俺は昔、とあるゲーセンの常連だった。
そこはゲーム機は10セットもない小さな店舗だったが、格闘ゲームの大会などをニコ生で配信していた為ネットでは有名だった。(『中野TRF』と言えばわかる人はわかる)故に常連も多く、夜や休日は勿論、平日の昼間ですら大学生や無職が訪れてゲームを遊んでいる。
その日もいつものように、当時大学生の俺と男達数名がたむろしていた。平日の昼過ぎに。
事件は突然起きた。
「今日は普段やれねぇゲームでも動かすかなぁ」
店長が突然、普段使っていない基板(業務用ゲームソフト)を倉庫から引っ張り出し、ゲーム機に突っ込んだ。
電源を投入すると、モニターに映ったのは懐かしさを感じる美少女が描かれたタイトル画面。
「え、これ脱衣ゲーじゃないっすか?」
脱衣ゲーム。
ゲーセンが今よりアングラだった頃の過去の遺産。
要はゲームをクリアすると美少女(死語)が服を脱いだりしてエッチなイラストが拝めるゲームだ。