私、天野アマゾネスは横浜中華街の全店舗で食事をすることを目標に2019年5月から毎週のように中華街に足を運んでいる。
理由は特にない。何となく全部食べたいからだ。
(私が中華街で食べた料理の一部)
しかし通い始めて間もなく2年が経過しようとする今、お店の開拓は全くと言っていいほど進んでいない。
もちろん緊急事態宣言や色々な懸念もあり自粛していたというのもあるのだが、1番の理由というのが…
鵬天閣というお店の小籠包がとにかく美味しすぎて、未体験のお店には行かず鵬天閣で小籠包を浴びるように食べてしまうのだ。
とにかく美味しい鵬天閣
鵬天閣は中華街に何店舗かあるが、特に鵬天閣上海小籠包専門店は中華街イチ(と言っていいほど)人気のお店だ。
(すごい行列の鵬天閣。※緊急事態宣言以前に撮影)
中でも焼き小龍包はダントツに人気があり、食べ歩き用の売り場には平日・休日問わず行列が出来ている。
(一番人気は海鮮と豚肉2種盛りセット。中のスープがパンパンに入っているところに注目して欲しい)
食べ歩きのイメージが強い鵬天閣だが、私は二階のレストランをよく利用している。
食べ歩きの列に比べればそれほど混んでおらず、ゆっくり落ち着いて食事が出来る為だ。
焼き小龍包も美味しいのだが、私は蒸し小籠包も大好きである。この小籠包を見てほしい。
凄く透けてるでしょう?
中のスープがこんなに透けて見える小籠包、滅多にお目にかかれないよ。
もしかしたら初めて見る人もいるんじゃないかな。だとしたらよく見といた方がいい。縁起物だよ。こんなにスケスケの小籠包は。
しかも限界までスープが詰まっているので下の方がパンッパンに張っている。レンゲにのせて箸でつつくと…
ほら〜!!!!!!
このスープをチュッと吸って針生姜をのせて黒酢で食べると最高なんだーーー!!!
ちなみにレストランでは点心だけの注文は出来ないシステムなので、私は一緒に『生ホタテのニンニクソース蒸し』も注文する。
(濃厚でクリーミーなニンニクソースにプリプリのホタテ、ネギのシャキシャキ食感が合いすぎて許されない美味しさを生み出している。)
なぜこれを注文するかというと、美味しいうえに少ないからだ。少ないので、その分小籠包を沢山食べれるという寸法だ。
しかしそんなレストランにも弱点が。
なんと、それなりにお高くついてしまうのだ。
特別な日の食事ならともかく、私は毎週なんでもない日に小籠包を沢山食べる為これでは参ってしまう。かと言って、食べ歩きで小籠包を沢山食べるのは至難の業。
途方に暮れた私は、悩んだ末にお店で売っているお持ち帰り用の冷凍焼き小龍包を買ってみることにした。なぜ今まで買わなかったかというと、お店で食べた方が絶対美味しいと思っていたからだ。
自宅でお店の味が…!
これが冷凍の焼き小龍包だ。調理方法が書かれた紙も貰えるので、それに従って作ってみる。
なんと10分もせず完成してしまった。
お店の小籠包と見た目を比較すると、フライパン調理だからか焼き目の付き方に奥行きがない感じがする。
しかし食べてみると、中の汁気や味はお店の物と変わりなかった!!
「こりゃいいや!」と食べていると、幻聴が聞こえてきた。
青森に住む家族の恨めしい声だ。もう1年以上会っていない。無視しようと思ったのだが、なんとなく可哀相な気がしてきた。
調べると楽天でも買えるそうなので、実家にも送ってみる事にした。
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人生で初めて焼き小籠包を食べる人々
数日後「今から小籠包を食べるよ」と実家住まいの妹から連絡が来た。家族が小籠包を食べる瞬間に立会うべく、テレビ電話を繋ぐと家には妹と弟しかいなかった。
2人だけで小籠包を食べるつもりらしい。人の事は言えないが、なんて卑しい連中なんだ。
調理は私の記事ではお馴染み、引きニートの弟がする。2021年も全く働く気配がない。
初めてだから、皮が破けないように注意しないとな
開封前から入念に小籠包をチェックする弟。
私も見落としていた「ふりかけ」の存在を発見した。
早速調理にとりかかるが、弟からは「絶対に失敗したくない」という気迫を感じる。
だって、調理方法の紙を指で追いながら読んでる。こんな読み方するのは、重要な契約書を結ぶ時か命に関わる書類を確認する時ぐらいだ。弟がそれぐらい小籠包に重きを置いているというのが分かる。
焼いている間に万能ねぎを切り…
(大量のネギを散らす弟。好きな薬味を沢山入れられるのは自宅調理ならではの楽しみと言える)
焼けたことを確認し「ふりかけ」のゴマと、万能ねぎを散らす。
1分蒸らした後にいざ実食。どうやら上手に焼けたようだ。
──まずはレンゲにのせて、上の方を少しだけかじって中のスープを飲むんだよ。普通に食べると中の汁が飛び出るからね。
おっけー………うわっ!!!汁が!!!
かじった瞬間に飛び散ったスープを拭う弟。冷凍でも凄い量のスープが入っている事が分かる。
私も食べよー
妹はおたまで小籠包を食べようとしている。
家のレンゲ全部割れちゃって1個しかないんだよね。
──レンゲに恨みがある霊のポルターガイストかよ
うめー!!食べるのに集中したいからカメラ固定するわ。これでいいか?
──もっと頑張ってよ
──ちょっと…
できた!もうこれでいいだろ。早く食いたい。
しばらく妹の食事中の口のドアップを見るハメになってしまった。これなら天井を見せられていた方がマシだったかもしれない。
ワンワンワンワンワン!!!!
──犬が騒がしいね!何かあった!?
やべぇ!!お父さんが帰ってきた!!
クソ!最悪だ…残さなきゃダメじゃん…
お父さんが家に入ってくる前に全部食おう!
──お父さんにも残しなよ…
父の帰宅によって明らかにテンションが下がる弟と妹。父からすれば、なんて養い甲斐がない人達なんだ…。それとは引き換えに犬はテンションMAXで大喜びしている。なんて養い甲斐のある犬なんだ。
ワンワンワンワンワンワン!!!!!!!!!!!
お気に入りのおもちゃを咥えて扉ギリギリの位置で父を待ち構える犬。今、地球上で父の事を愛しているのはこの犬だけかもしれない思うと切なくなってくる。
(帰ってきた父を追いかける犬。健気)
どうやら父の分はギリギリ残した弟と妹。
お父さ〜ん、小籠包の食べ方知ってる〜?違う違う!ダメだよ!急に噛み付いたら!
妹が生き生きと父に小籠包の食べ方を指南しだした。さっきまで自分も知らなかったくせに。きっと種子島に鉄砲が来たときもこんな感じで鉄砲の使い方が伝授されていったんだろうな…。
妹の教えを守り、おたまで小籠包を食べる父。
「美味しい!アマゾネス、ありがとう!」とお礼を言う父の腹部には…
大量の小籠包スープが付いていた。
このように自宅でも楽しめる鵬天閣の焼き小籠包、とっても美味しいので是非食べてみては!?私は父と母の為にもう一袋買います!
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