ある平日…
ごろごろ……ごろごろ
彼の名前は「らむ屋敷」
クールな顔をした偏食だ。
だからこんな白い服を着ているのに……
そんなことあるの……
食べさせてあげよう……
明日改めて来てもらっていいですか?
え?わかりました……
次の日…
こんにちは〜。改めて来たよ〜
ガチャ
あれ…?返事が無いな…
野田さんの部屋へ行ってみるか…
ガチャ…
え…
コトコト…コトコト…
グツグツ…グツグツ……
らむ屋敷さん待ってましたよ。
さあ…そこに座って僕のシチューを食べてください。
え、ああ、うん
シチュー…シチューかあ…
改めて確認ですが、食べたことないですよね?
うん。人生で一度もない
結構メジャーな料理なのになぜ…?
シチュー……見てるとムカついてくるんですよね
なんで……?
なんか気合いの足りないカレーみたいで…
シチューに厳しいなあ
ちなみに今回は特別にCoCo壱のスプーンで食べてもらいます。
これでカレー食いてえ〜!
いざ実食!
持ってみた感じどうですか?
あたたかい……赤ちゃんみたい。
あ!ミルクの香りがする!
怖いよ
えっと…具材は…
鶏肉・じゃがいも・にんじん・玉ねぎです
にんじん…
あ、苦手でした!?
いや…最近は食べれる気がする
無理はしないでね
うわ〜〜やっぱり最初の一口目は緊張するなあ。白い食べ物って意味わかんないからな〜
ソフトクリームとか白いですよ
確かに!あたたかいソフトクリームだと思っていただきます!
ぱくり……
ふふふ……
うまい!!
ちょっと好きな味すぎるわ!みんなも食べたほうがいい!
らむ屋敷さん偏食の才能ないよ
世の中には美味しくて食べたことがない食べ物がいっぱいあって幸せだなあ〜
なんか羨ましい…
シチューってカレーの下位互換かと思ってたけどめちゃくちゃ個性ある!こんな味だったんだ!濃厚で美味い!
気合い入ってました?
うん!サスケみたいに内なる気合いを感じた!
もう一口食べちゃお…
この笑顔をクレアおばさんに見せてあげたい
ぱくり…
ああ〜脳に染みる。
食レポであまりない表現だね
ちょっと失礼します
あ、はい
ちゃかちゃか……
スッ……
ドレスコード!?
マジでこれぐらい美味しい
シチュー溢したらシミになりそう
やっぱ脱ぎます
ご飯と一緒に食べてみる
次はご飯と一緒に食べてみましょう!
おお〜!シチューもカレーみたいに食べるんだ
なんか白に白をディップするの意味不明かも
そう言われたらそうですね
天使の食べ物みたい
よし!いただきます!!!
ぱくり……
……
どう!?
ごめん…この組み合わせ苦手かも……
ああ……
シチューって茶碗蒸しみたいに甘いからご飯に合わないのかな…?
お…茶碗蒸し食べたことあるんだ
いや、無いです
偏食が食べ物の例えしないで
もしかしてシチューてパンの方が合う…?
実はそうです。焼きたてのトーストと食べるとめちゃくちゃ美味いです。
それ食べて〜!
買ってきましょうか?
いや、悪いから大丈夫
実は今回シチューに合いそうな食べ物を持ってきてるんだ
お!!もしかしてパン!?
いや、これです
それって…
はい、がんこ名人の半熟カレーせんです!
インド人がラーメン店主みたいに腕組んでるの初めて見た
うわ!めちゃくちゃ引っ付いた!
心臓ぐらい大きい!
こんなに食べれないから少し割って…
ぱり…
そして、息を吐く間も無くシチューをぱくり!
ああ〜……
ど…どう…?
カレーせんとシチュー…めちゃくちゃ合います
まじ!?
カレーせんの塩っぱさとシチューの甘さがマッチして絶妙な風味になってる
カレーとシチューの組み合わせ…。これ、真剣に追及したら新たな料理が生まれそうだな。
人類が初めてウニを食べた時のように「新たな料理」は未知への好奇心から生まれるのかも
偏食の料理研究家になろうかな
らむ屋敷さんエプロン似合いそうだしいいかもね
ごちそうさまでした!
結果、ご飯シチューも全部食べてくれて嬉しい
総評
今回のシチュー…総評はどうでしょう?
言葉で言っても伝わらないと思うので現物で示したいと思います。
わかりました!
スッ……
ガサガサ……
ころん……
シチューは桂馬!!!
すげ〜!
おしまい