人は3000円分のマンガを買っていいと言われたら、どんな作品を買うのか?

気になっていた作品を買うのか、紙で持っていた作品を電子で買い直すのか、誰かのおすすめを買うのか、それとも……?

 

というわけで今回は、ブロス編集部の3人に「DMMブックスで3000円分のマンガが買える権利」を与え、買ったマンガを教えてもらいましょう! さあ一体どのマンガを買ったの?

 

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ヤスミノ|詭弁に勇気づけられたい

「最初は僕が3000円で買ったマンガを紹介しますね。島本和彦先生の『吼えろペン』全13巻中の4巻までを購入しました」

 

島本和彦『吼えろペン』

日夜命がけで原稿と格闘するマンガ家・炎尾燃と、そのアシスタントたちが巻き起こす騒動や日常を描いた熱血ギャグマンガ

吼えろペン(試し読みできます)

「『吼えろペン』めっちゃ好き!」

「読んだことないです……。タイトルから察するにマンガ家のお話ですか?『アオイホノオ』みたいな」

それと同じ作者です

アオイホノオ

 

「『アオイホノオ』は作者自身をドキュメンタリーっぽく描いてて、『吼えろペン』はかなりフィクションとして描いてる、みたいに覚えてください」

「主人公の名前も発音は同じ『ほのおもゆる』なんだよね(『吼えろ』は炎尾燃、『アオイ』は焔燃)」

「『アオイホノオ』より『吼えろペン』がお好きなんですか?」

「『吼えろ』のほうがフィクション性が高いんですけど、フィクションだからこそ、むしろ島本先生の本音が描かれてる気がして。『これは自分が言ってるんじゃなくてキャラクターが言ってるだけです』みたいな」

 

▼おすすめポイント|大きい声で詭弁を言う

「島本和彦先生の発明ってあるじゃないですか。『大きい声で詭弁を言う』やつ。これが好きなんですよね」

「はいはいはいはい」

「どういうこと!?」

「例えば、細かい仕事が重なっていつの間にかスケジュールがギチギチになっちゃった、これはもう締め切りに間に合わないかもしれない……そんな時、主人公の熱血マンガ家はなんて言うと思います?」

「なんだろ?『今日は徹夜で描き上げるぞ!』とか?」

「正解は――」

 

「あえて遊びに行くぞ!」

 

「えっそんなことしてる場合かぇ!?」

傍から見ると現実逃避の言い訳なんですけど、それを大ゴマ使ってデカいフォントで叫ぶっていう」

「僕らにも逃避したいことってあるじゃないですか。その言い訳としての詭弁って本来なら申し訳なさそうに言わなきゃいけないんですけど、これほど堂々と言ってくれたら勇気が出るよね」

「なるほど〜〜」

「島本先生って読んで勇気が出る名詭弁ばっかりなんですよ。代表作のひとつ、『逆境ナイン』にも好きな名言があるんで、紹介していいですか?」

逆境ナイン

「どんだけ島本先生好きなの!?」

「主人公が所属する野球部は弱小校なんですけど、『フェアに良い試合をしたい』ってことで、対戦相手の強豪校においしい弁当を差し入れするんですね」

「自分たちだけおいしい弁当を食べるのはフェアじゃないってことか」

「ところがその弁当が傷んでて、強豪校の選手はヘロヘロになっちゃう。仲間たちは『このまま試合しちゃっていいの? わざとじゃないとはいえ、卑怯なのでは?』って悩むんですけど、そこでコーチが言うんですよ」

 

それはそれ!

 

これはこれ!

 

「で、主人公たちは強豪校をスタボロにして勝つんですけど、僕はこのセリフが大好きで。普通に生きてても意図しないことをやっちゃったり、後悔するような行動ってあるじゃないですか。そんな時いつも、『それはそれ!これはこれ!』って考えるようにしてます」

 

▼おすすめポイント|熱血がパロディを突き抜け届く瞬間

「炎尾がマンガ専門学校の一日講師になった時、生徒に『とりあえずみんな目をつぶれ』って言うんです。『目をつぶったか? では、自分は絶対マンガ家になれる!と思う者だけ手を挙げろ』と。でも……誰も手を挙げなくて」

「そんな自信もってる生徒いるわけない」

『君たちは嘘をつくということを知らんのかー!』って怒るんです。このコマなんですけど」

 

顔が半分隠れるくらいの巨大フォントで叫んでる」

「で、どうすればプロのマンガ家になれますか?っていう生徒からの質問に、『プロというのは絵がうまいからなれるものでも、話作りがおもしろいからなれるものでもない』って答えるんですね」

「じゃあ一体どうすれば……?」

 

ようは

なったもん勝ちだ!

