1日目

廃人ロードに向かう道中、怪異に遭遇───

んじゃ始めていきましょう。キョン!孵化作業をするわよ!!

孵化に使う道ですが、ポケモンには『廃人ロード』(公式名称だとタマゴロード)という孵化作業に適した道があるんです。せっかくなんでそれに準じて……

 

秋葉原から池袋を廃人ロードとして設定してみました。

大体片道7キロ程度で歩数が13000歩ちょいになるのでバッチシにうってつけ。皆さんも現実で孵化作業をする際には是非。

 

てことで秋葉原に到着。

ここまでは最寄り駅から電車移動です。使わせてくれよ、「そらをとぶ」とかさ。

 

そんなこんなで歩き始めたのですが……

正直、不覚にも初日は浮かれちゃってました。ドラゴン、お前舟降りろ。

ナゾの緊張と高揚からポケモンの世界に入り込んだような気になって、『良い個体出るかな?』とか考えもせずに普通に歩くのを楽しんじゃった。

インターネット検証マソの風上にも置けない失態だぜ……

 

それが最も浮き出たのがこの行動。

命を扱う作業中にコイキングのたい焼き(税込み176円)を喰らってしまう始末。

 

流石にこれは……

気を引き締めて。

はい。

 

人多すぎてスカイアローブリッジからヒウンシティ前で引き返す理由が分かった

でもダメ過ぎるワケじゃなく、浮かれてたおかげで『良い気付き』も。

小さい頃のやたらと深い知識付ける前のポケモンの楽しさ、こんな種類だったなぁとぼんやり思い出せました。

 

金銀で初めて博士からタマゴを貰い、孵るのを今か今かと待ち続けるあの感じ。孵化をダレた単純作業として捉える前、純粋にゲームシステムを楽しんでいた頃をリアルで体験できてこれはこれで良かったです。そう、最初ってこんなカンジだよな。

 

んで、初日のジャッジ結果はこんな感じ。

出ないなと分かるや否や『そっか』とすぐ頭が次に切り替わった。これはいつも通り、慣れって怖い。

 

 

2日目

ワンピだったら間違いなく新世界で野垂死ぬ

この覇気の籠らないカオをご覧ください。

開始2日目にして気付いてしまいました。『孵化作業自体より移動の方が面倒』という嫌なリアリティを孕んだ世界のヒミツに。

 

『ポケモンの主人公も「そらをとぶ」で作業しに向かってる最中、こんなダレた気持ちだったのかな』とか勝手に想像しながら電車に揺られてました。

 

されど、着いてさえしまえばもう楽なモノ。

歩きながらしみじみと思ったのですが、やっぱり『廃人ロード』ってかなりすごいかも。徹底した実学教育、東京と千葉に4つのキャンパスを誇る某大学と同じくらいすごい。麦わらの一味とかにPR頼んだ方がいいレベル。

 

というのも、

廃人ロードにさえ着いてしまえば、やる事が単純化されてるから頭を使わなくていいんです。少なくともここではそう。小中学校の道徳の時間並みの気楽さで事を運べます。

 

だから作業中はアタマを空っぽにして、道沿いの妙に設置数の多い『おとくな けいじばん』とかにリソースを割けるし。

齢11歳でこれを狙って一定の場所で孵化作業に勤しんでたとしたらちょっと凄すぎるかも。チャンピオンの器足り得るわ。

 

そんで蓄積した疲労をいなすため、ちょいちょい休憩も挟みつつだけど、無事完了です。

なんだか日に日に主人公への尊敬の念が深まっていってる気がする。

 

今日もダメだったが、なんか平均が上がってきてイケる気がしてくる。

でもギリギリ惜しい個体値のポケモンしかでない『期』があるからマジで油断ならない。オカルトじゃないから、ほんと。

 

 

3日目

今これです。

 

現実での孵化作業一番の難題、

もしかしたら『掛ける時間から成る長期継続のむつかしさ』かもしれないです。

ゲームは何かの片手間にできるけれど、現実の孵化作業はかけなきゃいけない、1日の全てを。そう、一日の全てを投じなければいけないんです。出るまでずっと。ただでさえ自分事で皆忙しいのに。

 

そんな不確定にいつまで1日を投じ続けるのだろうと、行きの電車で急に怖くなり……

「ポケモン主人公がしていい形相じゃないだろ……」

と偶々撮影に付き合ってくれた友人に苦言を呈される始末。

 

それでもやらなきゃ終わらない。

世紀末の組み合わせだ

時折ポカリスエットと板チョコを食べて休憩しながらも、確実に歩数を稼いでいきます。

 

これまでは1日限りの職場体験のように、その日の作業内容ばかりに気を取られて『将来(さき)』が見えななかったので気付かなかったのですが、

現実での孵化作業の本質は『如何に長期継続のモチベを保つか』にありました。

 

ゲームとは違い、現実での孵化作業は肉体労働なため、片手間にやるのが不可能に近い。その上、ほぼ丸1日時間を取られてしまうため、モチベーションの維持がすんげぇ難しい。

 

よって、

如何に『モチベ維持』『時間の捻出』の2点をクリアし続けるかが長期継続、引いては理想個体を引き当てる一番の近道になってきます。……部活?

どう時間を捻出し、どう不確定な事情に身を投じる精神を作り上げるか。この事前準備こそ成功のカギそのもの。私が折れかけるワケだわ!!

 

ただここでギモンが1点。

チート能力を持たないなろう系主人公みたいな私が、現実での孵化作業に必要な『時間』『精神力』を確保できないのはまぁ、悲しい事に当然として、

 

何故ポケモン主人公はその2つを確保し、当たり前のように日夜孵化作業を繰り返すことができるんでしょうか。誰だ、お前は⁉

 

そこで、別に地獄から使者でもない友人に意見を貰ったのですが……

クラスメイトに絡まれ……

 

こんなカオなった

敗北……

 

絶望的な排出具合。出なさ過ぎてここ数日、家族間で如何に美味しくゆで卵食べられるかがブームになってます。

そういうゲームじゃねぇからこれ。

 

でも続けるしかない。やるしかねぇんだ。

オレはやるぜ オレはやるぜ そうかやるのか やるならやらねば

 

4日目

…………ケッチャコ

 

…………

 

…………