株式会社バーグハンバーグバーグのまきのです。
本日はNETFLIXオリジナルドラマの話をさせていただきます。
オンラインの映像ストリーミングサービス「NETFLIX」はオリジナルドラマ・映画を制作しておりまして、その中でも「ハウス・オブ・カード 野望の階段」、「ナルコス」などの話題作がありながら、80年代の古きよき映画のオマージュが詰め込まれた傑作「ストレンジャー・シングス 未知の世界」、現代風刺が痛快なブラックユーモア短編シリーズ「ブラックミラー」などあって、私は後者の二つを見ておけばNETFLIXは「攻略」したと言ってもいいと思っていました。
でもまたもう一つコレクションに加えるべき傑作ドラマがあったのでお知らせいたします。
「私立探偵 ダーク・ジェントリー」。これですわ。
タイトルだけ聞くと「探偵のダーク・ジェントリーが殺人事件を解決していく一話完結のドタバタコメディドラマシリーズかな?」と思いがちなんですけど、私は第一話を見てひっくり返りました。いや、「ひっくり返らせていただいた」という表現が適切かもしれません。なにしろ、第一話の50分間で、ガチで訳の分からん出来事がひっきりなしに起こりまくるんです。
大富豪の「パトリック・スプリング氏殺害事件」が起こって、それを私立探偵ダーク・ジェントリーが追う…というのが大きな軸なんですけど、とにかくもう謎の展開が起きすぎ。ざっと箇条書きにすると…
・相棒となるトッドがまず開始3分で何故か自分そっくりの人物とばったり遭遇する
・娘のリディア・スプリングも誘拐されている
・何故か同じ「犬」がひっきりなしに現れる
・殺害現場はホテルの最高層なのに何故かサメの噛み跡が多数ある
・ダークが何故か突然トッドの目の前に現れて助手としてスカウトする
・何故かダークは謎のエージェントにライフルで狙われている
・トッドが住む部屋の上の階では何故か黒人女性が拉致監禁されている
・4人組なのに「荒くれ3人組」と名乗る謎の集団が突然現れる
・その荒くれ3人組は何故かダークの”生命エネルギー”を吸い取る
・それとは別に謎の女殺し屋がどこからともなく現れてダークを殺そうと動き出している
・スキンヘッドの二人組が突然現れて黒猫を探している
みたいな感じでとにかく今挙げた以外にも細かい伏線を恐ろしいほど凝縮させた展開で、1話だけ見た程度ではマジで全く理解できません。推理ドラマにありがちな「探偵が犯行のトリックをバシッと指摘し、犯人がしょぼ〜んとなる」という気持ちいい展開を期待して見たらマジで肩透かしを食らうことは請け合いです。
▼配信情報 ┃タイトル:『私立探偵ダーク・ジェントリー』┃配信表記:Netflixにて配信中
でも、あなたは絶対に続きが見たくなる。それはダークの決め台詞にあります。
「全体論的私立探偵」であるダーク・ジェントリーは物事を全体論(対象を単なる要素の総和ではない独自の一まとまりをなす存在としてとらえようとする立場)で捉えていて、仕切りに「全ての出来事はつながっているんだ」と言いながら突き進んでいくんですよ。
これこれ、このセリフ。「全ての出来事はつながる」て。
第一話の時点で絶対につながることがなさそうな超展開の連続なのに「これが全部つながるん…?」と思ったらめちゃめちゃテンション上がりません?気付いたらもう全8話一気見してました。あれよあれよとつながっていく終盤の展開は最高に気持ちよすぎて死ぬかと思いましたよね…。おもしろポイントは他にも山ほどあるんですが、これ以上言うと興を削いでしまうので、この記事見たらすぐに見て欲しいものです。
▼配信情報 ┃タイトル:『私立探偵ダーク・ジェントリー』┃配信表記:Netflixにて配信中
原作小説は「銀河ヒッチハイクガイド」が有名なイギリスの作家ダグラス・アダムスが1987年に出版した「Dirk Gently’s Holistic Detective Agency」なんですが、そこに「クロニクル」や「エージェント・ウルトラ」の脚本家マックス・ランディスが現代風に大幅なアレンジを加えたものになってるので、原作を全く知らなくても楽しめます。
ダークはナヨナヨしてるのにベラベラと喋りまくるウザキャラで、相棒のトッドもそれに振り回される不憫な役回りという関係性も楽しいですよ。脇を固めるキャラクターも普通のドラマにしてみたらめちゃめちゃ多いんですが皆魅力的なので全員応援したくなることは間違いなし。ちなみに私のオススメはパトリック・スプリングの娘であるリディア・スプリングちゃん。誘拐されている時点で可哀想なのですが、見つかった時にはさらに大変なことになってて、「これはこれでアリ…」と思ってしまいました。
とにかく謎過ぎる超展開が逆に癖になる「私立探偵ダーク・ジェントリー」。残念ながらシーズン2で打ち切りになってしまいましたが、オススメです。シーズン2も、とにかくスゴイ!