 

「結局どうやってプロになればいいのかはわからない」

「その通り。生徒は、考え方とかじゃなくて背景の描き方とか教えてくれって言うんです。そっちの方が正しい意見なんですけど、炎尾の言葉を聞くと『確かに』って思っちゃう

「こんなにでかいフォントで言われるとね」

「島本和彦先生ってもともとパロディの人で、マンガ内でも熱血をギャグ扱いというか、『熱血のパロディ』みたいに描いてると思うんです。ただ、たまに熱血がパロディの枠を突き抜けることがある」

「確かに、読んで実際に勇気をもらえるんだもんなぁ……」

「詭弁を大声で言うって、絶対笑ってしまう状況なのに、笑いを突き抜けて本物の熱血が心に届く……それがこのマンガを好きな理由ですね」

 

▼なぜこのマンガ?|辞書のようにいつでも名言を読みたい

「今回、なぜ3000円でこのマンガを買ったんですか?」

実家に紙の本で持ってるんですけど、東京の自分の部屋でもいつでも読みたいと思ったからです。つらいことがあった時、悩んでる時に、いつでも熱い言葉を読んで勇気をもらいたい」

「そんなにつらいこととか悩みとかあるの? いつでも相談して下さいよ!」

「そこまでじゃないです。辞書みたいに、必要な時にサッと『詭弁』を取り出せたら便利だろうなーと」

 

 

モンゴルナイフ|おしゃれライフと恋模様

「続いて私が3000円で買ったのは……こちらです! 近藤聡乃先生の『A子さんの恋人』、全7巻中の4巻まで!」

 

近藤聡乃『A子さんの恋人』

誰といっしょになるとか、どこで暮らしていくとか、そろそろ決めなきゃいけない29歳A子さんの恋と日常

A子さんの恋人(試し読みできます)

「あ、これモンゴルナイフさんに『おもしろいから読んでくれー!』っておすすめされたマンガだ。なので僕も読んでます」

「そう、人におすすめしまくってます。私は紙の本で全巻持ってるんですが、電子書籍だとスマホとかで持ち歩けるから『他人に見せておすすめしやすい』かなーと思って、今回3000円で買いました」

「他人にすすめるために!? 僕は読んだことないんですが、おしゃれなそうなマンガですね」

 

▼おすすめポイント|2人の男性の間で揺れ動く恋心

「そう、このマンガ……とにかくおしゃれですね! あらすじとしては、美大卒でマンガ家のA子さんがアメリカから帰国して、NYの今カレと日本の元カレとの間で恋心が揺れ動くって感じのストーリーです」

「恋愛ものなんだ? 2人の男性っていうのは、どういうキャラクターなの?」

「1人は翻訳家のA君。この人は今の彼氏でNY在住です。現在日本に帰国してるA子さんとは遠距離恋愛ですね。もう1人はフリーターのA太郎。元彼で日本に住んでます。みんなに優しいしかっこいいんですよ〜」

「たった2~3行の説明で判断する限り、結婚するなら翻訳家のA君のほうが良いのでは?」

「そうA君が! かなり良いんですよ! 他の人には塩対応なのにA子さんにだけはデレデレで優しいっていうのもポイント高い」

「一方、A太郎はどちらかというと浮世離れしているというか。特に目的なく気楽に生活してる」

「あ~、でも結婚して一緒に生活するなら、意識高い人より気楽な人のほうがリラックスできそう……難しいな」

「マンガのジャンルとしては一応恋愛もの……になるんですかね? でも描き上げたいマンガがあったり、30歳を前に人生のこと考えたり、日々の細かいことを綴ったり、みたいな側面もあって」

 

▼おすすめポイント|恋愛だけじゃない!

