突然だがデビルマンをご存知だろうか。
人類なら一度は読んでおいたほうが良い超名作、今年で画業50周年を迎える永井豪先生の傑作漫画『デビルマン』の話だ。
あんまりよく知らないけど名前くらいは知ってる。実写版だけ見た。もしくは全く知らないという貴方。
完璧だ、デビルマン入門するなら今しかない。今が最高のタイミングだ。
この記事を読み終えたら早速デビルマンに手を出すべきだ。そうに決まっている。
なぜならばつい先日、Netflixにてこの漫画『デビルマン』をベースにした新作アニメ『デビルマンCrybaby』の配信が開始されたばかりな上に、この『デビルマン』を連載当初に限りなく近い状態で復刻した『デビルマン -THE FIRST- (1)』が1月26日に刊行されるからだ。
(C)Go Nagai/Dynamic Production
※以下、アニメ版キャプチャはPVより引用させていただいてます。
今がデビルマン入門に完璧なタイミングというわけだ。
そもそもデビルマンってどんな話なの
できればこのまま何も知らないまま手を出して
「ハァーーー!?!? マジでーー!!?? スゲー!!!」
となって欲しいところだが、多分そうもいかないと思うので超簡単なあらすじを紹介しよう。
主人公不動明は親の事情で親の友人の牧村さんとこに預けられているおとなしい少年。
ある日親友のヤバいやつである飛鳥了から人類以前に地球を支配していたデーモン(悪魔)というヤバいのの存在を聞かされる。
デーモンは長い眠りから目覚め、人類に代わって再び地球を支配しようとしているのだ。ヤバい。
デーモンは他の生物と合体する能力を備えており大変ヤバい。
デーモンと戦うためにはデーモンとわざと合体し、強い意志でデーモンの意思を押さえ込み、人間の心を持ったままデーモンの力を手に入れるしかない。
飛鳥了の誘いに乗った不動明はヤバい騒ぎの末にデーモンの勇者アモンとの合体に成功、悪魔の力と人間の心を持ったデビルマンとなる。
デビルマンとなった不動明は人間のためデーモンとのヤバい戦いに身を投じていく。
頑張れデビルマン!
だいたいこんな話だ。
旧TVアニメ版に関しては人間と合体した悪魔が人間側について悪魔と戦うという基本的な設定は同じだが話は全然別物なので本記事では割愛する。
ダークヒーローものとしての面白さ、格好良さはもちろん最高なのだが、本作が名作だと言われる所以は終盤の展開の凄まじさにある。
本当にものすごい展開になっていくのだけど、そこに関してはできるだけ何の知識もない状態で触れて欲しいのでこれ以上は書かないぞ。
原作漫画とCrybabyどっち見りゃいいの
どっちもだ。
なぜならCrybabyは漫画版をベースにしてはいるが、設定の変更やオリジナルシーンの追加、また原作のエピソードの削除がかなりある。めちゃめちゃある。
同じようなストーリーで同じような結末を迎えるが別物と言っていいほど違う。
「このアレンジ最高」というところもあれば、「原作のアレカットしちゃうの!?」というところもかなりあるのだ。
講談社漫画文庫 デビルマン(1) P82より (C)Go Nagai/Dynamic Production
Crybabyではカットされてしまった俺が好きなシーン、デーモン族の歴史が刻まれた被り物を被って明を説得する飛鳥了。
大きなネタバレを避けつついくつか違いを紹介するので、気になった方から手を出してみると良いだろう。
ヒロインの性格がえらく違う
デビルマンのヒロイン、牧村美樹ちゃんだ。最後えらいことになるシーンが有名。
原作版、Crybaby版、共に不動明が居候している牧村家の娘という設定は同じだがその性格がえらく違う。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Qg0i0nm35TE
こちらがCrybaby版の美樹ちゃん。可愛い。めちゃめちゃ優しい。
陸上部でめちゃめちゃ足が速い上にとにかく人がよくて、誰からも好かれる完璧人間として描かれている。本当に良い子。
講談社漫画文庫 デビルマン(1) P46より (C)Go Nagai/Dynamic Production
一方こちらが原作版の美樹ちゃん。可愛い。そして口が悪い。
講談社漫画文庫 デビルマン(1) P49より (C)Go Nagai/Dynamic Production
平手美樹の異名を持つほど気性が荒いタフガールだ。
どちらでも美樹ちゃんは壮絶な運命をたどるが「あの超良い子の美樹ちゃんが……」と「あのタフな美樹ちゃんが……」と受ける印象が変わることだろう。
ミーコがえらく違う。
原作版、Crybaby版、共にミーコというキャラクターが登場するがその扱いというか設定がかなり違う。
講談社漫画文庫 デビルマン(4) P30より (C)Go Nagai/Dynamic Production
まず原作版ミーコ、かなり後半から登場する。万引き常習犯で帽子がチャームポイント、風呂でも帽子をかぶる。
