こんにちは。自動販売機詰まり映画研究家のオケモトです。
いきなりなんだ? なんの研究家だって??
そう思った方もいるでしょう。しかし僕は……
映画で自動販売機が詰まる描写が大好きなのです。
過去に2回、この企画で記事を書いてきました。
ふとした瞬間に気になりだして以来、このシーンの収集を続けております。
そして今回は、僕にとって大変悲しい出来事がありました……。
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』のジャン=マルク・ヴァレ監督がお亡くなりになりました。
いち映画ファンとして、ヴァレ監督が生む人間ドラマをまだまだ観たかったので、残念でなりません。当社スタッフ一同、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 pic.twitter.com/kz5aw66RrX
— ハピネットファントム・スタジオ (@Happinetphantom) December 27, 2021
一回目で紹介した「雨の日は会えない、晴れた日は君を思う」のジャン=マルク・ヴァレ監督の訃報……。
自動販売機が詰まるシーンだけでなく、映画としても非常に好きだったので、この一報にはショックを感じました。
そんなわけで少し悲しいムードから始まりますが、今回もオモコロをご覧の皆さんに、ここでしか知ることができない「自動販売機が詰まるシーンのある映画情報」をお届けします。
お相手は毎度おなじみ、オモコロ編集長の原宿さんです。
いやー、ショックです。
ジャン=マルク・ヴァレ監督がねえ……「ダラス・バイヤーズクラブ」とか良かったのにな……。
自動販売機映画の金字塔「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」が無かったら、今の僕はないですからね。
これはほんと、自動販売機が詰まらなければ成立しない映画だからね。
自動販売機が詰まったことに苦情を入れたら、そのオペレーターがヒロインだったっていうね。これほど自動販売機が重要な役割を果たす映画はありませんでした。
まさかこの映画が遺作となってしまうとは……。(※TVドラマでは「ビッグ・リトル・ライズ」という作品があります)
次回作にも自動販売機が出てきてほしかった。さて、今回も自動販売機が詰まる映画を集めてきました。質問サイト「コロモー」からも皆さんの協力をいただきまして……
■自動販売機が詰まる映画を教えて
https://coromoo.com/question/3507
7本!集めてきました。そして今回がファイナルシーズンになるかも……。
ファイナルシーズンなの!?
さすがにもう、自動販売機が詰まっている映画が少なくなってきているからです。
まぁそうだね。確かにもう「充分だな」という気はするね。
むしろ、こんなにあるとはという感じでした。皆さん、たくさんの情報ありがとうございました!
それでは行ってみましょう!
(※一部、映画のネタバレがあることもございますので、ご了承ください)
ゴーストバスターズ(2016年)
素粒子物理学博士エリン・ギルバートは世界初の心霊現象の科学的立証のため、日夜研究を重ねていた。
しかし、大学側に一方的に研究費を打ち切られたことをきっかけに、その知識と技術を活かすため、“幽霊退治”を行う会社「ゴーストバスターズ」を起業するが―。
最初は『ゴーストバスターズ』です。2016年の女性主人公バージョンですね。
リメイク版のやつね!
主人公は昔、超常現象について書いた本を出版していましたが、それは忘れたい過去であり、今は廃版になっています。しかし共同出版の友人の手により、いつの間にか再版されていることを知り、それをやめてもらうよう友人がいる大学の研究室に向かうシーンですね。
冒頭の方か。自動販売機が詰まるシーンは、なぜか映画冒頭に多いんだよな。
その大学の構内で、これは自動販売機の姿かたちは本当にちらっとしか出てこないんですけど……ガンガン!と自動販売機を叩く音がします。
え? 自動販売機映らないのに、詰まってはいるってこと?
