さあ始まりました! 毎週木曜お昼の12時からは「ラジオ・ザ・ログボガルボ」のお時間です。パーソナリティーはわたくし、「史上初・自撮り棒を分割払いで買った男」こと萄葡号 れな(どうぶごう れな)がお送りします。

いやー、それにしても最近は「友達の友達に借りた海街diaryにマックシェイクこぼしちゃった」みたいな寒い日が続いてますが、みなさん体調は崩されてませんか? 私なんか毎日OS-1を模写してるのに風邪ひいちゃって、3日間も寝込む羽目になりましたよ。でも今は、ジュニアオリンピックを観ても死にたくならない程度には元気になったのでご心配なく!

 

ではここで、冬将軍を追い払うようなアツい1曲をお届け。フー・ファイターズで「Monkey Wrench」!

 

お聴きいただいたのはフー・ファイターズで「Monkey Wrench」。いやー、「行きつけの喫茶店でマスターが俺のトーストにだけDiscordのロゴの焼き目をつけてくれた」みたいな高揚感を感じさせてくれる曲ですね。なんだか初めてゆうちょ銀行の口座を作った時のことを思い出しちゃいました。

 

それでは早速、お便り紹介のコーナーに参りましょう! 今週のメールテーマは「今思うと謎だった思い出」。毎度のことながらリスナーのみなさんからたくさんのメールをいただきまして、ホント瑞器研清(ずいきけんせい、そんな四字熟語は無い)でございます。最初にご紹介するのは、東京都にお住まいのラジオネーム・あんこもちさんからのお便りです!

 

萄葡号さん、スタッフのみなさん、こんにちは。毎週楽しくラジオ聞かせてもらっています。今週のメールテーマは「今思うと謎だった思い出」ということで、私が高校生の頃の話を投稿させていただきます。

当時私は電車通学をしていたのですが、朝の電車でたまに印象的なおじさんを見かけることがありました。そのおじさんは年齢はおそらく50代くらい、スーツ姿で眼鏡をかけており、一見するとどこにでもいそうな会社員といった感じの人でした。ではなぜそのおじさんが印象的だったのかというと、彼の持っているビジネスバッグに巨大なマリオのキラーのシールが貼ってあったからです。

そのシールの大きさといったら、画用紙いっぱいに印刷されたキラーをそのまま貼っているのではないかと思わせるほどでした。それだけでも相当奇異な光景ですが、何より変だったのは、そのキラーが手をピースの形にしていたことです。

ご存知の通り、キラーの手は通常であれば固く握られています。ですがおじさんのカバンに貼られたキラーは、見間違いようもないほどにはっきりとピースサインを作っていたのです。

ピースしていることを除けば、そのキラーは普通のものと全く変わりありませんでした。標的を射すくめるような鋭い目、つやつやした弾丸状の身体、その側面から伸びた白い腕。その腕の先の手の形だけがささやかに、しかし決定的に異なっていたのです。

インターネットでも調べてみましたが、「ピースしているキラー」の画像など検索しても出てきませんでした。あのキラーは、おじさんが個人的に描いたものだったのでしょうか。それとも私が見つけられなかっただけで、「ピースしているキラー」はどこかに存在しているのでしょうか。そもそもなぜおじさんはそんなものをカバンに貼っていたのでしょうか。本人に直接尋ねる勇気もなく、私はいつもおじさんが都立家政駅で下車していくのを眺めることしかできませんでした。あのキラーの正体とおじさんの真意は今でもわからずじまいです。一体あれは何だったのでしょうか?

 

ほ〜〜、確かにこれは謎な話ですねえ……。では早速判定のほうに参りましょう! こちらのエピソードのジャッジは……!?

 

残念!! 不合格ということでステッカー獲得ならず〜〜〜〜!!

やっぱりトップバッターだからか、ちょっと渋めの判定になっちゃった感じはありますね。でも話の内容は良かったと思うので、ぜひまたお便りを送ってきてください〜! 責任が発生します。

 

続いては、兵庫県にお住まいのラジオネーム・ネッシーの貯金箱さんからのお便りです!

 

萄葡号さんこんにちは! 先週の放送で話されていた、屈斜路湖に身分証明書を全部落とした話面白かったです!
今週のメールテーマの「今思うと謎だった思い出」に投稿させていただきます!

