こんにちは、株式会社バーグハンバーグバーグのまきのです。

映画といえば魅力的な登場人物が多数登場し、ストーリーに彩りをそえてくれるものです。スーパーおもしろ映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、主人公マーティ、変てこな発明をするドク、ガキ大将のビフ、息子であるマーティに惚れてしまう母ロレイン、気弱な父ジョージ、そしてリビアの過激派といったように、個性豊かなキャラクターが活躍し、あの素晴らしい物語が紡がれるのです。

たいていはそんな感じで多くの登場人物が出てきますが、中にはたった一人しか現れないという映画もけっこうあったりします。今回はそんな「画面上には一人しか登場しない映画」をいくつかご紹介したいと思います。もうすでに知ってたらすいません。私より詳しい映画好きの方は「浅い」と思うかもしれませんが、大目に見てください。

■気がついたら地中に埋められてた![リミット]

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リミット

【あらすじ】

棺に閉じ込められた上に地中に埋められた男が何とか脱出するために頑張る話

最初は全編「棺に閉じ込められた人」しか映らない「リミット」という2010年のスペイン映画です。主演は先日「デッドプール」が見事大ヒットしたライアン・レイノルズ。90分ずっと閉じ込められ、ひたすら脱出の糸口をその男の視点だけで描かれるという攻めた内容です。

これだけじゃ絶対飽きてしまうやん…?と思いそうですが、それを成立させるのがライアン・レイノルズの緊迫の一人芝居。たった一つの生命線である携帯電話を駆使して孤独に助けを求める姿が記憶に焼き付く傑作です。少し疑問点は残ってネット上では様々な議論や考察が交わされているのですが、それもまた公開後にも話題になっている証拠かなと思います。

【予告】

予告に戦場カメラマンの人が出てきて時代を感じますね

■車の中で電話するだけ!「オン・ザ・ハイウェイ その夜86分」

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オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分

【あらすじ】

アイヴァンは何不自由なく家族と幸せに暮らし、仕事も順風満帆な普通の男。しかし一夜限りの不倫相手が彼の子どもを産むという連絡が入ってしまった。過去にたった一つ犯した過ちを正すために不倫相手のもとに駆けつけようとするこの夜の行動が、家族・仕事、彼を取り巻く全てを失う引き金となるのであった…。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でマックスを演じたトム・ハーディの演技力がただただ冴え渡る力作。「登場人物はトム・ハーディ一人だけ」「舞台はハイウェイを走る車中だけ」「会話は電話だけ」「ほぼリアルタイムで進行する」という縛りプレイにも関わらず90分の映画を成立させているんです。すごすぎません?

電話の内容は主に三つ。妻・息子二人(10代後半)との「家族とこれからどうするか問題」、仕事先の上司・同僚との「明日の仕事どうするか問題」、そして不倫相手との「産まれてくる子どもどうするか問題」が並行して展開されて、一つ一つの言葉で喜怒哀楽の感情があらわになるトム・ハーディの演技力と人間臭さがもう素晴らしくて、おひねりを上げたくなるほど。マッドマックスみたいに大爆発や猛スピードでのカーチェイスは一切ありませんが、しっとりとした夜のハイウェイは時に幻想的にも見えて、視覚からも飽きさせることはありません。

【予告】

■エミリーは何故死んだのか?「私はゴースト」

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私はゴースト

【あらすじ】

規則正しい生活を送るエミリー。しかし寝室に入る時だけ声が聞こえてくる。「私は霊媒師なんだが、あんた死んでまっせ」と。え〜!私幽霊なの〜!?でも何で死んだのか思い出せない…!っていう話

最後は非常にトリッキーな演出が光る良作。定点カメラで捉えたような映像の繰り返し、登場人物はエミリーのみで霊媒師は声しか聞こえない、BGMもほとんど無いというシンプルな構成ながら、それらが得体のしれない薄ら寒さを感じさせる良い作用にもたらしている隠れた良作です。

若くして死んでしまったエミリーの心情を描きつつ「なぜ死んだのか」というところを究明していくサスペンス的な要素を持たせながら、後半は一転してとんでもない超展開になり、それがマジで恐ろしいという落差もかなりの見ものでした。75分とコンパクトにまとまっているので忙しいあなたにもピッタリです。「俺こんなん知ってんねん」という自慢のアイテムにもなるかもしれません。

【予告はかなり怖いので音ありで見てください】

■気になったら見よう

私からは以上です。一人芝居が見たい時はぜひこちらを見てみてください。

それではさようなら。またいいのがあったら紹介します。