はい。「なんだよこれ!金入れたのに出ないぞ!クソ!」って言って、自動販売機をガンガン叩いている…ということは確かなんですが、機械自体はほぼ映りません。
ほぼ音だけ。これはちょっと今までに無かったパターンだぞ。
恐らく、構内の騒がしさを演出するために入れたシーンだと思います。
なるほど! ちょっと荒れた大学の構内だということを表現するために自動販売機を詰まらせたと。
日本の映画に学校が出てきて、部活動の音が聞こえる……的な感じです。実際に、これからアビーとホルツという騒がしいメインキャラクターたちが出てくるんで、その雰囲気作りもあるのかもですね。
完全な舞台装置としての自動販売機の詰まりだ。なんと奥ゆかしい……。
ストーリーには全く絡んでこないので、評価はあまり高くならないのですが、「詰まり」にはこういう使い方もあるんだよという、新しい可能性を示した点は大きいと思います。
これだけ集めてもなお、新しい面を見せてくる自動販売機詰まり映画……。底が知れないな。
ジュラシック・パークⅢ(2001年)
前作、『ジュラシック・パーク ロストワールド』から4年、イスラ・ソルナ島はジョン・ハモンドの尽力により、恐竜の自然管理保護環境と同時に人間の立ち入りが禁止となる。
しかし、ある男に妻との結婚記念日に恐竜を空から見たいのでガイドしてほしいと依頼され、島には絶対に着陸しないことを条件にジョン・ハモンドは再びイスラ・ソルナ島へと向かうことになる。
次はみんな見たことあるんじゃないかな?『ジュラシック・パークⅢ』です!
これも大作だ。「3」はサム・ニールは出てるけど、スピルバーグが監督じゃないんだよね。
僕も観たことあったんですけど、まず自動販売機が恐竜の世界に出てたかなって? 全く記憶が無かったんです。
「3」は確かに「これ!」っていう強いシーンがないんだよな。「ジュラシック・ワールド」みたいに、カプセルに乗ってパーク内を移動したりしてくれないと覚えられない。
大作にしては、結構影が薄い作品ですね。で、自動販売機なんですけど、サム・ニール演じるグラント博士が恐竜がいる島に不時着して、逃げ回るうちにかつて使われていた研究施設にたどり着きます。
うんうん、あった気がする。
そこでお菓子の自動販売機を発見するんです。でも廃墟だから自動販売機も壊れていて、そこで真面目な奴がちゃんとお金を入れて買おうとするんですけど、「そんなんいるかい!」とばかりに、他の男が自動販売機を蹴破って中身を取り出すシーンです。
ちょっとした笑いになる感じだな。でもこれ……詰まってはないかな~!
そうなんです、正確に言えば「詰まり」映画ではないですね……。
壊れた自動販売機を蹴破るっていうのはちょっと違うよね。自動販売機が生きてないから。「死体」だから。
おっしゃる通り。ここには自動販売機と人間のコミュニケーションが成立していない感じがしました。
厳しいようだけどね。これはちょっと「自動販売機詰まり映画」とは呼べないな。
自動販売機が出てくるだけではダメだと。
自動販売機「なのに」詰まるっていうのが、怒りとか哀しみの感情につながるわけじゃないですか。お金を入れて、落ちてくるはずのお菓子が落ちてこないっていうモヤモヤが、「人生は思い通りにいかない」とかそういう映画的表現に繋がっていると思うんですよね。
確かに。
死んだ自動販売機を蹴破って中身を取り出すっていうのは、人間から見た世界でしかないから。これはちなみに何を取り出したんですか?
遠目でわかりづらいですけど、袋の色や摘んで食べてるところからしてM&M’sの可能性が高いです
やっぱりM&M’sなんだ。『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』でも詰まったのはM&M’sだったし、M&M’s売られがちだね。
なので、M&M’s映画としては集計しておきます。
一生続ける気か、このフォーマットを。
トゥルース・オア・デア~殺人ゲーム~(2018年)
「Truth or Dare」ゲームは、「指定された人がTruth(真実)かDare(挑戦)か選び、Truthの場合は正直に質問に回答、Dareの場合は言われた通りに行動する」という単純なもの。
しかしふとしたことから、ゲーム中に“嘘”または挑戦を“拒絶”した者は死ぬという呪いのゲームに転じてしまう。
次は『トゥルース・オア・デア~殺人ゲーム~』です。
おもんなさそ~~~~~~~~~。
原宿さん。
ん?
