ふと、「ランドセルのこと全然覚えていないな」と思った日があった。

 

もちろん「ショルダーバッグでしたよね?」とかそんなレベルで覚えていないわけじゃない。シルエットくらいは覚えている。

しかし、細かいパーツや詳細な構造を思い出そうとすると、最近使っている無印良品のリュックサックが混ざってきて上手くイメージできない。

年下の親戚や友人が少ないことも相まって、ランドセルをしっかりと見る機会がほとんどないことが原因かもしれない。

 

「他の人もそんなもんなんだろうか」と気になり、オモコロのライターの皆様に協力していただき、簡易的なアンケートを取ってみた。

 

結果はこちら。予想と反して「隅々まで覚えている」「大体は覚えている」という人が圧倒的に多い。私のようにぼんやりとしか覚えていない人は結構少数派のようだ。

 

なんとなくこう思った。

 

 

 

 

というわけで、今から勘でランドセルを作ります。

 

私野台詞(わたしのせりふ)と申します。よろしくお願いします。

 

<この記事に登場する人>

私。ランドセルのことを全然覚えていない人。

私が最近使っている無印のリュックサック。話し相手になってもらう。

勘で作ることにこだわりたいからぶっつけ本番でランドセルを作るよ。

写真を参考にしたりはしないの?

 

うん。こういうルールで作ってみようと思う。

難しそうなことやろうとしているね。頑張って!

 

(※この記事では正確にランドセルを模倣することではなく、小学生時代の曖昧な記憶のまま再現を試みることを目的として進めて参ります。
敢えて何も調べずに記憶を辿る過程を楽しむのが目的であることをご理解いただけると幸いです!)

 

作りました

とりあえず、完成品を見せるね。

おっ。早速だね。

こちらです。

 

 

 

 

こりゃひどい。

 

 

これがランドセル…?しなしなじゃないか。

無理だった…… 勘と記憶と、あと私の工作スキルではこれが限界でした。

工作系ライターがたくさん活躍しているWebメディアなのに。

 

でも一応背負えるよ。

ランドセルに見える!?

ぐしゃぐしゃでよく分からない。

そっか…… どうしてこうなっちゃったのやら。

本当だよ。どうしちゃったの?

 

それじゃあ、まずは制作中の私を見ていただくよ。どうしてこんなランドセルができたのか分かると思うから。

ぜひ見せてほしいな。こうなってしまった原因を分析しよう。

 

 

勘ランドセル故のミスを振り返ろう

時は数週間前に遡る……

まずはランドセルの材料を考えよう。

 


<当時の再現>

えっと……なんかツルツルしてたから……

 

よ~し!シリコンの塊をたくさん注文するぞ~!

 

嘘でしょ……?「わざと面白くしよう」とかしなくていいんだよ。

違うって!なぜか思い込んでいて……

いつ気づいたの?

シリコンを注文し終えた直後。「いや革じゃん……」ってなった。

 

見てよ。こんなにペラペラ。

革を加工するのは大変だしどっちにしろ別の素材を代用しただろうけど…… 思い込んだ人間は怖いね。

 

材料が揃ったときにはシリコンは大間違いということに気づいていたため、すでに若干萎えつつ制作を始めました。

 

 

まぁとにかく、箱っぽいリュックを作れば良いわけだよね。

 

シリコンを糸でつなげるって意味分からないな。

 

 

……ランドセルの上って、どうやって塞がってたんだっけ。

…………

 

そっかそっか、長い蓋が付いてるんだった!危ない危ない……

 

 

覚えてなさすぎる。

違うんだって。作る前はもっとイメージできてたんだけど、作りながらだとパニックになる瞬間があるの。

思い出しながら、忘れて行ってもいたんだね。

私以外の人がやっても「思い出しながら・パーツを繋げる順番を考えながら・作りながら」の3つが揃えば絶対戸惑うはず。

設計図を描くのがOKのルールだったらもうちょっと再現できたかも?

 

覚えてないぃ~~~。

 

なんか指サック2個になってるし~~。

 

てかこれ絶対プラ板買い過ぎちゃってる。

 

ん?あれ?

 

へニャン……

自立しない……

 

シリコンだもの。そりゃへにゃへにゃだよ。

ランドセルを形作ったら、勝手に自立するのかと思ってた。

浅慮だね。

 

もぉ~~~っ!!!

 

 

 

次の日

 

引き続きシリコンを糸で縫い付けています。

ちなみにシリコンは非常に柔らかい素材で、針を刺した瞬間裂けてしまうこともあるため、率直に言って裁縫との相性は最悪です。

 

正面にポケットがあったのは覚えている!ここに家の鍵とかポケットティッシュとか入れていたはず……!

 

それと、サイドポケットを作る分を切り取らなきゃ……

 

 

……サイドポケットは……無い……んだっけ……?

 

 

僕に影響を受けすぎだよ。

いつもお世話になっているから。

きみは全ての物をサイドポケットに詰めるものね。

この前は折り畳み傘歯ブラシセット眼鏡ケースコンタクト液を一つのサイドポケットへ突っ込んでごめんね。

 

そうそう。色はピンクにしました。

私が使っていたランドセルが実際にピンクだったからです。流石に色は覚えていました。

ランドセルの色を自分で選んだっていう人多いよね。私は母が勝手に買ってきた。

「自分で選びたかった~!」みたいにならなかったの?

そういえば「そういうもんか」としか思わなかったかも……?

受動的な子どもだ。

 

考えてみると、私がランドセルのことを全然覚えていないのは、当時からランドセルに対するこだわりが無かったことも理由の一つなのかもしれません。

 

あぁでも……ランドセルがピンクだとぶりっ子狩りが辛かったなぁ……

ぶりっ子狩り……?

私の母校はぶりっ子への排外主義の姿勢が強固で、疑われると仲間外れにされてたんだよ。ピンクの持ち物はかなりぶりっ子の疑いを向けられて大変だった……

可哀そう…… 大丈夫だったの?

なんとかね……

 

「紫だ」って言い張ってた。

無理がある。

 

「日焼けしてピンクっぽくなっちゃっただけ」とかいろいろデタラメ言ってたよ。

そんなことで嫌われないでしょ。

 

あり得るよ。「『火垂るの墓』観たことない」と言ったら「目立つために嘘をついている」と疑われてすごい嫌われちゃったこともあるし…

なんでそんな殺伐としてたの……?

分からない…… もう本当…… 厳つい子が多かった……

 

小学校生活がちょっとばかり大変だったのも、ランドセルが記憶から消えている一因かもしれません。記憶に蓋をしている可能性。

 

同級生のご機嫌を損ねて「名探偵コナンごっこ」元太の役しかもらえないこともあったよ…… あれは鬼の所業だったな……

それはなんかよく分かんないな。

 

 

そんなこんなありまして…… 思い出に浸りつつ……

 

先ほどお見せした「勘ランドセル」が出来上がったわけです。

 

なんだかずっと見ていると、本物のランドセルの記憶が薄れてきちゃったな……

そうだね。答え合わせもしたいところだし……

 

次は本物と見比べてみよう。