講談社漫画文庫 デビルマン(4) P26より (C)Go Nagai/Dynamic Production
なんと彼女も不動明同様デビルマンで、おっぱい、おへそ、お股から汁を飛ばして敵を溶かすという力を持っている。ヤバい。
読者に強烈な印象を残すキャラだが出番はそこまで多くない。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Qg0i0nm35TE
こちらがCrybaby版ミーコ、明や美樹ちゃんと同じ陸上部の友人として最初から登場する。可愛い。
そしてこちらではもう一人のヒロインと言っていいほどの重要キャラになっている。もうホントえらいことになる。
不良たちがえらく違う。
冒頭でデビルマンとなる前の明と美樹ちゃんに絡んで、後日デビルマンと化した明にボコボコにされる不良というのがどちらにも登場する。どちらでもかなり重要なキャラクターたちとなる。
講談社漫画文庫 デビルマン(3) P217より (C)Go Nagai/Dynamic Production
こちらが原作版。わかりやすく不良だ。持ち物がバイオレンスだ。見た目通りちょっとひょうきんなキャラクターたちだが彼らも明と出会ったことで壮絶な運命に巻き込まれていく。
こちらはCrybaby版。彼らは不良というよりはラッパーだ。ことあるごとにラップを披露する。やけに耳に残る。そこまで暴力的なキャラクターではないが、原作の不良たち同様壮絶な運命に巻き込まれていく。
飛鳥了がなんか違う。
デビルマンのもう一人の主人公、不動明の親友、飛鳥了。大変ヤバいやつで大人気キャラクターだ。俺も大好きだ。
もちろんCrybabyにも登場するし、設定は多少違えどその役割はどちらでもあまり変わらない。だがなんか違う。
講談社漫画文庫 デビルマン(1) P52より (C)Go Nagai/Dynamic Production
講談社漫画文庫 デビルマン(1) P114より (C)Go Nagai/Dynamic Production
こちらが原作飛鳥了。もみあげが鋭利で超すごい。かっこいい。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Qg0i0nm35TE
こちらがCrybaby版飛鳥了。なぜかかりあげだ。なぜなんだ。だがこの見た目にCV村瀬歩さんがドハマりしており、ヤバい美少年が完成している。
他にも原作とCrybabyの違いは山ほどあるがキリがないのでこの辺にしておこう、気になった方から手を出すといいだろう。
原作漫画ってなんか色々種類あるみたいなんだけど……
漫画『デビルマン』に手を出すときに注意しなければならないのは、その種類の多さだ。
長年愛されてきた名作なのでやたらと加筆修正番が出ている。
映画に詳しい人はブレードランナーのバージョンの多さを思い浮かべてくれ、あんな感じだ。ホント多い。
ではどれがいいのか、入手が容易なものに絞っていくつか紹介したい。
一番オススメしたいのは1月26日から3巻にわたって刊行される『デビルマン-THE FIRST-』だ。
原作を雑誌連載当時に限りなく近い形で復刻している。
デビルマン好き好きおじさんたちは口を揃えて「最初のが一番やべえ」と言うので、俺のような生まれた時にはとっくにデビルマンは過去の作品だったようなファンはなかなか体験できずに悔しかったのだが、この度ようやくその最初の形態で手に取ることができるようになった。
ただちょっと高いし、全巻出るまで少し待つことになる。
次にオススメなのは講談社漫画文庫版だ。全4巻のとか全5巻のとかあってややこしいが、今本屋に並んでるのはだいたい新装版の全4巻のやつ。
何より手に入れやすい。デビルマン以降に描かれた『新デビルマン』という外伝作品が普通に本編の一部として収録されている。これも面白い。
電子書籍版のデビルマンはebookjapanから配信されている。初期のバージョンにかなり近い。全巻買っても2000円だし一番手っ取り早いかもしれない。
なんども加筆修正されてるんなら最新版が一番良いに決まってんだろうがという方には画業50周年愛蔵版デビルマンというのが現在刊行されている。全5巻。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Qg0i0nm35TE
さあNetflixに登録してデビルマンCrybabyを見るもよし、原作漫画版を購入するもよし、どちらにせよ一生忘れられない強烈なパワーがある作品だ。
間違いなくしばらくデビルマンのことしか考えられない体になるだろう。
ぜひ貴方も思い切って今からデビルマン入門してくれ!!!!!
━━━━━━━━━━━━━━━
Netflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」
Netflixにて全世界独占配信中
全10話(1話30分)
作品URL: https://www.netflix.com/title/80174974
━━━━━━━━━━━━━━━
おわり