おもんないです。
冗談のつもりで言ったら本当に……。
「トゥルース・オア・デア」とは、アメリカのコミュニケーションゲームですね。真実を言うか挑戦するかみたいな。
絶対本当のことを言わなきゃいけないってやつね。で、そのゲーム中になんか禍々しいことが起こると。
そうです。
こんなこと言ったらダメなんだけど、ちょっともう上がってこない、気持ちが。
まあ、僕は自動販売機が出てればいいですから。この映画では、毎度おなじみの病院で出ます。
出た! 病院!! 自動販売機って、病院のシーンでめちゃくちゃ出てくるんだよな~。
これは殺人ゲームに巻き込まれて怪我をしてしまった仲間を、病院に連れて行ったシーンで出てきます。
あー、まだ怪我で済んでるんだ。
でも、ここまでで、すでに何人か死んでます。
死んでるんだ。じゃあ病院なんか行ったら絶対やばいじゃん。怖いシーンあるじゃん。
病院に行くと、霊安室っぽい部屋に遺体が安置されているシーンがあるんですよ。
死体まで出てきちゃうの!? これはもうだいぶやばいね。絶対怖いシーンある。
で、なぜかその遺体を置いた部屋の上半分がガラス張りになってて、その部屋を出た廊下で主人公が自動販売機で買い物するんですけど。
そんな死体の近くの自販機使うなよ! 食欲湧くかね?
喉の乾きが限界だったのかもしれません。そして、ちゃーんと詰まります。
もう完全に死体に何か起こるじゃん。絶対起き上がってくるじゃん。
ドンっ、ドンっ、と叩いて詰まりを直そうとするんですけど……
あ~やばいやばいやばい
ガラスの向こうの死体が起き上がって……
ほら~
こちらに向かってくる、っていうシーンです。
だいぶ大胆にやったなこれは。車のエンジンかからないよ~レベルのことをやってる。
どうしても死体を起き上がらせたいという意志を感じました。
「もうバレバレでもいい!」っていうね。
このタイプの演出は前にもあったんですよね。『ゾンビランド』で。
はいはい、自動販売機が詰まってる間に後ろから近づいてくるパターンね。これはもう様式美だから。この自販機使った人は、ここでもう殺られるの?
ここは、後ろに気配を感じて振り向いたらいない! ってことでいったんセーフです。
いいね、こういう緩急がやっぱりホラー映画っていいよね。見たくなってきた。
作品自体はあんまり面白くないんですけど、大胆な演出で詰まらせてきたということで、僕の中では評価が高い一本でした。
パラノーマン ブライス・ホローの謎(2011年)
死者と話せる少年が、300年前に封印された町の秘密を解き明かす。
次は『パラノーマン ブライス・ホローの謎』です。何と!初のクレイアニメ作品です。
あ!「コララインとボタンの魔女」のとこが作ったやつ!
結構有名なんですか?
ライカっていう会社が作ってるんですけど、クレイアニメのクオリティが信じられないくらい高いんですよ。「KUBO」とかも凄かった。
確かに途中で人形が動きすぎて、クレイアニメなのかCGなのか分からなくなりました。これは魔女にまつわる歴史がある街にゾンビが復活して、その騒動に幽霊の見える主人公が立ち向かうという物語です。
ついにクレイアニメで詰まったかー。「自動販売機詰まり」も、ここまで進出したかっていう感慨があるね。
皆さんの応援のおかげです。ゾンビが街の通りを闊歩してるんですけど、路地でお菓子の自動販売機の前にいた男がそれに気が付くんです。
お、危ないぞ。
ゾンビもその男に気が付いてゆっくり向かってくるんですけど、男はもう自動販売機のボタンを押しちゃってるんです。
ゾンビ来てるって!
自動販売機はリングに挟まってたお菓子が落ちて出てくるオーソドックスなタイプなんですけど、そのお菓子が一番後ろからゆっくり出てくるんで、なかなかその場を離れられないんですよ。
もうお菓子は捨ててー!
お菓子が出てこないのにゾンビが来る! まだ出てこない! ゾンビが来る! まだ出ない! という、やきもきさせるシーンです。
いいね、自動販売機の仕組みをうまく使って演出されている。
ただこれも……「詰まってはない」判定なんですよね~。
「クレイアニメに出た」っていう嬉しさで、甘めに見積もっちゃうよな。
そうなんです。クレイアニメにもこういうシーンがあるっていうのを歴史に残したさがあって紹介しました。
自動販売機映画の歴史においては重要な一作だよ。そんな歴史があるか知らないけど。
レオン(2018年)
食品会社「朝比奈フーズ」勤務の派遣社員、何ごとも悪く考える性格と言動で男性から相手にされない小鳥遊玲音と朝比奈フーズを率いるやり手だがセクハラ社長の朝比奈玲男はある日、自動車事故に遭遇。一命を取り留めるがお互いの心が入れ替わってしまう。
次は『レオン』です。
え!? ジャン・レノとナタリー・ポートマンのじゃない!?
