中学の卒業式、「仰げば尊し」で声を震わせる同級生を見て、ヘンに思っていました。練習であれだけ歌わされているのに、どうして今更泣くのか、と。我ながら感受性の乏しい子どもでした。

それがどういうことなんでしょうか。大人になって、急に涙もろくなってしまって。

これまでに感動して泣いた経験がまるでなく、“免疫”をつけてこなかったせいか、たまに涙腺が制御不能に陥るようになりました。アニメ見てるだけでも、目頭が熱くなることが多々あります。

そういうわけで、今の僕を一言で表すなら「感動の感度が3000倍になったアラサー」。あ、ついでに言うと、キショ松は自宅だと全裸かそれに準じた服装で過ごしがちです。これ豆知識な。

 

ラストまで視聴できないくらいキツかった……いや、素晴らしかったアニメは、劇場版ガルパンですかね。

感動の感度が高過ぎるとね、もはやストーリーとか関係ないんですよ。普通に戦車が走ってるだけで目頭が熱暴走しちゃうのです。ああ、おにゃのこ達が頑張ってるな、ステキだな、って。

みほちゃんも麻子ちゃんも優花里ちゃんも一生懸命やってるんだな。おじさん、頑張ってほしいな。画面の向こうから皆を応援しちゃうぞ!ファイトだよ!

輝いてるぞ!うらやましいぞ!俺も学生時代にそういう仲間が欲しかったんだぞ!でも叶わなかった。人の絆の大切さも分からないようなバカだったんだよ!……後悔してるに決まってるだろ!

囚人の足かせみたいなものさ。いくら逃げたって、過去という足かせはどこまでも付いてくる。走るほどにジャラジャラ鳴って、鉄球が俺の足を殴りつけやがるんだ!

10年以上たった今でも、この足かせは錆びず、腐らず、衰えず、傷は癒えることがない。「逃げ出しちまえば、全てチャラになる」なんてガキの思い上がりだったんだよ。知らなかったのさ、自分という独房からは逃げられないとね!

……ごめん、分かってるよ。これが人生なんだ。だからこそね、みほちゃん。いや、大洗女子学園のみんな。君たちには、俺の分までセ・イ・ シ・ュ・ンしてほしいんだよ……!

 

で、ハートフルになって、目がうるんじゃって。鼻すすって下向いたら、視界に飛び込むのは己のちんぽこ。ちいちゃくって、ふわっふわ。

おまけに皮にすっぽり包まれて、お魚さんみたいな匂いがします。ま、自分なりには洗ってるつもりなんで、「でも、俺は悪くないから」って思ってますけどね。

 

 

 

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