見てほしいものがあります。
綺麗な方のへびの抜け殻みたい。
これは20歳の時、母親に買ってもらったベルトです。約9年間使っていました。
僕はおしゃれには無関心で、服なんてなんでも良いと思っているためもちろんベルトも同様に興味がなく、冠婚葬祭に関わらずずっとこのベルトを使ってきました。
錨の刺繍が入っているデザイン(”錨”これで「いかり」と読むそうです。知ってましたか?)
ただご覧の通り、流石に無理になってきました。
もう糸になっちゃった。
用を足す時、この糸が絡まってすんなり収まらず、トイレでの滞在時間が一般男性のしっこ時間を大幅に超えちゃってんの。やばいでしょ?
卒業した兵隊のベルト?????
じゃあベルトを買えばいいのでは?
そう思うかもしれませんが、酎ハイとアイコスメンソールを買う金があってもベルトを新調する金なんて僕は持ってないんです…(軽蔑しますか? して欲しくないが…)。
でもベルトは欲しい。
でも買いたくない。
ということで、自作することにしました。
物を作るのは好きだけど、人と比べるのは嫌な一般人代表として頑張るぞ!
材料をそろえる
材料はこちら。東急ハンズ渋谷店で揃えました。
〜材料〜
①:ベルトの革(3cm幅、4mm厚、長さはある程度で大丈夫ですし、売ってるのは一律でした)
②:打ち台(銀の丸いやつ)
③:穴あけ_ハトメ12号(革に穴を空けるやつ)
④:カシメ打棒(カシメをきれいに打てる棒)
⑤:特大カシメ_13mm足(ベルトについてる永遠に外れないボタンみたいなやつの事、足の長さはベルトの厚さに合わせて選ぶ)
⑥:トコノール(革の毛羽立ちを抑えるワックス。これを塗って革をなめしてるときが一番楽しい)
⑦:プレススリッカー(革の切り口のケバケバを抑える時に使う)
⑧:千枚通し(軽く使って目印などに使う)
⑨:バックル(バックル)
⑩:デザインカッター(穴を広げる時に使う)
⑪:ハンマー(穴を開ける時に使う)
デザインカッターとハンマーが写真に無かったり、その他にも細々としたものを使いましたが、ひとまず。
初めて作る時にネットで調べても意味がわからないし、ネットで買おうとしても道具がmm単位で変わってくるので、東急ハンズ渋谷店の革の専門スタッフに全部聞きました。
凄く丁寧に教えてくれるし、予算に合わせて選んでくれたり、穴あけの試し打ちなんかもさせてくれるので…。
革の下準備
買いたての革はこんな感じでケバケバしてる。これはダサいのでトコノールで毛羽立ちをおさえます。
そっち使うんだ。
アイスの蓋の裏だってまだまだ舐める人間なので、トコノールも蓋についてる物から使っていく。
こんな感じで塗っていく(指でもいい)。
ポイントは、革の表面にはつけちゃいけないこと(なんか染み付いちゃうらしい)。
もちろんこんな風にあふれちゃう事もあるけど、そんな時は少し焦りながらティッシュで拭こう!
全然難しい事はなく、ただ適当に塗りたくって、適当な布かガラスで革になじませるようにクリームを塗っていく。
楽しい。
気持ちは町工場の職人さんをイメージしてやろう。絶対にそれがいい。
〜数十分後〜
これがビフォー。
これがアフター。
つるつるすべすべになってかなり満足出来る。クリームは全然少量でいい。薄さはワセリンを肌に塗る時くらいの薄さが良いと思う。
でもめっちゃ疲れるし、
使った布が終わる。なんで負けたかわからないオセロみたいだ。
ベルトの先を決める
売り物なので、隅っこにタグ穴が開いてた。
そもそもベルトの布が長いから、最後には帳尻を合わせて切らなければならないのだけど、通す側のデザインを少し自分好みにデザインしてみよう…(デザイン二回言っちゃったよ…)。
それが楽しいんだろう。こういうのって。
少しアホなのでタグ穴を残しながらカットしてしまった。
そういうのは良いのよ。
適当にカットしても、ケバケバを取りさえすれば「味のある」と言えば許させる形に収まる。
手作りだとすべてのハードルが下がるし、自分のものになればもっともっと下がってジャンプする必要さえなくなる。適当に舐めてやるのが楽しい。
先を丸くするだけならどこでも見るので、せっかくだから穴あけの練習がてらもうちょっと遊んでみよう。
遊んだなぁ〜!
