恥ずかしいことを言うけど、ウケたい。みんなを笑わせて面白いやつだって思われたい。
恥をしのんで白状したが、みんなだってそうに違いない。違うとは言わせないぞドスケベどもめ。
そんなドスケベな我々にうってつけな本を手に入れた。
これだ。『欽ちゃんのコント事典』だ。日本で知らぬものはいないコメディアン、欽ちゃんこと萩本欽一氏の名を冠したコント事典だ。
奥付けページ。書いてある通り、あの小学館の学習雑誌『小学四年生』の付録だったものらしい。発行年月日は昭和51年4月1日。全然わからないので調べてみたら、かの『およげ!たいやきくん』や『なごり雪』が発表された年だと言う。アイドルでいうとピンク・レディーが活躍していた頃。『徹子の部屋』が放送開始されたのもこの年だ。
平成生まれが漠然と思い浮かべる「昭和」のイメージがまさにこの昭和51年頃なのではないか。
そんな昭和真っ只中に書かれたコント事典で学んで面白人間になってやろうじゃないか。中身を見ていこう。
欽ちゃん氏の顔が若い。書いてあるとおり、この本は読者から集めたコント(会話ギャグ)を掲載している本だ。欽ちゃん氏は構成を担当しているらしい。
さて小学四年生の読者といえば、当然小学四年生に決まっている。つまりこの本は昭和の小学生が考えたコントが満載されているのだ。
きっと皆さんは「昭和の小学生が考えたコントだと、そんなものが面白いのか? 大丈夫か? うんことかちんこしか無いのではないか?」と思っていることだろう。俺も読むまではそう思っていた。だがその実態は想像以上に尖っていた。
第一部 “かあちゃん”ばかうけコント集
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P7より)
第一部は母親がテーマ。小学生の世界は学校五割母親五割と言っても過言ではない。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P10より)
早速ギンギンに尖っている。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P13より)
「まあ、仕方ねえよな」みたいな反応で受け入れられる死。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P23より)
三つもつけられた3点リーダーから狂気を感じる。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P26より)
容赦ない死ネタ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P33より)
昭和小学生、うんこちんこよりも「死」が好き説。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P41より)
もはやただの暴言。
第二部 かんちがいコント集
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P63より)
第二部はかんちがいコント集。コントとしては王道な題材だが、昭和の小学生の手にかかればこうだ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P64より)
カジュアルに死ネタ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P71より)
これは声出して笑ってしまった。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P83より)
アメリカンジョーク風、死ネタ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P102より)
殺意MAX。
第三部 ドンとうけうけコント集
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P103より)
ドンとうけうけコント。言葉の意味はわからないが、とにかくなんでもありということだろう。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P107より)
いきなり全力でなんでもあり感を出してきた。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P126より)
ただの暴言シリーズ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P128より)
これも声出して笑ってしまった。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P111より)
欽ちゃん氏が占める割合がすごいシリーズ。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P113より)
なんだ、その表情はどんな感情なんだ……。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P120より)
めちゃめちゃ尖ったネタと、欽ちゃん氏。
以上、『欽ちゃんのコント事典』から昭和の小学生が考えたコントを紹介してきた。思った以上に尖っていたし、何よりゲラゲラ笑ってしまった。すごい。
最後に、欽ちゃん氏について書いてあるページを紹介して終わりにしよう。
(小学館『小学四年生4月号ふろく 欽ちゃんのコント事典』P114より)
「コントでわらい、頭の回転ばつぐんの子になってね。」という欽ちゃん氏からのメッセージが暖かい。
俺も平成の成人男性だけどコントで笑って頭の回転ばつぐんの人間になりたいと思う。