風味を覚えた。

次に、さらにほんのり、オロナミンCやデカビタ等の元気系エナジードリンクの系譜も感じる。「鳥の祖先が恐竜だった」くらい、直感的ではない遠さだ。

後味として、はるか遠くに、子ども用のお薬の甘い味がする。薬っぽいのではない。あくまでもフォーカスは甘い味の方。子どもが飲みやすいようにと添えられた、あの思慮の甘味だ。

 

コップに注いだ。キミ、白だったのか。確かに白い飲み物の味がする……

 

力水をカクテルで作るなら、こういう比率で味は再現できそうな気がする。

どうしても力水が必要な場面(親の仇の魔物の弱点が力水だったなど)ではこれで凌げるかもしれない。当方、一切の責任は負いません。

 



屋外の写真の具合がよくない気がしたので、後日屋内で撮り直した。力水が知性としなやかさを湛えている。強キャラじゃん。

 

総合すると、うまい

しかし、飲む時期を外した気がする。力水の季語はおそらくだ。

暑い夏に、熱々の塩辛いものと一緒に嗜みたい……塩をふりすぎた焼き鳥とか? うん、塩焼き鳥だわ絶対。

でも、焼き鳥の季語は冬らしいです。じゃあ夏の季語である力水とは文字通り水と油ですね。知らぬ。情緒を舌に乗せて何になる。

 


たまたま手元にストックしていたポテトチップスを開けました。

うまい。これでいい、いや、これがいい。下戸の血には、塩と油と力水がよく馴染む。おいしさに蕩けた知性はDHAで取り戻せるし最高ですね。

 

こんにちは。力水のある人生。

 

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