「うわ絵ーめっちゃ好きだわ。高野文子先生っぽい柔らかい線……うますぎて怖い」

高野文子『棒がいっぽん』

「あらすじとこの絵を見ると『おしゃれな日常を描いたハイセンス雰囲気マンガ』みたいに思うじゃないですか。でもくだらない雑談とか細かい笑いもあったりして、ちゃんとエンターテインメント感があるのが良いんですよね」

「モンゴルナイフは恋愛要素以外でもこのマンガが好きなんですよね? どういう部分が琴線に触れたんですか?」

「世の中には大学で勉強したことを活かした仕事をしてる人もいれば、そうじゃない人もいるじゃないですか。自分には才能がなかったんだな〜と見限って、でも楽しく生きてて、みたいな。私がまさにそうで」

「それはそれで素敵な人生だと思うよ……」

「そうは思うんですけど……A子さんは大学生時代マンガ家になってて、ずっと自分のやりたいこと超優先で生きてて、執着や依存が少なくて……そんなかっこいい人生も羨ましいな~と」

 

「まあ確かに。そういう憧れライフをマンガで垣間見れるわけね」

「ここまでの話を聞いてると、才能あっておしゃれな人々が恋に仕事に生活に、スマートに生きてま~す!みたいなイメージかもしれません。でもキャラクターが丁寧に描かれていていやな印象を受けなくて、むしろ登場人物のことみんな好きになっちゃうんですよ」

「ただし恋愛に関しては優柔不断な性格のせいで三角関係になっててうまくいってない。30歳手前にして、今後どちらの男性と生活していくかっていうのがいつまでも決めきれなくて悩んでる」

A子さんの優柔不断さにはたまに本気でイラッとする! 今それちゃんと決めたほうがいいよ!って時でも、現実逃避でアイロンかけ始めたりするので」

「全キャラクターの中で、僕は主人公にはあんまり感情移入できなかったかも」

「でもヤスミノさんってA子さんに似てません? 約束を忘れちゃったり優柔不断なとことか、人が怒ってるのにひょうひょうとしてるとことか」

「え、そうですか???」

 

「A子さんてニューヨークに住んでる頃、ビザがもうすぐ切れるって状況になるんですね。で一緒に住んでたA君は、結婚したらビザが要らなくなるよってプロポーズするんです。なのに! 半年間返事しないで、ビザが切れて、そのまま日本に帰国しちゃうんですよ!」

「え~! プロポーズの返事しないまま!? ひどくない!?」

「A子さんがいつまでも返事をしないまま部屋にいるから、A君もさすがにイラッとしながら『何か飲む?』って聞いたら……A子さんは『あ、じゃあオーガニックティーで』ってひょうひょうと言うんですよ!」

「それと僕のどこに共通点が?」

「以前、仕事のことでヤスミノさんを注意したことがあったんですよ。でも言いすぎるのもよくないかなと思って『まあ、気をつけよっ(笑)』って言ったら……『ハッハハハ、そうっすね~(笑)』って。腹立つな!と」

 

▼おすすめポイント|実在するおいしそうな店

「もうひとつ、このマンガってメインの舞台が阿佐ヶ谷なんですけど、おいしそうなお店がいっぱい紹介されてるんですよ。それが実在のお店だったりするので」

「へ~!行ってみたい」

「私、気になって阿佐ヶ谷を巡ってしまいました。作中に出てきたお店に行ってみたら、『A子さんの恋人に紹介されました!』って大きな漫画のページが貼り出してあったりして」

「作中に出てくる場所、わりとコンパクトにまとまってますよね。阿佐ヶ谷か谷中かブルックリンかって感じで。ブルックリン以外は聖地巡礼しやすそう」

「そうそう。読んだら阿佐ヶ谷に行きたくなりますよ!」

 

 

ギャラクシー|トラウマ作品を40年ぶりに読みたい

「僕が3000円で買ったのは……楳図かずお先生の『漂流教室』全6巻(文庫版)のうち、4巻までです!」

 

  

楳図かずお『漂流教室』

小学校の校舎ごと、荒廃した未来世界に飛ばされてしまった児童たちの生存競争を描いた作品。いたいけな小学生たちに次から次へと災厄が降りかかるが、そんな世界をたくましく生きていく傑作

漂流教室(試し読みできます)

「あぁ~『漂流教室』! これはいいチョイス!!」

「有名なマンガだからもちろん知ってるけど、断片的にしか読んでないかも」

「僕、楳図かずお先生のファンなので『わたしは真悟』とか『14歳』なんかは何回も読み返してるんです。でも『漂流教室』は……小学生の頃に友達の家で読んであまりにも怖かったから一回しか読んでない。この機会に改めて読んでみようと」

トラウマ克服!?

