秋も深まり、肌寒さとともに人恋しさを覚える季節。
この会合はひっそりと開かれる。
「お待ちしておりました」
「私、千シコ利休(せんのしこりきゅう)と申します。
このシコ利休庵をお訪ねになったということは、あなた様もセックスレスかとお見受けします。さあさ、ごゆるりとお寛ぎください」
千シコ利休(せんのしこりきゅう)
妻とのセックスレスが高じて、年に1000回以上シコる茶人。年に数回、セックスレスの俳人をシコ利休庵に招く。その茶会に招待されることは大変名誉なこととされている。
「大変不躾ではございますが、躙り口からお入りくださいませ。勃起したチンポでの入室は固く禁じておりますゆえ…」
「この度はお招き頂きありがとうございます」
「お顔をお上げください。みなさん、長旅でお疲れでしょう。茶を点てましょう」
「TENGA MEN’S CHARGEでございます」
「アルギニン、シトルリン、亜鉛酵母をはじめとした、18種類の成分を配合しましたTENGA様の新製品のゼリー。飲むと男がアガるとのこと。お口に合うと良いのですが…」
「マカも配合とは有り難い。お点前頂戴致します」
カリ原ナニ平(かりわらのなにひら)
セックスレス歌人としてその名を馳せている既婚者。歴史書にも「略無性交、善作倭歌」として、「セックスレスだが和歌は素晴らしい」と意味で綴られている偉人。常にスケベなことを考えている。
「では、ワシも。んぐんぐんぐ! っぷはー、トンカットアリエキス末が五臓六腑に染み渡るわい!」
子種田珍宝火(こだねだちんぽうか)
自由律セックスレス俳句で有名な俳人。妻と子どもを置いて放浪を続ける孤高のセックスレス。「無駄に無駄を重ねたような一生だった、それにザーメンをたえず注いで、そこから句が生まれたような一生だった」と後年、日記にそう記した。
「うむ、この味…、馬の心臓が入っておりますな。結構なお点前で…」
マラ尾馬精(まらおばしょう)
馬並みの精力を持つセックスレス俳人。精風と呼ばれる性欲の極めて高い句風を確立し、後世では「俳精」として世界的にも知られる。馬精が「おくのほそ道」という言葉を使う時は、もちろん下ネタである。
「心なしか身体も温まって、何かこう、一句詠みたい気分ですなぁ」
「さすがは馬精殿、アッチの方も俳句もやる気満々ですな」
「どれどれ…」
「嫁が土曜出勤なもので、土曜日に嫁が出かけた後はそりゃあシコり放題というもの…。四六時中センズリこいて、最終的にはちんちんがカキツバタみたいな綺麗な紫色になりますわな…」
カキツバタ
「実に馬精殿らしい、性欲が強くて美しい句ですなぁ」
「セックスレスで嫁が土曜出勤とくれば、することは1つですわい」
「カキツバタの色までいったら、完全に壊死してますな」
「ふむ、麿も浮かんできましたぞ」
「やはりセックスレスたるもの、このような気の迷いとは切っても切れぬ関係。熱に浮かされ五反田まで足を運んだはいいが、最後の一歩を踏み出す勇気がなく引き返す。しかしそのおかげで夫婦間の平和は今日も保たれている、というわけですな」
「いや、見事! その一歩を踏み出してしまえば何かが壊れてしまう…。セックスレスの絶妙な心持ちを描いた句ですな!」
「五反田はセックスレスの季語」
「お見事です。では、こういうのはどうでしょう?」
「返歌というわけではありませんが…」
「言わずと知れた個室ビデオ『花太郎』の句をしたためました。利用時間内にできるだけ多くシコりたい。しかし、どんどんチンポに元気はなくなる。『負けるなチンポ!』と応援したくなる想い、そしてそこにこそセックスレスの本懐がある、という拙句でございます」
「うーむ、実に味わい深い句じゃ…。あいやお見事」
「僭越ながら、五反田のネオンに消えたい時は、カリ原殿も『花太郎』に行けばよろしいかと…」
「これは一本取られましたわ!」
「ちなみに、『花太郎』の利用時間は店舗によって異なりますゆえ、ゆめゆめお忘れなく。同じ値段でも目黒は60分、蒲田は90分、五反田店は120分。断然五反田がオススメでございます」
「さすがはシコ利休殿じゃ…。ワシもそこを根城にしてもいいかもしれんのう」
「うむ、ワシもできましたわ」
「こうもセックスレスが続きますと、もはやチンポが何であったかを忘れてしまいますわい。チンポとは小便を出すための装置だったかな、と自問しておる最中です」
「子種田殿の自由な排律には毎度驚かされるばかりです。セックスレスの胸中が真っ直ぐ伝わってきて、誠に素晴らしい句ですな」
「ううむ、これを『句』と呼ぶかは置いておいて、セックスレスの本質を端的に表現する手法は認めざるを得ませぬ」
「お見事。子種田殿のような自由なお方がセックスレス俳句の新たな境地を切り拓くのでしょうなぁ」
「わははは! 今日はまっこと善き会ですなぁ!」
「名句が生まれましたわ!」
「このまま酒でも飲みたい気分ですわい」
「………………」
「どうですかな、みなさん…」
「嫁を抱いて、己の句に七七を付け足してみては…?」
「シコ利休殿! い、い、今、なんと……?!」
「我々はいつからこうなったのですかな…」
「やい、シコ利休め! おぬしはセックスレス俳句を愚弄する気か!!」
「セックスレスになってから、ごく短い期間のような気もする、悠久の時が流れたような気もする…」
「シコ利休殿! 言ってよい事と悪い事が…」
「よもや、婚姻を結んだ当初から、嫁抱かぬバカはおるまい…」
「やめてくだされ! 聞きとうない!」
「そこなTENGA MEN’S CHARGEを差し上げます。どうかお役立てくだされ。それでは私は、これにて失礼…」
「ふ、ふん…。エセ茶人め…! 馬鹿馬鹿しい、嫁を抱くなどと…」
シコ利休の元に、文(ふみ)が届いた。
「カキツバタは花を落としても、二季咲きといって1年に2度花をつける品種もある。たとえセンズリをこき過ぎてカキツバタのように亀頭が紫色にうなだれても、妻とセックスを咲かす胆力があったわけですな」
「五反田のネオン街に消えてゆく勇気はなく、おとなしく家に帰る。そしてネオンの代わりに家の明かりを灯し、今日こそは嫁を抱くのです…」
「本当に大事なことは、放浪の果てではなく、意外なほどすぐそばにあったんですな。もう自分探しやめて就職しよ」
「みなさん…、ついに至したのですね…。では私も…」
「お粗末様でございました」
それから…
~終~
「サソリ」や「馬の心臓」入り!?
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