2018年に邦画の「レオン」がやってるんです。
ウソでしょ? どういうこと?
元KARAのジヨンさん主演でやってたんです。
あの名作が先にあるのに、「レオン」ってタイトルで映画撮っていいの?
これ主人公が玲音という名前のOLで、原作漫画のタイトルが「レオン」なんですよね。
あ、なるほど。漫画が元なんだ。
社長とOLの体が入れ替わっちゃうという作品です。
損しかしてなくない? あっちの「レオン」を想起させちゃう道をなぜいく?
恐らく深い理由があるのだと思います。でもね、ちゃんと詰まりますよ。ジュースの自動販売機が詰まります。
よく考えたら、邦画で自動販売機が詰まるのって初じゃん! 記念碑的作品が「レオン」かあ……
なんで残念そうなんですか。これは体が入れ替わっちゃった社長(姿はジヨンで、中身は竹中直人)が自動販売機でジュースを買おうとすると、詰まっちゃうんですよね。
お、ストレートに詰まるね。
そこに吉沢亮が登場して、「こいつたまに機嫌悪くなるんだよ」って言います。そして自動販売機に耳を当てて、ヨシヨシと撫でると「ゴトンッ」とトマトジュースが出てきます。
ああー、これはすごい。
すごいですよね。
いや、本当にすごいよ。自動販売機を擬人化して、人間のように扱おうっていうところまで踏み込んでるんだね。
ついに詰まる側の自動販売機に人格が生まれ始めてます。自動販売機映画史においては、ターニングポイントになり得る作品です。「レオン」だけど。
「レオン」でさえなければ……。もうさ、「レオン」って聞いただけでジャン・レノの方思い出して、胸が締め付けられちゃうのよこっちは。
だいぶ本家に引っ張られちゃいますよね。
でもあっちの「レオン」とは客層かぶってないだろうし、いいのか……。
「レオン」に思い入れのない方は是非見てください。
ダーウィン・アワード(2006年)
その年最も馬鹿な死に方をした人物に贈られる実在の賞“ダーウィン賞”をモチーフにしたブラック・コメディ。
元警察プロファイラーのマイケルは、“馬鹿な死に方”の原因が遺伝子にあることを証明できれば多額の保険金が節約できると考え、保険会社へ自らを売り込みに行く。彼は変死担当の女性調査員シリと共に調査を開始するが……。
次は『ダーウィン・アワード』です。
あ、ダーウィン賞の話か。お馬鹿な死に方をした人に与えられる賞だよね?
はい、主人公はそのダーウィン賞のマニアという設定の映画です。
面白そう。
元刑事の主人公は保険調査員として、保険加入者の死因がダーウィン賞のような愚かな死に方だったんじゃないか?と推理していくんですね。
え? そうするとどうなるの?
死に方によっては保険の適応外となって、保険屋が儲かるんです。
死に方がバカすぎるとそれは自分の責任だから、保険が降りないってことか。
そんな中、自動販売機の下敷きになって死んだ人物が現れます。
単なる事故だったら保険金が降りるけど……
主人公は現場の状況から、被害者はお菓子の自動販売機の取り出し口から手を突っ込んでお菓子をくすねていたと推理します。
せこっ。
で、その浮いたお金で、隣にあるジュースの自動販売機を使おうとしたんです。こっちは簡単に盗めませんから。
やりたい放題だな、こいつ。
でもジュースの自動販売機が詰まって、出てこなくなっちゃうんです。
悪を成敗する詰まり!