 


楳図かずお先生の代表作『まことちゃん』のギャグ、「グワシ」に挑戦する三人

 

わたしは真悟

14歳

まことちゃん

 

▼おすすめポイント|とにかく怖い

「40年ぶりに読み返したんですが、やっぱり怖ぇーのよ!!! 小学校の校舎ごと、未来の荒廃した世界に飛ばされてしまう話なんですけど、次から次へと恐ろしいことが起きて……」

「例えばどういう出来事ですか?」

「グロテスクな未来の生物が襲ってきたり、子供同士で派閥みたいなのができて殺し合いになったり、異常な宗教が発生して、残虐な儀式が横行して……結果的に小学生が次々とイヤな死に方をするんです」

「『怖い』って、心霊とかじゃなくてそういうタイプの怖さなんですね!」

「低学年の児童たちが絶望のあまり次々と屋上から飛び降りるシーン、いやだったな……」

「『鳥になって飛んだらママのいる家まで帰れるかも』とか言いながら、みんな飛び降りちゃうやつね」

 

当然 家に帰れるわけもなく、全員地面にビターンと叩きつけられる

 

「主人公たち高学年の生徒は、『飛んでも家には帰れないんだぞ……! “こう”なっちゃうんだぞ……!』って泣きながら制止するのよね」

「悲しすぎる」

「あと“顔半分だけ未来に飛ばされちゃった人”がいるんです。その人は現代の病院に入院してるんだけど、顔半分が無くなって脳が見えてるのに生きてる。今回買った4巻までには出てこなかったけど、40年経つのに、あの恐ろしいビジュアルを鮮明に覚えてる」

 

こういう状態?

 

▼おすすめポイント|過去と未来がリンクする仕掛け

“未来と現代がうっすら繋がる”という要素もマンガとしてすごい良いです」

「あー! そうだ、主人公(未来にいる)と、主人公のお母さん(現代にいる)の精神がたま~~に繋がるんですよね!」

「どういうこと?」

「主人公が未来から助けを呼ぶと、その声が時空を超えてお母さんに届くことがあるんです。で、お母さんは未来のために道具や食料を地面に埋めたりして助けてくれる。この“繋がり”があまりにもか細いというか、万能じゃなさ過ぎてハラハラする」

「確か“主人公からの声”ってお母さんしか聞こえないんですよね。だからどんなに訴えても『未来から声が聞こえる』なんて、誰も信じてくれなくて」

「そう、お母さんの行動って、周りから見たらただの異常な人なんです。それでも母の愛でムチャな行動をするのが良い」

 

▼おすすめポイント|美しいラストシーン

※ネタバレがあるのでご注意ください

「あとラストがめちゃめちゃ良いの」

「最後覚えてないな……現代に帰るんでしたっけ?」

「いや、帰れないんです。食料もなく周りは砂漠しかない絶望的な世界で、『僕たちはこれからもここで生きていきます』みたいなラスト。最後、現代のお母さんがふと窓から外を見ると、夜空に駆けていく息子たちのイメージが見えるっていう」

「救いがないヨォ……」

 

「恐怖と絶望と死で綴られた物語なのに、最後の最後、少年少女が笑顔で夜空に駆けていくその絵がめちゃめちゃ美しくて印象に残ってる。大人になって思い返してみたら、最高の終わり方だったのでは?と」

「とはいえ、3000円だと4巻までしか買えないから、ラストは読めてないんですよね?」

「自腹で続き買います」

 

 

もう一冊買えちゃう……?

というわけで今回はブロス編集部の3人に「DMMブックスで3000円分のマンガが買える権利」を与え、買ったマンガを教えてもらいました。話し合ってる最中、全員が「続きを読みたい!」と叫んでいましたが……

 

 

えーーー!!!

 

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というわけで僕たち、DMMに続きを買いに行ってきま~~~す!

 

 

 

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