2年くらい前のことですが、町中で古い知り合いであるAさんという男性を見かけました。Aさんは僕が10年ほど前にバイトしていた沖縄料理屋の常連さんです。年は当時で30手前くらいで、チベットから個人輸入したハンドクリームをe-maのど飴の容器に詰め替えて薬局に卸す仕事をしていると言っていました。でも僕が店を辞めてからはすっかり疎遠で、その後Aさんがどうしているかなどは知る由もありませんでした。

ところが、その日およそ10年ぶりに見かけたAさんは、顔も体型も服装も全てがそのままでした。10年前から全く見た目が変わっていないのです。過去からタイムスリップしてきたと言われても違和感のない姿でした。

驚きのあまり「すいません、Aさんですよね」と声をかけると、彼は振り返って「あれ、〇〇くんじゃん」と10年のブランクなどないような軽い反応を返してきました。挨拶もそこそこに「なぜ見た目が変わってないのか」と問いただすと、Aさんは理由を教えてくれました。

Aさんは「図書カードハートブレイク健康法」というアンチエイジングを実践しているといいます。毎月稼いだお金を一旦全て図書カードに換え、それでタワーを作るのだそうです。そして近所の知らない子供にそのタワーを壊させ、それを見た時の「ゾワッとする感じ」で細胞の老化を食い止めているのだといいます。この健康法に加え、食生活に気を遣ったり夜更かしをしないようにして、10年前から変わらない容姿をキープしているのだとAさんは言っていました。

正直、かなり疑わしい話ではありました。でも目の前のAさんに全く加齢を感じないのは事実です。僕が何と言ったらいいのかわからず呆然としていると、Aさんは「じゃあ、これからリハーサルあるから」と言って立ち去ってしまいました。それ以来Aさんには一度も会っていません。彼の話していたことはどこまでが本当だったのでしょうか?

 

は〜〜、これはまた興味深い話ですねえ……。それでは判定に参りましょう! こちらのエピソードのジャッジは……!?

 

残念!! 不合格ということでステッカー獲得ならず〜〜〜〜!!

この話が不合格とは、今回かなりレベルが高いかもしれないですね……。でもポテンシャルは十分だったと思うので、諦めずにぜひまたチャレンジしてみてください〜! 責任が発生します。

 

さて、気づけば番組も折り返し地点。そろそろいたずらなニンフどもがタバスコの瓶に手を伸ばす頃合いですし、ここらで景気づけの1曲いっちゃいましょう! フー・ファイターズで「Monkey Wrench」!

 

お聴きいただいたのはフー・ファイターズで「Monkey Wrench」。何度聴いても「東スポの記者が独学で作ったベビーカーがお急ぎ便で送られてくる」みたいな疾走感を感じさせてくれる曲ですね。なんだか持ってる布団を全部捨てたくなっちゃいました。

 

ではこの調子で後半戦も頑張っていきましょう! 続いては、福岡県にお住まいのラジオネーム・バドミントンサクリファイスさんからのお便りです!

 

萄葡号さん、スタッフ関係者のみなさん、こんにちは。「全国のラジオリスナーが選ぶ不良品のハンドミキサーを返品しに行く時に聴きたい番組ランキング」第3位に入賞おめでとうございます。次こそ1位を獲れるよう応援しています。
さて、未だに忘れられない子どもの頃の「謎だった思い出」を紹介させていただきます。

あれは小学5年生の夏休みのことです。その日私はプール教室に参加するため、通っていた小学校へ向かいました。ところが学校に着いてみると、人の気配が一切ありません。日時を間違えたのかと思いましたが、校門は普通に開いていましたし、昇降口には靴も散らばっています。一応プールや更衣室を覗いてみましたが案の定誰もいなかったので、校舎の方を探索してみることにしました。

しかし校舎内もやはり静まり返っており、職員室に先生の姿すらありません。これはいよいよ変だなと思い始めた時、職員室の隣にある印刷室から機械が作動する音が聞こえた気がしました。私は印刷室の扉を開けました。

そこには朱の盆(しゅのぼん)がいました。「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場する、真っ赤な顔に一本角を生やした妖怪です。朱の盆は私を一瞥するとコピー機を操作する手を止め、「少年」と言いました。

「少年、世界で一番美しい数式を知っているかい」
「オイラーの等式です」と、考える前に私の口から答えが飛び出しました。
「その通り」朱の盆は言い、コピー機のボタンを押しました。ガーッという音を立てて紙が吐き出されます。
「でもそれは過去の話さ」朱の盆はたった今印刷されたばかりの紙をこちらに差し出しました。
「今日からはこれが世界で一番美しい数式になるだろう」

私は朱の盆から紙を受け取りました。まだほんのり温かいそのコピー用紙には、こう書かれていました。

 

チョコミン党

 

気がつくと私はブックオフでネイマールの自伝を立ち読みしていました。なぜこんな本を、と思ってそれを棚に戻し店を出ると、クーラーで冷えた体に一気に汗が吹き出してくるのを感じました。雲一つない青空を見上げ、「今日はずいぶん暑いな」と思いました。いや、思っただけではなく、声に出してそう言ったかもしれません。なにせその日は、ほんとうに暑かったものですから。

 

ほ〜〜、これはちょっとすごい話ですねえ……。それでは判定に参りましょう! こちらのエピソードのジャッジは……!?