手を突っ込んで取り出そうとすると挟まって抜けなくなり、これを思いっきり引き抜こうとして自動販売機が倒れて下敷きになって死んだというのが真相でした。
なるほど、自動販売機に弓引くものは悲惨な死を遂げ、保険金も出ないと……。
そういうことです。
これは自動販売機を丁寧に扱おうっていう啓蒙でもあるね。まず、自動販売機から物を盗むなと。
当然ですね。
そして詰まった時に、自分で手を入れて何とかするのはやめようと。助けを呼びなさいと。
前回紹介した「マザーズ・デイ」という作品でも、手を突っ込んで抜けなくなったシーンがありました。
人間の社会を豊かにさせている自動販売機を無下に扱うなという話ですね。今回のラインナップでは、全体的に映画の中で自動販売機の地位向上がはかられていることが伺える。
ストーリー的にも重要な使われた方をされていますし、もはや自動販売機はただ詰まるだけの存在ではないのかもしれません。
自動販売機に対する扱い方で、作り手の倫理観までが丸裸にされる。そういう時代がもうきている。
ちなみにこの映画、メタルバンドの「メタリカ」がガッツリ本人役で出てくるので、メタリカファンにもおすすめです。
地獄のデビルトラック(1986年)
彗星が地球に大接近。その影響かノースカロライナ州ウエリントンの町にコンピュータ、機械、クルマが勝手に動き、狂い出し人間を襲う。
最後は『地獄のデビルトラック』です。
あ、これけっこうカルト的な人気のある作品よね。
原作、脚本、監督がスティーヴン・キングなんです。
あのホラーの帝王が!
権利的に扱えないのかサブスク配信もしてないので、中古DVDを5000円で買うしか見る方法はないかと思ったんですが……
買ったの?
『ツタヤディスカス』に在庫がありまして。
ツタヤが自宅までDVD届けてくれるやつね。結構マイナーな作品もあるから助かるんだよな。
でもなかなか届かなくて、なんで?と思ったらツタヤディスカス内に「地獄のデビルトラック」は一本しかないんですよ。
えー! ツタヤも一本しか持ってないんだ!
それを2、3人が予約してる状態で、3週間くらいしてからやっと届いたんです。
貴重な一本だ。今に「地獄のデビルトラック」を自由に見る方法はなくなるかもしれない。
サブスク頼りだと、意外に好きな時に見られなかったりするんですよね。
書籍とかもそうだけど、クラウドが発達しすぎた結果、意外とフィジカルが大事っていうことに気付きつつあるよね。
「地獄のデビルトラック」の冒頭では、彗星が地球に大接近して地球を緑の光が包みます。すると機械たちが狂いだして人間に牙をむくんです。
機械の反乱。このAI時代に見るのは結構タイムリーかもしれない。
で、最初の機械たちが狂いだす描写の一つに、野球少年たちの試合のシーンがあって。コーチがジュースの自動販売機にお金を入れるんですけど出てこないんです。
ここもやっぱり「冒頭」にくるんだね。
コーチが取り出し口を覗き込むと、スコーンってジュースの缶が飛び出すんですよ。
頭に缶が当たって、めちゃくちゃ缶の丸い形に頭に傷がついて倒れちゃいます。
面白い。丸い跡はついてて欲しいもんね、そこは。
野球少年たちが「どうしたどうした!」って近づいてくると、自動販売機からスコスコスコスコスコーン!って缶ジュースが沢山出てきて襲い掛かるというわけです。
自動販売機自体が意志を持って人間に襲いかかる……。なんか前回までは、自動販売機が詰まることで人間サイドに変化が起こるっていう感じだったけど、今回紹介したラインナップは自動販売機サイドに自我を感じるね。
機械を人間の都合で好きに使っていると、「地獄のデビルトラック」のように反乱を起こして大変なことになるぞという警鐘なのかもしれません。
自動販売機も社会の一部として、大切に扱おう。
まとめ
なるほど、「ファイナルシーズン」という言葉の意味が分かった気がした。
相当振り絞った感がありますよね。もうこれ以上、まともに自動販売機が詰まる映画っていうのは無いんじゃないかと。
あとはこれから作られる映画で、自動販売機の詰まりがどう描かれるのか。詰まるパターンは分かってきたので、これをどう裏切っていくかが今後は問われることになると思う。
新進気鋭の映画監督の皆さん、自動販売機映画というジャンルの未来はあなた達の手にかかっています。もし「自動販売機が詰まってたぞ!」という映画を見つけましたら、質問サイト・コロモ―に投稿するか、オケモトまでご連絡ください!
そんなジャンルはないんだけどね。
またいつの日か、お会いしましょう!
コロモ―
https://coromoo.com/question/113528
オケモトTwitter
https://twitter.com/oke_hiro