穴あけの道具が一本しかないので、口は穴をつなげてデザインカッターで整えていく。
カリカリ…
ぬりぬり…
ごぼんっ!
切断面のケバケバを抑えればベルトの先っぽ完成。
・・・
可愛すぎるだろJK…。
愛の癒着…。
愛着…。
穴を開けよう
次は穴を開ける段階へ入るので、一回片付けましょうか。
きれいになったので、つぎはバックルを付けますか…これはマジでどうにも説明が出来ないんですが…
これが!こう!合体する!イメージ!
バックル可動部の穴を開けましょう。
まずは、自分のベルトのサイズを確かめながらカットします。
そしてここだ! いける! と思った場所に穴を2つ開けます。が、この穴の大きさに関しても相変わらずの意味不明…。
そういえば、この穴の径だけは店員さんに聞いてメモしてたんだよな。
ブロス編集長の加藤さんのチャットにてメモをしていました。なんて失礼失敬
メモがわからんにも程がある。
「24mm〜25」まではわかるけど、そこからは一切わからない。なのでわかる所だけ「24mm〜25」くらいの穴を開けていきます。
ジーーッ…と。
こんな感じですね。専用の穴もあるけど、これで作れる方が安上がりと店員さんに言われました。(初心者向けではない気がするな)
「おい、お前今何支店の?(支店なんて変換しないで欲しい。”お前今何支店”なんて支店あるわけ無いだろ。んもう)」
と、思う人がいるかもしれませんが、「もうちょっと」でどの穴を作っていたかわかるはずなので…すみませんがお付き合いください。
実はこの部分の穴なんです。「もうちょっと」かなり早く来ましたね。
この銀の棒がスムーズに動くように、デザインカッターなどで調整します。
これが、
こうなる訳ね。
やっぱりかわいいな。
ハイパーキュート…。
ハイキュー…。
バックルを取り付けよう
あとは、このベルトが折り込んでいる部分を止める「カシメ」を成功させたらほぼ完成…。
果たして…。
打ち込んだ穴から印を付けて…。
ドキドキ…。
おじさん、どうだったの? 成功したの?
お、これは!?
うれしそう。良かったねぇ。
後はカシメを打ち付けるだけ。
ここにハンマーで打ち付ければ…。
ドキドキ…
おじさん、どうだったの? 成功したの?
お! いいんじゃない!?
良かったね。これは嬉しそうだわ。
「うん」
あー惜しい。
仕上げ
ベルトのいらない部分の革を切って…
大事な「穴あけ」が残ってます。
実際に自分の腰回りにあてがって、何処に穴をあけるかって言うもんですね。実際に付けてみないといけないし、中々難しいです。超緊張。
太ってんな〜。
位置が決まったら、ドンッと穴を開けます。
一個しか穴が開いてないベルトってかっこいいですよね。
ちょっとスマホでパノラマ撮ったんですよ。みてください。
うにょ〜〜〜ん。
失敗!
ってもんで、普通に撮った写真。
めっちゃかっこいいな。
ってことで…
完成!
おわり
ぼく、正直図工が大嫌いなんですけど、なんとなくでやったら出来ました。
元からあるものも使っているのでちょっとわかりませんが、予算的には9000円くらいはしちゃうかもしれませんね。
禿げ上がるくらい高いけど、穴あけの工具とかは食べたりしなければ一生使えるし、直せると思えば安いもん………いや、高いな。
とにかく、一人で黙々と作っていくのが革は楽しい。革って聞くところによると寿命が長いらしいじゃないですか? だからなんか作ってるときも楽しいんです。
寿命の長いものを作っているという実感が、今自分が生きている事につながっている気がしてね。
最後は自分の作ったベルトを締めて、記事も締めたいと思います! それではみなさんさようなら〜! また何か作れればいいな〜!
ダイエットしたほうがいいな。