 

残念!! 不合格ということでステッカー獲得ならず〜〜〜〜!!

いやこれ、何がダメだったんですかね? 私は全然合格でいいと思ったんですけど……。今回は残念でしたが、ぜひまたお便りを送ってきてほしいです! 責任が発生します。

 

いよいよ今週のメールは次がラスト。未だ合格者は出ていませんが、ここから巻き返しなるのでしょうか? 最後に紹介するのは、岩手県にお住まいのラジオネーム・ルリドラゴンの世界で誰にも気づかれず枯れていくオジギソウさんからのお便りです!

 

萄葡号れなさん、はじめまして。タリーズコーヒーで持ち込んだ無限キャベツをこっそり食べながらこのメールを書いています。

突然ですが、私は先日「ゲオ」に行ってみようと思い立ちました。というのも私の生まれ育った地域にはゲオがなく、今まで一度も足を運んだことがなかったからです。実際、私の地元ではゲオはかなり馴染みの薄い存在らしく、ある時などゲオが「冥界の湖に巣食う5本足のワニ」だという根も葉もない噂が広まったこともあったほどでした。

ともかく、最寄りのゲオの店舗を調べてみたところ、地図アプリが指し示したのはどういうわけか海岸から3キロほども離れた太平洋上の地点でした。GPSのバグかと思いましたが、何度やり直しても同じ結果が表示されます。私は半信半疑ながらも、近所の製材所で廃棄予定のベニヤ板(チェンソーマンのアキとポケモンのサカキがシーソーをしている絵が描かれていた)をもらってボートを作り、海へと漕ぎ出しました。

途中、おやつに持っていった1本満足バーを「完全に失くす」(海に落としたとかではなく)というアクシデントもありつつ、2時間ほどボートを漕ぎ続けたところで目標の地点に到着しました。しかしそこには、ゲオはおろか陸地すらありません。やっぱりあれは何かの間違いだったのか、と落胆しかけた時、水面にぷかぷか浮かんでいるものがあることに気づきました。

それはエイの死体でした。エイは白い腹と死んだことをわかっていないような間抜けな顔を水面に晒す形で、海を漂っているのでした。

航海が徒労に終わったことにより、私が心中穏やかでなかったのは否定できません。ですが、それがこのあと私がしたことの説明になるでしょうか。私はエイの死体を拾い上げると、あろうことかその白い腹に、油性ペンで大きく「FREE HUGS」と書いてしまったのです。

なぜ自分がそんなことをしたのかは覚えていません。なぜなら次の瞬間、私は浜辺に横たわっていたからです。陸に戻ってくるまでの記憶はありませんでしたし、なんだか今回の船旅にまつわる全てのことが夢の中の出来事のように思えました。しかし、ポケットに入っているフタが開きっぱなしの油性ペンが、今日起きたことは現実であると物語っていました。

それ以来、筆算(ひっさん)ができなくなりました。ミルクティーを買っても全部流しに捨ててしまいます。仕事も手につかず、今は日がな一日「13歳のハローワーク」を眺めて過ごしています。読みはしません。表紙の少年が歯をむき出しにしていて怖いからです。萄葡号さん、私はどうすればよかったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけでエンディングのお時間でございます。実を言うと私、今日まだ1回も口呼吸してないんですよね。信じられないでしょ? こんなに喋ってるのに。でもこれが、本当にしてないんですよ。自分でもちょっと引きますよね(笑)。

当番組では、リスナーのみなさんからのお便りを大募集中! 来週のメールテーマは「シュクメルリが思ったよりも熱かった話」です。メールアドレスは、rtlgdoubugou.comまでどうぞ!(ブリトーのゴミをアットマークに変えてください)

 

ここまでのお相手はわたくし、「この世の全てのアンソロジーコミックに関わっている大工さん」こと萄葡号 れなでした! 来週もまた聞いてくださいね! それではさようなら〜!

 

コンコン!

ん?

 

ガチャ!

え、誰ですか?

 

ちょっと!? ブース内は立入禁止ですよ!!

 

えっ!?!? 何!?!? 普通に怖〜〜〜〜〜っっっ!!!!!!